第14回?モナギコ蜘蛛の会

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846名無しのオプ:2009/04/13(月) 19:13:17 ID:ZDoKuRGP
>>845
磁石の大小って関係あるのかい?

科学オンチなので自信が無いんだけど、鉄製のドアに外側から磁石をつけても
アクリル板や木の板と違って、扉を挟んでちょうど反対側だけに磁力が生じる訳じゃないよね?

鉄の扉全体が一枚物の磁石になってしまってドアの周辺部にしか磁力が発生しない
こう考えたのだけれども
847名無しのオプ:2009/04/13(月) 19:30:22 ID:w6cRTPr3
言っている意味がよくわからないが磁石は絶対無理
848845:2009/04/13(月) 19:50:53 ID:7B9+1BPU
あー、どうなんだろう。私のイメージとしては、磁化して原子の向きが変わるのは
磁石でなぞった周辺のみなのかと思ってたんだけど。
というわけで、私も中高大と物理とはほぼ無縁の世界に生きてきたド文系なので
グーグル先生に聞いてみたよ。
ttp://www.magnet.okayama-u.ac.jp/magword/domain/index.html
ttp://www.magnix.com/topics-02.htm
とかを見てみると、鉄材みたいな強磁性体の磁化は、外部から与えられた磁場と
同じ方向の磁区が磁壁を押し広げて起こる物らしいから(既にほぼ意味解ってないよ)
磁石を当てられてない部分までいっぺんに磁化するってことはないんじゃないかなぁ。
外部磁場が離れればまた緩やかに消磁していくみたいだし。
イメージ的には、ドアの磁石を当てられた部分が磁化して、その磁石化部分に
かんぬきの釘がひっつく、って感じだから鉄扉越しに操作するくらいはいけんじゃないかなー?
雰囲気としては下のリンク先の一番下のCGみたいな感じで、磁化したドア経由で
かんぬきを滑らせる感じ?
849名無しのオプ:2009/04/13(月) 21:37:40 ID:ZBIXisGM
ないことはないこともないこともないこともないこともないこともない
ってとこかね
850801:2009/04/13(月) 23:50:29 ID:hzXNXDjg
こんばんは。
あの、そろそろ解答貼った方が良いでしょうか?

というか用意していた解答は、まさに今話題のナニなんですけれど…
851名無しのオプ:2009/04/13(月) 23:58:16 ID:6LTdwPFX
>>850
そろそろいいかも
あと例のナニは気にしなくていいんじゃない?
ネタがかぶることなんて珍しくないんだし
852801:2009/04/14(火) 00:32:37 ID:+z04tYe+
解りました。では…

