1 :
前スレ908 :
2006/09/13(水) 08:19:16 ID:f2XZ3+QQ
2 :
前スレ908 :2006/09/13(水) 08:33:04 ID:f2XZ3+QQ
3 :
前スレ908 :2006/09/13(水) 08:33:51 ID:f2XZ3+QQ
4 :
前スレ908 :2006/09/13(水) 08:35:39 ID:f2XZ3+QQ
5 :
前スレ908 :2006/09/13(水) 08:48:58 ID:f2XZ3+QQ
以上テンプレ
以下弁明
前スレ
>>908 書き込み後に前スレの容量が一杯になってしまったため、書き逃げ放置も無責任だと思い、新スレを立てることにしました。
時間帯も日にちも微妙で申し訳ないです。尚、前スレで展開中の話に至っては前半部分の収束がどのようななっているのか、はっきりしない部分もありますし・・。
前スレ
>>891 以下のシナリオは「宇宙戦争編」も含めて、すべて僕が書き込んだものですが完全に横槍ですし駄文で汚してしまい、申し訳ない気分です。
前スレ
>>887 以前の職人さんの展開を待ちつつ、
>>887 のB以降は横取りしてしまいました。
つきましては前スレ
>>897 のBも書き込む予定でしたが、時間もありませんので帰宅後ということでお願いします。
他の展開のあらすじもまとめる時間がありませんので、まとめサイトの方(管理人さんいつもご苦労様です)を参考にお願いいたします。
6 :
テンプレ入れ忘れ :2006/09/13(水) 08:56:23 ID:f2XZ3+QQ
☆このスレのルール ・選択肢は一番最初にレスした人のものを採用する ・進行中のシナリオは、最新の筆者が特別の意思を示していない場合は、 (このシナリオは一人で書かせて下さい、等) 誰でも途中から参加し、創作することができる ・シナリオを続きから書く場合は、何番のレスからの続きなのか明記する ……………………………………………………………………………… ※かまいたちの夜風の文章では、「僕」ではなく「ぼく」の方が 原作に忠実です(強制ではなく推奨) ※ゲームオーバーになったら、直前の選択肢に戻ってやり直しましょう ※誰でも参加できます。 別にレベルの高い文章じゃなくても大歓迎です。 どんどん投稿してスレを盛り上げましょう
7 :
名無しのオプ :2006/09/13(水) 15:08:36 ID:CMLNNlrU
>>1 Good Job
まとめサイトいい感じだな。
雰囲気が良い
8 :
あらすじ :2006/09/13(水) 19:46:43 ID:McBvYcQg
前スレ
>>843 からのあらすじ
買い出しから戻ってきたみどりの様子がおかしいことに気付いた透はみどりが運転した4WDに傷が付いてるのを発見した。隙を見てみどりの部屋に侵入し、みどりにはスピード狂という一面があることを知る。
そのとき外で作業していたペンション「シュプール」のオーナー小林が何者かに襲われた。
透は事件の真相を探るため現場に向かった。透の頭の中にはすでに一つの推理が組上がっていた・・・。
「たった一人の宇宙戦争編」あらすじ
ガソンコ星人に襲われた透は必死の思いでガソンコ星人の一人殴り倒す。
透は地球を守るために一人でも、ガソンコ星人と闘う決意をする。
付近にガソンコ星人がいないか探索してみることにした。
前スレ
>>903 のB
B、このあたりに残ったガソンコ星人がいないか確かめる事にした
この吹雪のせいで、遠くまで行くのは危険だ。
ぼくはかろうじて見えるシュプールの明かりを目印にしてガソンコ星人を探すことにした。
さっきガソンコ星人を殴り続けた拳の痛みはやわらぐことはなかったが、ガソンコ星人の顔は地球人より柔らかかったのか砕けてはいないようだ。
だけど、次から少し冷静になったほうがいい。
「〜〜〜」
何か聞こえる。雄たけびか?
しまった!!!さっき殺したガソンコ星人の所に仲間が駆けつけたんだ。
ぼくは元の場所に急いで戻った。
さっきのガソンコ星人を抱きかかえるような形でもう一人のガソンコ星人がいた。 どうやらガソンコ星人が仲間をやられて怒ってるようだ・・・。 しゃがみこんで冷静に奴を観察する。 最初の奴と違って、少し大きい。 何よりも特徴的だったのは、「目」だ。 顔の半分くが真っ黒な「目」だった。 いびつだが1つ目のようにも見える。 大きく見開いた目が怪しい光を放つ。 ガソンコ星人は個体により容姿の違いもあるということだ。 そうなると耐久力も同じとは思えない。 さて、どうするべきか・・・? A、ぼくは手近にあった大きめの石で後ろからガソンコ星人を殴りつけた B、最初の奴と同じようにマウントポジションを取るべく、タックルをしかけた
11 :
名無しのオプ :2006/09/13(水) 20:00:11 ID:McBvYcQg
前スレ
>>897 のB
B、人の死体だ
吹雪の中壁づたいに現場に向かう。
ぼくは小林さんが襲われた裏口付近に奇妙な盛り上がりがあるのを見つけた。
(人一人分かな・・・)
道具を使っては体を傷付けてしまうかも知れない。
ぼくはスキー用グローブをはめた手で掘り出すことにした。
すぐに物体に突き当たる。柔らかい感触だが、それでも人としては固くなってしまっていた。
予想通り人が埋まっていた・・・。
それは・・・・若い女性だった・・・。
目の前には一人の女性が横たわっている。
今日来る予定の客人というのは彼女の事だろうか?
A、ぼくは冷静に彼女の服を脱がしていくことにした
B、誰かに知らせた方が良いと思い、裏口を叩いた
12 :
名無しのオプ :2006/09/13(水) 21:19:45 ID:yKuG2n6p
13 :
名無しのオプ :2006/09/13(水) 23:08:40 ID:dR/qjHqN
A、ぼくは手近にあった大きめの石で後ろからガソンコ星人を殴りつけた 手ごたえあり!! ガソンコ星人は大きくよろけた。もう一撃加えるためにぼくは両手で石を振り上げた。 しかし、ガソンコ星人は体を倒して、よける。 勢いで振り下ろすのを止めることができず、ぼくの体は前方に泳ぐ。 「ガッ!!ギィギェェ」 ガソンコ星人がうなり、真っ白い丸い腕で殴りつけてきた。 「グッ」 最初の一撃が効いてるせいか、体勢はふらつき、その腕は空を切る。よけれた!? 一瞬そう思ったが、甘かった。倒れ掛かるように肩からタックルしてきた。 威力はないが、ガソンコ星人の体格と足場の悪さでその場で尻餅をついてしまった。 次の瞬間、ガソンコ星人に見下ろされていた・・。 殺られる!!!!ぼくは・・・ A、時を止めた B、神に祈った C、てもとにあった「何か」を掴んだ
15 :
名無しのオプ :2006/09/14(木) 07:55:59 ID:vFPnn98D
A、ぼくは冷静に彼女の服を脱がしていくことにした バリバリッ ぼくは雪で凍りつきボロボロになったレインコートを乱暴に引き剥がした。 そしてそのまま彼女のコートを脱がし、自分も手袋を脱いで、セーターの中に手を差し込んだ。 予想通りだ。運がいい。 ぼくはニヤリと微笑んだ。 彼女は生きていた!!!! 確率はそれほど高い訳ではなかった。 しかし、みどりさんの4WDの傷はフロントバンパーがへこんだ程度だったこと。 そして、ここに運ばれたこと。 気絶していたこと。 万全の防寒装備でいること。 何よりも早急に発見できたこと。 よかった・・・・。 だが、このままでは衰弱して本当に死んでしまう。 ぼくは彼女を背負い、シュプールに戻った。
16 :
名無しのオプ :2006/09/14(木) 08:08:44 ID:vFPnn98D
「透!!どうしたの?そんな格好で!?その人どうしたの?」 真理が驚いた顔でぼくに駆け寄ってきた。 ロビーでくつろいでいた美樹本さんも立ち上がってこっちに来た。 「その人、死んでるの?」 真理が心配そうに尋ねる。 「いや、まだ生きている。だけど危険な状況だ。真理は急いでお湯を用意してくれ」 「分かったわ」 「それから美樹本さん、救急に連絡してください」 「ああ、この吹雪で救急車はこれないだろうが連絡はしておいたほうがいいな」 「ええ、それと応急手当もお願いします」 「うむ、女性だから上にいるOLの二人と篠崎くんやオーナー夫人にも手伝ってもらおう」 そのとき、真理が鍋とバケツにお湯を持って戻ってきた。 シュプールの従業員たちと共に・・・。 A、「なぜこうなったか知ってますか」 ぼくはこの場で推理をぶちまけることにした B、「どうやら倒れていたようです」 ぼくは嘘をついた
17 :
名無しのオプ :2006/09/15(金) 14:22:39 ID:aoSk4oYb
18 :
名無しのオプ :2006/09/16(土) 00:11:32 ID:dxez8CJl
酷いシナリオだけどw
前スレ
>>629 の続きを書きます。
19 :
名無しのオプ :2006/09/16(土) 00:19:13 ID:dxez8CJl
青の扉を開いた。 その向こうには…、真っ白な天井と壁の 研究室のようなものがあった。 培養フラスコや、顕微鏡、薬剤の棚などがある。 どうやらここが“発狂ウィルス”発祥の地のようだ。 「ついに辿り着いた! アッハッハッハッハッハッ!」 突如、みどりさんが大声で笑い始めた。 みどりさんは何かを探していた。 それがここにあるというのだろうか? 「みどりさん…、一体何を探しているんです?」 ぼくが聞こうと思っていたことを、真理が先に聞いた。 「そうねえ…、いいわ、教えてあげるよ。」 みどりさんはニヤけた顔で近くの椅子に腰を降ろし、説明を始めた。
20 :
名無しのオプ :2006/09/16(土) 00:25:46 ID:dxez8CJl
「まず、見てご覧なさい、この研究施設。」 そう言われたぼくと真理は、改めて室内を見回した。 研究に必要なモノが網羅されているように思える。 それも、全て最新鋭のものだ。 「凄い設備ですね…。」 「そうでしょう? これだけのモノを揃えようと思ったら、莫大な資金が必要になるのは 簡単に想像できるわよねえ?」 「ええ…まあ。」 「そのような莫大な資金を、一介のペンションのオーナーごときが どうやって用意できたと思う?」 「さあ…。」 「ひひっ、想像できなくても無理ないわねえ。 …小林夫妻は、この辺りで石油を掘り当てたのよ! ただの偶然だったのだろうけどね。 そのおかげで、資金は底を尽きることなく、正に湯水の如く使い続けられたよ。」
21 :
名無しのオプ :2006/09/16(土) 00:36:24 ID:dxez8CJl
「そこまではともかく…、“発狂ウィルス”っていうのは 一体何なんですか? 感染したと思われる人は、狂人になってしまう危険なシロモノですよ。 しかも、小林夫妻自身も感染してしまっている。 そんな訳が分からない上に、危険なモノにどうして心酔しているんです?」 「詳しくは知らないけど、ペンションの近くの温泉水に 含まれていたらしいわ。 元々、大学の微生物研究で博士号をとっていた 今日子さんには、それがどういうモノなのかピンときたようね。 ちなみに、感染者が多量に出たという話は聞いてないから、 空気感染はしないようね。 温泉水からウィルスを発見したのは、どうやら石油を掘り当てた後らしいわ。 その後、今日子さんが研究に没頭し、 お金を異常なまでに浪費するようになった。 その時、小林さんが研究をやめるように言ったのだけれど、 今日子さんは応じず、逆にそのことを疎ましく思って 何らかの方法でウィルスを小林さんに注入し、感染させたようね。」
22 :
名無しのオプ :2006/09/16(土) 00:43:59 ID:dxez8CJl
「今日子さんがそんなことを…!」 ぼくは戦慄した。 「狂人になってしまった小林さんは、もはやただの操り人形になった。 従って、研究は続けられることになった…、と、こういう訳ね。」 「しかし…、みどりさんは一体何を…?」 「ここまで言って、まだ分からないの? 石油も、ウィルスも頂いてしまおうってことよ! この施設へ侵入する方法を、バイトをするフリしてずっと探していたのさ!」 そう言うと、みどりさんは立ち上がった。 「さあて、そろそろ遊びは終いだよ! 死んでもらおうかね! …死ぬ前に何か聞きたいことは他にある?」 A. 「田中さん…、2階でバラバラになっていたあの人は何者ですか?」 B. 「ウィルスの感染経路の目星は付いているんですか?」 C. 「清原って、4打席回ってきたら、2回は確実に三振ですよね?」
23 :
名無しのオプ :2006/09/16(土) 05:09:09 ID:JoQfGtKa
>>22 続きキター!!しかも清原大人気w
じゃあCでお願いします。
24 :
名無しのオプ :2006/09/16(土) 15:10:51 ID:AcpeJwrk
>>16 のA
A、「なぜこうなったか知ってますか」
ぼくはこの場で推理をぶちまけることにした
「透くん。どうしたんだ?そんな怖そうな顔をして?」
俊夫さんが聞いてくる。
「あ・・・・河村さん!!河村亜紀さんですね」
今日子さんが彼女に近づいた。
「河村亜紀さん?そうですか・・。今日来る予定の最後の客人ですね?」
「ええ、全然来ないから心配してたんです」
美樹本さんや真理達女性陣は彼女の応急処置をするため、一度客室に運ぶことにした。
騒ぎに気付いたのか香山さん夫婦もロビーに降りてきた。
「どうかしたんか?えらいドタバタしとるようやけど?」
「ええ、ちょっと色々ありまして」
一通りの応急処置が終わったらしく美樹本さんたちがロビーに戻ってきた。
「どうやら、大丈夫そうだが、早めに病院できちんと手当てして貰った方が良い」
25 :
名無しのオプ :2006/09/16(土) 15:17:17 ID:AcpeJwrk
「どうやら、大丈夫そうだが、早めに病院できちんと手当てして貰った方が良い」 「そうですか・・。でも安心しました」 そしてロビーには全員が揃った。 「で?透くん。さっき言ってた『なぜこうなったか知ってますか?』ってのは何なんだ?」 俊夫さんが落ち着いたのか語気を強めて聞いてきた。 ぼくはこの事件の発端の女性を見た。 青ざめている。 「彼女はある事故に巻き込まれました。そしてそれはこの中にいる人物によって引き起こされたものです」 ロビーが静まる。 「・・・・誰がやったって言うんだ?」 しぼるような声で俊夫さんが聞いたきた・・・。 「それは・・・・です」 犯人名入力 ****
26 :
名無しのオプ :2006/09/17(日) 13:06:48 ID:3jbBx/wN
み ど り さ ん
27 :
名無しのオプ :2006/09/19(火) 22:13:18 ID:ZsBbfoes
レスが…止まった
28 :
名無しのオプ :2006/09/21(木) 00:44:33 ID:ZVJIoUF4
みどりさん wktk
29 :
名無しのオプ :2006/09/21(木) 22:26:50 ID:GQ5wAB0y
>>25 の続き
「犯人はみどりさんです」
「この野郎!!」
俊夫さんが掴み掛かってきた。ぼくは俊夫さんに首を押さえられて苦しくなった。
「がっ!!・・・・・はぁ!ぐぅ」
「やめて!!!お願い!!俊夫さんやめて!!」
真理が叫ぶ。それと同時に美樹本さんが俊夫さんを後ろから押さえ込んでくれた。
「ゲホッ・・・ゲホ」
ぼくは死ぬかと思った。咳き込むと同時に涙目になっている。
「放せよ・・・・」
落ち着いたのか俊夫さんが美樹本さんをゆっくりと振り払う。
当のみどりさんは青ざめたまま何も言おうとしない。
「透・・・。どうしてそんなこと言うの?」
「そうやで透くん。けったいな事言ったらあかんで。そないなこと言うても、誰も気ぃようせんで」
「・・証拠もあるんですよ。みどりさんがさっきの買出しの後に付けた証拠も・・・」
「・・何だって言うんだよ?その証拠ってのは?」
ぼくは「証拠」を「突きつける」ことにした。
A みどりさんの部屋でみつけた違反キップ
B 4WDについた傷と川村さんの傷の合致
C 清原のサイン入りバット
D 拳銃
30 :
名無しのオプ :2006/09/21(木) 23:02:28 ID:4mTIQx9x
B
31 :
名無しのオプ :2006/09/21(木) 23:02:54 ID:GQ5wAB0y
漢字また間違えてた。正確には「河村亜季」でした。
32 :
名無しのオプ :2006/09/21(木) 23:19:07 ID:GQ5wAB0y
>>29 のB
「4WDについた傷と川村さんの傷は間違いなく合致するはずです」
ぼくは証拠のひとつとして挙げた。
「さらに加えるべきは・・・・。みどりさん?」
急に話しかけたせいか、みどりさんの体が「ビクッ」 と震える。
「免許ありますか?」軽く尋ねてみた。
「透!!?何言ってるのよ!!そんなこと関係あるの?」
「そういうことか・・・・」
美樹本さんが納得したようにつぶやいた。
「透くん。篠崎君は危険運転をする人種・・おっと失礼。そういうタイプの人間だということか・・」
もうひとつ、ぼくには違反キップという証拠もあったが、不法侵入がばれると困るので伏せていた。
うまい具合に美樹本さんが誘導してくれてほっとした。
「そういうことだと思います。さて話は次の段階に入ります。小林さん、俊夫さん、みどりさんが河村さんを埋めようとした件に・・・」
「!!」
「・・・・・嘘・・・・でしょ」
真理が驚いた顔で口を押さえてうなだれる。
OLの二人も寄り添って顔を伏せる。美樹本さんは得心がいくようだ。
香山さん夫婦はソファに座ったまま、表情だけが曇っていた・・・。
33 :
名無しのオプ :2006/09/21(木) 23:36:48 ID:GQ5wAB0y
「さて、ここからそれなりに離れたところで河村さんをはねたみどりさんは彼女を車にのせ、ここに戻ってきました」 「俊夫くん。ほんまに透くんの言うとおりなんか?」 香山さんが俊夫さんに尋ねる。 「知りませんよ・・・」 俊夫さんもまともに反論ができなくなったようだ。 「違うのよ!!!あれはあの娘が勝手に飛び出して来て!!!あたしのせいじゃないっ!!あたしのせいじゃないのよ!!」 みどりさんが急に大声をあげて立ち上がった。 「みどり!!!言うな!!」 俊夫さんが止める。だが、その態度で事故を完全に証明することになった。 「あの娘が悪いのよ・・・。だってそうでしょ・・・。こんな吹雪で暗い中歩いてて・・・。免許があるかどうかなんて関係ないじゃない・・・。誰だって同じ状態ならはねるわよ・・・。あたしのせいじゃ・・・」 みどりさんが泣き崩れる。 「免許が取り消される様な乱暴な運転する人間と一緒にしてほしくないがね」 美樹本さんがフェミニストな彼にしては辛らつに言い放つ。 俊夫さんが睨んだが、今度は飛び掛るような真似はしなかった・・・。 「ここに戻ってきたみどりさんは俊夫さんと小林さんに相談し、河村さんを埋めることにしました」 真理は小さく泣き始めた。 ぼくは続ける。ぼくは小林さんの頭に巻かれた包帯を見る。 「この作業中に小林さんは頭を殴られました」 「なぁ、透くん。罪を憎んで人を憎まずや。河村ちゅう娘も無事だったんや。ここはわしに免じて手打ちって事にしようや?な?」 手打ちってそういう言葉じゃないでしょうに・・・・。 A 「そうですね」 ぼくはもう話さないことにした。 B 「いいえ、真相は明らかにするべきです」 ぼくは推理を続けた。
34 :
名無しのオプ :2006/09/22(金) 08:34:06 ID:ljU9KC88
A
35 :
名無しのオプ :2006/09/22(金) 21:45:30 ID:EmWN/9KH
>>33 のA
香山さんの言葉に素直に従うことにした。
「もう夜も遅いし、ここらで解散という事にしたほうがええで。それで明日晴れたらあの娘を運んでもうんや。なんだったらわしの会社のヘリでもつこうもらってもかまへん」
香山さんが場を仕切る。
「・・・・・行こう。啓子」
OLの二人は早々に引き上げていった。もうこの場にいたくないんだろう。
ぼくも泣いている真理を促して2階に引き上げようとした。
「透くん。これで終わりにしていいのかい?」
美樹本さんが尋ねてきた。小林さんや俊夫さんは床にうずくまったままだ。香山さん夫婦は美樹本さんの言葉に不機嫌な表情になる。
「なぁ美樹本くんや。もうええやないか?なぁ?」
「ふん。まぁこんな危険なペンションからは早々に立ち去りたいものですけどね」
美樹本さんも皮肉ぽい人だ。気持ちはわかるけど・・・。
時刻はすでに深夜の12時を回っていた。
36 :
名無しのオプ :2006/09/22(金) 21:56:30 ID:EmWN/9KH
ぼくは真理を部屋に送り届けた後、自室に戻った。 外に出たり、人を背負って移動したりしたせいか、疲れが押し寄せてきた。 ベッドに横たわると、そのまま意識が遠のいた・・・・。 コンコンッ ノックの音で現実に呼び戻される。時計を確認すると30分ほど眠っていたようだ。 「・・・はぁい」 われながら寝ぼけた声だ。 「透?起きてる?・・・・・あの入っていい?」「えっ」 ぼくは急いでドアに駆け寄った。 「ああ・・。どうぞ、どうぞ。汚いところですが・・・」 間抜けだ。 「くすっ。何言ってるのよ。自分の部屋じゃないくせに」 真理が小さく笑う。シャワーを浴びたみたいでいい匂いが漂ってきた。ぼくの方は汗臭い・・・。 「あは・・・・はは・・・。どうしたの?」 シャワーを浴びた真理の魅力にどぎまぎしながら取り繕った。 「よかったら少しお話しない?そのあんな事があって色々考えてたら目が冴えちゃって・・」 ぼくは真理のせいで目が覚めたよ。いい意味でだけど・・・。 A 「女が男の部屋に来るって事はわかってるのかい?」 ぼくはクールに決めてみた。 B 「いいよ。ぼくも眠れなくて・・・」 うそをつきながらも真理を迎え入れた。 C 「眠いんだよ!!」 ぼくは真理を突っぱねた。
37 :
名無しのオプ :2006/09/22(金) 22:14:06 ID:NuE9Yq6m
小心者の自分を許してください。 Bで。
38 :
名無しのオプ :2006/09/22(金) 22:29:48 ID:HIo91ECP
あえてCにいってほしかったな。
39 :
名無しのオプ :2006/09/22(金) 22:44:21 ID:EmWN/9KH
>>36 のB
真理を部屋に招きいれた。思えば着いてすぐスキーに飛び出し、戻ってきたら食事、一連の騒動と全く落ち着いてなかった。
二人でベッドに腰をかける。お互いの距離は・・う〜ん・・ちょっと遠い・・かな?
「ねぇ透?どうしてみどりさんは人はねたのに自首しようとしなかったのかしら」
ほんの少しだったけど静寂を真理が破る。
「うん。免許取り消しになってたのは事実だろうから、そんな期間に人をはねると普通の業務上過失じゃなく、殺人未遂が適用される事もあるんだ。実際に判例もあるよ」(※設定が1の頃の話のため危険運転致死罪は作中ではまだ存在していない)
「そっか。だから焦ったのかしら・・・」
「みどりさんがそれを知ってたか知らないかは分からないけどね。香山さんの言葉じゃないけど河村さんが無事でよかった」
「ふふ、それは彼女が可愛かったかしら?」
「ええっ!!」
真理が上目遣いに小悪魔ぽく微笑む。
ぼくは
A 「真理の方が可愛いよ」真剣に答えた。
B 「うん。おまけに胸までもんじゃった」勢いで余分な事を言ってしまった。
C 「いやぁ。・・・その・・あの」言いよどんでしまった。
40 :
名無しのオプ :2006/09/22(金) 22:54:12 ID:EmWN/9KH
>>36 のC
「眠いんだよ!!」
ぼくは真理を突っぱねた。
「何!!?その言い方!!ちょっとひどい!!」
「うっせぇなブス!!こっちは色々して眠ぃんだ!!とっとと寝かせろ!!」
眠気が押し寄せる。低気圧・・・もとい低血圧のぼくには真理の声は高すぎる。
ドアを思い切り叩き閉めた。真理は足音を踏み鳴らし帰っていった。
これでようやく眠れる。思い切りベッドに飛び込んだ。
「ふ〜じこちゃぁん」
ルパンの真似をしたのがいけなかったのか、ぼくはベッド上部のパイプに頭をぶつけた。
薄れていく意識の中、斬鉄剣はこんにゃくが切れないからゴエモンは自慰はどうやってするのかだけを考えていた・・。
終「飛び込み禁止」
透死亡 コンティニュー
>>36 のAorB
41 :
名無しのオプ :2006/09/23(土) 17:31:03 ID:DmIwCAe/
42 :
名無しのオプ :2006/09/23(土) 18:45:04 ID:rLPMHjHf
>>39 のA
「真理の方が可愛いよ」
「え?」
いつものぼくとは思えないくらいはっきりと声にすることができた。
「透ったらっ。何冗談行ってるのよ。ふふふ。ああおかしい」
「・・・・冗談じゃないさ。本当に真理は可愛いよ。世界一さ」
たたみかけてしまった・・・。
「え・・・・・その・・・え」
真理の頬が染まる。真理が少し身体を寄せる。
ぼくも真理の方に身体をよせたが、調整が難しかった。
真理が8cm程寄せただけなのに、ぼくは39cmも近づいてしまった。
もうお互いの肩が触れあいそうだ。
これはもしかしたらみどりさんが事故を起こしたおかげかも知れない。
河村さんには悪いけど、ちょっとだけ感謝しよう・・・。
「・・・・透・・・ん」
真理が目を閉じてこちらを見ていた・・・・。
もしかするとこれって・・・。
まじで5秒前って奴ですか・・・・?
どうすんの、ぼく?
どうすんの、おれ?
