読解力が低いと
>>153のような内容のレスを書いてしまうという典型例である。
「幽霊の顔」「月世界の女」「妖婦の宿」「魔笛」…この辺を見ればわかるとおり、
木君の短編には怪奇・猟奇等を強調したストーリー主体のものが多く存し、
時代性の違いはあれど、ネタそのものは大乱歩が書いてもおかしくはないものである。
質量共に検証すれば、短編怪奇探偵小説で大乱歩の後継足り得たのは、やはり木君
であったと言い得る。
長編に関しては、多彩な作品を著した木君だが、
(「人蟻」「誘拐」「破戒裁判」そして歴史ミステリ三部作等、大乱歩の守備範囲外の作を
書けたのも彼氏の強みであって、少年時代の禿人を熱狂させ得る作家だったのは理解
出来る)
初期の「刺青殺人事件」「能面殺人事件」「人形はなぜ殺される」等は、トリックの趣向
を活かすのみならず、怪奇・猟奇を描くサスペンスストーリーにかなり力点を置いて
書かれていることがわかる。(この辺は、ビッグ4(F4ではない(w )のひとり
鮎の長編作品と読み比べると、その違いが歴然としている)
習作とはいえ「火縄銃」等も書いた大乱歩ゆえ、刺青のような長編を評価(ショック?)したのもわからぬではないが、最初期の一部作品等を除いて、やはり大乱歩の本領は
怪奇・猟奇なサスペンス・ストーリーにあった言い得る。
例えば、メーンが同じネタである横溝御大の「黒猫亭…」と大乱歩の「石榴」を比較した
場合でも、前者が怪奇な発端ながら最終的には端整な謎解きミステリで終息するのに
対して、後者は「おい、おい…」という感じのサスペンスフルでトンデモな展開
(「怪人二十面相」の作者らしくもある)、これぞ大乱歩の魅力である。