【推理パズル 総合スレ】第16回モナギコ蜘蛛の会
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「運命のエレベーター」出題篇3/3:
「運命のエレベーター」出題篇3/3
最後に、あの駆け込んで来た中年男性が口を開くと妙なことを話しだす。
「私は山田といいます。それにしても人生はエレベーターに似ていますね。上がったり下がったり、そしてこんなふうに予期せず止まることも。
私の人生も実は3年前に止まったきりでしてね。
私の目の前で娘が車にはねられて亡くなったんです。そのままひき逃げでした。
あのひき逃げの運転手の顔だけは今でも目に焼き付いて離れません。
気が動転していてナンバープレートまでは見ませんでしたので娘を殺した犯人はいまだ捕まらないままなんです。
でも運命っていうのは不思議なもので、予期しない場所で予期しない人物と再会してしまうものですね」
山田と名乗る人物がそう話しているうちにエレベーター内の電灯がパッと消え暗闇に覆われた。
とたんにキャッと叫んだのはおそらく紅月くららであろう。
それと同時にウッといううめき声とともに何かが倒れる音も。
数秒後、「今動きますから」と外から作業員の声がするとパッと明かりがつきエレベーターが動き出した。
しかし明かりの戻った箱内の光景に思わず誰もが固唾を呑んだ。
山田と名乗った中年男性の背中に五十嵐老人が持っていたあの鋭利に折れた杖先が刺さっていて、扉に寄りかかっていた。
エレベーターが次の階に着き扉が開くと同時に山田は外にばったり倒れた。
心臓をひと突きされていて即死だった。
警察の調べでは、杖には五十嵐老人の指紋しか発見されなかったという。
さて、山田と名乗った中年男性を殺害した犯人は誰なのか?