A 攻撃
B 防御
C 道具
D 逃走
43 :
名無しのオプ :2006/09/23(土) 18:47:11 ID:rLPMHjHf
訂正 真理が目を閉じてこちらを見ていた・・・・。 ↓ 真理が目を閉じて顔をこちらに向けた・・・。
44 :
名無しのオプ :2006/09/24(日) 20:32:49 ID:DpFWssFo
A
45 :
37 :2006/09/24(日) 21:49:46 ID:uyaBstrg
>>38 いや、すまない。
BADENDでもすぐコンティニュー出来るのは分かってるのだけど、
あからさまな死亡フラグはやはり踏む勇気が…。
しかし書き手さんが補完してくれて良かった。
46 :
名無しのオプ :2006/09/24(日) 22:14:17 ID:0RkhPn5o
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1128516029/835 A ぼくは遺体のおさらいに移った。
「まず俊夫さんの死体ですが、バラバラにされていた上、釘が打ち込まれていました。絨毯の上の出血は
それほどでもなかったです。多分、ユニットバスなどで解体されて、血は洗い流されたんでしょう。
それと奇妙なことに釘は断面にも打ち付けられていました」
みんなぼくをじっと見つめている。何を言い出すのかといった表情だ。
「田中さんも同様です。死体はバラバラにされ、釘が打たれていた。この特異な死に方からいくつか判る
ことがあると思います」
「なんだね、それは。焦らさないで言ってくれ」
小林さんが苛立たしげに先を促す。
「まず一つ、この閉鎖的な状況下で短時間に2人もの人間が特異な死に方で死んだ。これは同じ犯人によって
殺害されたと考えていいと思います」
何人かがうんうん頷き、何人かは今更?の表情を浮かべる。
「例えば誰かが罪をなすりつけようとして真似をしようとしたとしても手間と時間がかかりますし、
切断やらの器具も釘もいります。殺人と死体処理の終わったばかりの犯人から盗み出したとも考えにくい。
神経が高ぶっている相手の隙を窺わないといけませんし、ちょっと危険が大きい気がするんです。
隙が見つけられなかったら無駄に時間をすごすことにもなります」
「なるほど、もっともやな。何となくやのうて、理屈で犯人は一緒と言えるわけやな」
香山さんが合いの手を入れる。
「ええ、そうなります。それに3時間で2人を解体して、釘打ちしていますので、たぶん2人以上の共犯が協力
してやったと考えていいと思います」
47 :
名無しのオプ :2006/09/24(日) 22:15:24 ID:0RkhPn5o
みんな異存はなさそうだ。 「次に亜希ちゃんの死体ですが、こちらはバラバラではありませんでした。顔や頭の筋肉が剥ぎ取られており、 さらには頭蓋骨に釘が何本か打ち込まれていました。死因は…、あれ、死因…?」 「…絞殺よ。絞められたアザがあったし」 可奈子ちゃんが口を挟む。 そういえば誰も亜希ちゃんの死因について言及しなかったな…。死体の異常さに辟易していたのかも知れない。 「そうでしたか。では、死因は絞殺でした。前二人とは違いが際立っています。別の人間が真似したことも 考えられますし、犯人が止むに止まれず緊急に殺害したことも考えられます」 「何も判らない、ということかい?」 美樹本さんが割り込む。 「…確たることは、残念ながら」 さて、次は… 「ねえ、早く犯人を教えてよ。もう我慢できないんだけど」 かなり尖った声で可奈子ちゃんが言葉をぶつけてくる。 もう引っ張るのも限界か? A ぼくは連絡網破壊のおさらいに移った B ぼくは真理のおさらいに移った C ぼくは亜希ちゃんの胸の感触のおさらいに移った D 可奈子ちゃんの勢いに押されてそのまま推理を披露し始めた
48 :
名無しのオプ :2006/09/24(日) 23:48:00 ID:s6s+gmuK
釘打ち編復活キタ━━━━━\(゚∀゚\)(ノ゚∀゚)ノ━━━━━!! でも俺は自信が無いから他の人選択してくれ
49 :
名無しのオプ :2006/09/25(月) 14:56:20 ID:GY7W0K7D
D
50 :
名無しのオプ :2006/09/26(火) 17:48:18 ID:8+rYrkrv
>>42 のA
ここは男らしく攻撃だ。
ぼくは会長の言葉を思い出した。
(まずはジャブじゃ)
軽くジャブを真理のアゴに撃ち込んだ。
「いたっ!!透!!?何するのよ?痛い」
真理がひるんだ隙に、右を溜める。しかし、真理が顔を防御する。
空いたボディにブローを叩き込む。
「う・・・」
真理の顔面のガードが下がった!!チャンス!!!
すかさず、大砲(右ストレート)を入れる体勢を取った・・・・。
という変な妄想が頭をよぎったが、妄想に止めておいて・・・。普段の妄想を現実にしたい。
ぼくは真理の首付近の肩にそっと左手をかける。真冬なのに服ごしに温かい真理の体温を感じる。
右手は軽く真理の手に添えた。ほんのちょっとだけ「ピクッ」とふるえた・・・。
やはり緊張しているみたいだし、時間をかけるのも・・・・。
ぼくは顔を近づける。もう真理の顔は目の前だ。
目を閉じ、顔を近づける・・・。心の中でカウントダウンが始まる。
5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・
ドンドンドンッ!!
「大変だ!!!透くん!!!起きてくれ!!!!」
あともう一歩というとこで俊夫のヤローが扉を激しく叩きやがった・・・・。
当然驚いた真理とぼくはベッドの上で一瞬にして互いに離れることになった。
A 「今、真理といいとこなんです。帰って下さい!!」俊夫さんを突っぱねた。
B 「落ち着いて下さい。何があったんですか?」ただならない気配を感じていた。
C 「みどりさんが殺されたのなら香山さんのせいですからね!!」ぼく早口で追い返した
51 :
名無しのオプ :2006/09/26(火) 17:53:31 ID:8+rYrkrv
>>45 別に選ばれない選択肢でも興味があるなら続きやりますし(派生は抑えめだけど)
まとめサイトがあるおかげでやりやすくなってるのも確かなので。といっても書き手参加はサイト作成以降ですが・・。
管理人さんには迷惑かも知れませんが(汗)
52 :
名無しのオプ :2006/09/26(火) 23:34:04 ID:H7BlZy7k
53 :
名無しのオプ :2006/09/27(水) 18:37:21 ID:qKBXbw5X
>>50 のB
「落ち着いて下さい。何があったんですか?」ただならない気配を感じていた。
扉を開け俊夫さんに確認してみる。
「みどりがいないんだ!!!少ししたら部屋で落ち合う予定だったのに・・・。探し回っても見つからないんだ」
「みどりさんがですか・・・。それでどうしてぼくに?」
部屋の中に真理がいるが、俊夫さんは気付いてないようだ。
「良かったら一緒に探してくれないか?あんな事があって心配なんだ・・・」
俊夫さんが柄にもなく弱気な発言をする。時計を確認するともう深夜1時になろうとしている。
たしかに不安になるだろう・・・。
「分かりました。すぐに上を着て用意しますよ・・・」
内心面倒だったのと、真理との一時を邪魔されたせいか口調が不機嫌になっている。
俊夫さんはそんなことに気付いてないようだった。
扉を閉め、真理に話しかける。
「みどりさんが行方不明なんだってさ。ちょっと探してくる」
「聞こえた。わたしも一緒に探した方がいいかな?」
「いいよ。俊夫さんとぼくが離れたら部屋で休んでた方が良い。明日は朝から忙しいと思うし」
「・・・そうね。そうするわ。じゃぁ透も気を付けてね」
ほんのちょっと残念そうな表情をしたのはぼくの希望的観測だろうか?
ぼくは上着を羽織って部屋を出た。
ぼくはこのときすでにみどりさんの死を確信していたが、言わないでいた。
A 「地下室に行きましょう」
B 「2階のクローゼットは探しましたか?」
C 「外に出たかも知れませんね」
54 :
名無しのオプ :2006/09/27(水) 21:51:51 ID:XT0fu3Vz
こういう選択肢はかなりドキドキするなあ。 Aで。
55 :
名無しのオプ :2006/09/29(金) 19:35:25 ID:AX4cZ8D/
>>53 のA
「地下室に行きましょう」ぼくは俊夫さんにそう言った。
もちろんそこにみどりさんがいる確証は無かったけど・・・。
1階に降りると、ロビー横の談話室は明かりが付いていた。
誰もいないが、シュプールでは夜もつけぱなしなのかなとふと思う。
玄関脇の地下室入り口へと向かった。
「小林さん達はもう寝てるんでしょうか?」
「たぶん。最後には何も言わず、別々に部屋に戻ったから・・・」
階段を降りる。
みどりさんの事故について推理を披露した後、談話室に残っていたのは、シュプールのスタッフを除けば、美樹本さん、香山さん、奥さんの春子さんだ。
2階に向かったのはOLの加奈子ちゃんと啓子ちゃん、真理、そしてぼくの4人、河村さんも2階の客室にいた。
ガチガチッ
「あれ?おかしいな」俊夫さんが地下室の扉の前で取っ手を倒し、前後に押し引きしてるようだ。
「開かないんですか?」
「ああ、鍵がかかってるみたいだ。少し待っててくれ。取ってくる」
俊夫さんは今降りて来たばかりの階段を駆け上がって行った。
ぼくも試しに扉を開けようとしたがやはり開かない。
鍵自体はシリンダー内の角棒が横にスライドするタイプの鍵のようだ。
内側からは普通のツマミを倒せば閉めれるはず。中に人がいるならの話だけど・・・。
ダンダンッ
さっきとはうって変わって俊夫さんが階段を勢いよく降りてきた。
「透くん、地下室の鍵がないんだ!!ロビーのカウンターにあるはずなのに置いてなかった」
どういうことだろう?誰かが使ってるのは確かだが・・・。
「普段地下室は閉めた状態ですよね?」
「玄関脇の地下入り口の扉を閉めておけば、中まで閉めない事もある。それに地下室の鍵は基本的に持ち歩かないんだ」
それは確かにそうだろう。何かイヤな予感がする。
A「小林さんにマスターキーは借りれませんか?」ぼくは俊夫さんに聞いてみた。
B「扉をぶち壊しましょう。中に人がいるはずです」ぼくは断言した。
C「もうやめましょう。眠れば楽になりますよ」ぼくは眠かった。
56 :
名無しのオプ :2006/09/29(金) 20:13:56 ID:VMQaPsaR
Cで。
57 :
名無しのオプ :2006/09/30(土) 11:33:07 ID:wYVWAtTu
>>55 眠かった。真理のおかげで目が覚めたとはいえ、今度は俊夫さんのせいで眠くなった。
ただ、もう眠れば何もかも終わるとそう思った・・。
「もうやめましょう。眠れば楽になりますよ」ぼくは眠かった。
「みどりが心配なんだ。どこにいるか教えてくれ」
「どっかで死体になってるにきまってるじゃないすかぁ。ふはぁぁ・・」
あくびをしながらぼくは答えた。
「みどりが死んだ・・・。馬鹿な。ウソだ!!ウソだといえ!!」
「もういいいでしょう。寝ましょうよ」
「いえ!!いえ!!コイツいえ!!」
ぼくはまたしても俊夫さんに首を絞められた。
もうどうでもいいよ。この人は本当に短気だなぁ・・・。
眠かったのでそのまま寝た。
気持ちよく眠りにつけたけど、起きた記憶もなかった。
寝たいからネタだけなのにね・・・。
終「ネタ」 コンティニュー
>>55 のAorB
58 :
名無しのオプ :2006/09/30(土) 12:30:31 ID:qRT9+pA4
59 :
名無しのオプ :2006/09/30(土) 17:53:20 ID:wYVWAtTu
>>55 のB
「扉をぶち壊しましょう。中に人がいるはずです」ぼくは断言した。
「なんだって!?でも、壊すなんて事はできないだろう・・・」
「一刻を争う状態かも知れません。間に合わなかったら・・・」
俊夫さんは少し考えたが、みどりさんの事が心配なのだろう、すぐに決断した。
「分かった。鍵を壊そう。ここに斧があるからそれで壊せるだろう」
「もし何も無かったら謝って弁償しますよ」
わきにある壁に埋め込まれたツールボックスみたいな所から片手で持てそうな斧を取り出す。
「いくぞ!!」
俊夫さんは取っ手下部の鍵穴めがけて斧を振り下ろした。
ベキベキッ
鍵はたった一発で壊れ、金属製のスライドの角板が斜めにずれたようだ。
おかげで扉が開けることができた。壊れたのが一部分とはいえ、これは扉ごと変える必要があるなと思った。
ぼくが取っ手を持ち、そのまま扉を引く。
ギィッ
立て付けは悪くなかったはずだが、さっきの衝撃で歪んだのか、それとも静かだからだろうか・・・。
扉が動く音が大きく聞こえた・・・。
「・・・・透くん。こいつはいったい・・・」
俊夫さんの声が震える。ぼくもそれを予想してはいなかった。
目の前にいたのは・・・・いやあるのは・・・・
60 :
名無しのオプ :2006/09/30(土) 18:02:18 ID:wYVWAtTu
ぼくたちの目の前にあったのは香山さんの死体だった。 それも明らかに殺されたと分かる状態の死体だ。 「これはいったいなんだ・・。うぐっ。うっう・・はぁ」 俊夫さんは惨殺死体を見るのが初めてなのだろうか、息が荒い。 だが、これをみたら誰でも正気ではいられないだろう。 香山さんの頭がまっぷたつに割れていたのだ。 俊夫さんの手にある斧を見る。その斧の倍くらいの大きさの物が凶器だろうか? 地下室のワインセラーは空調機の音が不気味に響く。 「はっ!!透くん!!みどりはどうなったんだ?もしかしてみどりがこれを!!?」 「いえ、違うと思います。だけど、これはとんでもなくヤバイ状況になったみたいです」 ぼくは最初、みどりさんが自殺するか、あるいはさっき小林さんを殴った犯人が何らかの行動を起こす可能性を考えていた。 俊夫さんが震えたまましゃがみ込み、尻餅をついた。 A「とにかく奥さんの春子さんに知らせましょう」ぼくはそう提案した。 B「ここは密室ですね」ぼくは地下室少し調べることにした。 C「他の場所も調べましょう」俊夫さんを促した。
61 :
名無しのオプ :2006/09/30(土) 18:32:44 ID:FactCN9P
Aでお願いしまつ
62 :
名無しのオプ :2006/10/01(日) 17:55:57 ID:EKsZhhpK
>>60 のA
「とにかく奥さんの春子さんに知らせましょう」ぼくはそう提案した。
俊夫さんの身体を引き上げ、肩を貸した。脱力して弱々しい。
地下室の階段を上がるとそこにちょうど春子さんと美樹本さんがいた。
「どうしたんだ?殴り合いでもしたのかい?さっきは2階でドア叩いてたようだけど」
俊夫さんを談話室のソファに座らせながらぼくは答えた。
「いえ、みどりさんが行方不明で探してたら、その・・・・」
香山さんの奥さんである春子さんを横目に言いよどむ。いざ目の前にすると伝えるのが辛い。
「何!?篠崎君もか?いや、こっちも春子さんが香山さんが戻って来ないと言って探してたんだ」
そういうことか・・。僕たちと同じように美樹本、春子コンビもまた人探しをしてたわけだ。
そして、結果は一つ出ている。
「・・・言いづらいことなのですが 。香山さんが地下室で亡くなっています。それも殺されて・・」
「!!!」
春子さんが口に手を当て、息を飲むのが分かった。
「なんて事だ・・・。まさか君たちがやったんじゃないだろうね?」
美樹本さんの意見ももっともだ。第一発見者を疑えは鉄則である。
春子さんが駆けだして、地下室に向かった。
「待って下さい!!」
あの惨状を見たら気が触れるかも知れない。俊夫さんですら腰を抜かしたんだ。
制止する声は聞こえなかったように、ほんの少しためらうことなく春子さんは地下室に駆け下りる。
ぼくは急いで後を追った。
63 :
名無しのオプ :2006/10/01(日) 18:07:01 ID:EKsZhhpK
幸い春子さんは悲鳴も上げず、失神もしなかった。ただ香山さんの死体を睨み付けていた。 ぼくも二度目なので、それほどの衝撃はないものの、生々しい現場とくすぶった匂いが、気持ちを押しさげた。 「・・・こいつはひどいな」 美樹本さんが後から声を出した。 「春子さん。透くん。戻りましょう。ここは警察がくるまで保存しといたほうがいい」 美樹本さんの意見はもっともだ。春子さんは香山さんの死体に近づき、手を合わせた。 ぼくは地下室を見回す。 ワインセラー、物置、貯蔵施設の役割を果たす地下室は客室ほどの大きさだ。 香山さんの死体をもう一度確認する・・・。 「!!!?」 ぼくは香山さんの死体が何か握っているのを見つけた。 「どうしたんだい、透くん?戻ろう」 「美樹本さんコレ、何でしょう?」 二人で香山さんの死体をのぞき込んだ。 「鍵かな?」 A「たぶん、そう思います。それもこの地下室の鍵ではないでしょうか?」 ぼくは確認してみることにした。 B「香山さんの秘蔵の宝を隠した鍵だと思います。かなりの財宝でしょう」 数ヶ月後、ぼくは三日月島に向かう船に乗っていた。
64 :
名無しのオプ :2006/10/01(日) 18:49:08 ID:nUvTtizY
A
65 :
名無しのオプ :2006/10/02(月) 22:34:40 ID:gphgmIAC
>>63 のA
「たぶん、そう思います。それもこの地下室の鍵ではないでしょうか?」
ぼくは確認してみることにした。
美樹本さんが香山さんの手に握られた鍵を取り出した。
鍵についたタグには何も記入してないもの、熊の形のマークがついていた。
「死後硬直は始まってないようだね。まだやわらかいよ。ここが寒いから体温は低い感じがするけど」
「それはそうでしょう。死後硬直ってのは2時間くらいしてから起こるものですよ。さっきまで一緒にいたじゃないですか?」
談話室の推理劇が香山さんの提案で幕を下ろしたのが12時ころだったから、いつ殺されたにしろまだ硬直が始まる時間ではないはずだ。
「・・・そうか。透くんは色々知ってるね。ところでこの鍵は地下室の鍵かどうか確認しようがないんじゃないか?」
「俊夫さんに聞いてみましょう。鍵を壊してしまったから、実際はどの鍵かわかりませんし・・・」
「香山さんの隠し財産の鍵って可能性はないかな?」
「低いでしょうね。そもそも、こんな所に持ってくる必要はないですし、仮にそれが犯人の目的ならここには存在しないはずです」
「・・・主人は財産の類は銀行の貸し金庫か、自宅に置いております。それは私のあずかり知らない鍵です」
春子さんが無理やり声を絞り出した。美樹本さんがバツの悪そうな顔をした。
ぼく達は春子さんに肩を貸しながら、また談話室に戻った。
66 :
名無しのオプ :2006/10/02(月) 22:49:47 ID:gphgmIAC
談話室では俊夫さんがソファに座ったままうなだれていた。 「これはもしかして、地下室の鍵かい?」 美樹本さんが、俊夫さんに尋ねた。 「お前が殺したのか!!?」相変わらず短絡的だ。だが、おかげで「それ」が地下室の鍵であることがわかった。 「違いますよ。香山さんが握ってたんです。やはり地下室の鍵なんですね」 「・・・・そうだ。この熊のタグは地下室の鍵だ。サイズも客室と違って小さいんだ」 春子さんを座らせてから、ぼくはロビーの電話機に手をかける。 「・・・・・・」 音がまったくしない。どういうことだ? 「俊夫さん。警察に連絡したいんですが、電話がおかしいですよ」 「えっ?どういうことだ?まさか不通になっているのか?」 「犯人が切り取ったんじゃ?」 「どうやら、そうみたいですね。コレどうぞ」 受話器を俊夫さんに渡す。電話機自体が壊されてしまったのかもしれない。 しかし、線が切られてるだけなら、通話中と同じ状態だろうし、簡単に直せるのだが、全く音がしないのだ。 「ちくしょう!!何だよ!!」 「・・・・透くん?犯人はなぜこんな事してるんだろう?香山さんが殺された理由もわからない」 「それにみどりはどこにいる!?」 A「とりあえず小林さんに電話を借りましょう」まずは警察だ。 B「みどりさんを探しますか。心配です」人探しを優先しよう。 C「歩いて警察にいきましょう。このままでは危険です」とにかく警察だ。
67 :
名無しのオプ :2006/10/02(月) 23:39:02 ID:jUZEwIrc
A
68 :
名無しのオプ :2006/10/02(月) 23:54:59 ID:gphgmIAC
>>66 のA
「とりあえず小林さんに電話を借りましょう」まずは警察だ。
「ああ、殺人事件なんだ。早く警察に連絡しないと・・・」
「それに地下室のマスターキーの所在もはっきりさせないといけません」
地下室内に地下室の鍵があったのだからマスターキーで地下室を閉めたんだろうか?
談話室に春子さんを残し、ぼく達は急いで小林さんの部屋に向かった。
ドンドンッ
「オーナー!!大変なんです!!香山さんが殺されているんです。電話を貸してください」
俊夫さんが部屋の前についた途端、扉を叩く。まるでさっきのぼくの部屋を叩いたときの再現だ。
反応がない・・・。
「どうかしたんですか?オーナー入りますよ!!」
俊夫さんがドアのノブに手をかけた。
ガチガチッ
「また開かない!!!何でだ!!また鍵が閉まってる!!」
美樹本さんも試したがやはり開かないようだ。
「中に誰もいないのか?それとも香山さんと同じく・・・」
「犯人がマスターキーを奪うために小林さんを殺害して、鍵を閉めたとか・・?」
「ちくしょう!!オーナーも殺されてるってのか!!?」
A「犯人がマスターキーを持ってるとしたら危険です!!」とにかく2階の人が心配だ。
B「とにかく小林さんの部屋に入らないと。鍵を壊しましょう」いまさらドアを壊すのをためらうこともない。
C「もうだめかもしれんね」ぼくはすべてをあきらめた。
69 :
名無しのオプ :2006/10/03(火) 00:10:32 ID:Ws8fwmeu
B
70 :
名無しのオプ :2006/10/03(火) 21:03:05 ID:+Wm/YowQ
>>68 のB
数分後、ぼくたちは小林さんの死体と遭遇した。
俊夫さんが急いで、地下室の鍵を壊した斧を取りに行き、今度は何度か叩いてようやく扉を壊したのだ。
小林さんの死体は机に突っ伏して、頭を割られている。
「そんな・・。オーナーがこんな事になるなんて。くそっ」
「ああ、ひどい。とんでもない事だ」
ぼくは小林さんの部屋の電話を見つけ、指紋をつけないようハンカチを使い受話器を外した。
予想通り壊されていた。
今日子さんは一体どこにいるのだろう?この部屋にいないようだ。
そしてもう一つ気になるのは、マスターキーの存在だ。
「俊夫さん。マスターキーはどこにあるんですか?」
「そんなの犯人が持って行ったに決まってるだろう。でないとこの部屋を閉めることはできないんだ」
「いえ、普段どこにあるか教えてください。もしかしたら・・・」
「普段?それならそこの壁の横に蓋の中に掛けられてるよ!!」
俊夫さんがどなった。
ぼくは美樹本さんと一緒に蓋を開けてみた・・・。
71 :
名無しのオプ :2006/10/03(火) 21:14:24 ID:+Wm/YowQ
蓋の中に鍵の束が掛けられていた。俊夫さんに確認してみる。 「これってもしかしてマスターキーですかね?」 鍵の束を俊夫さんに見せてみた。 「・・・・そんな馬鹿な。それは間違いなくシュプールのマスターキーの鍵束だ」 「やっぱり・・・。また不可解な状況ですね」 小林さんの部屋は窓もあるが、吹雪の状況と室温を考えると、窓が開いていたという事は考えにくい。 案の定、クレセント錠は閉まっていた。今一度小林さんの死体に目をやる。 止血のために付けた包帯も真っ赤に染まっている。 小林さんが小さな紙を握っていた。 「俊夫さん?これは何でしょう?」 小林さんの拳から紙きれを取り出した。 『こんや、12じ、ひとがしぬ』 真っ赤な文字でそう書かれていた。 A「・・・とりあえず、全員を集めましょう」談話室に全員を集めることにした。 B「今日子さんはどこに行ったんでしょうか?」小林さんがこの状況だけに気になる。 C「とにかく、みどりさんを探さないと」俊夫さんに宣言した。 D「すいません。失礼します」真理の部屋に向かった。
72 :
名無しのオプ :2006/10/03(火) 21:40:46 ID:ilvGV86M
難しい選択肢だなぁ…どれも気になるw ここはAでおながいします
73 :
名無しのオプ :2006/10/03(火) 22:06:39 ID:+Wm/YowQ
>>71 のA
この状況だ。いつどこで何が起きているのか?小林さんの握っていた紙きれの意味も気になる。
時計に目をやる。
時刻は深夜2時。みどりさんの事故を暴いた推理劇からもう2時間近くも経っていた・・。
ぼくは談話室にいた春子さんに小林さんが殺害された事を伝え、俊夫さんたちと2階にいるメンバーを集めることにした。
3人で全員を呼び、談話室にそろったのは女性で準備に戸惑ったため、10数分後だった・・。
俊夫さんが呼びにきたときまで一緒にいた真理も少し眠そうにしている。
ここにいないのは今日子さん、みどりさん、2階の客室で寝ている川村さんだけだ。
「みんなにここに集まってもらったのは今ぼくたちがとんでもない状況におかれているからです」
何の説明もなしにこんな深夜に集められたら辛いだろう。しかし、今はそんなことも言ってられない。
「落ち着いて聞いてください。今、シュプールでは小林さんと香山さんが殺されています」
「・・・うそ・・・でしょ。透・・・・うそでしょ」
「いや。本当だ。真理。小林さんは部屋で殺されている」
「いやぁ・・・・うぁ。何よ、それ。・・・なんでそんなの」
泣き声をあげたのは啓子ちゃんだ。相変わらず加奈子ちゃんと寄り添っている。
すすり泣く声が少し続いた。ぼくは間を置いて続けた。
「鍵の閉まった地下室では香山さんが殺され、小林さんの殺された部屋も鍵が閉まっていました」
「しかも、それぞれの部屋の鍵が内側にあったんだよ。地下室の鍵は地下室の内側に、小林さんの部屋の鍵とマスターキーは小林さんの部屋にね」
美樹本さんが付け加えた。
「密室って事ですか?」加奈子ちゃんが震える声で聞いてきた。
A「うん、こいつは難問だ」ぼくは考え込んだ。
B「いや、すでにそれは分かっているんだ」ぼくはその件は問題ではないと思った。
74 :
名無しのオプ :2006/10/03(火) 22:42:34 ID:yfTep0ml
Bでお願いします
75 :
名無しのオプ :2006/10/03(火) 23:29:28 ID:+Wm/YowQ
>>73 のB
「どういうことだ?密室じゃないってのか?鍵が閉められてるんだぞ。地下室にはほかに出入り口が無い。オーナーの部屋の窓は閉まっていた。どうやって鍵を閉めるんだ」
「いえ、そんなに難しく考える必要は無いんです」
俊夫さんが勢い込んで尋ねてきたが、今の問題はそんなことでもないと思う。
自分が鍵を壊したのだから、罪悪感があるのだろうか?
