『読みました』報告・海外編Part.4

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892書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
エドワード・E・ホック「夜の冒険」を読んだ。
早速だが大好評な連載「収録作品全話講評」逝ってみよう!!!
イェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイ!!!
・「フレミング警部最後の事件」
初学者なら十分に楽しめるレベルかとは思うが、
俺レベルの読み手からだとサイコ・ミステリ的オチがやや見えるのが難か。
・「どこにでも見かける男」
この話のオチ自体はまあまあなのだが、
後の収録作品に類似パターンのオチ(サバナ・ビッチ!)があるのは頂けない。
あとがきによれば自選作品集とのことだが、
同傾向と思われる(特にオチ)複数作品の同一作品集収録は避けるべきでは
なかったかと思う。
・「私が知らない女」
とにかくオチが見え見えなのだが、ホックはわざとそれを承知で書いている気がしないでもない。
しかし、マジで真相に気付かないとしたら、主人公はねらー級な真性アホ
でしょ(w
・「夜の冒険」
完全にウールリッチしている作。まあ、作品中に設定されたデッドラインは
緩やかなものだが、小品ながら哀愁漂う作である。
・「影の映画祭」
エリック・アンブラーかおな一編。それなりに読ませるが、
やはりこの手の作はホックの本領ではないという感がある。
・「くされ縁」
これはダールとか書きそうな作だ。ホックの多彩な作風をあらためて実感させる一編で、サム・シリーズにもある作者の戦争観がかいま見えるようなのも
興味深いものあり。
・「正義の裁き」
ホック短篇に見受けられる「異国もの」の一編。
このイリーガルな結末では具体的な国名は書けなかったのかと思いきや、
後の収録作品ではもろに国名が出てくる作あり。