社会派ミステリーといえば松本清張 第四章

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509書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
「神と野獣の日」の内容を見ると、清張作品の刊行が多い新潮社や文春といった保守系
の出版社が、さすがに手を出さなかったのはわかる気もする。
他国にまで出張って「悪さ」をするのは、歴史を見れば、メリケンに限らず
ソ連のハンガリー、チェコ等旧東欧圏への介入、シナのモンゴル、チベットへの侵攻等、
大国に付きものとも言える行動パターンではあるが、日本においてはメリケンの影響力が
形を変えながらも戦後から延々と継続している事実は否定出来ないものがあるとは思う。
ただし、年代的にも清張先生にメリケンに反発する心情はあったとしても、
フィクション、ノンフィクションを問わず一連の謀略ものは、
「エンタメとしてのスタイル」という気がしないでもない。
果して、清張先生が自身が呈示した謀略史観にどの程度固執していたかは疑問、
あくまで「あり得たかもしれぬ物語」ということなのではないか。
ゆえに、俺は前述したとおり、清張謀略史観はスリラー的に愛読しているのである。