『読みました』報告・海外編Part.4

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205書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
ウェンディ・ムーア「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」。
ブッククラブに顔出しした際に面識があるドクターから「自分のようなものが読んで面白い
ミステリアスな本はないか?」と問われた時に推した作である。
「喪前のような奴にはこれがいい、心して読め!」と。
死体盗掘も辞さなかった後の解剖学の大家ジョン・ハンターの正にタイトルどおり「数奇」な人生を
描いたのが本書である。
器用な力技を持ったおのことでも称すべきジョンを中心に黎明期の英国外科事情がグロくも
強烈な描写で綴られてゆくのだ。
数々の解剖における実績のみならず、移植手術(歯)も除細動器の使用(ライデン瓶を利用。
注・・・雷電為右衛門ではない(w )も実はこの人物が先駆者なのである。
ジョンへの嫉妬から遂にはアンチな伝記本まで書いてしまうジェシー・フットという外科医
のキャラなど、矛盾した表現かもしれぬが正に2ちゃんねる前の2ちゃんねらーとでも称すべき
粘着ぶりで興味深いものあり。
(原著者は本当はジョンのサークル仲間になりたかったのかもと推測している)