エラリー・クイーン&バーナビィ・ロス〜PART5〜
926 :
書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :
変なオタが乱入して荒らしているようだな(w
D坂、心理試験等の大乱歩の初期短編には当時の庶民生活が活写されており
(清張先生が惹かれた点でもある)、字で書いたパズルに徹した初期エル作品とは別物である。
また、三島先生の論には触れず、苦し紛れに笠井潔とか出て来ている時点で終わっていると
言い得る。
集英社世界文学全集では、その作品セレクションには疑問な点もあるが、
クリスティ(「ABC殺人」)、アンブラー(「あるスパイの墓碑銘」)、ケイン(「郵便配達は・・・」)で
1巻編まれている。
刊行当時の作家のセレクションとしては妥当なものと言えよう。
(この点で、エルは真っ先にオミットされるべきミステリ作家である)
(クリスティは「オリエント急行殺人事件」、アンブラーは「デミトリオスの棺」の方がいい)
クリスティの書く人間ドラマが類型に走りがちな点に恨みは残るものの、
この3人の作家は、ミステリ中で人間及び人間ドラマを描くことを意図していた点は評価したい。
エルの例でいえば、後期にはライツヴィルもの等で人間ドラマを描くことを、
「ガラスの村」等では社会性を付与した作を試みたが、成功には至らず終わったのは
よく知られたところである。
稀代のパズラーであるエルは正に「文学」という高みを目指し、その前に屈したと言い得る。