【新世界の】貴志祐介は語る・拾参【髪となる】

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756名無しのオプ
>>748
「この日わたしがやろうとしていたこと」
この言葉が、大人になった主人公が書いているにせよ、
バケネズミの正体の知・不知に関わらずあの行動に走ったということの根拠にはならない。
「この日やろうとしていたこと」というのは、
バケネズミの正体を知った故に「やろうとし」たのか、
バケネズミの正体を知らずとも「やろうとし」たのかはわからない。

例えば、君が手記を書いているとする。君はA子ちゃんと付き合っていた。
君はA子ちゃんがトイレに行っている間にA子ちゃんの携帯を勝手に覗いてしまった。
その時にA子ちゃんが浮気をしているがわかった。君はこの日に別れることを決意した。
帰り際に別れ話をもちかけるつもりだった。
A子ちゃんは帰るときに、「わたしのお腹の中にはあなたの子供がいるの」と言った。
そこで君は現実の世界の手記で
「そのA子の言葉は、この日わたしがやろうとしていたことを考えると
わたしの心をはなはだしく痛めつけた」と書くことができる。
手記に、浮気をしていることが分かった描写があっても、
浮気発覚前に別れる決意をしていた描写が無い限り、
君の手記の言葉だけを見ても、浮気の知・不知に関わらず別れるつもりだったのかどうかは分からない。