『読みました』報告・国内編Part.4

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320書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
原武史「鉄道ひとつばなし2」を読んだ。
著者のどこか文学的筆致が良、好評だった前作も同様だが、
本書もトラベル・ミステリファンには必読な鉄道ネタが満載である。
特に第七章(「鉄道の明日を思う」)にある「一分の盲点」は、正に「鮎の世界」そのもの。
著者は、マニアックな鉄オタにあらず、「鉄道」という交通機関を通して「文化」
を洞察するというスタンスなのが、私のような一般的な読書人にも面白く読めるもの
となっている因であろう。
今では歴史ミステリの素材足り得る第一章「天皇と東京」は、
鉄道を通して官と民の問題を取り上げており、著者の専攻が活かされた読み応えが
ある作となっている。