「本当かい!?」
私は思わず聞き返した。泥水はいつもの人差し指を立てるポーズで、
「もちろん」と自信満々に肯く。
「しかし一体、誰がどうやって?」柳原が怪訝そうに訊ねる。
「トリックの要は、」泥水は指を下に向けた。「この部屋の床です」
「床?」私は眉をひそめた。
「この部屋の床には、このように毛先の長いジョイントマットが敷かれています。
犯人はこのマットをずらして間に若干の隙間を作り、その隙間に自身の用意した
日本刀を、切っ先を上にして挟んでおいたのです」
そう言って泥水は、実際にマットの間にやや強引に刀を押し込んだ。確かに表面を
ならしてしまえばマットの起毛に包まれて、ぱっと見は刀が置いてあるとは解らない。
「犯人は被害者が朝食を取りに部屋を出た隙に、この恐るべき殺人装置をセットしたのです」
「でも、これでどうやって被害者を殺せると言うんだ?」
私の問いに、泥水は微笑んだ。「犯人は被害者が部屋から戻ってきた後で、部屋の外から
この装置を発動させたのだよ。…君が部屋にいる時、外から誰かにノックされたらどうする?」
私は首をかしげる。「どう、って。そりゃ見に行くよ。誰が来たのかドアスコープを覗いて」
泥水は私の答えに満足げに肯いた。
「そう、ドアスコープもまたこのトリックの重要なギミックの一つだったんだよ。犯人は
外から部屋のドアを叩いた。当然被害者は、誰が来たのかとドアスコープを覗き込むだろう。
その瞬間、犯人はある物を使って凶器を跳ね上がらせ、被害者を股下から撫で斬りにしたんだよ。
ドアスコープを基準にすれば、被害者がどの辺りに立つかは大体予想できるからね」
「だからその、ある物ってのはなんなんだい?」
勿体ぶる泥水に、毎度の事ながらそろそろイライラする。
泥水は片目をつぶって、ドアにコーヒーの缶を近づけて見せた。
「見てごらん。わずかだが、缶がドアに吸い寄せられるんだ。コーヒーの缶がスチール製
なのは君も知っているね。この鉄製のドアは、どういう訳か弱く磁気を帯びているらしい。
つい最近このドアが強い磁場にさらされた証拠だよ。…重要なのは、」
泥水は再び刀を手に取った。
「たいていの日本刀は鋼鉄製で、なおかつ強度を上げるために鉄芯が通っていると言うことだ」
853801:2009/04/14(火) 00:34:17 ID:+z04tYe+
「じゃ、じゃあつまり…」私は絶句する。
「そう。犯人はドアの上部に向かって非常に強い磁石を押し当てた。それに強烈に
引き寄せられた凶器の刃は被害者の身体を切り裂いて屹立し、ドアに叩き付けられたことだろう」
「そ…そんなこと出来るんですか?」
震える声で、しかし少し顔色が良くなってきたように見える詩織が訊ねた。
「普通の磁石では無理でしょうね。だが、…電磁石ならどうでしょうか?それこそ、
リニアモーターカーやMRIに使われるような超強力な電磁石を使えば、人一人に十分
致命傷を与えうる力に刀を与えることは可能でしょう。最近では冷却装置の小型化も進み、
病院などではキャスター付きで持ち運べる大きさの電磁石装置も登場していますからね。
…したがって逆に言えば、トリックが解れば犯人像は容易に絞り込めるのです。
つまり、このトリックを使用しうるのは、
(1)被害者の部屋の鍵を自由に開けられる人物=マスターキーを持ち出せるホテル側の人間
(2)被害者が部屋に戻ってくるのを廊下で待ち構えていても、誰にも不審がられない人物
(3)キャスターを使って持ち運ぶ程度には大きな、しかも電気コードの接続が必要な装置を、
誰にも不審がられず廊下に持ち込める人物…」
その全てに当てはまる人物の暢気な顔が、私の脳裏に浮かんだ。
「あの清掃員が!?」柳原が叫ぶ。
「――そう言えば、掃除機の音が聞こえなくなりましたね」
泥水が言うと、猪突猛進なフロントマンは慌てて廊下へ駆けていった。
854801:2009/04/14(火) 00:35:54 ID:+z04tYe+
バタンッ、という大きな音と共に扉が閉まり、一時の沈黙の後で詩織が口を開いた。
「あの。一度、自分の部屋に戻っていいですか」
構わないよなと私は泥水に訊ねる。泥水は微笑んだ。
「そうですよね。早くそのかんぬきを、自分の持っている何の細工もしていない物と
交換しなければならないんですから」
詩織の顔色が変わる。虚を衝かれた思いは私も同じだった。
「おい、どういうことだ?」
泥水は大げさに溜息をつく。
「まさか君、本当にさっきの与太話を真に受けているのかい?ならば君はとんだうつけ者だと
言わねばなるまいね」
「うつけ者だろうがお漬け物だろうがなんでも良いよ。つまり真相は別にあると?」
「…私が犯人だって言うんですか」
詩織は唇を噛んで泥水を睨み付けたが、それが虚勢であることは私にも解った。
「ああ。だからフロントマン氏にはご退室頂いた。密室自体は、実に簡単なトリックだ」
泥水はかんぬき棒を手に取った。
「ドアが磁気を帯びているのは本当だ。あなたは昨日、美里さんの目を盗んで近所の
ホームセンターに行き、ネオジウムのような強力な磁石と長い鉄釘を購入した。そして、
自分の部屋のかんぬきに釘を打ち込み、被害者の部屋に向かう。そして被害者を殺害した
あなたは部屋のかんぬきをすり替え、ドア越しに磁石を使った操作でかんぬきを通したんだ。
何度も自分の部屋で練習したんだろう。君はまだ磁石を持っているんじゃないか?そんな
強い磁石だ、無造作に部屋のバッグの中に入れるのは危ないからね。支倉君のチンケな時計は、
その磁石のせいで止まってしまったんだ。…殺意が生まれたのは一昨日の晩。トリックを
用意するための猶予はあった」
「でも!」私は食い下がる。
「彼女が犯人だとして、なぜ死体を真っ二つに?大体、詩織さんはこんな小柄な女性だぞ?
そんなこと一人で出来るもんか。動機は?密室にする意味は?旅行に来た後犯行を思い立ったなら、
刀は一体どこから出てきたんだ?」
「君は自分で考えると言うことが出来ないのか?」
泥水は皮肉っぽく笑った。
「簡単なことだよ。まず、彼女には死体を縦に真っ二つにしなければならない理由があった。
…死体の右手が強く握られていたのを君も見たね?」
ああ、と私は肯く。
855801:2009/04/14(火) 00:41:24 ID:+z04tYe+
「被害者は死の直前、詩織さんのジーンズの裾を掴んだんだ。血まみれの右手でね。
詩織さんは困った。返り血を浴びたパーカーは脱いでどこかに捨てるなり隠すなり出来るが
――彼女の計画には、一度自分の部屋に戻ることが含まれていたから、その時に
バッグに突っ込んだか…さすがに掃除のおばちゃんも鞄の中までは漁らないだろうからね。
だが、このズボンをはいたままで清掃員のいる廊下に出る訳にはいかない。そこで、被害者の服を
失敬することにしたんだが、…さっき見たところ、ジーンズはなかった。殺されたとき被害者が着ていた
一着を除いてね。部屋を出るときの格好をおばちゃんに見られているから全然違う物は着れない。
あなたは割り切った。血が乾かないうちに第一発見者になれば、多少ズボンに血がついても不思議じゃない。
…さすがに手形はまずいがね」
「じゃあ、つまり」
「そう。詩織さんは自分と死体のジーパンを取り替えたんだ。幸運なことに二人は同じような濃い色の、
地味なジーンズを着ていて血も殆ど目立たなかった。…問題なのは、やせている人は太っている人の服を
着られるが、太っている人はやせている人の服を着られないと言うことだ。無理にねじ込んだが、どうしても
ウエストのジッパーが上がらない。タイトめなジーンズが好みだったとしても酷い格好だった。被害者も
この服で朝食を食べに行ってるから、違う服を着せたら不自然だ。…それだけなら裸に剥いて風呂にでも
