横溝正史【はい、全部で十二人でございました】

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14書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
俺は、おおむね>>8に同意。
横溝御大は物語作家としてこそ、より高く評価されるべきかと思う。
>鮎川・高木のキャラは推理小説の部品としか思えない平板さだが、
本格ミステリとしてはこれでOKなのだが、「小説」として読まれた場合の
不満が生じるのは仕方無いところである。
同じ物故作家である木君(*ブーではない)、鮎、ミッチー等、
謎解きに傾斜したミステリ作家が知名度・部数共に、御大と比較して低調なのは
この辺に理由があるかと思う。
(余談ながら、現代において上記したような作家を読む者はヲタと言われても仕方
なかろう)
横溝御大の作品は、金田一や由利先生という探偵役に限らず、
脇に到る登場人物までキャラ立ちまくりなうえに、日本人が大好きな因習渦巻く
濃い人間ドラマが展開されるものが多く、これが非常に面白いし、
大きな魅力のひとつとなっている。
つまり、この点において、横溝御大の多くの作は、非常に奇怪ではあるが、
「人間(模様)が書けている」と言い得る。
この点において、「横溝文学」という呼称は妥当である。
また、「名探偵コナン」「金田一少年の事件簿」が、ミステリの代名詞となりつつある昨今、
その是非は別としても「犬神家の一族」のリメークなどもあり、活字ミステリとして
上記の作品に対抗し得るのは、かっては一大ブームとさえなった「横溝文学」を以って
他に無いかと思う。