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書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :
アガサ・クリスティー「杉の柩」を読んだ。
うーん、締めがポワロによる強引なメロドラマって感じで頂けない一編
という感が強い。
ミステリとしては、
犯人はガヤにいる人物で、厳密にS・Sのルールに照らせば反則気味だし、
何よりも後出しの事実が多く、ストーリー上強引過ぎる偶然性が
目立つのも難だ。
ただし、犯人キャラが最近の日本の事件(2つ)を想起させる面白さはあり、これはクリスティー作品に登場するようなキャラが遂に現代日本で
現実化したちゅーことやろうか。
依頼人となるロード医師の「おぼこ」ぶりはポワロと出会った
当時のヘスティングス(この名探偵の「最愛の人」でしょ。
原作では共演が少ないのが残念。
この点でテレビシリーズは「もっと沢山一緒に仕事をしたかった」という
2人の願望(ファンの願望でもあるか)を実現したものとも言える)
ポワロが飛び込みに近いこの探偵仕事を請けたのはこれも理由のひとつかも、
「どこかあの頃のあの人に似ている」ってやつ。