突っ込んでおけばよかったんだが、死体にはもう一つ問題があった。
本物の凶器による傷口さ。最初から日本刀で刺した訳じゃないだろうからね。被害者は死ぬ間際、詩織さんに
囁いたんだ。『お前は馬鹿だな。そんな物で刺すなんて。警察の捜査が入れば、すぐに凶器からお前に行き着くぞ』とでもね」
私は眉をひそめた。「一体、凶器は何だったんだ」
「おそらく、洋裁用のハサミだろう」
(「詩織は旅行先にまで洋裁の本と道具を持ってくるような生真面目な子」)
美里の言葉を思い出した。泥水は続ける。
「二つの問題を前に、詩織さんは閃いた。死体を服ごと真っ二つにすることを」
「そうやって、死体の傷とジーパンのサイズが合ってないことを隠そうとしたのか」
「ああ。詩織さんにはその時、傷口とジーンズをつなぐ、一本の線が見えた事だろう」
856801:2009/04/14(火) 00:45:00 ID:+z04tYe+
「だがしかし、その刀は一体…」
泥水はびしっ、と私を指さす。
「美里さんのゴルフバッグに入ってたんだよ。そしてそれこそが殺人の動機でもある。
…ポッケに入っていた半券からも解るように、美里さんは古美術に興味を持っていた。
以前ここに来たときに気付いたのか、はたまた風の噂に聞いたのか、彼女はここの料亭に
無防備に飾られた刀が、実は文化財級の業物であることを知る。美里さんの旅行の
本当の目的は、その刀を盗み出すことにあったんだ。ゴルフバッグには精巧に作った
レプリカが忍ばせてあった。彼女は一昨日の晩、誤って刀を落とした振りをして、偽物と
本物をすり替えた。すぐに立ち去らなかったのは、すり替えがバレないか見るためだろう。
…フロントマン氏の言うように彼女の企みは成功し、未だにすり替えに誰も気付いていない。
だが唯一の失敗は、友人に自分の手柄を吹聴してしまったことだ」
私は、万引きの話をしたときの彼女の怒り方を思い出していた。
「詩織さんは『窃盗』という物に殆ど生理的嫌悪と言っていいほどの抵抗と憎しみを持っている。
憎しみや怒りという物は、時に人をどんな行動にでも駆り立てるからね」
泥水は、蒼白な顔の詩織に言った。憎しみは人を駆り立てる。私の頭に、高瀬舟鈴加の顔が浮かんだ。
「気持ちは解る。あなたのお父上は泥棒に殺されたようなものなんだから」
詩織は目を見開いた。
「何故そんなことを」私も驚いて言葉を返す。
「調べたのさ。漆塚って名に聞き覚えがあってね。ウルシヅカ、なんて滅多にいる苗字じゃない。
彼女がU&S社長・漆塚公平氏の養子で、元を正せば彼の自宅に空き巣が入った責任を取って
自殺した執事の娘であることくらい、すぐに解ったよ」
詩織は息を呑み、それから力なくうなだれた。
「ま!まだあるぞ!密室の謎は!?」詩織とは対照的に、私はなんだか昂奮してきた。
857801:2009/04/14(火) 00:47:09 ID:+z04tYe+
「なぜ密室を作ったのか、かい?そんなもの謎でもなんでもないさ。当初の計画では彼女は窓を
開けておくつもりだったんだ。犯人が窓から逃げ出したと思わせるためにね。通用口には全て
監視カメラがあるし、自分の部屋にはおばちゃんを見張りに置いた。これで一度窓から外に出たなら、
自分はホテル内に戻ってこられないことになる。例の『切り裂きジョニー』の件もあり、
外部の異常者の犯行と判断されると踏んだんだ。トリックの目的は密室ではなく、アリバイ
だったんだよ。…だが、彼女は窓を開けることも、カーテンを開けることすら出来なかった。
――窓の外では、この僕が正親町警部と電話していたんだからね。
カーテンの隙間から様子をうかがい、彼女は窓を開けるのを断念した。鍵を開けるだけでも
かなり大きな音がするから、僕に気付かれることを恐れたんだ。…残念ながら、僕はその姿を
カーテン越しに見てしまった。勿論、シャワーで血を洗い流した後だったろうし死体も
見えなかったが、眼で解ったよ。僕らがよく知る、殺人者の眼だったからね」
最初から犯人がわかっていた。だから彼はこの事件に興味を示さなかったのか。
「…死体発見のドサクサに紛れて窓の鍵を開けるつもりだったんだな。だから柳原氏が
窓に回ろうと言ったとき、君はあんなにも狼狽したんだ」
私も合点がいった。泥水は頷いて、
「彼女は清掃員の目を盗んで部屋を出、ドアを叩く振りをしてかんぬきを通した。掃除の
おばちゃんに顔を見せ、自分がずっとホテル内にいたことをアピールし、服をバッグに詰め、
洗いたての髪で君を呼びに行ったわけだ。…君は彼女を華奢なか弱い女性と思っているようだが、
推理を完璧にするために僕はさっき、わざと彼女の肩を抱いてみた。たいした筋肉だったよ。
これなら自分より背の高い女を殺すことも、死体を切り裂くことも可能だったろうね」
「…殺す気は、なかったんです」
詩織の頬を涙が伝った。
858名無しのオプ:2009/04/14(火) 00:55:35 ID:fipMzZn+
>>852を見たときは焦ったw
859801:2009/04/14(火) 00:59:29 ID:+z04tYe+
「教えられたのは、一昨日の晩です。私は早く返してきなよって何度も言いました。
でもタッキーは刀を眺めながら『なんで?あんな偽物にも気付かない連中より、アタシが持ってた方が
この子のためだよ』って…確かに、私は先生が言った通りのことをやりました。…それでも今日、
最後の説得に彼女が応じてくれれば…。先生の前で刀の話をしたのも、彼女を揺さぶるためでした。
…ハサミを持って行ったのは、本気だと解って貰うためです。でもタッキーは…っ、私、カッとなって。気付いたら…」
泥水は、足下にへたり込んで嗚咽を漏らす犯人を見下ろし、私に向き直った。
「支倉君。僕は真相を警察に伝える気はないんだ」
「え…」詩織は顔を上げた。
「だろうと思ったよ」私は微笑む。この手の犯人に対しては、よくあることだ。
「さっきの推理はすぐに看破される。君が話せばいい。犯人はこの部屋のどこかに隠れていて、
君らが部屋を出た隙を突いて窓から逃げた。…それでいいね?」
「あ…ありがとう、ございます…っ。本当に…」詩織は言葉を詰まらせながら泥水に頭を垂れる。
「勘違いするな。君のためじゃない」
泥水は口の端に笑みを浮かべた。詩織の顔に浮かんだわずかな希望が、不安に曇る。
「君のお父様はたいそうな資産家でいらっしゃる。…哀れな使用人の娘で、義理とはいえ
自分の子である君のためなら金は惜しまないだろうし、娘が人殺しだと世間に知られたら
彼も終わりだ。なぁ支倉君。パトロンは多くて困ると言うことはないだろう」
絶望に引きつる詩織の頭をいやらしく撫で回し、探偵は言った。
「…それに、なかなかの美人だ。楽しい玩具になってくれそうじゃあないか。え?」
その言葉に、私も一緒に笑った。
860801:2009/04/14(火) 01:01:39 ID:+z04tYe+
というわけで、皆さんお疲れ様でした。
>>810さんが日本刀の正体に関して正解、>>811さんが動機がほぼ正解、
密室トリックに最初に至ったのは>>822さんですね。…こんな形ですみません。
>>828さんが詩織の身の上に関して、>>829さんは犯人特定の手がかりに
関して、鋭いの一言です。>>830さんは一言で切断の理由の核心を突いてくれました。
赤鰊の清掃員犯人説を唱えてくれたのは>>833さんだけでした。ありがとうございます。
>>834さん、伏線回収完璧です。「凶器を特定されかねないから切断」という点では
>>840さんも良いところ衝いていましたね。
一番お見事だったのは>>842さんですね。ほぼパーフェクト。
>>814さんのクレセント錠のトリックも、なんだか逆説的で面白いですね。
皆さん、推理の他にも色々ご意見ありがとうございました。

