エラリー・クイーン&バーナビィ・ロス〜PART5〜

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820書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
初学者に対しても、オランダ>フランスが当然でしょ。
ローマ→フランスと刊行順に読む手もあるが、「エルってこんな程度?」という感を与えかねない。
ローマはポイントとなるレッドへリングが、観劇の習慣が無い日本人には極めてわかり難いもの
であるし、フランスは前述したとおり、論理で落とし切れず、最後にひっかけに走った点が弱い。
怪奇、メロドラマ等の装飾を廃し、舞台も吹雪の山荘、田園の大邸宅等クラシックなミステリで
おなじみの大仰なものでなく大都会に置いたエルの本格ミステリが内容的にも見事な
完成を見たのがオランダである。
足のサイズ、立位置等細部から詰めてゆく推理、アクロバティックな面もある犯行等、
まさに謎解きの面白さが堪能出来る作である。