もっともぼくがそうするよう促したのは確かだが・・・。
A「簡単な事です。鍵を閉めればいいんです」
B「内側に犯人がいたんですよ」
76 :
名無しのオプ :2006/10/04(水) 00:24:10 ID:6q6Mg3cC
Aで
77 :
名無しのオプ :2006/10/04(水) 21:31:30 ID:GCgexJD/
>>75 のA
「簡単な事です。鍵を閉めればいいんです」
ぼくはなんでもないように俊夫さんに答えた。
「だから、それができないんじゃないかと言ってるんだ!!鍵は香山さんが握ってたんだぞ!!」
「ですからこの鍵で閉めたんです」
ぼくはさっき小林さんの部屋で見つけたマスターキーを俊夫さんに向けた。
俊夫さんも思いついたようだ。
「・・・・マスターキーで閉めただと・・・・」
「はい。要は順番です。まず香山さんを殺害した犯人はこの鍵で地下室を閉めます」
「なるほどな。そして今度は小林オーナーを殺害し、鍵置き場に鍵をかけておいた・・・そういうことだね」
美樹本さんが確認する。
「おそらく、そうだとお思います。これで地下室の方は密室ではなかったという訳です」
「じゃぁ、叔父さんの部屋の鍵はどうして閉められるのよ!?」
真理がすすり泣きながら、聞いてきた。今の状況で彼女はかなり参ってる。
A「内側から閉めたんだよ」
B「簡単な事さ。鍵を閉めればいいんだ」
78 :
名無しのオプ :2006/10/04(水) 21:36:32 ID:AmeDZkJe
B…かな?難しいな。
79 :
名無しのオプ :2006/10/04(水) 22:24:45 ID:GCgexJD/
>>77 のB
「簡単な事さ。鍵を閉めればいいんだ」
「透?何を言ってるの、叔父さんの鍵は叔父さんの部屋にあったわけでしょ。それにそのマスターキーについてる鍵だって中にあったはずなのに」
真理はかなり混乱しているようだ。今この場にはシュプールの従業員は俊夫さん一人しかいない。
「美樹本さん。俊夫さん。ちょっと食堂で温かい飲み物でも作りましょう」
「透・・・」
「いいか、真理落ち着いてほしい。飲み物を用意するから待っててくれ」
ぼくたちはお湯を沸かし、談話室に運んだ。幸いインスタントのコーヒーや紅茶があったのでそれを使わせてもらうことにした。
「いやよ!!毒でも入ってるんじゃないの!!」
可奈子ちゃんが叫んだが、ぼくも俊夫さんも春子さんも口をつけたのを見て、おそるおそる飲み始めた。
「透!!それで叔父さんの部屋の件はどうなったのよ」
中座が効いたのか真理が立ち直った感じがする。よかった・・・・けど。
次の段階はまた沈める事になるのは間違いなかった。
「鍵があるんだ。無論、ぼくは持ってないし、犯人が持っているかもわからない。だけど鍵があるのは確実とまでは言えないけど、あるんだ」
「合鍵でもあるの?どうして透にそれがわかるのよ!!」
まるで俊夫さんだ。
「・・・・小林さんの部屋は一人で使ってるわけじゃないだろう。だとしたらその人の鍵が存在するはずなんだ。真理は自分の家の鍵がいくつあるか分かるかい?」
「・・・・・・・・・・・・」
ぼくが何を言おうとしているのか分かったらしい。
「客室には鍵が必要だ。だけど、オーナーの部屋にも当然鍵が必要なのは分かる筈だ。
必要な書類やお金入れる金庫もあるかもしれない。そして、個人経営のシンプルな民宿などの家族にとって部屋こそが本当の『家の中』なんだ。だから『家族』がその分だけ鍵を持っている可能性は高いんだ」
「・・・・そんな。だったら叔母さんが叔父さんや香山さんを殺したっていうの?」
真理が今までで一番青ざめた顔で聞いてきた。
せっかくの飲み物も効果は薄かったようだ・・・。
A「その可能性は高いと言える」
ぼくはそういうより他なかった
B「いや、気になる点があるんだ。まだそうとは決まっていない」
ぼくはまだ情報が足りないと思った
80 :
名無しのオプ :2006/10/04(水) 22:29:13 ID:agYBzdWg
先走りバッドエンドが見たいのでAで。 …という気持ちを押し殺してBで。
81 :
名無しのオプ :2006/10/04(水) 23:06:34 ID:GCgexJD/
>>79 のB
「いや、気になる点があるんだ。まだそうとは決まっていない」
ぼくはまだ情報が足りないと思った。
「さっき12時ころに解散したときの話ですが、ぼくと真理が2階に行った後のことを詳しく教えていただけませんか?」
「ああ、僕はアルコールを分けてもらってすぐ2階に上がったよ」
OL二人組みの次にぼくたちが客室に戻った。その次は美樹本さんということか。
「私は主人が小林さんと仕事の話があるというので、先に失礼させてもらいました」
「なるほど、その後はどうなったんですか?俊夫さん?」
「うん?ああ、俺とみどりは自分の部屋に戻った。みどりが落ち着かない状態だったからな。だが、とにかくシャワーを浴びたいというから俺はいつもどおりのペンションの閉店作業の後片付けしてから部屋で待つことにしたんだ」
つまり最後に残ったのは香山さんと小林さん、そして今日子さんだったわけか・・・。
「春子さん?香山さんはその後客室に戻ってこなかったわけですね?」
ぼくは確認してみる。春子さんは肯定の意味で頷いた。
頭の中で整理する。
82 :
名無しのオプ :2006/10/04(水) 23:10:06 ID:GCgexJD/
↓00:00〜みどりさんの事故の推理終了 可奈子、啓子が2階へ(以下順に客室へ) 透、真理 美樹本 春子 ↓ 〜1階組〜 俊夫、みどり移動→俊夫後片付け(食堂、裏口)みどり自室へ 小林夫妻、香山さん(謎?) ↓00:50頃 真理来室(今思えばなんと勿体無い事か) ↓01:00頃 俊夫来室 みどり探索のため地下室へ ↓01:?? 春子、美樹本に相談、探索の後談話室へ ↓01:20頃 地下室で香山の死体発見 ↓01:30頃 談話室で美樹本、春子と遭遇→再度地下室調査 ↓01:50頃 小林部屋を壊し、小林の死体発見→調査 ↓02:10頃 談話室に今日子、みどり以外の人間が集合 →02:22 現時刻 もう少し整理してみよう。 2階の人間が降りてきた可能性はあるか?反対に1階の人間が2階に上がった可能性は? A 両方とも可能性はある B 両方とも可能性はない C 2階の人間が降りた可能性はあるが、1階の人間が上がった可能性はない D 2階の人間が降りた可能性はないが、1階の人間が上がった可能性はある
83 :
名無しのオプ :2006/10/04(水) 23:45:42 ID:4YI4RniK
まるでゲームをやってるみたいで、楽しいです。 ここは('A`)で
84 :
名無しのオプ :2006/10/06(金) 21:19:53 ID:zSJuOLZo
ぼうっとしてて('A`)がAだと今気づいた・・。
85 :
名無しのオプ :2006/10/06(金) 21:33:24 ID:zSJuOLZo
>>82 のA
時間にすれば、12時〜01時までの時間に香山さん、小林さんが殺されたとすると約1時間は余裕があることになる。
外にでれば誰かと遭遇する可能性はあるとはいえ、不可能ではないだろう。
具体的な殺害方法がはっきりしないが、傷跡から推測できる範囲では殺害に多くの時間を必要とはしないはずだ。
つまり・・・・
ここにいる全員が時間的に二人を殺害するのが可能だったわけだ。
「だからといって今日子さんの可能性が高いのは変わらないだろう」
説明を終えた後、美樹本さんが言った。
真理も青ざめたまま、一向に治る気配がない。
「とりあえず予断は禁物ということです」
ぼくは努めて冷静に言った。
「・・・で、次はその紙きれの話になる訳か?」
「紙きれ?透?何かあったの?」
「うん。小林さんがこの紙きれを握って死んでたのさ」
ぼくはみんなにさっきの紙きれを見せた。
『こんや、12じ、ひとがしぬ』
真っ赤な文字で書かれている。とてつもなく汚い文字だ。
「何それ?そんなのあったの!!?」
可奈子ちゃんがヒステリックに声を上げる。
「これって殺人予告・・・・?」
啓子ちゃんや真理も悲鳴に近い声を上げた。
A「ちがうよ、おかしい点があるのさ」ぼくは断言した。
B「その通りだ。だから香山さんたちは殺されたんだ」ぼくは断定した。
C「ぼくのいたずらだよ」にっこり笑ってやった。
86 :
名無しのオプ :2006/10/06(金) 21:36:03 ID:T9Yh/LFx
Cだと俊夫さんに刺されそうなのでAで!
87 :
名無しのオプ :2006/10/06(金) 21:55:57 ID:zSJuOLZo
>>85 のA
「殺人予告・・・?」
「ちがうよ、おかしい点があるのさ」ぼくは断言した。
どこがおかしいのか・・
A「こんや」の部分
B「12じ」の部分
C「ひとがしぬ」の部分
D 赤い文字で書かれていること
88 :
名無しのオプ :2006/10/06(金) 21:57:19 ID:EYqtn4fR
c
89 :
名無しのオプ :2006/10/06(金) 22:41:51 ID:zSJuOLZo
>>87 のC
「この『ひとがしぬ』の部分がおかしいんです」
みんなの顔を見回す。訳が分からないといった感じだ。
「何がおかしいんだ?さっぱり訳が分からないね」
「この紙の文は誰が何のために書いたものか?という事です」
「そんなの犯人が私たちを怖がらせるために決まってるじゃない!!!」
可奈子ちゃんが叫ぶ。ちょっとうるさい。
「『ひとがしぬ』と書かれたら怖いですか?」
「当たり前でしょ!!!現に死んでるんだもん!!!」
「書かれたのは人が死ぬ前でしょうけどね。百歩譲って恐怖心をあおるためにかかれた物であるとして、どうして小林さんの部屋にあったんでしょうか?」
「叔父さん当てにあてた手紙だった・・・?」
「だとしたら可奈子ちゃん言ってることは間違いになるね。正しくは犯人が小林さんを脅すために作ったってことになる」
「ほとんど違ってないじゃない!!!小林さんを脅したのよ!!!」
「もう少し考えてほしいんです・・・
A『こんや』の部分もおかしくないですか?」
B『12じ』の部分もおかしくないですか?」
90 :
名無しのオプ :2006/10/06(金) 22:49:26 ID:MkHRNhJW
Bで
91 :
名無しのオプ :2006/10/06(金) 23:21:22 ID:zSJuOLZo
>>89 のB
「もう少し考えてほしいんです・・・ 『12じ』の部分もおかしくないですか?」
「何がお菓子いって言うのよ」
おかしいの発音が妙な聞こえ方するが・・・啓子ちゃんが聞いてきた。
「『12じ』に誰も死ななかったからです」
「だってみどりさんの事故があったから殺せなかったんじゃないの?」
「うん。ただの冗談だよ。本当は時間を断定してるところがおかしいんだ」
「時間を断定するのがおかしいって?怪盗とかならやるんじゃないのか?ルパンとか・・」
「それは予告が挑戦状だからですよ。警察や探偵に止められるものなら止めてみろって言う」
「殺人でもあるだろうよ!!!そういう推理小説だってあるんじゃないのか?」
俊夫さんもよく分からないとこで変な引用してくる・・・。
「ありますね。目的も最終的にははっきりすることもあります。館に人を寄せ付けたくないとか、アリバイとか・・・」
「だったらそういう類のもんじゃないのか?」
「ですから『12じ』がネックなんですよ。『12じ』にひとが死ななかったらどうなります?」
「脅迫文は偽者だった。それだけで終わる事だ。そしてその時間に誰か死んで得する人間はいなかった」
美樹本さんが言い放った。
92 :
名無しのオプ :2006/10/06(金) 23:22:22 ID:zSJuOLZo
「脅迫文は偽者だった。それだけで終わる事だ。そしてその時間に誰か死んで得する人間はいなかった」 美樹本さんが言い放った。 「そうです。つまり『12じ』に断定する意味が無いんです。そこでさっきの可奈子ちゃんの話に戻るとしましょう。ぼくたちを脅かすつもりならもっと見やすいところにおいておくべきだと思う。じゃぁ脅かす対象は誰か?小林さんになるでしょうか?」 「そのつもりで話を進めてるんだろう」 「・・・・では、これはいつ小林さんに届けられたんですか?」 「いつ?そんなの今日の・・・いや日付が変わってるから昨日の夜12時以前だろう?」 「だとしたら、おかしくないですか?小林さんはこの脅迫文をあらかじめ持った状態でさっき殴られたんですよ?さっきの推理のときにこれの話が出てくるはずでしょう?」 「隠したかったんだよ」 「自分の命がかかってるかもしれないのに?それに尚更さっきの段階で警察に連絡したほうがよかったですね」 「だったら殴られた後にこの文を見たんだ!!!」 「今日子さんも付き添ってたし、もう12じ直前でしたよ?ますますこの脅迫文がおかしなものになります」 「じゃぁ誰がこれを作ったって言うんだ?」 「それは****です」 脅迫文を作ったのは? ****
93 :
名無しのオプ :2006/10/07(土) 00:22:10 ID:DpF/BLlp
『こばやし』
94 :
名無しのオプ :2006/10/07(土) 11:46:53 ID:yQP1V5iU
>>92 の犯人入力
「小林さん以外にあり得ません。小林さん『だけ』がこの脅迫文の存在を知ってたんです」
ぼくは答えた。
「どうして?叔父さんがそんな事を・・・・?」
「書いたのは昨日だろうけど、理由は分からない。そして目的も。可能性だけならいくつもあるけど・・・」
「で、その意味の無い脅迫文の説明には何の意味があるんだ?」
美樹本さんが少し焦れたように言い出した。
「つまり、この脅迫文が小林さんの書いた物である以上、ここから犯人を断定することはできないんですよ」
「なんだと・・・・。巫山戯てるのか!!!」
A「いいえ、もう僕たちには無理ですね。朝になったら警察にまかせましょう。」
ぼくは敗北宣言をした。
B「とにかく、今いない二人を捜すのが先決です。もしかしたら何か分かるかも知れません」
もうこれ以上の推理は意味がない。
95 :
名無しのオプ :2006/10/07(土) 11:58:28 ID:iM6LMBPm
まあBか
96 :
名無しのオプ :2006/10/07(土) 18:28:12 ID:yQP1V5iU
>>94 のB
「とにかく、今いない二人を捜すのが先決です。もしかしたら何か分かるかも知れません」
もうこれ以上の推理は意味がない。
ガッシャァァーーン
2階から大きな音がした。談話室にいた全員が顔を見合わせる。
「なんだ!?今の音は!!」
「みどり!!!」
美樹本さんと俊夫さんが階段へと駆けだした。
ぼくは、やはり予想通りの事が起こったと思った。
2階に上がる。階段を上がって左手側に人が首を釣っていた。
近くの窓が割れている。足下には椅子が転がっていた・・・。
「・・・・叔母さん・・・・・・・」
震える声で真理がつぶやいた・・・。
「急げ!!!今なら間に合うかも知れない!!!」
美樹本さんが叫ぶ。俊夫さんがぶらさがった今日子さんを抱える。
ぼくは急いで自分の部屋からサバイバルナイフを持ってきて、今日子さんの首にしまった縄を切った。
そして・・・・
今日子さんは死んでしまった。懸命の蘇生も実らず、そのまま・・・・。
「なんてこった・・・・」
俊夫さんが頭を抱えた。この2階の廊下にみんな集まって来ている。
真理の泣く声が痛ましい。
ドンドンッ
2階の廊下の反対側にあるクローゼットから何か叩く音がした。
「・・・・みどりか・・?」
俊夫さんの声も弱々しい。
みんな無言でクローゼットに近づいた。
97 :
名無しのオプ :2006/10/07(土) 18:47:48 ID:yQP1V5iU
クローゼットから音がしている。 「開けよう」 美樹本さんが取っ手に手をかける。 ガチガチッ 「あれ、おかしいな?開かないぞ」 「何だと・・・」 今度は俊夫さんが開けようとする。が、やはり開かない。 ドンドンッ あまり大きくないが、中から音がする。やはり、誰かいるのか? 隙間を覗いてみる。取っ手の裏側に紐の様なモノが見えた。 これを切れば開くはずだ。 ぼくは美樹本さんと俊夫さんに扉を力一杯引いて貰い、少しでも隙間を大きくしてから、ナイフで紐を切った。 中から何か飛び出してきた!!! 「ニャァ〜」 黒猫だ。そのまま走ってどこかに行ってしまった。閉じこめられた黒猫か・・・。 「・・・みどり・・・・」 そして、クローゼットの中、みどりさんが死んでいた・・・。 俊夫さんがみどりさんを抱いて泣いている。 香山さん、小林さんの死体と同じように頭を割られていた。 そして、大きな斧が一緒に置かれていた。 「犯人にとって最後の殺人だから凶器を残したんでしょうね」 ぼくの声に反応する人はいなかった。 クローゼットの内側を見る。血飛沫から、みどりさんが殺されたのはここだと分かる。 扉の内側の、取っ手の出っ張り部分に紐を引っかけ、何重にも巻いて外側から絞り結べば、仮に身体が倒れたりしても、クローゼットは閉められた状態になる。 密室にしたかったんじゃなく、それが理由だろう。 「結局、犯人は今日子さんで香山さん、小林さん、篠崎君を殺して自殺したって事か?」 A「そうでしょうね。それ以外考えられません」 B「違います。ようやく事件の全貌が見えました」
98 :
名無しのオプ :2006/10/07(土) 18:49:10 ID:iM6LMBPm
クローゼットじゃなくて掃除具入れじゃなかった?
99 :
名無しのオプ :2006/10/07(土) 18:51:00 ID:yQP1V5iU
>>98 すっかり、勘違いしてたみたいです。全面的に訂正の方向でお願いします。
100 :
名無しのオプ :2006/10/07(土) 21:11:43 ID:/uLmjl2N
101 :
名無しのオプ :2006/10/08(日) 12:07:00 ID:28z9IVJS
>>97 のB
「違います。ようやく事件の全貌が見えました」
「何?じゃぁ今日子さんは自殺じゃないというのか?じゃぁどうやってつり下げるんだ?こんなの大の男でも不可能だぞ?」
美樹本さんが意気込んだ。
「いえ、今日子さんの体重は軽いです。ですので、カメラマンで屈強な美樹本さんやスポーツマンの俊夫さんなら不可能じゃないでしょう」
『なんだと!!!』
二人が同時に声を上げた。にらんでくる。
俊夫さんはみどりさんの亡骸を抱いたままだ。
さっきまでと違い、その服が血で染まっている。それを見てぼくは続けた。
「とりあえず、その件は後回しにしましょう。今日子さんの服にはほんの少ししか返り血がついてません。あれだけの殺人をした割にはですが・・・」
「上着を着ていたとか、色々あるだろう・・・」
「その上着をどこで脱いで、どこに捨てたか気になりますがね」
「それは・・・」
「それで、次の問題です。今日子さんとみどりさんはいつ2階に上がってきたんでしょうか?」
さきほど頭で整理した表(
>>82 )を思い出す。
タイミングはここしかない。
A 00:00〜01:00の間
B 01:00〜02:00の間
C 02:00〜現時刻までの間
102 :
名無しのオプ :2006/10/08(日) 23:13:08 ID:C4styFJ5
う〜ん、Bかな?
103 :
名無しのオプ :2006/10/09(月) 11:39:56 ID:PEe925QA
>>101 のB
「それは1時以降じゃないの?」
「正確には12時〜1時半までの間です。階段の下の談話室にはそれ以降俊夫さんか春子さんがいたから移動するとしたらそれ以前になります」
「1階にぼくたちが降りていく時には誰ともすれ違わなかった・・・」
美樹本さんが確認する。
「しかし、1階で俊夫さんが探しているのを知っていて、それでみどりさんが出てこないと考えると1時以前であった可能性が高いと思います。ぼくたちが地下室の調査や扉を壊してる間に走り抜けることも可能でしょうけど」
2階の廊下は窓が割れたせいもあり、少し寒い。
「そこで、二人は2階のどこにいたのか?という問題が生じますが、これは恐らく『誰か』の客室でしょうね。多分犯人の・・・・」
「犯人は客の誰かと言うことか!!!?」
美樹本さんがどなった。無視して続ける。
「12時以降恐らく12時半頃にみどりさんと今日子さんは犯人の客室に向かいます。その後任意なのか、あるいは気絶させられたのか分かりませんが、そこに留まります」
「みどりさんと叔母さんが一緒に移動したっていうの?どうして?」
「いや、それは後回しにしよう。今は犯人の行動についてだ。そして、犯人は『仕事』の打ち合わせで会話している小林さんと香山さんを談話室で見ます」
「犯人が二人を見た・・・?『仕事』の会話?」
「・・・いや、もしかしたら・・・『仕事』について春子さん知ってますか?」
104 :
名無しのオプ :2006/10/09(月) 11:55:06 ID:PEe925QA
「いいえ、私は何も聞いておりません」 香山さんは意外と秘密主義なのかな?口は軽そうだけど、仕事に関しては厳格とか・・。 「そうですか、それも後回しにしましょう」 「後回しって関係あるの?」 真理が聞いてくる。 「うん。少し思い当たることがある。シュプールの融資とかそういう事じゃないよ」 「・・・・そう」 真理もおちついたのだろうか・・・・。それ以上は聞かない。 「そして、犯人は地下室で香山さんを殺害し、ロビーの地下室の鍵で一旦、地下室を閉めます」 「さっきの説明と違うじゃない!!」 「いえ、どっちでも良いことなので・・・。地下室自体はこの段階で閉めなくてもいいから・・・。 で、次ぎに小林さんの部屋で小林さんを殺害し、マスターキーを手に入れ、地下室に戻り、地下室の鍵を香山さんに握らせ、マスターキーで地下室を閉めます。 そうして、次は小林さんの部屋ですが、マスターキーを戻した犯人は今日子さんから手に入れた鍵で小林さんの部屋を閉め、後は客室に戻ります。およそ30分もあれば可能だったでしょうね」 「ややこしいな・・・」 「ご覧のように客室は全室満室ですから、そうなると一人だけ犯行が不可能な人物が出ます。従業員である俊夫さんです。そして犯人は客であることを考えると・・・」 みんなの視点が一人の人物に注がれた・・・。 さっきの説明で今日子さんを・・・。 「犯人は****です」 犯人名入力 ****
105 :
名無しのオプ :2006/10/09(月) 19:49:07 ID:EBjOBGsH
ぼく でバッドエンド1つおながい…してもいい?
106 :
名無しのオプ :2006/10/09(月) 20:45:28 ID:UZS3DtQL
言った!さすが>105! 俺達ができないことを平然と言ってのける!そこに痺れる憧れ…はしねぇか。
107 :
名無しのオプ :2006/10/09(月) 20:52:18 ID:Nm9TGnAD
叙述トリックだったりして
108 :
名無しのオプ :2006/10/10(火) 08:21:26 ID:q2EfJxX8
>>104 犯人名「ぼく」
「犯人はぼくです」
そうだ。わたしはさっきから何か違和感があった。あの透がこんなに理屈ぽい変な人な訳がない。
「な〜んちゃ「やっぱりおかしいと思ったのよ!!!!」
透が驚いた顔をわたしに向ける。
「何を言ってるんだ?真理」
「あなたが犯人だったのよ!!!」
わたしにはすべてが分かった。
「さっきの叔母さんを吊り下げることができるのは美樹本さんと俊夫さんの二人しかいないと言ってたけど、もう一人いるのよね?」
「ええ〜ぼくぅ〜!?」
なんとわざとらしい演技だろう。わたしは続ける。
「あなたにも可能なんじゃないの?曲がりなりにも男でしょ!!それになんであなたは叔母さんの体重が軽いのを知ってるのよ(
>>101 )!!?」
「そうだ、それに血の件もそうだ・・・。俺が君の部屋に行って外に出ようとしたとき、ペンション内は暖かいのに上着を着るとか言ってた(
>>53 )!!実はその上着の下は返り血で真っ赤なんじゃないのか!!?」
俊夫さんがわたしにつづいた。
「いや、違いますよ。寒いかと思って上着を着ただけですから!!ホント、マジ」
とか弁明しつつ、オロオロしながら一向に脱ごうとしない。認めたも同然だ。
「それにおかしな部分はまだあるわ!!!さっきの叔父さんの部屋で見つけた脅迫文よ!!なんであの時、そんな意味のない事をやってたのか!!?これではっきりしたわ!!」
「真理くん?どういうことだい?」
美樹本さんが尋ねる。わたしはこの恐ろしい犯罪に終止符を打つ推理を話すことにした。
109 :
名無しのオプ :2006/10/10(火) 08:44:53 ID:q2EfJxX8
「さっきの意味のない脅迫文の説明には意味があったのよ。犯人である透にとってはね」 「いや、違う。意味があるんだが、そうじゃないんだ」 透がオタオタしている。なんて見苦しい。 「どういう意味なんだ?みどりの死にかんけいあるのか?」 俊夫さんが聞いてきた。わたしは首を横に振る。 「みどりさんの死には関係ありません。叔母さんの死に関係します。透は談話室にみんなを集めることによって叔母さんの死んだときにアリバイを作ろうとしました」 「ちょっと待ってくれ!!真理!!頼むから話を聞いてくれ!!」 聞く耳なんて必要ない。叔父さんと叔母さんを殺した相手なんだ。 「アリバイを確保するのにはみんなの前にいればいい。その上で、さっきの脅迫文に意味があったのは、それが透の時間稼ぎだったからです」 「時間稼ぎだって?どういうことだ?」 「叔母さんを殺したトリックです。いえ、正確には普通に殺した後に、自分がいないときに、叔母さんを出現させたトリックです」 わたしの推理には自身があった。昔何かの本で読んだトリックだったからだ。 「真理!!待ってよ!!違うんだって!!そのトリックは違うんだ!!」 「うるさいわね!!おとなしく聞いてなさい!!」 美樹本さんがわめく透を締め上げる。 「まず、叔母さんの首に縄をかけた状態で、天井に吊り下げた部分を支点にして叔母さんを結んだ側と反対側の縄の先に椅子を縛り、縄を隙間をうまく通し、窓の外側に叔母さんと椅子を固定します。」 わたしは床に転がっていた椅子を指した。どうやってやったかはうやむやだが透の事だ。うまくやったに違いない。 「外は吹雪ですので、逆さにした椅子に雪が積もります。すると縄の支点の部分が雪の重みで椅子の方へと引っ張られます。そしてついには叔母さんの体より重くなり叔母さんの体は窓の外から、窓を突き破り、屋内にぶら下がるという状態になります」 「ええ〜〜〜〜〜〜!!!」 透が奇声を発した。わたしには無理だが、透ならいとも簡単にやってのけるだろう。
110 :
名無しのオプ :2006/10/10(火) 08:55:41 ID:q2EfJxX8
「みなさん分かりましたか?透があの脅迫文に対して長々と説明したのは『意味がない』ということではなく透にとって『意味があった』ということです。叔母さんの体がここに出現するトリックを完遂するための時間稼ぎという『意味』が・・・」 「いやいや、それに動機もないよぅ・・・・」 「動機なんて関係ないわ!!!動機は後から分かるのよ!!」 胸をすくような華麗な推理がわたしの口からすらすらと飛び出す。 キャサリンでもマープルでも、二階堂蘭子でもこうもすばらしい推理はしないだろう。 「そいつがみどりを殺したんだな・・・・」 恐ろしい殺気を感じ、振り向くと、俊夫さんがみどりさんの近くに置いてあった斧を持っていた。 「殺してやる!!!」 俊夫さんが透に向かって斧を叩き付けた・・・。 グシャッ!!! ブシャァァァァァァァァ 透の頭がざっくり割れて、赤い血が吹き出た・・・。 「サモハーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」 透が断末魔の叫びを上げ、倒れた・・・。 それからはゆっくりと時間が流れた気がする。 俊夫さんがみどりさんを抱いたまま1階に降りていき、玄関を出て行った。 わたしたちは1階の食堂でただ時間が過ぎるのを待っていた。 警察が到着したのは、朝の8時ころ。 そのころには昨夜の吹雪が晴れていたけど、わたしの心は晴れていなかった。 そういえばわたしの推理では、外にぶら下がってたはずの叔母さんの身体がまったく濡れてなかったのは神様がせめて、寒い思いはしないようにと、奇跡を起こしてくれたに違いない・・・。 完?「わたしの華麗なる推理」
111 :
名無しのオプ :2006/10/10(火) 09:08:44 ID:q2EfJxX8
>>104 犯人名「ぼく」
みんなの視点が一人に集まる。なんか雰囲気がやばい。俊夫さんなんか人を殺しかねない。
ここはおちゃらけでも入れて、緊張をほぐした方がいいかもしれない。
「犯人はぼくです」
みんながはっと驚いた顔でぼくを見つめる。ここでうまく落とせば緊張はほぐれるはずだ。
「な〜んちゃ「やっぱりおかしいと思ったのよ!!!!」
な〜ちゃってと言おうとしたぼくの声を真理の声がかき消した。
「何を言ってるんだ?真理」 ぼくは思わず尋ねる。真理が睨んでいる。
「あなたが犯人だったのよ!!!」
いや、それ冗談だってば・・・・。何か言わなきゃ。
「さっきの叔母さんを吊り下げることができるのは美樹本さんと俊夫さんの二人しかいないと言ってたけど、もう一人いるのよね?」
「ええ〜ぼくぅ〜!?」
無理だ。自慢じゃないが、ぼくは運動神経がそれほどいい方ではない。もちろん力もあまりない。さっきのスキーでも転んでばかりで雪だるまになりかけたのを真理も知らないわけじゃないだろうに。
「あなたにも可能なんじゃないの?曲がりなりにも男でしょ!!それになんであなたは叔母さんの体重が軽いのを知ってるのよ(
>>101 )!!?」
「そうだ、それに血の件もそうだ・・・。俺が君の部屋に行って外に出ようとしたとき、ペンション内は暖かいのに上着を着るとか言ってた(
>>53 )!!実はその上着の下は返り血で真っ赤なんじゃないのか!!?」
真理と俊夫さんが変なことを突っ込んでくる。そもそも真理はぼくの部屋にいたじゃないか・・・。
「いや、違いますよ。寒いかと思って上着を着ただけですから!!ホント、マジ」
あの段階ではもしかしたら外に探しに行く可能性もあったんだ(
>>53 )。だから上着を着るのは間違いじゃなかった。
服を脱いで証明しようとするが、さっき急いで着たせいか、ファスナーがガジって脱げなくなっていた。
112 :
名無しのオプ :2006/10/10(火) 09:16:27 ID:q2EfJxX8
「それにおかしな部分はまだあるわ!!!さっきの叔父さんの部屋で見つけた脅迫文よ!!なんであの時、そんな意味のない事をやってたのか!!?これではっきりしたわ!!」 「真理くん?どういうことだい?」 真理に美樹本さんが尋ねる。 「さっきの意味のない脅迫文の説明には意味があったのよ。犯人である透にとってはね」 「いや、違う。意味があるんだが、そうじゃないんだ」 意味のない脅迫文にはやはり重要な意味があったと思う。でも真理は勘違いをしている。誤解を解かないと・・・。 「どういう意味なんだ?みどりの死に関係あるのか?」 俊夫さんの問いに真理が首を横に振り、否定の意味を表す。 「みどりさんの死には関係ありません。叔母さんの死に関係します。透は談話室にみんなを集めることによって叔母さんの死んだときにアリバイを作ろうとしました」 「ちょっと待ってくれ!!真理!!頼むから話を聞いてくれ!!」 ぼくはもう半ばやけになり、真理に頼むが、無視され続ける。どうしよう・・・。 「アリバイを確保するのにはみんなの前にいればいい。その上で、さっきの脅迫文に意味があったのは、それが透の時間稼ぎだったからです」 「時間稼ぎだって?どういうことだ?」 美樹本さんのワトソン役ぶりが、いざ、とんでもない方向に向かうと逆に恐ろしい。 「叔母さんを殺したトリックです。いえ、正確には普通に殺した後に、自分がいないときに、叔母さんを出現させたトリックです」 もしかして、バカミスでも読んだのか?何にしろ、ぼくがアリバイを作るトリックが正解の訳がない。 「真理!!待ってよ!!違うんだって!!そのトリックは違うんだ!!」 「うるさいわね!!おとなしく聞いてなさい!!」 真理が暴走している。やばい。やばすぎる。
113 :
名無しのオプ :2006/10/10(火) 09:28:05 ID:q2EfJxX8
身体でとめようとしたが、美樹本さんに締め付けられた。この力のない僕がどうやって今日子さんを吊り下げるのさ・・・。
「まず、叔母さんの首に縄をかけた状態で、天井に吊り下げた部分を支点にして叔母さんを結んだ側と反対側の縄の先に椅子を縛り、縄を隙間をうまく通し、窓の外側に叔母さんと椅子を固定します。」
無理だ。そんなに縄は長くない。もう破綻している。
「外は吹雪ですので、逆さにした椅子に雪が積もります。すると縄の支点の部分が雪の重みで椅子の方へと引っ張られます。そしてついには叔母さんの体より重くなり叔母さんの体は窓の外から、窓を突き破り、屋内にぶら下がるという状態になります」
「ええ〜〜〜〜〜〜!!!」
思わず声を上げてしまった。とんでもない話だ。椅子も今日子さんの身体も濡れちゃいない。どっちも屋内にあったんだよ、真理。
「みなさん分かりましたか?透があの脅迫文に対して長々と説明したのは『意味がない』ということではなく透にとって『意味があった』ということです。叔母さんの体がここに出現するトリックを完遂するための時間稼ぎという『意味』が・・・」
「いやいや、それに動機もないよぅ・・・・」
「動機なんて関係ないわ!!!動機は後から分かるのよ!!」
なんてこった。迷探偵Zや榎津礼二郎だってそんな無茶は言わないだろう・・。
「そいつがみどりを殺したんだな・・・・」
真理の背後で恐ろしい形相をした俊夫さんが立っていた。手には一連の事件の凶器と思われる斧・・・みどりさんの傍らに置いてあったものだ・・・持っていて・・・。
「殺してやる!!!」
俊夫さんがぼくに向かって斧を振り下ろした・・・。
グシャッ!!!