トリックはおばあちゃん家に行ったときに思いついた物で、正直「これはけっこう上手いんでないかい」なんて
自信があったりしたんですが、(メ欄1)ですか…。紙の上でも完全犯罪って難しいですね。
どんな物か、(メ欄2)みようと思います。

861名無しのオプ:2009/04/14(火) 01:08:01 ID:fipMzZn+
ちょwこの(859)終わり方はw
862名無しのオプ:2009/04/14(火) 01:22:03 ID:QNfnACE0
出題者氏本人の良い人っぽさと解答編の鬼畜っぷりの落差が酷すぎて
問題自体が実現可能かどうかなんてどうでもよくなりますた。
863名無しのオプ:2009/04/14(火) 01:39:13 ID:j3HiMcQa
心温まる結末だな
864名無しのオプ:2009/04/14(火) 01:56:48 ID:8ymX/sOA
出題乙でした。
難しくてまったくわかりませんでしたw
そしてこの終わり方・・・。純心なぼくにはきついです><
865名無しのオプ:2009/04/14(火) 02:14:47 ID:yESgNNqI
出題者さん乙
ちょっとハァハァしてくる
866名無しのオプ:2009/04/14(火) 08:36:46 ID:2wQ2KCZ9
よもやの結末……
この後が見たい。
867名無しのオプ:2009/04/14(火) 08:38:37 ID:bgisfw9k
トリックはともかくとして、些細な描写までぬかりなく伏線化してて
ダミーの結末含めてガチガチに論理が組み上がってるのは読んでて気持ちいいな

