『読みました』報告・国内編Part.5

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250書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
ロバート・ルイス・スティーヴンスン&ロイド・オズボーン「難破船」を読んだ。
晩年の作、しかも共著ということもあってかあの「宝島」の興奮、もう1度とはいかないものの、
凡百なミステリ作家など足元にも及ばない人物造型の確かさは「さすが」としか言い様がないもの
がある。ただし、ポケミスとして刊行されながら直接い冒険・ミステリに関連する挿話は三分の一
程度に過ぎず、登場キャラの来歴を語り過ぎて冗長になっている面があるのは難と言い得る。
最終章に述べられた作者のミステリ批判を見れば、単なる謎解きのみに終始した作に
したくないゆえの試みとも理解は出来るが、
終盤の畳み掛けるような真相シーンは巻を置かせぬ迫力に富むだけに、もっと絞り込んで書けば
傑作海洋冒険ミステリ足り得た可能性があるのが惜しまれる。
結構。残酷な面があるにもかかわらず、この時代にしてあっさりと勧善懲悪を排した展開にも
驚かされる。
主人公の生涯の相棒ピンカートンのネーミングは、やはりあの探偵社から取ったのであろうか。
251名無しのオプ:2008/08/31(日) 11:55:59 ID:K3EDIEZH
良作なら内外を問わずに紹介してくれる書斎は貴重だな。
海外スレが読後感の荒らし攻撃で潰された今となっては尚更。