ブシャァァァァァァァァ
赤い血が吹き出た・・・。目の前が真っ赤だ・・。ぼくはこのまま死んでしまうんだ・・。
とにかく、この世に何か言葉を残さないと死んでも死に切れない・・。腹に力を入れた・・・。
「サモハーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」
終「真理のトンデモな推理」
透死亡コンティニュー
>>104 犯人入力****
114 :
名無しのオプ :2006/10/10(火) 09:48:48 ID:bs/gC04g
『としお』で 透カワイソスw
115 :
名無しのオプ :2006/10/10(火) 21:43:14 ID:0miLUyvu
サモハンって何?
116 :
名無しのオプ :2006/10/10(火) 22:04:12 ID:3T44FkxJ
きんぽーっ☆
117 :
名無しのオプ :2006/10/11(水) 21:12:04 ID:SWWS8xDY
>>104 犯人名「としお」
「犯人は俊夫さんです」
言ってしまった。俊夫さんがみどりさんの亡骸を抱いてる脇には大きな斧がある。
考えるまでもない。この状況で俊夫さんを犯人呼ばわりすること・・。そう、これは完全に死ぬという事だ。案の定、俊夫さんが斧を振り上げる。
「俺がみどりを殺すわけ無いだろうがぁっ!!!」
ぼくはそれが分かっていた。何より俊夫さんには犯行が不可能だと除外したばかりだからだ。
斧がゆっくり降ろされる。これはぼくが時間をゆっくり感じているに他ならない。アドレナリンが激しく分泌しているのだろう。
ふと、俊夫さんに何度か殺されたかのような既視感を覚える。
もしかしたら平行世界のぼくも俊夫さんに殺されたのかも知れない。
せっかくだから、少し考えてみよう。
香山さんと小林さんの事件を現段階で犯人を当てるのは不可能だ。
なぜなら全員が可能性があったからだ。確かに1階にいた俊夫さんが一番怪しい。
しかし、それだけで犯人と断定することはできない。
だが、2階の今日子さんとみどりさん殺害に関しては別だ。
可能だったのは一人しかいない・・・。
斧がゆっくりとぼくの頭にめり込む。
もしかしたら無駄な事考えてる間に、格闘士のごとく避けられたんじゃないだろうか?
できれば、他の平行世界の透は生き残って欲しい。
ああ、目の前が真っ赤だ。最後に何か言わなきゃ・・・・。
A「サモハン!!」B「キンポー!!」C「ソモサン!!」D「デッパ!!」
どうしようかと迷ったけど結局間に合わなかった。
そういえば、保険金目当てで自分を殺させるために相手を挑発したって話結構あったなぁ・・・。
ぼくの意識は遠のいた。
終「ぼくはいつも俊夫に殺される」
118 :
名無しのオプ :2006/10/11(水) 22:04:32 ID:SYXpDI3/
119 :
名無しのオプ :2006/10/13(金) 21:32:48 ID:1K4vqz88
>>1 から読み返してみた
どの作品もおもしろいっす
作者さんがんばれ
120 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 12:56:05 ID:fPlgPfAx
>>104 犯人名「みきもと」
「犯人は美樹本さんです」
全員が注目するその人物を当然のように名指しした。
「てめぇがみどりを殺したのかぁ!!!」
俊夫さんが美樹本さんに殴りかかった。美樹本さんは不意をつかれて顔に一撃喰らったものの、お返しにボディへ重たい一撃を入れて俊夫さんをダウンさせた。
「やれやれ、とんでもない理屈で犯人扱いされたな。で、僕が犯人だとして、下にいたのに、どうやって今日子さんの死体を出現させて、音を発生させるのかい?」
冷静な口調で話す。
たしかに、そのトリックは分からない。寒さがきつくなるこの廊下で見わたしても使えそうな道具は転がっている椅子くらいしか見当たらない。
これだけでは、はっきりって不可能だ。廊下全体が濡れてるわけでもないし・・・。
そう、あるとしたら窓の外・・・・多分1階に落ちてしまっているだろうが・・・しか考えられない。
「・・・それは外に謎を解く鍵があるのかもしれません」
ぼくは苦し紛れに言うより他ならなかった・・・。
「ふん、とんだ迷探偵だな。いいだろう。僕を犯人呼ばわりするなら好きにすればいい。僕は自分の部屋から出ないようにしよう。中に入ったら、ドアノブを縄で縛っても戸板を打ち付けてもらってもかまわない」
淡々と話す。
「警察が来れば、きちんと実況検分すれば僕は犯人でないことは分かるからね。恥をかくのはキミだよ」
そう言うと美樹本さんが、自分の部屋に入っていった。
121 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 13:12:19 ID:fPlgPfAx
あまりの自信にその場にいた全員が声を失っていた。 「・・・一応、縄で縛っておきましょう」 ぼくは美樹本さんの部屋のドアノブに縄をかけ、隣の部屋の間に掃除具入れからモップを斜めに立てかけ、縛り付けた。内開きなので、扉を破壊しない限り部屋から出ることは出来ないだろう。 「本当に外にあいつが使ったトリックがあるんだろうな?」 俊夫さんが腹に手をあてて、苦しそうに言う。 「そうとしか考えれませんので・・・」 「分かった。俺が探してこよう・・・。あいつだけは絶対に許さねぇ・・」 「そんな、吹雪も弱くなったとはいえ、まだ危険ですよ」 「ふん。ペンションの窓の下を見てくるだけだ。すぐ済むよ」 もちろん、手がかりがみつかればそれに越したことはない。 「分かりました。お願いします」 ぼくは俊夫さんに頼ることにした。やれることは限られているはずだ。何かトリックの道具でもあればそれで全て解決する。 俊夫さんは、みどりさんを抱いて、1階に降りていった。 「みなさんは警察が来るまで休んだ方がいいでしょう。しっかりと鍵をかけてください」 「本当にこれで終わったの?もう私達大丈夫なの?」 可奈子ちゃんが聞いてきた。 「もうこれで殺人は起こらないと思う。美樹本さんがあの様子だと動機も分かりそうにないし・・・」 「分かったわ。もう、朝になってからね」 そう言って、可奈子ちゃんと啓子ちゃんも自分の部屋に入っていった。 「私は香山の側にいたいです」 「えっ?」ぼくは驚いて春子さんの顔を見た。 うっすらと笑みを浮かべて、それでも目には涙を溜めて・・・。 あの凄惨な殺害現場に行くっていうのか・・・。 「・・・・しかし・・」 ぼくの上着のソデを真理が引っ張った。真理が軽く首を振る。 「・・・分かりました。地下室も暖房が入るはずです。暖かくしてください」 春子さんは軽くお辞儀をして1階に降りていく。そこまで香山さんの近くに居たかったんだろうか。
122 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 13:25:30 ID:fPlgPfAx
ぼくと真理はぼくの部屋に行くことにした。 廊下には、全ての役目を終えた斧が、床に転がっていた・・。 「透、わたしこれからどうしたらいいのかしら・・・」 部屋に入り、ベッドに腰掛けた真理が、震える声で話した。 「・・・・・」ぼくにはかける言葉も見当たらない。 俊夫さんがこの部屋の扉を叩く前とは状況は酷似してても、全く違う雰囲気だ。 「叔母さんも、叔父さんも。すごく優しくていい人だった。脱サラしてシュプールをやるって言ったときは、わたしの両親をはじめ、親戚中から反対の声が出たわ」 想像に難くない。でも、好きなことを、やりたいことをやるために、小林さんはサラリーマンをやめたんだ。 「叔父さんは料理好きだったし、叔母さんが『はやく、彼氏をつれてきなさい』って言って、でも、こんな事になって・・・」 真理の言葉が身にしみる。ぼくが・・・もし・・あのとき・・・違う選択をしていれば・・。 ピンポ〜ン、ピンポ〜ン 突然、シュプールのチャイムが鳴った。2階にいると聞こえづらいが確かに聞こえる。 「俊夫さんかな。ちょっと見てくるよ」 もう、犯人は閉じこめたんだ。出歩いても大丈夫だろう。 ぼくは部屋を出て廊下を歩き、階段を降りる。 2階の廊下にあるべきものが無くなっていたのを、その時は全く気にかけていなかった。
123 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 13:40:42 ID:fPlgPfAx
ピンポ〜ン 何度目かのチャイムが鳴っただろうか・・・。それにしても、自分から外に出て行き、鍵が閉まっているってどういう状況なんだ? 「はい、はい今あけますよ〜っと」 ぼくは、玄関の扉の鍵を開け、チェーンを外して、扉を開けた・・・。 「俊夫さん・・・・なんで・・・?」 目の前には血まみれになった俊夫さんがいた。さっきのみどりさんを抱いた時に付いた血だけじゃない。あきらかに俊夫さん自身の血だ。 首筋、肩、頭、ざっくりと割れた肉体。服の切れ目から。赤やピンクの切れ跡がのぞく・・・。 あッ!!!さっき2階の廊下を通るとき、あるはずの斧が消えていた・・。それで誰かが俊夫さんを・・・。 「透・・・くん・・・。やられた・・。ちくしょう・・後からいきなり・・。犯人は・・・・ゲブッ・・・ギッ」 俊夫さんは死んでしまった・・・。犯人は・・・・何と言おうとしたんだ? ぼくは俊夫さんの身体を玄関に横にして急いで2階へと戻る。 向かう先は美樹本さんの部屋だ。 「はぁ・・はぁ・・ちくしょう・・やられた・・」 美樹本さんの部屋の外に縛り付けた縄が、おそらく斧で切られてモップも外されていた。 誰かが美樹本さんを外に出そうとしたのだろうか? ぼくはゆっくりと美樹本さんの部屋に入り込んだ。 「美樹本さん、大丈夫ですか!!?」 ベッドで横たわっている美樹本さんの身体を抱き起こした。 手遅れだった・・・。美樹本さんが頭を割られて死んでいた・・・。 俊夫さんとは違い、こちらは一撃のもとだ・・・。 ベッドで横になっているところを襲われたのだろう・・。 犯人は美樹本さんじゃなかった・・・? 真理が心配だ!!!ぼくは急いで自分の部屋に向かった。
124 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 13:41:13 ID:3RHIseYb
支援
125 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 13:52:31 ID:fPlgPfAx
ぼくは急いで自分の部屋に向かった。 ようやくぼくには事実が見えていた。 激しい後悔がぼくを襲う。 犯人は彼女だったんだ。 部屋についたら真理がいなくなっていた。 「真理、どこだ?どこにいったんだ?」 「わたしはここよ・・・。透」 後を振り向くと真理が立っていった。手にはスキーのストックを持って・・・。 「透、どうして、みんなを殺すの・・・・」 「真理・・・・」 真理は涙を浮かべ、そして、定まってない焦点で、こちらの声は聞こえてないんだろう。 のどに熱さを感じ、激しい嘔吐感を覚えた。 気が付けば、真理のストックがぼくののどに突き刺さっていた。 「ゴフッ・・・」口から出たのは真っ赤な真っ赤な血。 ああ真理、キミに殺されるなら、それでも構わない・・・。 だが、できればキミだけは生き延びて欲しい。絶対に・・・・。 終「彼女にストックで・・・」
126 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 13:53:51 ID:fPlgPfAx
127 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 13:54:59 ID:dj6mb/j9
『はるこ』?
128 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 13:56:31 ID:3RHIseYb
テキストエディタでまとめて作ったら? 『おーえる』
129 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 14:01:54 ID:fPlgPfAx
>>128 ここ最近、最終章だけあって妙に長いんでそうします。では、また後ほど・・
130 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 21:01:33 ID:IJ6b9Krv
>>22 の続き(選択肢は
>>23 氏の選択)
C. 「清原って、4打席回ってきたら、2回は確実に三振ですよね?」
「それは違うわね。」
みどりさんは、ぼくの言葉を即座に否定した。
「清原の2006年度の成績は、241打席で83三振よ。
大体、3打席に1回三振ってことね。
…これだからにわかファンは。」
このセリフに、ぼくは強烈なショックを受けた。
まさか…、このぼくが清原の知識で他人に遅れを取るなんて…。
ふと振り返ると、真理がモップを持ってぼくを睨んでいた。
その目には、涙が溜まっている。
「真理…、一体どうしたんだい…?」
「清原に詳しくない透なんて…大ッ嫌い!!!」
真理はぼくをモップで何度も何度も叩いた。
終(透死亡、コンテニュー
>>22 )
131 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 21:30:02 ID:UKgn4cxs
真理www Aで。
132 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 21:30:57 ID:CXP4CDFg
続きキター!
どちらも気になるけど、Bでお願いします。
実は
>>23 も自分だったりw
133 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 21:32:27 ID:CXP4CDFg
まさか被るとは思わなかったw
134 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 21:48:06 ID:fPlgPfAx
>>104 犯人名「はるこ」
「犯人は・・・・」
そこまでいいかけてぼくは止めた。
本当に春子さんが犯人なのか?
今日子さんをつり下げることは春子さんには不可能だろうし、実際、談話室にいた時間も結構長い。
香山さんと小林さんの事件に関しては春子さんも俊夫さんと同じくらい怪しいとは言える。
証言をまるのみすればだけど・・・。
小林さんと香山さんが二人で会話したというのは春子さんの証言だが、これを疑ったとしても時間的な余裕が増えるだけで、根本的には誰でも可能だと部分は解消されない。
OLの二人や真理は着替えたりしているものの、香山さんの心配をしてた春子さんは12時ころと服装が変わってない。
その点からも、春子さんが容疑者から外れると思う。
もう一度考え直した方が良いかもしれない。
>>104 犯人名再入力****
135 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 21:49:07 ID:fPlgPfAx
>>104 犯人名「おーえる」
「犯人はOLの二人組です」
ぼくははっきりと言い切った。
「なんで私達が殺さなきゃいけないのよ」「そうよ頭おかしいんじゃないの?」
二人の女性に責められると少し落ち込む。
「さっきも言ったとおり、今日子さんを吊る行為は、一人の場合、俊夫さん、美樹本さんの二人しかできません。ですが、女性なら二人で可能だと思います」
「何よ。それ」「訳分からないわ」
「吊ることの問題はそれでクリアできました。では、さっき談話室にいたにも関わらず、今日子さんの死体を出現させ、ガラスを割ることによる音を発生させた方法ですが・・」
そこがやはり難しい。
簡単なトリックなのか、それともぼくの知らない不思議な技術が使われているのだろうか?
「今のところ分かりません」
「ふん。変な男、人を殺人犯呼ばわりするんだから、きちんと説明しなさいよ」
「そうよ、そうよ。名探偵かぶれもいい加減にしてほしいわ。これでも喰らいなさいよ」
可奈子ちゃんが啓子ちゃんの手からスナック菓子をひったくり、ぼくにあびせた・・・。
「ふん、行こう啓子。こんなのと一緒にいたら本当に殺人犯にされかねないわ」
「・・・可奈子。後でお菓子返してよ」
二人は自分の部屋に入っていく。
ぼくはカレー味のスナック菓子にまみれ、ただ呆然と立ちつくした。
「透、あの二人、本当に犯人なの?」
「僕は違うような気がするけどなぁ・・・」
美樹本さんが続く。何かお菓子いなぁ・・・。
136 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 21:50:07 ID:fPlgPfAx
十数分後、ぼくは汚名を返上すべく外に出て、トリックのヒントとなりそうな物を探していた。玄関を通るとき誰にも合わなかったから恥はさらさずに済んだんとは思う。 しかし、何も見つからない。 もう、ダメだ。寒いから部屋に戻って寝よう・・・・。 玄関に戻ると、玄関の鍵が開いていない。 「・・・あれ?おかしいな」 ぼくは出てくるとき、鍵を開けたままにしておいたはずだ。 誰かが用心のため、鍵を閉めたんだろう。まぁいいや。チャイム鳴らせば開けてくれるだろうし・・・。 ぼくはチャイムを鳴らし、少し待ってみた。誰も来てくれない・・・。 何度かチャイムを鳴らしたが、全く反応がない。 5分ほど待っても誰も開けに来なかった。 まずい。このままでは凍死してしまう。ぼくはガチガチと震えてしまってた。 ガタガタ、中で何か物音がした。誰か来たんだ。 助かった。 ぼくは、チャイムを鳴らし、扉をガンガン叩いた。 ドンッ!!!!!何かが扉にぶつかる音がした。 扉のスモークウィンドウから覗いてみると・・・・。
137 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 21:51:18 ID:fPlgPfAx
俊夫さんだ。曇りではっきり見えないが俊夫さんが扉に倒れ勝かかったみたいだ。
しかも、頭を真っ赤にしている。
「俊夫さん!!!大丈夫ですか!!!ここを開けて下さい!!!」
扉をガンガン叩くが、反応はない。死んでしまったんだ・・・。
ぼくは、扉を壊そうと体当たりを試みるが、俊夫さんの身体の重みもあってか、中々開かない。
元々、扉が体当たりで壊せるとは思ってない、だが、シュプールの中の状況が非道いことになってるのは想像に難くない。
ぼくは走って裏口に向かった。
裏口も開いてなかった。
くそ、何とかしないと、手段を選んでる暇はない。
ガレージにある4WDに飛び乗り、バールで鍵穴を壊し、エンジンを無理矢理かけた。
ブロロロッ
4WDでシュプールに突撃だ!!!!
待ってろ!!!真理!!今助けにいくぞ!!!このサンダース軍曹が!!!ハイヨ!!!ハイヨ!!!
「ラーーーーーーーーイ!!!」
シュプールに突撃をした後の記憶はもちろんない・・・・。
終「ロスト」
透死亡 コンティニュー
>>104 犯人名****
138 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 22:19:26 ID:3RHIseYb
ゴッドバードですか
139 :
名無しのオプ :2006/10/14(土) 23:20:30 ID:8+q1e7Xt
犯人名『真理』
140 :
名無しのオプ :2006/10/15(日) 13:28:51 ID:p+cvJbIv
>>104 犯人名「真理」
「犯人は真理です」
なぜか美樹本さんに注目してた全員がぽか〜んとした表情でこっちを見た。
「何言ってるのよ?・・・透・・」
真理が一番不思議そうな顔で見ている。
「実はキミは双子だったんだ・・・。いや双子はアンフェアだな。キミには姉妹か、よく似た従姉妹がいたのさ」
「は?」
「そう考えれば辻褄があうんだよ。ぼくたちの前に一人がいるとき、もう一人が暗躍する。アリバイトリックも必要ない。当然二人で今日子さんを吊ることも出来る。もうそれしか考えられないね」
「透くん。頭は大丈夫かい?」
「美樹本さんこそ・・・いいですか?世の中、不思議なことなんかありませんぜ。全ての可能性を除外して、残ったモノこそが真実なんです。たとえそれが非常に低い可能性でもね」
ぼくはそういうと真理の部屋の前に立った。
「さぁ、でておいで!!謎は全て解けたんだよ!!」
真理子、真理代、真理恵、どんな名前か知らないが、そこにいるはずだ。
扉を開ける。
141 :
名無しのオプ :2006/10/15(日) 13:29:46 ID:p+cvJbIv
・・・誰もいない?おかしいな。いるはずなのに・・。 「透!!いい加減にして!!あなた、おかしいわよ。わたしには姉妹もいません。よく似た従姉妹もいない!!」 真理が激しい形相でにらむ。 「そうか、じゃぁシュプールには隠し通路があったんだ!!それがどこかの客室とつながって・・・。全く、アンフェアだなぁ」 ぼくは新たな推理を打ち出した。全員が白けた目でぼくを見る。 「違う?シュプールに隠し通路とかないって・・・。分かったよ」 え〜と。春子さんを見た。なるほど、謎は全て解けた。 「春子さん、あなた男でしょ。うまいなぁ女装が・・・」 パァンンッ 真理の平手がぼくを襲った。 「いい加減にして!!!馬鹿じゃないの!!!?」 「いや、色んな可能性があるから・・・・」 ぼくは言い終わることなく、美樹本さんと俊夫さんに両脇を捕まれた。 「そうか、アンタ達二人の共同作業か!!?」 「ああ、わかった。わかった」「うるせぇよ」 ぼくは自分の部屋に投げ込まれた。
142 :
名無しのオプ :2006/10/15(日) 13:30:53 ID:p+cvJbIv
「せいぜい、ご自慢の推理とやらを練り込んでるんだな」
そして、部屋に閉じこめられた。
そうだ、美樹本さんは男装してたんだ。いや、それは意味がないか・・・。
犯人は迷い込んだ月の輪熊ってのはどうだ?あ〜る日、森の中、熊さんにであ〜った。
まてよ。シュプールは実は3階建てで地下室だと思ってたあそこが1階だとしたら・・。
いやいや、雪の重みで、シュプールがゆがんだとか・・・。
実は全て演技だったとか・・・。
ここは異次元世界だったとか・・・。
ぼくたちは人間じゃなかったとか・・・。
実は叙述だったとか・・・。
可能性はいくらでもある。なぁに、絞り込んでいけばいずれ事実にたどりつくさ。
扉の向こうで、人が叫んだりする声が聞こえた。
そうさ、こういったクローズドサークルじゃ途中で間違ったら全員死ななきゃいけない。
だって、動機も犯行も隠すためにはそれが一番いいもの。
発見が遅かったら犯人は逃げ切れるかもしれないし・・。
それも決まったルールの一つだろうさ。
あとはぼくの番がくるまで待つことだけ・・・。
終「そして誰もいなくなる」
コンティニュー
>>104 犯人名****
143 :
名無しのオプ :2006/10/15(日) 13:50:52 ID:W7zyBKBp
これってみどりが轢き逃げするやつ?
144 :
名無しのオプ :2006/10/15(日) 14:11:16 ID:p+cvJbIv
そう前スレ
>>843 〜の。あらすじは
>>8 にある奴。前スレの部分はまとめサイトを(いつも乙かれさまです)
犯人指摘以降が長くなってしまったので要約すると
・みどりの事故を糾弾
・香山の提案で小林さんを殴った犯人をうやむやに→各自解散
・真理が部屋を訪れ、良い雰囲気になるが俊夫に壊される
・地下室で香山の他殺死体を発見→オーナー部屋で小林の他殺死体を発見(怪しい脅迫文付き)
・談話室に集まって推理披露→結論:誰でも犯行可能
・2階から窓ガラスの割れる音がして向かう→2階廊下で今日子が首を釣っているのを発見→掃除具入れでみどりの他殺死体発見
・事件の全貌が見えた。犯人は?←今ここ
時間関連は
>>82 に・・・
145 :
名無しのオプ :2006/10/15(日) 14:22:36 ID:W7zyBKBp
〜編て命名をキボン
146 :
名無しのオプ :2006/10/15(日) 14:51:10 ID:ZmELR8WX
『きよはら』
147 :
名無しのオプ :2006/10/15(日) 14:52:17 ID:p+cvJbIv
もう終わりそうだけど・・・とりあえず「みどりのはね逃げ編」で 蜘蛛みたく、正解か不正解で片づければよかったかなぁ・・・。 前スレ 843 847 849 856 858 859 868 869 878 881 882 886 887 891 893 894 896 897 904 905 現スレ 11 15 16 24 25 29 32 33 35 36 39 40 42 50 53 55 57 59 60 62 63 65 66 68 70 71 73 75 77 79 81 82 85 87 89 91 92 94 96 97 101 103 104 108 109 110 111 112 113 117 120 121 122 123 125
148 :
名無しのオプ :2006/10/15(日) 14:57:33 ID:p+cvJbIv
>>104 犯人名「きよはら」
「犯人は清原です」
でで〜ん
はて清原って誰だ?そんな人物はここにはいない。
無論プロ野球の清原選手ではないだろう。
監督が変わるからこれからどうなるか心配だけど・・・。
もう一度考え直そう・・・。
>>104 犯人名****
さっそく名前入れるの忘れてた。もう何が何やら・・・。トホホ。
150 :
名無しのオプ :2006/10/15(日) 15:19:42 ID:ZmELR8WX
まとめサイトで探すとき便利だしね 名前があると 『かわむら』
>>104 犯人名「かわむら」
「犯人は・・・わかりませんです」
「!!!!?」
なぜか美樹本さんを注目してた全員が、きょとんとした顔でこちらを向く。
ぼくはその何か聞きたそうな視線を無視して・・・、彼女の客室の前に立った。
「透?何を・・・」
ぼくは扉を開けた。
中にいたのはベッドに腰をかけ真っ赤な返り血を浴びた女性。
凄惨な殺人を犯した犯人・・・。
その女性はぼくの方をみると、少しだけ口元がゆがんだ・・・。ほほえんだのか?悲しんだのか?
