>>678 読み手が同調するべきだとは言ってないんだけど・・あくまで同じ情報量だと言いたかっただけなんだけど。まあいいや
>色々知ったからこそ他の新世界の人間よりもバケネズミに対して同情的だった
全くそうは思わない。むしろ、他の人間よりも色々知っていてその程度か、としか思わなかった。
ス「およそ知性を持った存在には、等しく権利が与えられるべきではないでしょうか?」
奇「良好な関係とはいったい何でしょうか?
我々は人類に対して忠誠を誓い、山菜の幸を献上し、役務を提供し、ようやく生存を許される立場です」
ス「些細な理由で逆鱗に触れればたちまちコロニーごと消滅させられる運命です。奴隷よりも悪いかもしれない。」
ス「我々はまるで淀みに浮かぶ泡沫のように不安定な存在です。
そこから脱したいと願うのは当然のことではないですか?」
これほどまで多くのバケネズミの本音を聞いておいて、また実際に人間と遜色無い知能をまのあたりにしておいて、
「頼みたいことがあるの、あなたが殺した人たち全員に対して、心の底から謝罪して」
と最後にスクィーラに対してよく言えたもんだ。
主人公がしてきた数多くの経験、人類の愚かさの象徴である暗黒の歴史、バケネズミ達が腹を割って懸命に話してくれたこと、
それら全てがこのセリフによって意味をなくした。
スクィーラの最期に対する配慮はバケネズミの正体を知ったからこそのものであって、
別にこの主人公でなくともこのことを知った他の人間でも為し得たこと。
しかもその正体を知った最後もやっぱり愧死機構が発動しなかったあたり、
結局バケネズミをバケネズミとしてしか捉えることができなかったことになる。