『読みました』報告・国内編Part.5

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952書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
笠井新也「阿波の狸の話」を読んだ。
狸エピ以外の「阿波伝説物語」も併録されている。
しかし、本書で紹介されたエピを読み進むにつれて、
四国では狸=妖怪(の代名詞)なのかと思うぐらいの幅広い活躍ぶりに
驚かされるものあり。
他地方では狐、カワウソ、河童、天狗等が分担する怪事、
それどころか、小豆あらい、ぬり壁等の妖怪の仕業とされそうなものまで
含めて、阿波をはじめとした四国では全て狸が一手に担当している感あり。
狸憑きという話はあまり他地方では耳にしないし、
水辺の怪事は普通河童やカワウソの仕業とされるのだが。
策謀ありの仁義なき戦い風の狸合戦や狸が神として祭られる話も四国ならではかと思う。
まん昔好きでもある俺には、とても面白い本であった。
出来得れば、狸伝説の流布に関しての詳しい謎解きも読みたかったところか。