『読みました』報告スレッド その2

このエントリーをはてなブックマークに追加
311書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
福沢諭吉「福翁自伝」を読む。
激動の幕末から明治初期に生きた偉人の自伝(聴き語り)だけあって、
「冒険もの」を読む感ありの面白さにも富む作であった。
かねてから、スクールのテクストで福沢先生の迷信否定の思想を顕現した
エピ「稲荷様の神体を見る」を読んだ際、自伝全編を読むたく思うて
いたのだが、遂に念願「果たした」という次第。
私大入試最難関校、本邦を代表する大学のひとつとなった慶応義塾の創始者
だけあって、「偉人」であるのは間違いないとしても、
その人間臭さ溢れるエピと述懐には魅せられるものがある。
塾生(及びそのOB)ならずとも、一読を薦めたい人生指南の書であると
言い得る。
綺麗ごとでなく、旧幕陣営にも新政府からも距離を置き、しかも表立っては
逆らわず、「事」(塾の確立、翻訳事業等)を成し遂げた福沢先生の「処世術」、
これは今も見習うべきものがあろうかと思う。
我ら凡人が先生が如き、機を見て巧みな動きを出来るか否かは、
甚だ以って疑問とは言えるが。
余談ながら、勝氏の「氷川清話」を読んだ時にも思うたのだが、
この「自伝」でも榎本武揚評は芳しくない。
(勝氏と福沢先生の仲はさほど良くないはず)
今でも人気がある2人の偉人に批判・低評価された榎本という人物、
彼氏サイドからの言明も読みたく思うた。
文献紹介を乞う。