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書斎魔神:
『スポイル』と『取り込む』は違うでしょ。
ノーベル賞作家や歴史的なSF作家に映画用の原作やシナリオを書かせてしまう
ハリウッドはやはり凄いと言わざるを得ない。
本格ミステリとは異なり、台詞と行動をメーンとした内容のため、映像の素材として好適と
判断されたハードボイルド・ミステリだが、これゆえに作家たちの悲劇も生じたという
感がある。
チャンドラーの例は有名だが、ハメットも影なき男シリーズの原作者でありながら、
自身の手になるものは1作のみに終わった。
『ハメット』は、原作(ジョー・ゴアズ)も映画も普通にハードボイルド・ミステリを
楽しむというよりは、ハメットファン(オタか)向きの作。
ハメットの伝記あたりまで愛読する者であれば、それなりに面白く見られるであろう。