「河村亜季が・・・。彼女が犯人だと・・・・。どういうことだ・・・?意識が無いんじゃないのか?」
「いいえ、彼女は河村亜季さんではありません。本当の名前は何でしょうか?」
ぼくは聞いた。
少し惚けた感じだったが、意識はしっかりしているようだ。だが、答えは返ってこない。
「おい!!!!さっきお前が言っただろう!!!どうやって彼女が今日子さんを吊るんだ!!!それにさっきまでかなり衰弱してたんだぞ!!」
俊夫さんが怒鳴る。
それは・・・・
A「彼女は怪力だからです」
B「彼女には不可能でしょうね」
153 :
名無しのオプ :2006/10/15(日) 15:46:58 ID:Spnbiet/
ついに真相に… Bで。
>>152 のB
「彼女には不可能でしょうね」
ぼくは何とでも無いというふうに軽く言い放った。
俊夫さんが怒りで真っ赤になる。
「巫山戯てるのか!!?それに、みどりがどうして殺されなきゃいけない!!?」
「あれ?彼女を殺そうとしたのは誰でしたっけ?他ならぬみどりさん自身だし、それに協力しようとしたのは俊夫さんと小林さんでしょう(
>>33 )」
「うッ・・。それはその」
とりあえず、これで俊夫さんはおとなしくなるだろう。負い目がある今、いきなり襲いかかったり、暴れたりはしないはずだ。
そして、そんな下準備をした理由は・・・。
「で、結局、今日子さんを吊り下げたのが彼女だとして、そんなにも力があるのかい?さっきまで寝てたのに?」
美樹本さんが尋ねる。ぼくは『彼女』の方を一瞥して、答えた。
「人間の火事場の糞力とか、そういうのはいりません。無論彼女は怪力でもありません」
俊夫さんに目をやる。
「・・・・さっきの地下室の密室も同じです。要は順番です・・・。
彼女とみどりさんが二人で今日子さんを吊したのです。二人なら不可能じゃありませんから。そして今日子さんを吊した後でみどりさんが最後に殺されたわけです」
『彼女』が今までで一番大きく目を開いた。
俊夫さんは信じられないといった表情だ。
「みどりさんが叔母さんを・・・・どうして?どうしてなの透?」
真理の表情も険しい。
「さっきの復讐か?俺たちがソイツを殺そうとしたから・・・・。ソイツを埋めようとしたから・・。香山さんが追求を止めたから・・」
俊夫さんの声が今までになく弱々しい・・・。
A「違いますね」
B「そうですね」
変なところでsage忘れてしまった・・申し訳ないorz
157 :
名無しのオプ :2006/10/15(日) 17:41:42 ID:W7zyBKBp
>>154 のA
「違いますね」
ぼくは俊夫さんの答えを即座に否定した。
『彼女』も訳がわからないと言った顔でぼくを見る。
「・・・動機ってわかるんですか?・・・・透さん・・・?」
彼女の口からぼくの名前が出てきた。初めて会話が成立した。
「うん。あくまで推測だけどね。・・とりあえず部屋いいかな?」
「あっ・・・はい・・・どうぞ・・・」
客室は幸い2人部屋なので、全員が中に入っても少し狭いだけで問題は無かった。
廊下は窓が割れたせいで寒かったので、少しほっとした。
「これ、とりあえずさっき説明しましたが・・・」
ぼくは『こんや、12じ、ひとがしぬ』と書かれた紙切れを取り出した。
「さっきの小林さんが書いたってやつか・・・。それがどうしたっていうんだ」美樹本さんは不思議そうだ。
しかし、これだけ凄惨な事件の結末にも関わらず、雰囲気が荒くないのは、犯人である『彼女』がひどく落ち着いているからだろうか?
それでも『彼女』自身、自分が犯した殺人の動機の真相に気付いてないのだとしたら・・・。
「この脅迫文はやはり小林さんがかいたものです。そして香山さんの『仕事』と同じものなんですよ」
「主人の・・・・『仕事』・・・・?」春子さんが首をかしげる。
「はい、今まではいくつか推測できる範囲でしたが、ここにきてはっきりと確信してます。それは、『彼女』はただの殺人狂では無かったことの証明でもあります」
「わたしが殺人狂ではないことの証明・・・・?」
『彼女』はまだ理解が及んでないと言った感じで、小さくつぶやいた。
「この脅迫文は小林さんがぼくたちに宛てたものだったんですよ・・・・。結局僕たちがこれを小林さんの意図するときに見ることは出来ませんでしたが・・」
「透・・・?どういう意味なの?叔父さんがそれを書いたのも・・・?」
『彼女』にとって最初の事故は決して動機になりえなかった。 『彼女』自身、事故の存在にあまり関心が無いような、あるいははっきりと気付いてないような気もしていた。 「・・『遊び』だったんです。それもぼくたちを楽しませたいためだけの・・・・。協力者は香山さんで・・・。従業員を使わなかったのは、その『遊び』の計画がバレやすいと思ったからだと思います」 「遊び・・・・?香山さん・・・・?何の話だ?」 「『遊び』の正体は『ミステリーナイト』『ミステリーパーティ』などと呼ばれ、所謂推理劇として、その手の愛好家の間で親しまれている『犯人やトリックを当てるゲーム』です」 「えっ・・・・・嘘・・・・そんな・・・・まさか・・あれが・・・」 『彼女』がはっと息をのみ、口に手をあてた。そして、その目から涙がこぼれた・・・・。 そうして『彼女』は泣いた。 ぼくは『彼女』の言葉を待つことにした・・・。 完「a winter day」 みどりのはね逃げ編完了 A殺害状況とエピローグを読む(以降、どんな選択肢を選んでも結局、収束してしまいます) B完結する(長い間、駄文におつきあいしていただきありがとうございました
160 :
名無しのオプ :2006/10/15(日) 22:21:44 ID:W7zyBKBp
A
161 :
名無しのオプ :2006/10/16(月) 21:56:42 ID:LIMUbra1
>>22 の続き(選択肢は
>>131 氏の選択)
A. 「田中さん…、2階でバラバラになっていたあの人は何者ですか?」
「ああ…、あれは厚生労働省のエージェントよ。
米国と結託して、発狂ウィルスを奪おうとしていたみたいね。
でも…、アレは誰にも渡さないよ!
私のモノだよっ、ひひっ!」
「まさか…、田中さんを殺ったのはみどりさんなんですか?」
「知らないよ。
中々出てこないから、おかしいとは思っていたけど
まさか惨殺されているとはねぇ。
どの道、障害になるなら処分する予定だったから
手間が省けたってものよ。」
「政府を敵に回して生き残れるとでも?」
「私は神。」
「え?」
「私は神。」
みどりさんは末期状態だ。
「神の裁きを受けなさい。」
みどりさんの手には、黒光りする拳銃が握られている。
かなりの大口径銃だ。
撃たれれば致命傷は免れない。
このままでは殺される!
A. 近くにある試験管を投げ付ける
B. モップ…これこそが最強の武器だ
C. 咄嗟に身を伏せる
162 :
名無しのオプ :2006/10/16(月) 22:30:41 ID:YfUj8388
やはりここはBでw
163 :
前スレ637 :2006/10/17(火) 11:59:11 ID:LRxC8l4E
表現がひどいですが少し、続き書きます。
164 :
637 :2006/10/17(火) 12:00:40 ID:J+hopjSd
前スレ
>>788 の続き
A:一階へと降りる。
本当のところは部屋に戻り、じっくり今後のことを考えたかった。
今さら一階へ降りたところで容疑者から外れるわけでもないし、それならば少しでも疲れた体を休めておこうと思ったからだ。
しかし美樹本が襲われたということから皆が集まり、僕のいないところで変に話が進められても困るのでやはり下へ降りることにした。
一階へ降りると香山、小林夫妻、俊夫、真理とOL三人を除く全員が集まっていた。
フロアからはみんな沈んだ表情からどことなく重い空気が漂っている。
「おお…透くん。小林くんから聞いたで。美樹本くんが襲われたってな」
香山がやはり沈んだ声で聞いてきた。
どうやら美樹本が襲われたことは既にここにいる全員に伝わっているらしい。
「ええ。まさか本当に犯人が外に潜んでいたとは思いませんでした…」
僕もできるだけ重い声をだすようにして言った。
「それで、美樹本さんの状態はどうなんですか?オーナー」
俊夫が小林さんに聞いた。
「脳震とうのせいかめまいがすると言っていたが…素人目にはたいしたことなさそうに見えたよ」
「…だといいんですが。美樹本さんを担いでいるとき大分辛そうでしたし、脳内出血を起こしてる可能性もありますよね」
僕はあえて口を挟んだ。
先のことを考えて美樹本の状態が悪いのではないかということを印象づけておきたかったからだ。
「透!不謹慎なこと言わないで」
「いや、確かにその可能性もある。とにかく安心できる状態とはいえないな」
「それで…犯人の顔は?」
俊夫がまた聞く。少し間があいてから
「…………見てないそうだ」
小林さんが苦々しくそう言うと、また少し沈黙が流れた。
165 :
637 :2006/10/17(火) 12:02:56 ID:J+hopjSd
「そういえば女の子たちはどうしたんですか?」 僕はその場にいない三人が気になっていたので聞いた。 「そういえばみどりさんも…降りてきてないのか?」 俊夫も同調するように言った。 「みどりさんは降りてきてないわよ。上にいるんじゃないの?」 真理が応える。みどりさんは当然として、どうやら女の子たちも上にいるようだ。彼女はずっと談話室いたのだから間違いないだろう。 「まだ降りてきていない?そういえば何か気になることがあると言っていたな……まさか死体のある部屋に言ったんじゃ……」 小林さんが顔を曇らせながら言う。 「俺が呼んできますよ」 みどりさんが心配なのか俊夫が立ち上がった。 「あ、あたしが行くわ。みどりさんはわからないけど、彼女たちは寝ているのかもしれないし」 そう言って腰を上げると、真理はさっさと二階へ上がって行ってしまった。 …真理はみどりさんの死体を見つけるだろうか? いや、可能性は低い。彼女たちを呼ぶだけなら物置など見むきもしないだろう。 まぁ遅かれ早かれ見つかるのなら今みつかっても大した問題ではないのだが。 そんなことを考えているうちに真理はさっさと降りてきた。
166 :
637 :2006/10/17(火) 12:03:39 ID:J+hopjSd
「どうした?」 小林さんが聞くと、真理はすぐに降りてきた理由を話した。 真理によれば、女の子たちは僕たちの中に犯人がいるんじゃないかと疑っているという。 小林さんがすぐにそれに反論したが、それをまた香山が反論する。 その後、犯人に死体をバラバラにする時間はなかった、犯人は被害者と面識があってペンションに入るときは窓を割らずに入った、 などとまるで的外れな考えがとびかった。…田中なんて存在しないというのに。 「そういえば真理、みどりさんはどうしたの?」 僕はそんな話にうんざりしてきたので聞いた。 「あ…そういえばいい忘れてたけど、みどりさん、見当たらないの。 死体のある部屋にはちょっと入る気がしなくて、呼んではみたんだけど、返事がなくて…」 「え……それはまずいんじゃない? 犯人が二階から入ってきたのならまた同じことをする可能性があるし、ちゃんと探したほうがいいと思うけど」 「そりゃそうや。はよせんと、バラバラにされてしまいよるかもしれんで」 香山がそうを言うと小林さんが声を荒げて嗜める。 「みんなで探しに行きましょう。離れ離れにならないようして」 僕が先導するように言うと、みんな納得したように賛成してくれた。
167 :
637 :2006/10/17(火) 12:05:03 ID:LRxC8l4E
――そして、みどりさんの死体を発見した。 物置の前でジェニーが鳴いていたのだ。 小林さんがみどりさんの手をとり、脈をみて、やがて何も言わずに首を振った。 「な、なんてことを………」 俊夫の唇が、震えながら呟く。 「畜生!なんてことを……くそっ、なんてことを!」 そして気が狂ったようにわめきだした。そして亡きがらすがり、泣きじゃくる。 僕は俊夫の変貌に少なからず驚いていた。 …どうやらただのバイト仲間という関係ではなかったらしい。それはその様を見れば歴然だった。 (これは悪いことをしたな…でも悲しむことはない。あなたもすぐに彼女の元に送ってあげよう) どれだけの関係かは知らないが――きっと 生きて会えた喜びがあるなら死んで会える喜びもあるでしょう。 俊夫がまた暴れだし小林さんが止めに入ったりしたが、僕はもうそれに目をくれなかった。 さて、ここまでことが大きくなれば、やはりみんなで固まっていようという展開になるのが普通だろう。 僕はまだ、あくまで姿の見えない犯人に怯える客の一人を演じなければならない。 「真理」 「………何?」 「女の子たちを説得して呼んできてくれ。僕は美樹本さんの様子を見てくる」 真理の返事も聞かずに、僕は美樹本の部屋のドアを開けた。 …問題はこいつをどうするか、だ。 みんなにはまだ生きていると認識してもらったほうが都合がいいような気がするが、それだと嘘がばれたときのリスクが大きい。 となるとやはり死んでいると素直に打ち明けるほうが無難か…? A:美樹本は生きていることにする。 B:美樹本は死んでいることにする。
168 :
名無しのオプ :2006/10/17(火) 12:18:19 ID:TxyUlXqm
この話も気になってたので、続きを書いてくれて嬉しいです。 Bで。
>>159 のA
わたしがいつもの愛用のセーターにカイロを入れたり、レインコートを着て外に出たのは、近所の祖母の様子を見に行ったのと、雑貨屋へのお使いのためだった。
地元に住んでれば、吹雪の中だろうとそれなりに慣れてくるものだ。
雑貨屋の帰りに荷物を持ったまま自宅へ向かっていたら後から、吹雪の中とは思えないほどのスピードを出した4WDが走ってきた。
あまりにも危険な運転だったが、幸い道が広いため、わたしは歩道の隅を歩くことにした。
ここいらの道も地元の人がよく使うため、歩道の雪も踏み固められた状態で、歩くのもさほど困難ではなかった。
キキィッ〜
後の4WDから音がしたかと思って振り向くと、スリップした4WDがこちらに向かって来た・・・。
(あぶないっ)
わたしは咄嗟に
A、右によけた
B、左によけた
C、きゃっと空中大回転でよけた
170 :
名無しのオプ :2006/10/19(木) 20:44:42 ID:YdbVvOhB
a
171 :
名無しのオプ :2006/10/19(木) 21:42:16 ID:XZa4nMS8
>>169 のA
わたしは咄嗟に右に避けたが、4WDはスピンをし、こちらに向かってきた。
衝撃と共に、身体の側面に激しい痛みを感じ、わたしの意識は闇へと落ちていった。
(よかった・・・)
痛みと寒さで、朦朧とした意識のなか、誰か男性の声が聞こえた気がした。
誰かに背負われている。それも優しそうな暖かい背中に・・・。
わたしはその人にあってみたいなと薄い意識の中で、小さく、それでも確かに思っていた。
目が覚めたとき、自分がどこにいるのかはっきりとはわからなかった。
少なくとも自分の部屋では無いことは確かだったし、身体の痛みと、眠っているときの寒さとは真逆の温かさがわたしの意識をすばやく覚醒させた。
二台のベッドとしゃれた内装、カーテンの先の窓の向こうでは、未だ吹雪がやんでないようだった。
部屋の時計を確認すると、時刻は12時だった。
幸い、身体の痛みは腰とお腹の中間位だけで、車には少しぶつかった程度だったんだろう・・・動くのには問題ないようだ。
身体の先が温められ、応急処置を施された事にも気付く。
頭がはっきりすると夢の中でわたしを助けてくれた男の人のことを現実の存在だと思い、少しだけ体温が上昇するのを感じた。
助けて貰わなかったら、わたしは死んでたんだろうか?
車にはねられたわたしは道端で倒れたのかな?
そこを通りかかった「あの人」が助けてくれたんだ・・・。
とにかく、わたしはここがどこか知りたいと思った。けど・・・
A部屋の外に出てみる
Bこの部屋で誰か来るのを待つ
172 :
名無しのオプ :2006/10/19(木) 21:53:25 ID:NxS7NPSf
まとめサイトの人〜
「みどりのはね逃げ編」ってつけて〜
>>171 A
>>172 忘れてました。申し訳ないですorzミス板の他のスレに書き込むときに名無しにしてたので・・(汗
いつもお疲れ様です。
174 :
名無しのオプ :2006/10/19(木) 22:08:41 ID:NxS7NPSf
いや、ちがう…
>>172 はまとめサイトの人に呼びかけたの…
>>171 のA部屋の外を結構多くの人間が通ったようだった。廊下が結構広い?
少ししてから、わたしは部屋の外に出てみた。似たような扉がいくつか並び、右手に階段が見える。
階下から話し声が聞こえたので、歩いていった。
「なぁ、結局『アレ』やれんようになってもうたな。せっかく殺す気マンマンやったのに」
「いえ、仕方ありませんよ。こんな事になるなんて・・・」
関西弁の男性と頭に包帯を巻いた男性が会話しているのが2階から見えた。
えっ殺すって!?
「せっかくだからやらへんか?それも殺す相手を変えるんや?あのさっき運ばれてきた娘なんかどうや?」
「それは面白いかも知れませんね・・。いやいや、何を不謹慎な事を言ってるんですか?無茶言わないで下さいよ・・・」
「せやな、せっかく書いたその脅迫文も無駄になってしもうたな・・・」
二人は・・・・笑った・・・。
関西弁の男性がわたしを殺す・・つもり・・なの?なんで・・・?
わたしは階下の二人が移動するのを見計らって、1階に降りる。
置かれたソファは、カウンターのような玄関を見て、ここがホテル・・いやペンションであることに気付いた。
玄関の外には少し階段のような段差があり、入り口脇には地下へと降りる階段があった。
隠れよう・・・。
地下に隠れて、朝までやり過ごすんだ・・・。そして、逃げよう・・・。
わたしは急いで地下室へと入った。
「なんや、あんさん気がついたんか?よかったでぇ」 わたしが地下室に入ったらそこにはさっきの関西弁の男性がいた。 丸まった身体に禿頭・・。この人は誰かわたしは知らない・・・。 「せっかくだからワインでも飲まへんか?ここのワインはいいものがあるさかい」 「いやッ!!!」 わたしは、さっきの会話で恐怖を感じていた。人の良さそうな男性だが、冷静に判断できずにいた。 「なんや、わしの進める酒が飲めんちゅうんか?ホンマにしばいたるで!!!」 「やめてっ!!!」身体がガクガクと震える・・・。怖い。死にたくない。さっき死にかけたのに・・・わたしがなんで・・?「あの人」にもあえないまま・・・。 「なんてな。冗談や。わいもそんなきついこといわへんで」 でも、関西弁の男性は・・・わたしに背中を向けるとワインを置き・・・そして、斧を持った・・。 「これみてみぃ・・。ええ斧やろ・・。今回の『凶器』にするつもりで専門店で買うたんや」 男は嬉しそうに斧をわたしに見せる。 「せっかくやからホンモノを使いたくてなぁ・・・」 酔ってるのか・・?持つ手さばきが危ない。 「どや、持ってみるか?」 わたしに斧を向けた・・・。 A、恐怖に駆られ、男を突き飛ばしてしまった B、手元にあったワイン瓶を投げつけた
>>174 〜←からって意味だと思ってました。重ね重ね申し訳ないOTL
178 :
名無しのオプ :2006/10/19(木) 22:30:47 ID:NxS7NPSf
書く気マンマンですね Bで
179 :
名無しのオプ :2006/10/20(金) 00:36:55 ID:GIVPhKPN
>>161 の続き(選択肢は
>>162 氏の選択)
B. モップ…これこそが最強の武器だ
ぼくは覚悟を決めてモップチャージをかけた。
みどりさんは、ぼくが突進してくることが予想外だったのか、
慌てて片手で拳銃を構えると、トリガーを引いた。
次の瞬間、もの凄い破裂音が響いた。
みどりさんが容赦なく発砲したのだ。
ぼくは死んだのだろうか…?
しかし、そうではなかった。
みどりさんは右肩を押さえてうずくまっている。
どうやら、大火力の大口径拳銃を片手で撃った為、
女性の細腕が耐え切れずに、関節が破壊されたようだ。
銃弾も全く見当外れの場所に着弾している。
ぼくが突進によって、両手でしっかりと構える暇がなかった為に
助かったといえる。
やはり、モップは偉大だった。
キング・オブ・ウェポンだ。
ぼくがそんなことを考えていると、みどりさんの背後に影が見えた。
180 :
名無しのオプ :2006/10/20(金) 00:47:39 ID:GIVPhKPN
みどりさんの背後の影は、瀕死のみどりさんを モップで何度も何度も叩いた。 死んだ。 その影は…、死んだはずの美樹本さんだった。 「ふふふ、これでようやくドブネズミを処理できたよ。」 美樹本さんは不気味な笑みを浮かべながら言った。 「美樹本さん…一体どういうことですか!?」 「このドブネズミが言っていた厚生省の者、それが俺さ。」 「美樹本さんが…? まさか…、田中さんをバラしたのもあなたですか?」 「勘が良いな、そうさ、田中を始末したのは俺だよ。」 「一体何の為に…。」 「田中はエージェントとして派遣された俺を見張る為の 後見人みたいなものさ。 俺がちゃんと任務を果たすように監視していたってわけだ。 政府の連中も、俺が裏切ることに薄々感ずいていたようだからな。」 「裏切る…?」 「そうさ、任務を遂行するフリをして発狂ウィルスを奪い取って ロシアか中国辺りに大金で売ろうと思ってな。 この博打に勝てば、一生遊んで暮らせる。」
181 :
名無しのオプ :2006/10/20(金) 00:56:22 ID:GIVPhKPN
「田中の野郎は、 “少しでもおかしなアクションを起こしたら、政府に通報する” と抜かしやがった。 ウィルス入手の前に政府に感ずかれるはまずいからな、 すぐに始末したよ。 後は、みどりを泳がせてウィルス研究施設を発見させるまで 死んだフリでもしてようと思ったってわけさ。」 「この後…、どうするつもりです?」 「そうだな…、お前らにも死んでもらおうと思ったが、 お前らはただの一般人だ。 このことを口外しなければ、命は助けてやろう。」 …しかし、この危険なウィルスが国外に流出すれば大変なことになる。 どうしよう…? A. 「ウィルスは処分する。それが世界の為だ。」 ぼくはモップを構えた。 B. 「よう、美樹本。一緒に世界をモノにしようじゃないか。」 C. 「分かりました。一切口外しません。」 ぼくは真理と一緒にその場から退散した。
182 :
名無しのオプ :2006/10/20(金) 00:59:46 ID:GIVPhKPN
×感ずく → ○感づく お恥ずかしいミス
183 :
名無しのオプ :2006/10/20(金) 01:29:21 ID:byzbswEG
モップの力を信じて! A
184 :
名無しのオプ :2006/10/20(金) 18:17:45 ID:lfuZrHHc
>>180 >モップで何度も何度も叩いた。バロスwwwww
>>176 のA
わたしが投げつけたワイン瓶は男にあたらず、男の背後へと転がった。
しかし、男が驚いて、斧を放り投げてしまった。
上に飛んだ斧は男の頭頂部をざっくりとわり、真っ赤な血がわたしに降り注いだ・・。
「なんじゃぁ!!こりゃぁぁぁぁ!!」
男はそのまま倒れてしまった。
「香山さん!!何かあったんですか?」
頭に包帯を巻いた男が、地下室に入ってきた・・。
「・・・・うっ・・。なんて事だ・・・こいつは非道い・・。キミがやったのか?」
頭に包帯を巻いた男はわたしを見て聞いてきた。
わたしはガチガチと震えながら、否定した気がする。
「しかし、こいつは不味いな。とりあえず鍵をかけて人が入れないようにしておこう・・・」
そう言うと、男は鍵を禿げた関西弁の男性に握らせ、わたしの手を引き、そしてもう片方の手で斧を持った。
地下室の鍵を鍵束の鍵で閉めると、わたしは男に導かれるまま、フロント脇の廊下から、少し大きい部屋に入っていった・・。
「何があったか話して貰おうか?」 この男も殺人計画者なのだ・・・。わたしはただ、震えるばかりだった。 「ふぅ、とりあえず警察に連絡しよう。キミには聞きたいことがあるからね」 警察が来たらわたしは助かるのだろうか?さっきの関西弁の男性は事故と判断して貰えるかも知れない。 気が付くと男は受話器を取ったんではなく、電話から何か部品を取り外していた・・。 「 あの ・・何を・・」 かすれる声でわたしは聞いた・・・。 「キミはわたしを殺すつもりだろう?」 えっ? どういう意味だ?わたしが殺されるのでなく、わたしが殺す? 「さっきの事故はすまないと思うし、その後にしたことも到底許されるモノではないだろう・・。しかし、殺されるほどの事かい?」 「・・・」 何を言ってるのか、さっぱりわからない。事故、その後のこと? わたしの血まみれな身体を見て、さっきの関西弁の男を殺したのはわたしだと思っているの? 「ちがぃま・・・・」 わたしの感情は恐怖に占められていた。言葉もはっきりでないし、へたり込んだまま下半身すらうごかすのもままならない・・。 男は、机に座ったまま 「ふぅ、しかし、罪の重さを考えればキミの方が重いだろうな・・。よし、謝ろう・・。そして警察をよぶかな」 男は机に座ったまま、両手をついて、頭を勢いよく下げた。 「この通りだ。すまん。ゆるしてくれ」 しかし、男にとって不幸だったのは、さっきの斧を机の上に乗せたままだった事だ。 斧は、付いた片手の勢いで刃の側が立ち、男は勢いよくその斧に自分の頭を叩き付けることになった。 「うぎゃぁぁぁぁぁぁ」 男が頭を抑える。幸いかすって切れた程度で済んだようだが、包帯がみるみる血に染まる。 助けなきゃ!!わたしは手をついて、力の入らない下半身を持ち上げるようにして立ち、男に近づいた。 「来るな!!来るな!!頼む!!殺さないでくれ」 男はかなり混乱している。机に座ったまま、片手で手を出し振っていた。 わたしはゆっくりと男に近づき・・ A、早く止血しようとした B、電話機を直そうとした C、斧を取り上げようとした
片手で手を出し振っていた←訂正:片手で斧を振り回していた。
>>176 書く気マンマンというより随分遠くに来たって感じです・・・。
188 :
名無しのオプ :2006/10/21(土) 00:11:37 ID:REjiRXzY
Cで
189 :
名無しのオプ :2006/10/21(土) 03:57:20 ID:4zTdcTMy
>「さっきの事故はすまないと思うし、その後にしたことも到底許されるモノではないだろう・・。 しかし、殺されるほどの事かい?」 >「しかし、罪の重さを考えればキミの方が重いだろうな・・」 小林さんのこの辺のセリフが気になる。 俊夫も認めてたけど、事故の隠蔽の為に怪我した人を雪の中に放置なんて明らかに殺人未遂だし、 そりゃ実際に殺してしまった(彼の誤解だけど)よりは罪は軽いだろうけど…。 その辺もまだ裏の事情があるのかな? 結局来なかった客人も、事故をごまかす為の俊夫たちの嘘なのかその人物も何か鍵を握ってるのか、 全く無関係なのか。 他の選択肢も選んでみたかった…。
前の書き手さんがどういった意図で今日子にとっての大事な客人が来る予定にしてあったかは知らないです。
>>24 では今日子は運び込まれた『彼女』を河村亜季(=来る予定の客人)だと断言しているにも関わらず、透は『彼女』が河村亜季ではない(
>>152 )と言います。
透が『彼女』を河村亜季ではないと判断した材料はもちろん存在しており、それが事実であった一方で、今日子が『彼女』を河村亜季だと勘違いしてしまった背景もあったりします。
別の問題としては小林がなぜ殺人犯である(と誤解している)『彼女』に長々と言い訳めいた謝罪をするのか?
