横溝正史【貸しボート十三号】

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164書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
>>162のレスは近視眼的偏向が酷過ぎる糞レスと言い得る。
>由利先生と三津木俊助も大阪まで調査に出向いており、謎解きも大阪で行っている。
まず、蝶々に関してだが、一読すればわかるとおり、メーンな舞台は東京であり、
上記のレスは部分的な面を捉えているに過ぎない。
>さらに言えば、「悪魔が来りて笛を吹く」では、全30章のうち、7章が須磨・淡路の
>調査行に費やされている。
>須磨は神戸から目と鼻の先であり、同行した出川刑事は神戸・新開地(横溝正史生家の
>すぐそば)まで調査に赴いている。
笛に関しては、発端となる事件を見てもわかるとおり、
東京を舞台にした館もの(椿家)的趣向を持つ作と見るのが通常である。
このレスも作品全体を見ていないアホなものと言い得る。

こうして見て来ると、意識すると否とにかかわらず、御大の内面に自己の「関西人的もの」
を嫌悪までゆかぬまでも、忌避するものがあったやにも思えて来る。
しかしながら、舞台を関西に取るか否かには関係なく、御大の関西人的こってり感とでもいったものが、代表作と言われる作品群(岡山もの、信州もの)にはひときわ精彩を
与えているのは否定出来ない事実ではある。
後期の金田一東京ものが迫力不足な感があるのは、作品そのものの出来栄えが劣る面のみ
ならず、この関西的こってり感が払拭されつつあったという面も指摘出来よう。
(「スペードの女王」「死神の矢」「扉の影の女」等の作にこの傾向が顕著である)