横溝正史 -第十五章 本陣の悲劇-

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623名無しのオプ
横溝正史はよく知らない土地を舞台にするということが得意ではなかったようですしね。
岡山舞台の場合は島とか村といった、東京ほど早くは開発の進まないような閉鎖空間。
つまり自分が疎開時代に見聞きした戦後すぐの状態からさほど文明の進んでいない状況を設定できます。
東京舞台ならば自分の住んている土地なので問題はありませんし、
信州舞台ならば別荘地のようなこれまた特殊な空間です。

大阪のような戦災後大きく変貌しているとわかっているような土地を
自分で見もせずに勝手に想像して適当に書けるような作家じゃないんですよね、横溝は。
乗物恐怖症の正史が大阪を取材旅行するなんてことは考えられませんし、
ましてや某二階堂じゃあるまいし「この話は過去を舞台にしています」なんてパターンを
何度も繰り返すこともできないでしょう。