それは、香山が止めた最初の推理の後半に鍵がある気もします(小林が殴られた事件の犯人とは?)。
小林は自分が誰かに殴られたとして、その犯人と動機にある程度気付いてしまい、それでもなお、今の生活を壊したくない、あるいは、なんらかの処分を受けたとしてもまた今の生活に戻れるようにしたいのだとしたら・・・。
もし、誰も死なないハッピーエンドがあったとしたら
>>33 まで遡り、そこで事件に白黒つけることなのかも・・。
なお
>>104 の犯人指摘の選択肢で透が真犯人に殺されるバッドエンドが存在していないのは、『彼女』の心境通りなんでしょう。
>>186 のC
わたしは斧を取り上げようと男に近づき、おそる、おそる腕に手を伸ばした。
「うあ、やめろ、やめろ!!!」
さっきは本当にかすった程度だったし、それでも結構な出血量だ。
また地下室でも上から落ちてきただけなのに、頭を割ってしまった。
こんなに切れ味の鋭い斧をどうやって手に入れたんだろう?
男の手にしがみついたわたしは、しかし、簡単に振り払われてしまった。
それでも、どうにか、斧を奪い取ろうとした。
わたしが男の手から斧を取り上げた瞬間、男は手を伸ばし、わたしから斧を奪い取ろうとしたが、すでに血にまみれた斧はわたしの貧弱な握力を無視して、ズルリと男の頭に向かって落下した・・・。
もう男から声は発せられなかった・・・。
わたしはどれだけ惚けていたんだろう?気が付くと男が突っ伏していた机の脇にへたり込んでいた。
机の脚にしがみつき、ゆっくりと立ち上がると、わたしは机の上に紙切れがあるのに気付いた。
『こんや、12じ、ひとがしぬ』
真っ赤な文字でそう書かれていた・・・。
わたしは頭を振り、すでにわたしの手の跡がべっとりと付いた男の斧を取り、男の片手に紙切れを握らせ、斧を持ったまま部屋を出た。
二人分の鮮血をあびた愛用のセーターはもう、わたしの好きな色じゃなくなっていた・・・。
さっきまでわたしが寝ていた部屋に誰に会うこともなく、たどり着くと、わたしは斧を隣のベッドの布団に隠し、自分が寝かされていたベッドに潜り込む。
もう、何が何だかわからない。きっと悪い夢なんだ。
そう思いたかった。
だから、寝たいと思った。
コンッコンッ
全く眠れず数分が過ぎると、部屋をノックする音が聞こえた・・。
A、「はい」わたしは布団に入ったまま、返事をした。
B、わたしは無視することにした。
192 :
名無しのオプ :2006/10/21(土) 22:02:17 ID:hIyvNDnH
B
193 :
名無しのオプ :2006/10/22(日) 01:03:15 ID:HrwTc9Ep
>>181 の続き(選択肢は
>>183 氏の選択)
A. 「ウィルスは処分する。それが世界の為だ。」
ぼくはモップを構えた。
「ほぅ、俺とやり合おうっていうのか?
面白いじゃないか。」
美樹本さん…いや、もう“さん”付けはやめよう。
こいつは自分の目的達成の為に何人も殺した殺人鬼なのだ。
美樹本もモップを構える。
「透…。」
真理が後ろから心配そうな声を出す。
「真理、大丈夫さ。
モップさばきにかけては、ぼくの右に出る者はいない。」
ぼくは美樹本を睨みつつ、真理に声をかけた。
「死んでもらうぞ!」
美樹本さんが突進してきた。
美樹本のスピードは想像以上だった。
あっという間にぼくの目の前に来た。
美樹本はニヤリと笑うと、モップを振り下ろした。
194 :
名無しのオプ :2006/10/22(日) 01:09:05 ID:HrwTc9Ep
ぼくは咄嗟に、体を側方に泳がせた。 美樹本のモップ・スイングはぼくの体の横をすり抜けた。 「ちっ!」 美樹本が舌打ちをする。 その瞬間、美樹本は完全に無防備になった。 「今だっ!」 ぼくは美樹本をモップで何度も何度も叩いた。 ヴェッ!ヴッ! 何とも言えない不思議な音がした。 「うぐおっ!」 美樹本の頭部から出血が見られる。 美樹本は体勢を立て直し、再びぼくに襲い掛かってきた。 しかし、ぼくのモップ攻撃で弱った美樹本には、 先程のような動きのキレがない。 ぼくはあっけなく美樹本の背後に回り込んだ。 モップで何度も何度も叩いた。 「ぐぐぅ…。」 美樹本は度重なるモップ連撃によって、瀕死の状態だ。
195 :
名無しのオプ :2006/10/22(日) 01:17:13 ID:HrwTc9Ep
「どうだい、美樹本。 モップ・ファイトでぼくに勝てるわけがないんだよ。 さっさと警察に行くんだ。」 「まだ終わっちゃいないぜ。」 美樹本はモップを捨てると、懐から拳銃を取り出した。 小型のオートマチック拳銃だ。 一瞬で形勢が逆転してしまった。 「まったく、手間をかけさせやがる。 では、すぐにでも逝ってもらおう。」 美樹本はトリガーに手をかける。 「ぎゃぁぁぁぁぁ!」 その時、美樹本が絶叫した。 何と、先程モップで滅多打ちにあったみどりさんが、 まるでゾンビのように血まみれになりながらも、 美樹本さんの首を絞めている。 「貴様、離しやがれ!」 「ふひひ!旅は道連れよぉ!」
196 :
名無しのオプ :2006/10/22(日) 01:20:08 ID:HrwTc9Ep
美樹本とみどりさんが格闘している間に、 ぼくは何をするべきか考えた。 A. 「研究施設を爆破するような、自爆装置があるはずだ。」 ぼくと真理は、手分けして自爆装置を探した。 B. みどりさんに加勢することにした。
197 :
名無しのオプ :2006/10/22(日) 01:25:48 ID:HrwTc9Ep
美樹本、だったり、 美樹本さん、だったり 一定しないミス発生w 気にしないで読んでね
198 :
名無しのオプ :2006/10/22(日) 08:35:06 ID:8VrYlgxC
どっちでもバッドになりそうで怖いのだが、Bで。
199 :
名無しのオプ :2006/10/22(日) 08:59:58 ID:g2dxsCzn
Aもいいなあ
>>191 のB
とにかく、こんな姿を見られたら大変だ。無視し続けようと思った。
ガチャリ
扉を開ける音がした。結局入ってくるんですか・・・。
「まだ目が覚めないのかしら」
「・・・・どうですかね」
女性が二人いるようだ。
「いい?みどりさん。あなたは彼女にきちんと謝罪して、しかるべき処罰を受けるのよ」
「イヤですよ。ソイツが勝手に飛び出してきただけじゃないの!!」
みどりと呼ばれた女性がヒステリックに叫ぶ。
「何を言ってるの?それでも車の方が悪いってしっかり教習所で習ったでしょ。雪道でスピードでも出してたんじゃないの?」
「ふん。もう何を言ったて無駄ですよ。その娘は生きてるんだし、車の傷だって大したこと無いし・・・」
「なんて娘なの!!亜季ちゃんが可哀想だと思わないの!!?」
亜季ちゃん?謝罪?よくわからない・・・。
みどりがわたしをはねた?そうだ、恐らくそういうことなんだろう。
じゃぁどうしてわたしはここに運ばれたんだろう。「あの人」が運んだのは夢だったのか?
わからない。状況が全くわからない。
頭の中で今まで聞いた言葉を反芻してみる。
みどりがわたしをはね、その後、わたしはここに運ばれたことは事実だと思う。
「亜季ちゃんがどうしてこんな吹雪の中で大変な思いをしないといけないの?」
「なんなですか?亜季ちゃんって!!ただの客でしょう!!もうわたしは失礼しますよ!!」
「待ちなさい!!!」
「はなしてよ!!!!!」
布団に潜ったまま考えてる内に二人の言葉が荒々しくなっていく。
ドゴンッ
大きい・・・何かぶつけるような音がした・・・。
ドサリ
そして、人が倒れるような音がした・・。
「何をやってるんですか!!?」 わたしはただ無視し続けるわけにもいかなくなり、思わず、布団をはねのけ、叫んでしまった。 わたしより年上みたいだが若いポニーテールの女性がへたり込んで、その前には自分の母と同じくらいの女性が倒れていた・・・。 「・・・・アンタ、起きていたの?」 女が青ざめた顔で聞いてきた。この声はみどりと呼ばれた方の女だ。 みどり・・・わたしをはね飛ばした・・・女。 「アンタ、聞いてたでしょ。これはわたしのせいじゃないのよ。今日子さんが勝手に頭をぶつけただけなのよ・・・」 みどりが取り乱して叫ぶ。この女は自分の責任を認めず、他人のせいにするタイプなんだ。 わたしは今日子と呼ばれた女性を見る。生きているのか。死んでいるのか。 「・・・ねぇ、アンタその格好何なのよ?」 みどりがわたしに向かって問いかけた。 わたしの身体は返り血で真っ赤になっている。 みどりの質問にわたしは・・・。 A、「生理です」冷静に嘘で答えた。 B、「内蔵が潰れたんです」事故のせいだと言った。 C、「人を殺しました」正直に言った。
202 :
名無しのオプ :2006/10/22(日) 13:32:46 ID:VTVorrRl
作者さんGJ みどりのはね逃げ編の選択肢はBでお願いします。
>>201 「内蔵が潰れたんです」事故のせいだと言った。
「嘘っ!!!」
みどりが即座に否定した。
「そんなに吐血してたら死んでるわね。しかもわたしが運んだ時は出血してなかったわ」
みどりがわたしを運んだのか・・・?ではさっきの男の言葉は?
『さっきの事故はすまないと思うし、その後にしたことも到底許されるモノではないだろう・・。しかし、殺されるほどの事かい?』
みどりがわたしをここに運んで、その後、あの男とみどりはわたしに何かしたんだ・・・。だからあの男はわたしに謝ろうとした。
「・・そう、もしかしたらオーナーを殺したのかしら?さっき今日子さんが外から声をかけたとき、返事をしなかったら、もうその時には・・死んでたのね・・」
みどりと今日子と呼ばれた女性はわたしの部屋に来る前に、さっきの部屋に立ち寄ったが、中に入らずに、声だけかけて2階に上がってきたんだ。
みどりは青ざめた顔でわたしを見る。その時のわたしの感情も恐怖と後悔で支配されていた。
立ち直るのはみどりの方が早かった。わたしの頭の中では真っ赤な血が何度も飛び散って、二人の男の顔を巡らせていた。
沈黙は数分続いたが、一時の感情から立ち直ったみどりは・・あるいはこれもまた責任の所在をわたしか今日子という女性になすりつけたのかもしれないが・・口を開いたときには冷静になっていた。
「ねぇ、こうするのはどうかしら?オーナーを殺した罪を今日子さんになすりつけて、首つり自殺を偽装するの」
「えっ!?」
もう全てが壊れてしまっていた。これ以上、わたしは何をするのか? みどりの提案は上手くいくとは全く思えなかった。だけど、ここで全てを諦めたところでわたしにとって何か救いがあるとも思えなかった。 心の整理がつかないまま、わたしはみどりの言葉にうなづく他無かった。 今日子という女性はもしかしたら死んでないのかも知れない。でも、ここで断ったらみどりはどうするだろう?開き直ったみどりは今日子すら突き飛ばすほどだ。 「いい。少ししたらみんな寝ると思うからそこで、作業するの。その後、あなたはここで寝たふりをし続けて、朝が来たら逃がしてあげる。それで、わたしは掃除具入れに閉じこめられた事にするのよ」 2階には掃除具入れがあると言い、みどりはそこに入り、わたしが、外から縛るのだと言った。 少ししたら廊下の方が騒がしくなった。 「どうしたのかしら?」 みどりが部屋の外をうかがう。 「香山さんと小林さんが殺されてます。今からみんなで集まりましょう」 夢でわたしを助けてくれた「あの人」の声だ。本当に存在したんだ。わたしはその時だけ、うれしくなった。 それに混じって、何人かの男性の声が聞こえる。 「アンタ、香山さんまで殺したの?」 「・・・違います。あれは事故だったんです」 「どうだかね。いいわ、それでもやることは変わらない。アンタがどうやって殺したのか知らないけど、凶器があるなら掃除具入れに入れときましょう。わたしが一緒に隠しとくわ」
廊下が静かになった。全員1階に移動したんだろう。 人が寝静まるより今の方が良いとみどりは言い、わたしも従った。 先ほど、あらかじめ今日子の首に縄をかけておき、わたし達二人は2階の廊下の天井の梁部分をに縄をかけ、今日子を吊った。 人の身体は思った以上に重かったが、みどりはそこそこ力があるのだろう、二人がかりでそれほど時間はかからなかった。 次ぎにわたしは急いで部屋に戻り、偽装自殺用の椅子と凶器の斧を持って掃除具入れに行った。 みどりがあらかじめ紐を何重かの輪の状態にして、表側の取っ手に引っかけていた。 「これであとは引っ張るだけで、縛れるわ。まるで閉じこめられたようにね」 みどりがニヤリと笑った。どういう神経をしているんだ? 「ニャァ」 みどりは掃除具入れに紐をくぐって入り込むと、黒猫も入っていった。 「いい子ね。じゃぁ斧を預かろうかしら。そしたら、全て終わるわ・・」 「・・・猫出さないとすぐ見つかりますよ」わたしはそれが心配だった・・・。 「いいのよ。すぐ見つかっても。だってわたしは被害者だから。あなたに閉じこめられた・・・あわれなね」 「えっ!?」 「とっとと閉めなさいよ」 そうか、みどりは全ての責任をわたしになすりつけ、自分だけは助かろうとしたのだ。今日子を殺したのもわたしのせいにして・・。 だから、このタイミングにしたんだ。みんなが寝静まった後じゃなく・・。 わたしは自分がだまされていた事に初めて気が付いた。 「ああ、凶器を預からないとね。わたしの足下に入れておいて」 みどりは紐を縛り上げてない隙間から、笑いながら言った。 A、みどりを殺す B、斧を言われたとおりに足下に置く
206 :
名無しのオプ :2006/10/22(日) 19:10:45 ID:YJO1OblY
B
>>205 のB
斧を言われたとおりに足下に置くことにした。
ここでこの女を殺して何になるというのだろう。
もう全ては運命に委ねよう。諦観した。
斧をみどりの足下に置くと、みどりはいやらしく笑った。
「わたしの指紋は付いてないし、安心ね・・・」
そうだろう・・。わたしは香山という男、このペンションのオーナー、そして今日子を殺した殺人犯だ。
そう、わたしは殺人狂だ。事故だとか、もうそんなものは関係ない・・。きっと警察がきたら捕まり、そして、裁かれるのだ。
涙は出なかった・・。階下の談話室で話す声が聞こえる。
「ちゃん縛りなさいよ」みどりが言った。わたしにはもうそんな気はなかった。
「いえ、もういいでしょう。わたしはもう終わりなんです。休みたいんです」
もうみどりが自分で縛ればいい。それだけの話だ。もう外すのも難しい状態だ。内側からでも縛れるだろう。
掃除具入れの中で音が鳴った。
「やめなさいっ!!!」黒猫がみどりにからみついてる。動物の気持ちがわかる訳じゃないが、もしかしら怒っているのか?
わたしはみどりが黒猫を両手でひねり潰そうとしているのを、止めようとした。
しかし、みどりは狭い中で暴れている。足下にある斧を拾い、紐を切ろうと軽く振り上げた・・。
その瞬間紐が輪っかごと抜けてみどりがこちらに倒れ込んできた。
ブシャァッ
2人の頭を割ったものの、なお切れ味の鋭いその斧は扉の間にはみ出てきたみどりの頭をたたき割った。
もうわたしは焦らなかった。わたしは殺人狂だ・・・。
冷静に抜けた紐の輪を内側の取っ手に引っかけ、外から縛り、扉を閉じた。
黒猫を中に残したことも知っていた。
今日子の偽装自殺用の椅子だって知ったことはない。わたしはそれを窓に向かって投げつけた・・・。
ガッシャァァーーン
「どうして泣いてるんですか?透さん」「透、どうして泣いてるの?」 『彼女』と真理に聞かれて、ぼくは我に返った。 彼女の告白を聞いた事で、ぼくは泣いていたようだ。 だって、辛すぎるから・・・。悲しすぎるから・・・。 「ごめん。事件は終わりだ。あとは朝になってからだ。みんな休んだ方がいい」 全員の顔を見回した。どうしたんだろう? 「・・・いや、わからないことが多いんだ。なんていうかちょっとモヤモヤが残るというか・・」 美樹本さんが煮え切らない。 「ソイツの言葉を信じて良いのか?」 俊夫さんが乱暴に言い放った。 「みどりさんの事ですか?どうでしょう?どちらにしろ後は警察の仕事ですよ」 ぼくには何も話せることは無かった。 「何か気になることでもあるのか、真理?」 ぼくは真理に向かって聞いてみた。 透がわたしに聞いてきた。わたしは気になることを聞いてみることにした。 A、「叔父さんの部屋を閉めたのは誰なの?」 B、「彼女が河村亜季じゃないってのはどうして?」 C、「叔父さんを殴ったのは誰なの?」 D、「彼女はどういった罪になるの?」 E、「みどりさんの犯罪は立証できないの?」
209 :
名無しのオプ :2006/10/22(日) 21:44:13 ID:xvEz6/34
…手に汗握るぜ… え…、いやBでおながい…
210 :
名無しのオプ :2006/10/23(月) 00:21:35 ID:theLxScI
>>196 の続き(選択肢は
>>198 氏の選択)
B. みどりさんに加勢することにした。
ぼくは、もみ合っている美樹本の脳天にモップを振り下ろした。
モップは美樹本の後頭部に直撃した。
「ハゥッ!」
美樹本は絶命した。
「やりましたね、みどりさん!」
しかしこの時、ぼくは重要なことを思い出した。
みどりさんもウィルスを狙っている、
私利私欲に取り付かれた殺人鬼なのだ。
「透くん…ありがとうねぇ!」
爆発音。
次の瞬間、ぼくの胸には真っ赤な染みが付いていた。
みどりさんは、美樹本から奪い取ったと思われる
小型拳銃でぼくを撃ったのだ。
撃たれた箇所が、猛烈に熱い。
「透ーッ!」
遠くで真理の声がした。
終(透死亡、コンテニュー
>>196 )
211 :
名無しのオプ :2006/10/23(月) 00:36:53 ID:jXTzBQAf
ズンチャチャズンチャズンチャチャズンチャアズー♪
212 :
名無しのオプ :2006/10/23(月) 04:57:31 ID:BK6YhwDw
213 :
名無しのオプ :2006/10/23(月) 16:25:42 ID:FrN1Vz/x
>>208 出来れば全ての理由が知りたいので、
透の説明が終わった後その分の選択を減らした同じ選択肢に戻る、
を繰り返して欲しいです。
214 :
名無しのオプ :2006/10/27(金) 00:39:42 ID:y1J9pXrM
>>196 の続き(選択肢は
>>212 氏の選択)
A. 「研究施設を爆破するような、自爆装置があるはずだ。」
ぼくと真理は、手分けして自爆装置を探した。
ぼくと真理はもみ合う二人を尻目に、
黙々と自爆装置を探した。
「あ…、あった!あったよ、透!」
真理が叫んだ。
ぼくは真理の方へ駆け寄る。
「これよ、これ!」
真理が指差した赤いボタンには、“Destruction”とだけ書かれている。
「でも、これって押しても大丈夫なのだろうか…?
押した瞬間にドカンといくんじゃないのか…?」
しかし、時間がない。
どうするべきか?
A. 押す
B. 引っ張る
C. 逃げ出す
215 :
名無しのオプ :2006/10/27(金) 02:00:26 ID:P2ZcAW7t
>>208 のB
「彼女が河村亜季じゃないってのはどうして?」
河村亜季・・・。叔母さんにとっての大事な今日来る予定の客人。(前スレ
>>887 )
そして、犯人である『彼女』こそがその人だと思っていたのに・・。
わたしは透の方を見た。一瞬考え込んだが、それは、説明の仕方を考えてるようだった。自分一人だけわかっていることを他人に説明しようとするのは難しいことは確かだ。
「このシュプールの宿泊名簿とかって、どこまでかかれているのかな?」
「えっ?」わたしは質問の意図を理解しかねた。
「名前と連絡先電話番号、それと滞在期間、同行人数、人によっては住所も書いてある場合もある」
俊夫さんがかえした。
「ありがとうございました。少なくともそれ以上の情報を知る方法はないということですね」
「何を言ってるの?そんなの普通でしょ?」
わたしは少し焦れた。話が飛んだように思えたからだ。
「美樹本さんが自分を美樹本洋介と名乗らないと、ぼくたちには彼が美樹本さんであるということを知るすべは無かった。それと同様、彼が男であるか、女であるか、そして、若者か、年配者か・・・まぁこれは電話で判断できるかも知れないけど」
「おいおい」美樹本さんが苦笑する。
「今日子さんはどうして『彼女』を『河村亜季』と断言したんだろう?宿泊名簿には名前くらいしか判断材料がないのに・・」
「決まってるでしょう。叔母さんの大事な客なんだから、顔くらい知ってるわよ!!」わたしは少しイライラしながら言った。
「いや、結果的に『彼女』は『河村亜季』じゃ無かったんだよ。思い出してごらん。今日子さんが『彼女』を『河村亜季』だと言ったときの事を」
えっ・・。それはえ〜と・・。
『あ・・・河村さん!!河村亜紀さんですね』(
>>24 )
「おかしくないか?もし、本物の『河村亜季』だったら、確認するような言い方でなく、そこで『この人は河村亜季さんです』って言ってるはずだろ?どちらかと言えば『彼女』に問いかけるようだった」
そうなのか?それはただの言葉尻をとらえるって奴なんじゃ・・・。
「まぁそこは別にいいとして、顔にしたってさっきの状態は髪は濡れ、顔面は蒼白、知っていたとして、はっきり本人と断定できるのか?」
できないのか?わたしにはわからない。とにかく聞くしかない。
「どういう事なの?叔母さんの勘違いだったって事?」
「今日子さんは、年齢と性別くらいしか知らなかったんだよ。顔は判断材料にならなかったんだ。だけど、待ち人来たらずの心境で『彼女』が運び込まれてしまった」
ああ、そう言うことか・・・。あのときの状況で叔母さんはすぐに駆け寄った。
「今日子さんの方は、とにかく、河村亜季だと思ってしまったわけだ。でも、『彼女』が河村亜季でないという理由はどちらかと言えば、『彼女』の方にあるのさ」
透は、事もなげに続けた。当の本人も自分が違う人間だと判断される理由が曖昧ではっきりしなかったみたいできょとんとしている。
「どういうことなんだ?僕達はずうっと勘違いしてたわけだが・・・」
「そうですね。まず一つめに今日子さんが殺された事、いや、それに荷担したことかな」
「どういう意味なの?叔母さんが殺されたから違うっていうの?」
「今日子さんと河村亜季の関係ってのはどういうものか・・」
「親類・・・じゃないか・・」少なくともわたしの親戚ではないはずだ。
「大事な客人てことだし、今日子さんの態度からもそれがはっきりとわかる」
確かに一連の叔母さんの行動は、まるで、親族か、あるいは親友にでも接するかのようだった。
「具体的な関係ははっきりとわからないが、そんな人物が、今日子さんを殺すのに荷担したりするだろうか?」
「わからないだろ。今日子さんは慕ってたかも知れないけど、河村は疎ましく思ってたとか・・」
「そんな人間がどういう経緯かしりませんが、シュプールに来るんですか?」
「だったら、今日子さんが河村を強請ったりしてたとか?」
叔母さんはそんな事はしないだろう。こんな苦しい言い訳する俊夫さんも少しアレだ・・。
「こんな繁忙期にシュプールに呼んで?俊夫さん達には大事な客とまで言い、・・ぼくだったら隠しますね。しかも、丁寧にツインのベッドルームまで用意して・・」 「レズだったのよ。今日子さんと河村はそう言う関係だったのよ」 OLの二人がよくわからない事を言い出す。 「顔知らないんだから、それはないだろう」透じゃなく、美樹本さんが普通に答えた。 「河村亜季にとっても叔母さんは、程度はともかく大事な相手だと考えればいいのね」 もう、可能性の問題ですら無くなっていた。叔母さんは河村亜季に会うのを楽しみにしていた。 一方で河村亜季も招待されたのか、自分から来るつもりだったのか知らないけど、ここに来るつもりだった事を叔母さんに伝えていた。恐らく河村亜季も楽しみにしていたに違いない。 だから、叔母さんは来ない河村亜季を待ちながら、そして、『彼女』を見てしまったのだ。 もし本当に『彼女』が『河村亜季』だとしたら、たとえ、叔母さんが本当に死んでしまっていたとしても、みどりさんの偽装自殺にはのらなかった・・そういうことなのだろう。 わたしが同じ立場だったらいくら人を殺してしまったとはいえ、叔母さんを殺したりするのに荷担したりはしないだろう・・。しかし他人だったら・・したかも知れない・・。
「まあ、それよりも時間とレインコートとはねられた場所の方かな」
考えがまとまりかけた所で、透が簡単に言った。
「はぁ?」全員が一瞬、白けた。長々と説明してたくせに、いきなり何を言うのか?
「『彼女』はレインコートを着てました(
>>15 )。まぁこれは実際の河村亜季でもレインコートを着ている可能性はおおいにありますが・・・。夜の遅くに吹雪の中、レインコートを着て、町からそこそこ離れたシュプールに向かうのは結構無謀ですね。
いくら、会いたいからって普通なら諦める。宿泊予定だから、明日吹雪が止んでからこればいい。次ぎにはねられた場所ですが、さっきぼくが言ったこと覚えてますか?」
さっきっていつだ?場所に関して言ったことと言えば・・。
『さて、ここからそれなりに離れたところで河村さんをはねたみどりさんは彼女を車にのせ、ここに戻ってきました』(
>>33 )
「離れたところで『彼女』をはねた・・・か?」美樹本さんも思い出したようだ。
「それってどうしてわかったの?」
「ああ、『彼女』が埋められてたのがシュプールの裏口付近だったからさ。知ってのとおり、ここらへんは建物が離れて立っている。
シュプールまでも一本道だし、隣家も距離がある。ここらへんではねたのならそこで埋めればいい。もちろん車が走れない裏口付近ではねることは不可能だ」
それはその通りだろう。わざわざ車に乗せて運んだりする必要はない。
一旦戻り、俊夫さんに頼んで、現場で埋めれば、当分発見はされないだろう。裏口付近に埋めたのは今日だけの一時しのぎだとすれば・・。
となると、やはり透が言うように、離れたところではねたと考えるのが妥当なのかな・・・。
「『彼女』が言ったように地元の人間がよく使う道ではねてしまったからこそ(
>>169 )、
みどりさんは発覚を恐れて、わざわざ運んで隠蔽せざるを得なかったんだ。
そして、そんな場所で事故を起こしてしまったのなら、『河村亜季』でない確率の方がはるかに高い。この付近だったら逆だろうけどね。
今日子さんが『河村亜季』だと言ってしまったのでぼくもそう思ったままだったけど、いろんな点を考慮すると、今日子さんが殺されてしまった今、その可能性はあまりにも低すぎる」
A、「叔父さんの部屋を閉めたのは誰なの?」
B、「叔父さんを殴ったのは誰なの?」
C、「彼女はどういった罪になるの?」
D、「みどりさんの犯罪は立証できないの?」
E、「もういいわ」わたしが聞きたいことは無くなった
221 :
名無しのオプ :2006/10/27(金) 10:01:32 ID:nz1Ou60L
B
222 :
名無しのオプ :2006/10/28(土) 00:25:09 ID:Eja3zq8F
>>214 の続き(選択肢は
>>215 氏の選択)
A. 押す
ぼくは、思い切ってボタンを押した。
すると、ボタンの横にあるランプが点滅し、
正面にあるモニタに、音声と共に警告文が出た。
「ウィルス漏洩阻止の為の、緊急自爆装置が起動しました。
ただちに当施設から、脱出し、できる限り遠くへ逃げて下さい。
自爆装置の起動まで、あと10分です。
繰り返します…。」
「10分か…。
真理、急いで脱出しよう!」
「一階にいる叔父さんや啓子さんたちはどうするの?」
「彼らはもう発狂ウィルスのキャリアだ。
再起不能なんだよ!ぼくたちだけで逃げるしかないんだ!」
「でも…。」
「真理、いいから急ぐんだ!」
ぼくは強引に真理の手を引っ張って、研究施設から出た。
223 :
名無しのオプ :2006/10/28(土) 00:32:28 ID:Eja3zq8F
ペンションの談話室に出ると、 縛られて放置されていた、 小林オーナー、今日子さん、啓子ちゃんは皆グッタリとしていた。 一目で死んでいると分かる。 恐らく、美樹本の仕業だろう。 ぼくたちは、死体の横を通り過ぎると、正面玄関から外に出た。 外の猛吹雪はかなり弱まり、視界はそれほど悪くない。 ペンションの裏側に回り込み、小林オーナー所有の4WDに乗り込む。 「よし、逃げるぞ!」 ぼくは勢い良くアクセルを踏んだ。 車体はどんどん加速し、もはや爆弾と化したシュプールから離れていく。 「もう大丈夫だろう…。」 ぼくと真理は顔を見合わせて、ほっと一息付いた。 その時、バックミラーに何かが映った。 よく見てみると、それはスノーモービルにまたがった美樹本だった。 奴も脱出したのだ!