そしてこのラスト。
868名無しのオプ:2009/04/14(火) 20:45:21 ID:fipMzZn+
まあ磁石なんかなんで持ってたんだって疑問は残るけどな
869名無しのオプ:2009/04/14(火) 23:03:17 ID:K7qSYGO6
>>868
870名無しのオプ:2009/04/15(水) 06:40:15 ID:cmacAUC0
殺す気がなかったっていってるくせに、なんで事前に密室トリックの準備・練習をしてたのか、
ってことでしょ。
最初から殺す気だったなら凶器の選定がおかしいし。
871名無しのオプ:2009/04/15(水) 08:34:59 ID:4gtTBqa4
>>868は本文をちゃんと読んでないだけだと思うけど…

「最悪、殺すときのため」の準備ってことじゃないの?
もし滝町が改心して刀を返すと言ってくれれば、その時点では
漆塚のやったことは「かんぬきを釘で補強した」ことと
「ジュースをこぼした」ことだけだから、なんとでも申し訳できるから。
872名無しのオプ:2009/04/15(水) 15:42:51 ID:mNUDm0+G
相手の回答次第で殺すつもりだったんだから、犯人の殺意の否定は見苦しかったね。
だから泥水もああいう結末にしたのかもしれないね。
873名無しのオプ:2009/04/15(水) 15:43:35 ID:/k+oBhd1
まぁ穿った読み方をすれば、同情を引こうと思って
殺す気はなかった云々言ってるだけで、本当はここまで
トリック周到に用意してたんだから殺す気満々マンだったのも
知れないけどね。

