エラリー・クイーン&バーナビィ・ロス〜PART7〜
916 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :
シャムが当初は国名シリーズのネタでなかったというのは、わりと有名な話では?
だから、挑戦状を入れる構成がされていないのであろう。
さて、ネタばれの必要性に関して、エル作品を例に取り上げ簡単に述べてみたい。
「Yの悲劇」の文学的可能性(特に沙翁作品を念頭に置いた観点から)を述べる場合に、
業病を因とした思われる少年犯罪、悲劇の裏に潜むオトナ(死んだ当主)の知恵、
ラストのレーンの沈黙(レーンが犯人を始末か)等、この辺に具体的に触れずして語れない。
また、「エジプト十字架の謎」をバイブルのカインとアベルの喩えとする論を語る場合に必然的に
兄弟殺しの点に触れずにはおれないであろう。
また、
ミステリ作法のテクという面からも、禁じ手である探偵=犯人のバリエーション論の展開おいても
フランス白粉(私立探偵)やギリシャ棺(刑事)の犯人に触れて当然かと思う。