224 :
名無しのオプ :2006/10/28(土) 00:41:14 ID:Eja3zq8F
美樹本は、右手に銃を持っている。 追いかけて、ぼくたちを始末しようとしていることは明らかだ。 ぼくはアクセルをより深く踏み込む。 しかし、雪が降り積もり、凹凸が激しい道では、その行為は無謀だった。 次の瞬間、車はスリップし、激しく回転しながら 雪の山にぶつかった。 「真理…、大丈夫?」 「ええ…何とか…。」 後ろから、スノーモービルのエンジン音がして、すぐに止まった。 美樹本がぼくたちを殺しにきたのだ。 この状況で…、何ができるだろうか? A. 車内に何か武器があるか探す B. 死んだフリをする C. 自分が囮になり、真理だけを逃がす
225 :
名無しのオプ :2006/10/28(土) 01:15:13 ID:PbXFC9jU
Aでおながい!!
>>220 のB
「叔父さんを殴ったのは誰なの?」
さっきの推理で結局手打ち(どういう意味なのだろう?)になってしまい、明かされなかった謎。
透は一瞬きょとんとした。
説明の仕方を考えるというより、何でそんな事を聞くのかわからないといった表情だ。
「真理は誰だと思うんだ?」
透が逆に聞き返してきた。
あのときの、状況と彼女が聞いた叔父さんの言葉・・・。
わたしは犯人に思い至った。
「それは****さんね」
犯人名入力****
227 :
名無しのオプ :2006/10/28(土) 13:21:27 ID:WSsDk4ql
>>226 犯人名「かやま」
「それは香山さんね」
「違うよ。香山さんは2階にいたからね。無理だと思うよ」
違うらしい。気を取り直して・・・。
犯人名****
229 :
名無しのオプ :2006/10/28(土) 16:11:56 ID:KFxfNENh
>>226 の犯人名「SHINJO」
SHNJOさん・・・。ここにそんな人はいない。
わたしはもう一度考え直すことにした。
犯人名****
231 :
名無しのオプ :2006/10/28(土) 16:45:45 ID:4CcX+PI8
「みどり」
232 :
名無しのオプ :2006/10/28(土) 17:35:48 ID:zAp/X212
「サザエ」
>>226 の犯人名
「それはみどりさんね」わたしははっきりと言った。
「うん。その通りだ。実際は俊夫さんが殴ったんだろうけど二人の仕業で間違いない」
「どうしてわかったんだ・・」
どうしてって・・・そりゃアンタ・・・。(前スレ
>>882 >>886 「さっき3人で作業してて殴られて気絶したんだから、他の二人があやしいでしょう。それに、他の人間が犯人だったら外で叔父さんを殴ったんだから衣服も変えてるか、濡れてたはずだわ。
何よりも事故に関係の無い人間だったら、『彼女』をそのまま放置しておくなんてしないわ。二人の狂言だったのよ」
透が少し驚いた顔で見る。
「さすがは真理だ」もっと褒め称えてもいいわよ。
「どうして、一緒に事故の隠蔽をした小林オーナーを殴ったんだ?」
美樹本さんが聞いてきた。ふふ。それも予想通りね。
さぁ透、助手のあなたの出番よ。
「・・・・・・・」早く言いなさい。わたしは伺うような表情でこっちを見る透ににっこり微笑んだ。
決してその理由がわからない訳じゃないんだからねっ!透に見せ場をあげたいだけなんだからっ!
「・・・・えと、それは二人の間に認識の違いがあることからわかると思います」
透、きちんと言えるんじゃないの。偉い、偉い。
「何を言い出すんだ・・・」
俊夫さんが自分の犯行に口出ししようとするが、続かない。
「思い出して貰えますか?俊夫さんと小林さんの二人の言葉に似た物があったことを・・」
わたしはさっきの俊夫さんの言葉と『彼女』の聞いた叔父さんの言葉を思い出した。
『さっきの復讐か?俺たちがソイツを殺そうとしたから・・・・。ソイツを埋めようとしたから・・』
『さっきの事故はすまないと思うし、その後にしたことも到底許されるモノではないだろう・・。
しかし、殺されるほどの事かい?』
「あれか?何かおかしな点でもあるのか?」美樹本さんが聞く。
はて?ほとんど同じにしか思えないが・・・。
「ほとんど同じ意味にも思えますが、二人の言葉には大きな違いがあります」
大きな違い?何だろう?
「それは俊夫さんが殺すつもりだったのに、対して小林さんが殺すつもりで無かったということです」 「何よ?それ、雪の中に埋めて放置したら、死ぬに決まってるじゃない!!」 啓子ちゃんが声をあげる。 「違うよ。俊夫さんは『彼女』が生きているのを承知で埋めようとしたんだ。でも小林さんは『彼女』を死体だと思ってたんだ」 そうだったのか!!さっきの事故の推理の時、叔父さんが弁解も何もせず、黙って聞いていたのは、そこらへんを考えてたからなんだ。 殺人未遂と死体遺棄・・・そして、死体では無かったから叔父さんに罪は・・・無い・・のか? 「だから、俊夫さんは殺されても仕方ないと思ってて、小林さんは殺されるほどの事はしてないと思ってたんだ」 透の言い分には説得力があった。そして、俊夫さんやみどりさんが叔父さんを殴った理由もこれで想像がついた。 「そうです。俊夫さんは叔父さんが『彼女』が生きているかどうか気付かれないように・・もしかしたら、作業中『彼女』がうなったりしたのかも知れませんが・・・。叔父さんを殴って気絶させたんです」 わたしは俊夫さんの動機をはっきりと明かした。最初から予想通りだったのだ。 俊夫さんは顔を地面に付けて伏せた・・・。嗚咽が漏れる・・。 わたしは複雑そうな苦笑いをする透に向かって言った。 A、「叔父さんの部屋を閉めたのは誰なの?」 B、「彼女はどういった罪になるの?」 C、「みどりさんの犯罪は立証できないの?」 D、「もういいわ」わたしが聞きたいことは無くなった
>>226 の犯人名「サザエ」
「それはサザエさんね」
「さすがは真理だ」透がわたしを褒め称えた。
日曜日の夕方、ちょうどテレビではサザエさんが流れていた。
今日の1話目のタイトルは『カツオ大あわて』だ。
カツオが隠しておいたエロ本が消えていた。
大あわてしたカツオは独自に調査を開始するというエピソード。
「タラちゃん?ぼくの部屋の押し入れの中にあった本知らないかなぁ?」
「ぼくは知りませんです。イクラちゃんは知ってますか?」
「ハ〜イ」
「何だと!!!知っているのか?早く場所を吐け!!この糞チビ!!」
「やめて下さい!!おにぃちゃん!!イクラちゃんが死んでしまいます」
「・・・・」
「ああ、イクラちゃんが死んでしまったですぅ・・・」
そうしてカツオは海に向かい飛び込みそのままカツオになった・・・。
終「カツオ大あわて」
コンティニュー
>>226
236 :
名無しのオプ :2006/10/28(土) 18:29:40 ID:WSsDk4ql
>>234 のA
「叔父さんの部屋を閉めたのは誰なの?」
今までの推理ではその部分が明らかにされてなかった。真犯人が下の事件(地下室とオーナー部屋の事件)ではほとんど不可抗力的に流されてしまい、最後に叔父さんの部屋の鍵は開いたままになっていた。
「うん。まぁ普通に考えれば今日子さんだと思う」
透は歯切れが悪かった。
「・・・何か引っかかるものでもあるの?」
「いや。断定できないだけで・・・。それは推測の域を出ないけど・・。何で今日子さんは返事が無かったのに部屋を覗かなかったんだろうか・・」(
>>203 )
わたしはある一つの推論を立てた。それは叔母さんが実は叔父さんの死体を見たのでは無いかと言うことだ。
その上で、叔父さんの殺害を『河村亜季』の仕業だと思った・・・。
そして、起きているのを知っていて、『彼女』の部屋にみどりさんをつれて行ったのだ・・・。
それは純粋にみどりさんを『河村亜季』に謝罪させるためでは無かった。
そう・・・叔母さんはみどりさんが殺されないように・・・守りたかったのだろう。
でなければ、寝ている人間の横で、あんな風に謝罪を促すなんて事はしない。
しかし、みどりさんはそんな叔母さんの気持ちも知らずに・・・。
わたしは、この事は黙っていようと思った。誰かに言ったところで当人達はすでにこの世にいない。
わたしは叔母さんの笑顔を思い出し、悲しくなった。
「どうしたんだい?大丈夫か?真理」
透が聞いてきた。
わたしは、ごまかしながら言った。
A、「彼女はどういった罪になるの?」
B、「みどりさんの犯罪は立証できないの?」
C、「もういいわ」わたしが聞きたいことは無くなった
238 :
名無しのオプ :2006/10/28(土) 21:59:39 ID:KFxfNENh
C
>>238 のC
事件は終わった。
わたし達は解散し、それぞれが自由に過ごすことにした(とはいえほとんどが仮眠を取ったようだ)。
もう『彼女』が殺人を犯す心配は無かったから・・・。
夜が明けて、俊夫さんが警察へ連絡するため、近くのペンションに向かい、その後、警察が到着したのは午前8時頃だった。
警察の調査で全ては明らかにされた。
本物の『河村亜季』は吹雪で到着が遅れ、シュプールへの交通手段が無かったため、途方に暮れて駅で相談したところ、民宿を紹介されて、そこで宿泊して、今日の午前中にシュプールに向かうつもりだったらしい。
昨晩、民宿に着いた後、シュプールへ電話したが、すでに叔父さんが電話を使えないようにしてあったため、つながらなかった。
警察の調査で明らかになったことは他にもある。
香山さんの斧の入手経路や、みどりさんが事故を起こした現場などだ。
そして、叔父さんの部屋には叔父さんが作った推理劇の脚本があった。
透が「う〜ん。あまり面白くないなぁ・・・」と言ったその脚本にはタイトルが
『 か ま い た ち の 夜 』
と書かれていた・・・。
エピローグ 冬が終わり、春が来た。学生生活で最も春休みが長いのは大学だろう。 ぼくは、あのシュプールでの事件が終わった後、何度も真理に連絡をした。 しかし、あまり会話が出来なかった。 「ええ・・・・」「うん・・そう」「・・・へぇ〜」 何か思い詰めてる感じだった。ここ1ヶ月は声すら聞いてない。 前期の講義が始まり、履修登録の期間が迫っていた。 ぼくは真理を学内で一度も見なかった。恐らくもう大学には来ないのだろう・・・。 そんな気がした。 そして、ぼくは・・・ A、真理に会いに行こう B、事件は忘れよう C、美樹本さんに会いに行こう D、俊夫さんに会いに行こう E、春子さんに会いに行こう F、OLの二人に会いに行こう G、『彼女』に会いに行こう
241 :
名無しのオプ :2006/10/28(土) 23:16:33 ID:VIyXYP/D
a
242 :
名無しのオプ :2006/10/29(日) 01:00:54 ID:9X5Fkxde
>>224 の続き(選択肢は
>>225 氏の選択)
A. 車内に何か武器があるか探す
ぼくは、咄嗟に車内を見回した。
すると、後部座席に例のモノが置いてあった。
…今度こそ決着を付けてやる。
ぼくは“武器”を握り締めると、真理に言った。
「真理、今から何があってもそこを動いてはいけないよ。
…いいね?」
「…うん。」
ぼくは耳を澄ませ、美樹本の足音で距離を推測した。
雪を踏む音が段々と近寄ってくるのが分かる。
音が限界まで近寄ってきた時、ぼくは車のドアを思い切り蹴飛ばした。
すると、美樹本は不意を突かれ、ドアごと吹っ飛ばされた。
ぼくは間髪入れずに、倒れた美樹本に近寄り、
モップで何度も何度も叩いた。
一生懸命叩いた。
気合で叩いた。
夢中で叩いた。
いつの間にか、美樹本は動かなくなっていた。
幸いなことに、美樹本は気絶しているだけで、
ぼくは殺人者にならずに済んだ。
いつの間にか、後ろには真理が立っていた。 「真理、車から出るなと言ったはずだろ?」 「心配だったの…。」 メロドラマのような雰囲気の中、ぼくは携帯電話を取り出し、 警察に連絡することを試みた。 ペンションから大分離れた上、天候も回復していたので 無事に連絡を取ることができた。 ぼくと真理は、助かったのだ。 安心して車に寄りかかった瞬間、遠くで爆発音がした。 研究施設の自爆装置が起動したようだ。 遠くに見える、シュプールから立ち上る煙を見ながら、 ぼくは、これまでの異常な出来事を思い返していた…。 完
244 :
名無しのオプ :2006/10/29(日) 01:54:25 ID:WfH0IP1Y
おおGJ! これで一つの話は完結したわけか なかなか楽しめたよ
245 :
名無しのオプ :2006/10/29(日) 07:03:57 ID:UkYx7k/S
>>243 GJ!お疲れ様でした。
>>237 まだ話が続くのに申し訳ないのですが、
やはりAとBの選択も読みたいです。
>>237 のA
「彼女はどういった罪になるの?」
「一番重いのは殺人だ。みどりさんの事件だけはどうしようもない。それと業務上過失致死から器物損壊、はては保護責任者遺棄罪までと結構な罪になるね」
透は簡単に言いはなった。
犯人である『彼女』は青ざめた顔で震えだした。
『彼女』が透に好意を感じているのは、薄々感じていたが、透はそんなことも知らずにしれっと事実だけを言った。なんて男なのだろう・・・。
「と、罪はそうだけど」透は明るい声で『彼女』の方を向いた。
「今、話したことを包み隠さず、警察や裁判官、弁護士に話すんだ。そして、自分が感じたことも全て・・・。絶対に嘘を言ってはいけない。いいね?」
『彼女』は透の言葉が意味がわからないといった感じだが、それでもはっきりとした意志で頷いた。
「絶対に悪いようにはならないから・・」
後日談である。審議はとても早いスピードで進められ(それでも期間的には長かったが、結果、『彼女』は不起訴処分になった。
病院でのカウンセリングや事件の後遺症もあった『彼女』にとっては厳しい期間だったと思う。
4人もの人間が死んだ事件で不起訴処分になるなんて思ってなかった私は、このことに驚いた。
叔父さんと叔母さんが死んでしまった事で、『彼女』に対して複雑な感情だったわたしだったが、その結果は少し嬉しかった。
あまりにも不運な偶然がかさなりあって、全ては事故だったのだと自分に納得させることもできた。
どうして不起訴処分になったのか透に尋ねたら
「彼女が未成年で良かったよ。反省した態度がはっきり認められ、再教育や更正の必要性が無い場合、不起訴処分になることがあるんだ。今回は結構ギリギリだったけど・・・」
少年法で保護されていた『彼女』の名前もマスコミに出ることはなく、事件の扱いも地元紙で小さく載っただけだった。
透によれば10年後はそんなに甘くないだろうとのことだ。
わたしの両親をはじめ、親戚や知り合いは、『彼女』について詳しく聞きたがったが、わたしは事件の概略を説明するまでで止めた。
透があのとき、詳しく説明しなかったのは『彼女』によけいな先入観を与えないためだったんだとその時初めて知った。
話はあの日に戻る。わたしは透に言った。
A、「みどりさんの犯罪は立証できないの?」B、「もういいわ」
>>239 へ
>>237 のB
「みどりさんの犯罪は立証できないの?」
わたしは聞いてみた。
伏せていた俊夫さんが顔を上げる。
「事故と今日子さんの事件に関しては明らかにみどりさんの犯罪だし、証拠も残ってるから警察も確実に判断できるはずだ」
「みどりは死んでるのに犯罪者になるのか・・・」
俊夫さんがうなる。
「なります。まぁ形式上の書類送検だけですが・・・」
罪とはその本人が死んでも決して消えないのか・・。
思えば事件の発端はみどりさんの事故だった。
「もういいわ」わたしにはもう聞きたいことは無くなっていた。
>>239 へ
>>240 のA
「透、地下からシャルドネ1ケースとピノ・ノワール2本お願い」
「OK!!すぐ持って来るよ」
あれから真理はシュプールを引き継ぐ決意をしていた。ぼくに連絡が出来なかったのは、シュプールを継ぐ以上、ぼくとは会えないと思ったからだそうだ。
だけど、ぼくにとって真理は自分の人生をかけて愛せる女性だった。だから、ぼくは真理に会いに来て、今ここにいるんだ。
ぼくは、従業員として「小林」オーナーの元、シュプールで働いてる。
主に、掃除とか雑用とか掃除とか掃除とか雑用とか、皿洗いとか客の送り迎えとか掃除とかだ。
真理に軽快に返事をすると、ぼくは急いで地下室に向かった。玄関でちょうど俊夫さんに会った。
「あ、俊夫さんお疲れ様です。今日は天気が良くて良かったですね」
「いや、天気が良いのは良いんだけど、日が雪に反射して、目がきつくてね」
俊夫さんは期間限定でシュプール専属のスキーインストラクターをしてくれている。
ぼくには想像も出来なかったけど、教え方が上手いとそこそこ評判も良いみたいだ。
「手伝おうか?」俊夫さんがぼくに話しかける。
「いや、いいですよ。一人で大丈夫です」
鍵を開け地下室にはいると、ふと香山さんの事件を思い出した。予算的にも全面的な改装とはいかず、一部の床や壁を変えただけだが、事件の跡は全く残っていない。
ただ、地下室に香山さんの写真だけは置いてある。見知らぬ人が見たら、意味がわからないだろう。
「香山さん。春子さんに頼んでシュプールの資金をお借りしてます。少しづつですが、必ず返せると思います」
春子さんは香山さんの会社を引きついだ。元々、社長以下の重役が切れ者揃いだったため、会社の士気を落とさないためにも春子さんが社長の椅子に座ることになったという。
そんな春子さんだったが、真理がシュプールを引き継ぎたいと言った時、無担保、無保証で資金を融資してくれたのだ。
よっと、荷物を抱え、キッチンに戻った・・。
キッチンへ戻る途中。ロビーに美樹本さんから写真付きのハガキが届いていた。 恐らく俊夫さんが、郵便ポストから取って、おいといてくれたんだろう。 背景は恐らく海外だと思われるその写真には、なぜかOLの啓子ちゃんと可奈子ちゃんと当の本人が3人で写っていた。 「透ちゃん。遅いじゃないの?」 麗子さんがぼくを叱る。姫宮麗子さん。流れシェフという怪しい商売をしている人だ。 料理人としてシュプールで主にディナーを担当して貰っている。 シュプールの評判は美人オーナーとすばらしいディナーにスキーの講座、そして、隅々まで行き届いたベッドメイクをはじめとする掃除術などによるものもある。 料理の腕は確かだが、容姿は・・・ゴニョゴニョ。 「容姿が・・・何か言った?」 「え、ぼく何か話しましたっけ?」 「あんたは顔に出やすいのよ」麗子さんが笑った。 「本当にねぇ」真理もクスクス笑って続く。 口元に手を当てた真理の薬指にはぼくが贈った指輪が光っていた・・。 ある冬の日のこと。 お わ り 完「a winter day(truth)] みどりのはね逃げ編終了
250 :
名無しのオプ :2006/10/29(日) 15:54:41 ID:YKnQne/h
>240 G、『彼女』に会いに行こう も是非!
251 :
名無しのオプ :2006/10/29(日) 18:14:10 ID:UkYx7k/S
>>246 −247
ありがとうございました!
>>248 を読む限りでは、俊夫さんも罪には問われなかったみたいですね。
小林さんと違って、生きているのに雪に埋めた事実は殺人未遂になるはずだけど。
あの場にいた人達が気遣って俊夫さんの事は伏せておいたのか、
結果的に彼女は助かったので書類送検か執行猶予程度で済んだのか。
>>240 のG
暖かい陽気が身を包んだ。
『彼女』は結局通ってた高校を1年休学した。地元の事件だから、世間ではそれほど騒がれなかったものの、学校での注目度は高かったそうだ。
あの日『彼女』が見舞った祖母をはじめ、両親、高校の友達などが『彼女』の力になった。
ぼくが会いに行こうと決意をして、事件から3ヶ月ほどたったあの日はずいぶんと昔の事のように感じられた。
「はい。警察の方も、それほどきつい言い方はせず、わたしの言葉を真剣に取り合ってくれました」
警察の取り調べや病院の検査などで、少しやつれたように見えた『彼女』はそれでも、元気そうだった。
「本当にありがとうございました。透さんがわたしを助けてくれなかったら、わたしは取り返しのつかない事をするところでした」
「いや、ぼくは何もしてないよ」
まだ審議は終わってないのに、これだけ明るいのは判事や警察に勇気づけられたからだろう・・。
よかった・・・。心からそう思った。
『彼女』の祖母がなぜかぼくにセーターを編んでくれた。それをぼくが着ると『彼女』は嬉しそうだった。
また春がやってきた。大学の構内が一番活気づくのは新学期の春だと思う。
「透さん。おはようございます」
寝坊したぼくを見つけた新入生の『彼女』が手を振って近づいてきた。
「おはよう。今日も良い天気だね」
我ながら当たり障りのない返事だなと思いつつ、『彼女』が見せる笑顔に眠気をかき消されたことに気付いた。
ある春の日のこと。
お わ り
完「a spring day(truth)]
みどりのはね逃げ編終了
>>251 それ以外にも『彼女』自身が告訴しないことにしたのかも知れません。ハッピーエンドと言うことで、全員出演した方が良いかなと思って出ております(余分なおまけが一人いるのは別として)
あと、うがった見方をすれば、
>>248 は俊夫が刑期を終えた後の話だったとか・・・。
254 :
名無しのオプ :2006/10/29(日) 20:12:08 ID:VdtT+Al7
お疲れ様でした 又何か、作品思いついたら書いて下さいね。
255 :
名無しのオプ :2006/10/29(日) 20:44:39 ID:WfH0IP1Y
>>253 できれば全てのエピローグが見たいです・・・
256 :
名無しのオプ :2006/10/29(日) 21:04:25 ID:UkYx7k/S
>>253 自分も全て見たいけど、とりあえずお疲れ様でした。
余分なおまけって誰かと思ったら麗子さんかw
本編を元にすれば、事件は1の頃で麗子さんは×3での登場だから、
>>248 は数年後って設定でもいいかもしれませんね>俊夫さんのその後について
もちろん『彼女』が告訴しなかったって事でもいいですし。
>>243 もだけど、リアルタイムで『完』を見られるのは嬉しいです。
本当にゲームをやってた気がして。
257 :
637 :2006/10/30(月) 10:07:50 ID:S/Nt8viZ
>>167 の続き
B:美樹本は死んでいることにする。
…矛盾の原因となる嘘はつきたくない。
やはりここは素直に打ち明けるべきだろう。
とはいえこのまま死体を見せるのはまずいので、少し細工することにした。
額の銃痕は巻かれていた包帯で隠し、刺し傷は…どうしようもないので布団を被せて隠すことにする。
そして腕だけを布団から出している状態にした。
これなら検証でもされない限り自然死と見られるだろう。
僕は部屋を後にした。
「た、大変です!小林さん…!美樹本さんが……美樹本さんの脈がないんです!」
「何だって!?」
小林さんが僕を突き飛ばすようにして部屋に向かった。僕も後を追う。
「美樹本さん!美樹本さんっ!」
布団越しに美樹本の体を揺さぶる。が、当然ながら反応はない。
「そんな馬鹿な!さっきまでは…さっきまでは普通に話していたのに…!」
「………僕が部屋に入ったとき、既にその状態で……おかしいな、と思って脈をはかってみたら…」
小林さんも確認するように脈をみる。…そして、がっくりとうなだれる。どうやら死体を改めようという気はないようだ。
「……ここにいても仕方ありません。…戻りましょう」
「……………ああ」
よほどショックだったのだろうか、うなだれる小林さんに肩を貸しながら部屋を出た。
廊下に出ると、みんなが待っていた。女の子たちも既に廊下に出ている。
「あなた…」
今日子さんが心配そうに小林さんに声をかける。小林さんはもう大丈夫、と言って僕の肩をほどいた。
「談話室に……とりあえず」
僕はみんなにめくばせした。
小林さんが廊下の隅を見ながら言う。
「…………彼らは、しばらく放っておいてやってくれ」
見るとそこにはまだ俊夫がみどりさんを抱えながら跪いていた。
…一体何がそうまで彼を悲しませるのか?僕には理解しがたい感情だった。
258 :
637 :2006/10/30(月) 10:09:25 ID:S/Nt8viZ
下へ降りて5分ほどたったろうか。 みんな黙っている。 やがて俊夫が、背中にみどりさんを背負いながらゆっくりと降りてきて、廊下の奥へと消えた。 みどりさんを部屋に帰しに行ったのだろう。その間もみんな黙っていた。 俊夫は思ったより早く談話室に戻ってきた。 その顔はさきほどのような泣き顔ではなくある決意のようなものが浮かんでいる。 強気な目、つぐまれた口、少し釣り上がった眉…。 なんだあの表情は…? 今までみたことのないような表情に僕は少しだけ…怖い、と思った。 全員が集まると僕は夜が明けるまで一緒にいるように促した。 女の子の内の一人が何があったのか聞いてきたので全部話した。みどりさんが殺されたこと、美樹本が襲われ、死んだこと。 女の子たちが恐怖と疑心暗鬼でヒステリックに叫びだす。僕が殺人のあらゆる可能性を示唆するとそれは場にも浸透していった。 そして互いを監視し合うような状態がしばらく続く― まずいな…。この状況はおかしくてしょうがなかったが、内心では焦りつつあった。 僕が言い出したこととはいえ、本当にこのまま朝までいられたら―― 予定外のことがあったとはいえ事はうまくいきかけている。 この状況を変えるためにどうすればいいだろうか? A:この場でカタをつけてしまえばいいんじゃないだろうか。 B:誰かを犯人に仕立ててしまえばいいんじゃないだろうか。 C:いや、この状況を変えるなんて無理だ。
259 :
名無しのオプ :2006/10/30(月) 11:07:14 ID:/upg7LUJ
Cでお願いします。
260 :
637 :2006/10/30(月) 16:41:21 ID:T2S6AwJV
>>258 の続き
C:いや、この状況を変えるなんて無理だ。
場は疑心暗鬼に満ちている。この空気では何を言っても疑われるばかりで状況は変わりそうになかった。
しかし何かをしなければ事態は変わらない。何としても状況を変えなければ…
だが何かできないか、何かできないか…と考えているうちに気が付けば朝を向かえてしまっていた。
外は昨夜の猛吹雪が嘘のようにやみ、空は雲一つなく、快晴そのものに澄みわたっている。
その影響で場の雰囲気はゆるみ、殺人犯の恐怖から開放されたという感覚がみんなの安堵した空気を作り出していた。
その後、俊夫は車で警察を呼びに、小林夫妻は何か作ろうと厨房に、香山は何や根性のない犯人やで、と言い出し、
女の子たちに至っては今日のこと、会社でいい生還話になるわね、などと話始めていた。
事実僕自身もこれから殺人を犯そう、なんていう気はまったく失せていた。そして同時に後悔もした。
なぜみんなで集まっていようなどと言ってしまったのか…。
いや、ああすることは自然の流れだったし、あのことに問題はなかったのだ。
問題があるとするならそのあと、僕が何も出来なかったことか…。
「透…私たち、助かったのね」
「あぁ……」
まぁいいさ…。チャンスはまた、きっとくる。
反省は必要だが後悔は必要ない。僕は次の機会こそは…と気持ちを改めた。
だがその後、僕が到着した警察に詳しく調べ上げられ、あっさりと捕まってしまったことは言うまでもない……。
終「未完の朝」
コンテニュー
>>258
>>240 のB
あの事件のことは忘れよう。
真理のことも忘れよう。
それでいいんだと思う。
風の便りでシュプールが営業を再開したことを聞いた。
でも、ぼくがそこに行くことは二度と無い。
もう全てを忘れたいから・・・。
そして思い出したくないから・・。
お わ り
終「forget」
>>240 のC
ぼくは美樹本さんに会いに行った。
「美樹本さん。あなたの事が好きです」
「ウホッ!俺もだよ。透くん」
ぼくはその言葉に嬉しくなった。
「しかしフリーのカメラマンとはきちんとした収入もなく、下手すればその日暮らしだぜ。それでもいいのかい?」
「構いませんよ。あなたと一緒なら」
「ウホッ」
お わ り
終「そのひぐらしになる頃に」
>>240 のD
ぼくは俊夫さんに会いに行った。
「俊夫さん、みどりさんの事は気を落とさないで下さい。ぼくがいるじゃないですか?」
「ふん、ポニーテールでも無い奴が何言ってるんだ!!」
俊夫さんはこっちを振り向きもせず、言い放った。
「髪を伸ばせば良いんですね!!」
ぼくは出直すことに決めた。
いつかポニーテールになったらまた俊夫さんに会いに来よう。
お わ り
終「ポニーテールは振り向かない」
>>240 のE
「よっしゃぁ!!バッチこいやぁぁ」
ぼくはあれから春子さんを手込めにして香山さんの会社を乗っ取ることに成功した。
未亡人を落とすのはさほど難しくはなかった。
「社長。今日の会議は」
「社長。このエリアの店舗についてですが」
毎日が忙しい。
「ええで。ええで。ガンガン攻めるんや」
関西に長いこといたせいで、関西弁にまでなってしまった。
夜は夜で愛人を5人も囲い、あっちへこっちへ大忙しだ。
春子?あんな年増はもう飽きた。やはり若い娘の方が良い。
「透さん。もうあなたには愛想が尽きました。別れさせて貰います」
「好きにするがええ。わいかてお前なんぞ飽き飽きや。今の一番のお気に入りの夏美と一緒になるさかい」
もうすでに会社はぼくのものだ。今更春子と分かれたところでどうって事はない。
グサッ
夜の繁華街を若い娘を引き連れて歩いてるといきなり後から刺された。
「なんじゃぁ。こりゃぁぁぁぁぁぁ」
痛みのする方向に手をやると、べっとりと血が付いていた。
「・・・死ぬがいい」
ぼくがかつて、自殺に追い込んだ一家の唯一の生き残りの一人息子が走り去った。
そして、そのまま意識を失った。
お わ り
終「どてらい奴」
265 :
名無しのオプ :2006/10/30(月) 21:21:59 ID:SKlwNRi9
>>240 のX
ここの住人はどこまで悪ノリすれば気が済むのだろう。
シリアスかと思えばうほ系までと幅広い。
ああ、そうか。
僕はこのスレの玩具なんだという事にあらためて気づいた。
お わ い
終「この流れはいつまで」
>>240 のF
OLの二人に会いに行くことにした。
ぼくは二人とも好きになっていたのだ。
「ごめんなさい」
しかし、あっさりと断られ、そのまま流浪の旅に出た。
今、ぼくは一夫多妻制の国に暮らしている。
それがぼくのたどり着いた結論だ。
お わ り
終「どこかの国で」
267 :
名無しのオプ :2006/10/30(月) 23:08:46 ID:hNRgkwXW
まとめサイト機能してないな
268 :
名無しのオプ :2006/10/31(火) 08:18:11 ID:uK52zTUm
>>258 Aでお願いします。
>>261-266 全ての補完お疲れ様でした。
やはり「会いに行く→その人が好き」って事になって、
パラレルワールドエンドになるのですねw
269 :
637 :2006/10/31(火) 15:42:04 ID:2V13GJpj
>>258 の続き
A:この場でカタをつけてしまえばいいんじゃないだろうか。
僕はもうあれこれ思考するのが面倒になってきた。
それよりこの場で皆殺しにできないかを考えてみることにした。
まず拘束するとか人質をとるとかを考えずに、純粋にこの人数を殺れるかを考えてみる。
真理を除けば全部で8人。数字上ではかなり厳しい。
今僕の得物は銃とナイフ一本のみだ。
比較的威力の弱いこの銃では、どんなによくても三人程度しか殺れないだろう。
既に血と油が付着しているナイフもあと二人程切るだけでその機能を失ってしまう。
事実上今ある武器で全員殺害するのは不可能なのだ。
となると……やはり逃げられないためにも最低限の拘束は必要になる。
だが拘束するとかそういった人身掌握することに僕はあまり自信がなかった。
銃による抑止力で仮にうまくそういうふうにもっていけたとしても、彼らが大人しく拘束されるだろうか?