相手がいきなりナイフや包丁持ち出してきたらたまげるけど、
他の洋裁セットと一緒にハサミを持ち込めば、刺される瞬間まで
相手は油断してんじゃないかな。
もちろん、名探偵・泥水林太郎にはそこまでお見通しで、
妙な気を起こさなければ泥水たちの心証を損ねることも性奴隷化の憂き目に
遭うことにもならずに済んだかも知れないのにね、と。
874名無しのオプ:2009/04/15(水) 20:45:08 ID:QP85OpMv
嘘の推理をシレっと話すところとか、結構パロディも効いてて面白かったかも
875名無しのオプ:2009/04/15(水) 22:47:34 ID:5/QHRshZ
そういう風に見ると、上の読み方もあながちこじつけじゃないのかもね。
お涙頂戴な犯人の独白と探偵の説教のパロディで。
876名無しのオプ:2009/04/16(木) 02:07:05 ID:FYMTVHlp
困ったことに探偵Xからの挑戦状より面白かった。
今回のはドラマ化は無理としても、レベルは高かったと思う。
877名無しのオプ:2009/04/16(木) 05:39:30 ID:XijZw/Bx
映像化する際には、本編5分、事件解決後の後日談175分でお願いします。
878名無しのオプ:2009/04/16(木) 19:22:09 ID:jAGRwRV+
>>876
同意。
個人的には難しくてわからんちんだったけども、手が込んでてすごいと思った。
頭に描いたのをこれだけの文章に仕上げたのはすごい。
探偵Xの作家陣に見せてやりたい><
879名無しのオプ:2009/04/19(日) 03:29:24 ID:q5xSBt1d
やっぱりプロとアマチュアはレベルが違うな!


というプロに対する皮肉
880名無しのオプ:2009/04/19(日) 10:22:55 ID:/1BJigsq
おまえら探偵Xへの恨みをここで晴らすなw
881名無しのオプ:2009/04/20(月) 00:38:29 ID:4TolpKA1
力作の後にこんなのを出すのもアレだけれども。まぁゆるーいネタをどうぞ。

「かなみさんと電車を巡る冒険」

「よし、解った」滝町 美里は眉をひそめたまま、金田一映画の警部みたいなことを言った。
「お姉さんがお小遣いをあげますから、君はそれで文庫本でも買って電車で読みなさい。
二時間もボケーッと電車に揺られてるからつまんないことが気になるんだよ。よくもまぁ
毎朝毎朝あんなド田舎から登校してくるよなアンタは」
 「お言葉ですけど、土井仲県はれっきとした関東圏内です。ちゃんとテレ東映るし」
 曽根川 加奈未は少々ムッとした様子で、美里に食ってかかる。
 「あそこが関東?ばーか言っちゃいけないよ」美里は苦笑した。「あそこが関東なら
北方領土だって関東だよ」
 「焼野原駅のそばにはマックもあるし、コンビニもあるし、ジャスコだってあるんですよ!」
 マック・コンビニ・ジャスコ。加奈未の思う、都会の三種の神器であった。
 ただ、その駅前にあるコンビニが、セブンやローソンといった全国チェーンでなく
『いそいちフレッシュマート』という、夜八時には閉まってしまう「自称」コンビニ
であることを美里は知っていたが、武士の情けで突っ込まなかった。
 「はいはい大都会大都会。…で、今回はなんなの?」
 美里が呆れ果てたように冷淡に言うと、加奈未はここぞとばかりに胸を張った。
 「実はワタクシ、列車テロを未遂に防いだのであります!」

