社会派ミステリーといえば松本清張 第四章

このエントリーをはてなブックマークに追加
205書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
清張の女性観には、理想型としては「或る『小倉日記』伝」における耕作の母ふじの
ような聖母への憧憬があったかに見えるが、
結構、生身の女性を生活の中でリアルに見据えているという感がある。
例えば、「梅雨と西洋風呂」ではコケティッシュな悪女役が、汚れた浴槽の掃除をしている
ところを刑事が訪ねる場面が出て来るが、簡潔な描写ながら妙に生活観が漂い、
水商売の女性が住む昼下がりのしょぼいアパートの情景が目に浮かんで来るかのようだ。