『読みました』報告スレッド その2

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227書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
久々にアガサ・クリスティー「ひらいたトランプ」を読む。
いまだにコントラクト・ブリッジのルールは不明だが、
やはり作品そのものは、まずまず面白いものと言い得る。
ルックス的にも黒化したバンコランとも言い得るシャイタナの存在感が
物語序盤で退場(第一のガイシャゆえ当然だが)するにもかかわらず、
全体を通じて存在感抜群。本作に限れば、バトル警視は勿論のこと、
あのエルキュール・ポワロ、本作がデビュー作であるオリヴァ夫人、
(殺人現場に遭遇してすすり泣く彼女ってのは、後年の再登場時からは少し
想像し難いものがある。歳はいっているが美人設定なのは映像化作品どおりか)
をも圧倒するものあり。
犯行トリックそのものは、第一も第二も(この間にも他者による未遂のエピは
挿入されるが)、ザングウィルのあの早業トリックのバリエーションという
感あり。
思えば、ジョンの赤後家、エルのオランダも「この線上」にあるのではないか?
アガサの本作(地味だが、HM文庫初期に刊行される程の作ではある)も
含めて、いずれも本格御三家の代表作のひとつと言い得る程度の作ではある。
今、私は全ミステリファンに言う、
あのザングウィル作品を心して読めと!!!!!
しかし、ポワロがあのオリエント急行殺人事件の凶器をもらい受けてコレクトしていたとは・・・しかもネタばれ気味な台詞有り。
改めてネタばれ解禁の正当性を認識した次第である。