  加奈未の話はこうだ。
彼女はいつものように自宅最寄りの焼野原駅で電車に乗った。昨日までの陽気が
嘘のように曇って肌寒い今朝、車内の暖かさが嬉しかった。
車内には四人の乗客が、ロングシートに向かい合って腰を下ろしていた。
 ファンデをぱふぱふやって、スキマ時間活用術に余念がない中年の女性。
 その隣は、高校生だろうか、難しい顔で英単語帳を見ているセーラー服の女の子。
 その向かいには、手帳になにやら書き込み、ペットボトルのお茶に口を付け、膝の上の
ノートパソコンを睨んでいるエリート風の男性と、脚を放り出し、グースカ鼾を掻いて
寝ているはげたおじさんという、まさに対照的なサラリーマンらしき二人。
お互いに距離を開けて座っているから、みんな一人客のようだ。
882名無しのオプ:2009/04/20(月) 00:39:55 ID:4TolpKA1
 加奈未は「エリート」の隣に座った。「グースカ」の隣は遠慮願いたかった。
 彼女の次に乗ってきた、小柄なジャンパー姿でロゴの入ったコンビニの袋を持った
中年男性もそれは同じだったようで、なおかつ「ぱふぱふ」の方を横目でちょっと
不快そうに見て、加奈未の隣に腰を下ろした。
 加奈未が言うには、「ジャンパー」は最初から少し挙動が怪しかったという。
 どう見てもたいした物も入っていなさそうなコンビニの袋を、抱きかかえるように
やけに大事そうに持っていたのだ。
 席についてからも、「ジャンパー」は落ち着かない様子だった。「セーラー」を
ちらりと見たと思えば、急に目を伏せ(加奈未は最初それが、「セーラー」が丈の
短いスカートを履いていたので、目のやり場に困っていたのだと思った)、それから
抱えていた袋を、どういう訳か背中に隠すように置いて本人はそれに体重を掛けない
ように浅く腰掛け、腋に挟んでいた週刊誌を読み始めた。
 が、ページをめくる手は止まっており、時折チラチラと車内を盗み見ているのは
隣に座る加奈未からも見て取れた。
 加奈未はだんだん、コンビニ袋が気になり始めた。あの中には「ジャンパー」にとって
そんなに大切で、なおかつ私たちの目に触れさせたくない物が入っているのだろうか。
 その時、加奈未の耳に「セーラー」の呟く声が聞こえた。
 「Explosion……爆発……」
 爆発?
 その時、「あっ、」と短い叫びが上がった。
 床に置いてあった「エリート」のペットボトルが倒れ、お茶が水たまりを作っていた。
「グースカ」がううん…、とうなり声を上げて立ち上がったのはちょうどその時だったから
彼は水たまりで滑り、その場で尻餅をついてしまった。「ぱふぱふ」が吹き出す。
 「すいません!」と慌てて「グースカ」を抱き起こす「エリート」。
しかし「グースカ」は首を振って、
「いや、はは。…んもう、すべってコケちまったよ」と「エリート」の肩を叩く。
意外と大人物だな。和やかな雰囲気に、「ぱふぱふ」も、
 「もう、笑っちゃって涙で化粧が落ちちゃいましたわ」
 などと笑っている。
 そんな中、「ジャンパー」は一人蒼白な表情できょろきょろ辺りを見回していた。
883名無しのオプ:2009/04/20(月) 00:40:45 ID:4TolpKA1
 「ちょっと、君なにを…」
 「ジャンパー」が眼を剥く。
 「既に発熱してるわ!!」加奈未は叫んだ。そして、列車の窓を押し上げると
「伏せて!」と叫びコンビニ袋を外に放り投げた。
 周りはまだ長閑な田園が広がっている。ここなら爆弾を捨てたとしても被害は少ないはずだ。
 加奈未の脳細胞は瞬時にそこまで計算していた。
 一仕事終え、加奈未は全員に向き直った。
 「みんな、グルだったんですね」
 「…何を言ってるんだ?」
 「エリート」が呆然とした様子で言った。
 「隠しても無駄ですよ。皆さんの計画は全てお見通しですからね」
 加奈未は「ジャンパー」と、その共犯者たちに向かって言い放った。
 「はぁ?それより君、」
 加奈未は怪訝な顔のジャンパーに「警察には通報しませんよ。これに懲りて、
こんなテロ計画など、二度と企まないことですね、留吉さん」と微笑みかけた。
 みんなポカーンとしている。演技が上手いなぁ、みんな。
 「あなた、一体…」
 「ぱふぱふ」が何が何だか、といった戸惑いの声を上げた。
 加奈未はびしっ、と格好良いポーズを決め、決め台詞を吐いた。
 「曽根川 加奈未、探偵さ!」
 電車は所沢を超え、やっと東京都に入ったところだった。

 加奈未が自分の手柄を熱く語っていく程に、美里の目にはげんなりした茫然の色が浮かぶ。
 やっと名探偵が全て話し終えたところで、美里は一言吐き捨てた。
 「君は馬鹿なのか」
 だが、加奈未はどこ吹く風で、得意げに笑ってこう言った。
 「美里先輩には分かんないでしょう?あの時電車内で何が起きていたのか」

Q、どういうことだったのでしょうか?「ジャンパー」の行動の意味は?
884名無しのオプ:2009/04/20(月) 00:45:58 ID:4TolpKA1
ごめん、特に推理に支障はないけどコピーするときにミスって何行か飛んでた。
せっかくだから貼っときます。>>882>>883の間に

> その瞬間、加奈未の頭脳は驚くべき回転で今、この場で行われようとしていることを悟り、
>立ち上がろうとした「ジャンパー」の座席からコンビニ袋を奪取した。

の二行を脳内補完お願い。

では皆さまいったんサラバ!
885名無しのオプ:2009/04/20(月) 03:10:25 ID:vr7C+mEx
ジャスコが都会とか、本物の田舎者にしか共感できない発想でワロタ

冷えた朝ってことだから、フレッシュマートで買って温めてもらった食べ物をカイロがわりに抱えてきたのかな
でも車内が暖かかったから自分から離して置いた。
網棚に載せるのは忘れ物をしそうだし、膝の上に載せたら暑いし、
床に置くのは汚いし、横に置くのはマナー違反だし
886名無しのオプ:2009/04/20(月) 07:59:03 ID:W9DeYfaJ
ジャスコとか聞いたこともないコンビニとか描写がリアルすぎる
作者は間違いなく田舎者
887名無しのオプ:2009/04/20(月) 10:06:18 ID:MAfltwFs
加奈未以外の乗客5人は全員テロリスト。

田舎の通勤通学の時間帯ならば、誰が何時にどの駅で乗ってくるのか、乗客は
ほぼ毎日同じであり、お互いある程度、顔ぐらいは知っている筈。
それなのに加奈未は他の乗客をこれまで見たことがなく、違和感を感じていた。
そしてそこに乗ってきたのが、「ジャンパー」こと、近所で有名な爆弾テロ犯の
留吉さんだったのだ。コンビニのロゴもフレッシュマートではなかった。

「セーラー」の「爆発」というキーワードは犯行のスタートの合図。
「エリート」と「グースカ」の芝居で他の乗客の目をひきつけ、その間に「ジャンパー」が
爆弾をセットする予定だった。
「ぱふぱふ」は、ファンデーションを塗る場所によって、仲間にメッセージを送っていた。
鼻は計画続行、顎は中止など。コンパクトの鏡を使っての周辺の監視役でもある。
「セーラー」と役割を分けたのは、1人に視線が集中しすぎることを避けたため。
テロ犯たちは不測の事態も想定して、「セーラー」の声と「ぱふぱふ」のサイン
2系統を用意していた。

ジャンパーが最初「ぱふぱふ」を不快そうに見たのは、他の人間(加奈未)が
居合わせたことに対して「ぱふぱふ」の指示を仰いでいたため。
それでも加奈未の隣に座ったのは、その場所での爆発が1番効果的だったから。
「セーラー」を見て急に目を伏せたのは、合図を待って思わず見つめてしまったが
よく考えると「セーラー」からの合図は声なので見る必要はなく、そんな自分の行動が
原因で加奈未に計画を悟られはしないかと慌てたため。

テロを未然に防いだ加奈未さんの活躍に盛大な拍手を。



留吉と名前がわかった理由以外は自信あるんですが・・・。
もし当っていたら腋の下舐めさせて下さい、加奈未さん。
888名無しのオプ:2009/04/20(月) 14:25:04 ID:W9DeYfaJ
真面目に推理するなら、
・袋の中身はなんだったのか
・「グースカ」が転んだらへんの流れには何の意味があるのか
・可奈未の想像は事実通りなのか

辺りかなポイントは。
889名無しのオプ:2009/04/21(火) 13:20:17 ID:n0Wq4bjf
現実が>>885。加奈未の推理が>>887という可能性は有るだろうが、
問題は「留吉」だよね。
TOMEKITI 何かのロゴか辺りからみちびいたんだろうか?
890名無しのオプ:2009/04/21(火) 20:57:28 ID:vjQ5QbuQ
実際はせいぜい>>885に過ぎない真相を、かなみさんの恐るべき頭脳が
どこまで被害妄想を繰り広げたかが問題な訳ですね。
891名無しのオプ:2009/04/22(水) 05:54:49 ID:gLvTeBI0
コンビニ袋と認識している以上、袋のロゴマークを個人名とは考えないだろうな。
袋の中身はやはり暖かい飲食物か。
まさか、生き物ってことは・・・…
892名無しのオプ:2009/04/22(水) 11:07:41 ID:C9yuIGjQ
TOMEYOUSEE?
893名無しのオプ:2009/04/22(水) 13:07:04 ID:MAnA02X9
ずっとセーラーが英単語で指示してた(ように聞こえた)とかかな
894名無しのオプ:2009/04/23(木) 07:22:52 ID:MxynDwiQ
本当にテロルの可能性はあるんだろうか?
895名無しのオプ
本当にテロだったのを、組織のメンバーの美里が
目撃者を丸め込むために派遣された可能性もあるな。
そしてその美里自身も、口封じのためにホテルで
消されたと。