特にあの怒っている俊夫が黙ってロープに縛られるとは思えない。
突っ込まれたときはナイフで返り討ちにする自信はあるが、それを契機に全員でかかってこられたらどうしようもない。
つまり、一人でも暴れだすものがいれば僕の敗北はほぼ確実なのだ。
「…………………」
考えるのが面倒になったと言いつつしっかり考えている自分がおかしかった。
弱気になっているのか…?僕は……。いや、考え直せ。
さっきはそれを契機に全員で…と思ったが本当にそうか?一人殺せばむしろさらに恐怖で縛れるようになるんじゃないのか?
しかし…死の恐怖から突発的に向かってくる者がいることも僕は経験で知っている。
僕は一体どうすれば……
A:それでも強行するしかないと思った。
B:思い直し
>>258 Bの選択があることに気付いた。
270 :
名無しのオプ :2006/10/31(火) 19:19:53 ID:MhowRNV4
あえてA
271 :
637 :2006/11/01(水) 21:21:34 ID:7h/TrWI7
>>269 の続き
A:それでも強行するしかないと思った。
……駄目だ。いくら考えてもいいアイデア浮かばない。やはりこの場で全員殺害するしかない。
仮に失敗するにしてもやらずに後悔するよりはやって後悔したい。
しかし僕が一旦そう決意すると、ドス黒い感情がふつふつと沸きあがってきた。
このナイフは二人切るだけで使えなくなる…?この銃では三人までしか殺せない…?何を言ってるんだ?
ナイフは“切る”ことができなくなっても突き刺すことはできる。銃も零距離なら一発で仕留められる。
そしてなにより、拘束するなんて考えた自分がとんでもない愚かものに思えてきた。
そんなことはあの臆病者の美樹本なんかがすることだ。
そんなまどろっこしいことをせずとも有無を言わさず殺してしまえばいい。
無駄な動きは一切無くし――感情を必要とせず――ただ、静かに殺す。
僕はゆっくりと俊夫の元に近づいていった。
「ん…?どうかし…ッ…」
それが彼の最後の言葉になった。
ナイフを一閃させて彼の頚動脈を断ち切る。――みんな何が起こったかわからない。
そして続けざまに近くに立っていたものの頭部へ銃を発砲。――ここで皆気付き悲鳴をあげる。
逃げ出そうとする者のの背中にナイフを突き立てる。――三人。
さらに自分から一番遠くへいたものへ発砲。――うまい具合に急所に当たった。
272 :
637 :2006/11/01(水) 21:22:21 ID:7h/TrWI7
アハ、アハハハハハハハハ!!
逃げ惑い絶叫する者たち。
いつしか僕は銃とナイフの交叉による殺劇に異様な興奮を感じていた。
美しい……なんて美しいんだ…!こんなにも美しい殺し方があったなんて!
歓喜、狂喜、壊喜、崩喜。
世界がきれいに歪む。ボクに陶酔。
恐怖で動けなくなったものへ死界への一撃を。――五人。
尚逃げ出そうとするものへ死神の咆哮を。――六人。
ザザッ、ザ――。
視界にノイズ、耳腔に干渉。
ボクの殺劇が一度途切れる。
あるものが二階へ、あるものが厨房へ。
アハハハハッ、どこどこまでも逃げるがいい。お前たちはボクの贄とする。
追おうとして、ふとまだ一人動けなくなっている女に気付いた。誰だっけかな…?この女は…。
なんだかすごく思い入れがあったような気がするけど……まぁ、いいや。
ボクはゆっくりと、その女に、銃を向け―――
ザ―、ザザッ、ザ――――ブツリ。
終「Silent Killer」
コンテニュー
>>258 B or
>>269 B
273 :
名無しのオプ :2006/11/01(水) 22:14:39 ID:Tw6MI0TN
B
274 :
名無しのオプ :2006/11/01(水) 23:40:56 ID:1bb5TBCl
>>268 真理のEDが先だったのでそうなりました。後日談を真理でやっているので、みんなに会いに行きその後の状況を知りながら、最後に真理に会いにいくというパターンは消えたのです。
もっと犯人が未成年だったパターンも消えそうでしたので、留置所の面会室に会いに行くという話にもなりそうでした・・。
話は全て選択肢の結果で、伏線も消費できたものがあるとはいえ、未だ謎が残ったり説得力も少し(てかかなり)弱い部分もあるなぁと思います。解決編が長すぎるのもイマイチ・・・。
トリックも死体発見の順番で変わっていったので、ある意味一番やりごたえがあったパターンだったかも知れないです(犯人指摘でほぼ全員分書くハメになるとか・・)
>>258 の方のBでお願いします
275 :
名無しのオプ :2006/11/02(木) 00:51:02 ID:rANE5AHn
みどりのはね逃げ編書いたのって、もしかしていつぞやのゲサロの二人の片割れ?
276 :
名無しのオプ :2006/11/02(木) 05:19:59 ID:Xl4Nb9vw
>>275 いや、違うと思う。家ゲ板なら結構色々書いたけど・・
何かあったの?
277 :
名無しのオプ :2006/11/02(木) 16:55:40 ID:rANE5AHn
>275 かつてゲームサロン板に「一行づつ書いてかまいたちっぽくするスレ」というのがあってな。 スレタイ通り一行レスだけのネタスラだったんがだ、ある日住人が暴走してストーリーが書かれだした。 収集がつかなくなりそうなところを「学生のほう」「学生でないほう」という二人が(半ば強引に)スレのネタを一本のストーリーにした事があった。
278 :
名無しのオプ :2006/11/02(木) 18:22:21 ID:XX5smHmI
>>277 >>276 じゃないけど、そんな事があったんだ。
そこまでしてかまいたちのストーリーを書きたがってたのなら、
二人ともこのスレの職人さんとして活躍してる可能性は高いよね。
本当にここにいてももちろん名乗る必要はないけれど、
もしよければこれからも頑張ってください。
279 :
名無しのオプ :2006/11/02(木) 18:29:04 ID:20kUihJ4
>>278 作品だけならまとめサイトで一部読めるよ。
職人のレスや経緯はわかんないけど。
昔の作品見てたら白雪村編の続きが見たくなった。
280 :
名無しのオプ :2006/11/02(木) 20:40:42 ID:Xl4Nb9vw
>>277 どうもありがとう。自分はコテ基本的につけないし・・。そもそもここでもROMってた人間なので。
×3発売前後なら家ゲのスレにいたけど。
281 :
637 :2006/11/03(金) 19:01:00 ID:JxsmcyRe
>>258 の続き
B:誰かを犯人に仕立ててしまえばいいんじゃないだろうか。
……そうだ。考えてみれば、今この状況にあるのは犯人が誰であるか分からないからなのだ。
外部犯なのか?内部犯なのか?それすら分かってない状況だ。
…だったら、それを分からせてやればいい。
誰だっていつまでもこんな状態のままでいたいとは思わない。
ならば僕たちの中で最も疑わしい人物を考え、そいつが犯人だと示唆すれば皆必ずその人物が犯人と思うようになる。
そうなれば被疑者は弁明できない――いや、させない。
おそらく朝まで縛っておくかどこかに閉じ込めておくかすることになるだろう。
そしてその時こそ好機。彼らのとっては致命的な“安心して自由に動ける”時間が生じる。
…完璧だ。後は実行に移すのみだ。
僕は思考する――まず誰なら犯人にできるかを。
一部の犯行が可能だった者では駄目だ。それでは僕自身も含まれてしまう。
考えるのは一連の事件で全ての犯行が可能だった人物でなければならないが―――何人か思い当たる。
いずれも決め手となる証拠はないが……大丈夫だ。
証拠がなくとも論理性があれば説得力はある。
さて、思い当たった中で誰を犯人に仕立てるか―
A:小林夫妻
B:OL三人
C:俊夫
282 :
名無しのオプ :2006/11/03(金) 20:24:47 ID:bAsNx4Se
A でおねがいします
283 :
637 :2006/11/05(日) 19:39:03 ID:Ip/QFBTo
>>281 の続き
A:小林夫妻
やはり思い当たった中では一番犯人にしやすい人…彼らにすべきだろう。
なに、仮に失敗したとしても謝ればいいだけのことだ。
「透……どうしたの?さっきから何か考えこんでるようだけど…」
真理が何か期待するような声で聞いてくる。
「……………わかった」
「え?」
「分かったんだ。田中さんや美樹本さん、みどりさんを殺した犯人が…」
「本当に!?……一体誰なの、犯人は?」
「犯人は………小林夫妻です」
全員が小林さんの方を向く。
「な、何だと!どうして私たちが犯人なんだ!ふざけるのはやめてくれ!」
やや青ざめながら小林さんが突っかかる。
「そうよ…!叔父さんたちが犯人なわけないじゃない!」
「まぁ待ちぃや……兄ちゃん、そこまで言うなら何か根拠があるんやろな?」
「香山さん……!」
「…はい。説明する前に言っておきますが、これから僕が話すことの全ては、犯人が内部犯と仮定してのことです。
そうでなければ誰にも見つからずに、ということは考え難いですから…。
では…まず、僕は一連の事件で誰なら全ての犯行を行えたかを考えてみたんです」
「……待ってくれ。全ての事件を起こした犯人が同一犯とは限らないだろう?」
小林さんが反論する。
「はい。ですがそれを考えても犯人は絞れないでしょう。
それより全ての犯行が行えた者……それこそが最も犯人に近い人物だと思いませんか?」
「……………それが私だと言うのか」
「そうです。…正確には今日子さんも含めて、ですが。では、第一の事件から考えてみることにします。
田中さんが殺された時間……つまり窓ガラスが割れたとき、談話室にいなかったのは俊夫さんだけでした。
だから最初僕は田中さんを殺したのは俊夫さんだと思ったんです」
俊夫がむっとした顔で僕を見る。
「…ですが音がした時間から僕たちがあの部屋へ踏み込むまでせいぜい十五分ぐらいでした。
香山さん……人をバラバラにするのにどれくらいの時間がかかると思いますか?」
284 :
637 :2006/11/05(日) 19:39:34 ID:Ip/QFBTo
「そうやな……わしは直接死体を見たわけやないから正確には分からんが… ごっつい刃物を使おたとしても三十分ってとこやろな。 ……ちゅうことは何や、あの田中言う男は窓ガラスが割れたときに殺されたと違うんか?」 「はい。わずか十五分程度で人をバラバラにできる人間はいない… おそらくこれは犯人が犯行時刻を誤魔化すために時間差トリックを使ったと思われます」 「時間差トリック……つまり、窓ガラスに何らかの細工をしたってこと?」 真理が確認するように聞く。 「ああ。実際に犯人が窓ガラスにした細工は分からない。 だけど、例えばあらかじめ窓ガラスの音をテープレコーダーで録音しておいて、 それをどこかの部屋で大音量で流す、という方法もあることにはある。 まぁこれは問題点だらけの無茶な例だけど、何にせよガラスの音を出す方法があったとすれば、 談話室にいた人間にも犯行が行えたということさ。 …しかしその中でも二階へ行かなかった人がいるから、その人たちを消してみよう」 僕は一呼吸おいてから、辺りを見回して言った。 「まず僕と真理。僕と真理は夕食後もずっと食堂にいて、結局その後も二階へ戻ることはなかった。 これを裏付けてくれる人は何人もいると思います」 反論がないようなので続ける。 「次にOLさんたち。彼女たちは一旦部屋に戻ったものの、例の脅迫状があったためすぐに一階へ降りてきます。 田中さんをバラバラにする時間はありません」 うんうん、と女の子たちがうなずく。 「続いて香山夫妻。彼らも荷物を置くために部屋に行きますが…すぐに降りてきたため、やはり時間がありませんでした」 …ここでしばらく黙る。残った者が犯人だと言わんばかりに。
285 :
637 :2006/11/05(日) 19:40:09 ID:Ip/QFBTo
「おいおい!それじゃあ俺まで犯人に含まれてるじゃあないか!」 「私たちだってそうだ!私たちにだってアリバイはある!」 「ええ。確かに小林さんは夕食後もフロントにいて、その後もずっと僕たちと一緒にいたから犯行は無理です。 ですが奥さん…今日子さんはしばらく見かけませんでした。聞きたいんですが奥さん、その間何をしていらしていたんです?」 「今日子は……今日子は夕食の後片付けをしていたんだ!」 小林さんが代わりに答え、今日子さんも焦ったようにそれに頷く。 「では小林さん、あなた以外にそれを証明できる人がいますか?」 「それは…っ……!」 返す言葉がないのか小林さんは押し黙る。 「……いないでしょう。それではアリバイになりません。 つまりこの時点で田中さんを殺せたのは、俊夫さんか今日子さん、ということになります」 「……まだ続きがあるんだろう!?早く話してくれ!」 早く疑いを晴らしたいのか俊夫が急かす。僕は一息ついてから言った。 「……分かりました。では次に第二の事件を考えてみます。 美樹本さんが襲われたとき、外にいたのはもちろん僕と小林さんと俊夫さんです。 俊夫さん……あの時倒れている美樹本さんを発見したのはどちらが先でしたか?」 「そ、それは…オーナーだ!オーナーが先に発見したんだ!」 「ちょ、ちょっと待ってくれ…!確かに見つけたのは私の方が先だが…そもそも美樹本さんの後を付いていったの君だろう!? 君がやったんじゃあないのか!」 「あの時僕と美樹本さんはかなり離れていました…。 もし僕がやったのであれば僕は美樹本さんのもっと近くにいなければなりません。 つまり、美樹本さんを襲った可能性が最も高いのは……小林さん、あなたです」 今日子さん以外が小林さんに疑いの目を向ける。
286 :
637 :2006/11/05(日) 19:41:28 ID:Ip/QFBTo
「な、何を……馬鹿なことを言うな!!違う、私じゃあない…!」 小林さんもかなり焦りだしている。あと一押しだ。 「では最後に、みどりさんの事件です。 美樹本さんが部屋に運び込まれたあと、治療を行っていたのは小林さん、今日子さん、みどりさんです」 みんなはっとなって息を呑む。 「もう分かったと思いますが……この時も殺せた可能性が最も高いのが…小林夫妻、あなたたちです」 小林夫妻は顔面蒼白になりながら呆然としている。 「僕が着替えを済まし部屋を出て“みどりさんはどうしたんですか?”と聞いたときあなたはこう言いましたね。 “何か調べたいことがあると出ていった”と。 しかしそれは嘘だったんじゃないですか?その時既にみどりさんを殺していたんじゃないですか? もしかしたら美樹本さんも、この時自然死に見せかけ止めを刺したのかもしれません」 僕は確信した。決まった、と。今間違いなく疑いの目は小林夫妻に向けられている。 「そんな……嘘でしょ!?叔父さんたちが……叔父さんたちがそんな事するはずないわ!」 真理が弁護しよう声を上げるが、俊夫の静かな怒声がそれをかき消した。 「オーナーぁ…!あんたたち……あんたたちがみどりを殺したのかっ!!」 俊夫が今にも小林さんに掴みかかろうとする、が僕がそれを押しとどめる。 「どけ!!なんで止めるんだ!こいつらがっ……こいつらがみどりをっ……!!」 「落ち着いてください!僕は状況から推察して彼らが犯人と言ったのです!証拠があるわけじゃありません…!」 「何だと!?無責任なことを言うな!」 「ですから…!僕の言うことが正しいと思うかは皆さんに判断して頂きたいのです。 それと小林さん……何か言い訳できることがありますか?」 「……っ………!」 何か声を上げようとする、がそのまま黙りこむ。僕は心の中でニヤリ、と笑った。
287 :
637 :2006/11/05(日) 19:42:05 ID:Ip/QFBTo
突然、女の子たちの内の一人が立ち上がって言った。 「あたし……あたし、この人たちと一緒にいたくありません!部屋に戻ります!」 そう言って有無を言わさず階段を上がっていく――他の二人もそれに続いた。…ますますいい展開だ。 「違う……違うんだ…!私たちじゃあないんだ……!」 「小林くん、君とは旧知の仲や……せやけど透くんの言うことは理にかなっとる。言い逃れはでけへんで」 このおっさんも良い具合に騙されている。愉快で堪らない。 「嘘よ……叔父さんたちが、そんな……」 真理もすっかり意気消沈している。 「それで……どうするんだ。こいつらは」 俊夫が汚いものを見るような目つきで小林さんをたちを見る。もはやオーナーと従業員という関係は完全に失われていた。 「小林さんたちが犯人だという証拠はありませんが… それでもやはり彼らが犯人である可能性が高いのは分かって頂けたと思います。 ですからここは皆の安全を考えて……地下室にでも入ってもらうしかないんじゃないでしょうか?」 「地下室か………なるほど」 「ちょっと待ってくれ……!……分かった、私はどうなろうと構わない…! だから今日子だけ…今日子だけは自由にしてやってくれないか…?」 「あなた…!」 小林さんが必死の思いで哀願する。しかし 「ダメだ。犯人かもしれない人間を野放しに出来るわけないだろう」 俊夫が冷たく言い放った。……あまりに滑稽なやりとりに笑いを堪えるのが大変だった。 そして――小林夫妻は地下室へ。マスターキーなどの鍵は俊夫が管理することになった。
288 :
637 :2006/11/05(日) 19:48:35 ID:Ip/QFBTo
「これでみんな安心して眠れるはずだ。そうだろ?」 僕は俊夫の言葉に頷いたが、真理はまだ顔を伏せたままだ。 「せやな。わしらは部屋に戻らせてもらうわ。君らもそうやろ?」 「はい…。真理……僕らも戻ろう?」 僕がそう言うと真理は小さくえぇ、と呟いてついてくる。 「ほな気をつけてな」 香山が最後にそう言って自分の部屋に入った。僕は鼻で笑って気をつけるのはあんたの方だよと心の中で返した。 …さて、まずはこれから俊夫を始末し、マスターキーを奪いそれから…… と考えながら自分の部屋に戻ろうとすると服の袖が引っ張られているのを感じた――真理? 「透……お願い。一人にしないで」 そう言いながら真理が僕にもたれかかってくる。彼女の体は、少し震えていた。 「え………ああ、もちろん。僕の部屋に来るかい?」 「………うん」 僕は自分の部屋のドアを開けると、彼女を先に通した。 僕がベッドに座り、真理も寄り添うようにして隣りに座る。 「私……まだ信じられないわ。叔父さんたちが、みどりさんを殺したなんて…。 透だって本気で叔父さんたちが犯人だと思ってるわけじゃないでしょ…?」 「ああ…。さっきも言ったけど、僕は状況を推察したに過ぎないから…。 僕だって、あの人の良さそうな人たちが本当にみどりさんたちを殺したとは思えない…」 少し安心したのか真理の表情がゆるむ。 「……ねぇ、みどりさん…本当に死んじゃったのかな…。 あれじゃ、俊夫さんがあまりに可愛そうだわ……」 可愛そう…?僕はふと、みどりさんが殺されたときの俊夫の表情を思い出した。 彼はなぜあんな表情をしていたのか…。…みどりさんのことを愛していたから?…愛って、何だ…?
289 :
637 :2006/11/05(日) 19:49:11 ID:Ip/QFBTo
真理の横顔をみる。 例えば彼女が僕じゃない誰かに殺されたとしたらどうか。 僕は犯人を憎むだろう。だがその怒りは僕の獲物を獲られたという怒りとは違う気がする…。 そういえば食堂の時もこんな風に横顔を見た。 あのとき僕は確かに真理を殺すのが惜しいと思ったが……それは、つまり、僕は真理を殺したくなんかない…? …いや、何を考えてるんだ、僕は。おかしいぞ。 しかし沸き上ってくる胸のざわつきを振り払おうしても、もやもやした気持ちが晴れることはなかった。 だから僕は真理に―― A:「俊夫さんはどうしてあんな顔をしていたのかな…」 答えを求めてみた。 B:「…………………」 何も言わずに、彼女を抱きしめてみた。
290 :
名無しのオプ :2006/11/05(日) 20:50:02 ID:TZ051UaO
291 :
名無しのオプ :2006/11/07(火) 03:08:08 ID:/Lr2I/6W
「ひゃっはっは! ひっひゃっひゃっひゃ!!!」 俊夫さんだった。 俊夫さんが急に爆笑しだしたのだ。 理由は分からない。 しかし、皆で楽しくディナーを楽しんでいた食堂を 凍りつかせたことだけは確かだった。 「…俊夫くん?一体どうしたっていうの?」 みどりさんが泣きそうな顔で俊夫さんを見ている。 みどりさんの言葉を聞いた俊夫さんは、いきなりテーブルを引っくり返した。 テーブルの上にある、たった今置かれたばかりの ミシシッピ・マッドケーキが床に落ちて潰れた。 「何をするんだ!俊夫くん!」 小林さんが悲痛な叫び声をあげる。 ふと腕に圧力を感じて、真理を見ると、真理がぼくの腕を強く掴んでいた。 豹変した俊夫さんに慄いているのだろうか。 俊夫さんは爆笑しながら、食堂から駆け足で出て行った。 一体、何が起きたというのだろうか…。
292 :
名無しのオプ :2006/11/10(金) 04:23:46 ID:pjMTa025
保守
293 :
637 :2006/11/10(金) 14:45:05 ID:cikW4tKJ
>>289 の続き
B:「…………………」
何も言わずに彼女を抱きしめてみた。
この気持ちが何なのか、答えは彼女にあると思った。
「……っ……とお、る…?」
真理は一瞬体をこわばらせたが…抵抗はなかった。
しかし衣服越しに伝わる彼女の体温に妙に心が安らぐ…。こうして人と触れ合うのはどれくらいぶりだろうか?
あろうことかいつまでもこのままでいたいと思う自分までいる…。
そうしていると真理も僕の肩に腕を回してきた。
「透………私、怖い…。どうして…?どうしてこんなことになっちゃったの…?
私たちはただ、スキーをしに来ただけなのに…!」
ぎゅっ、と僕にしがみ付いて真理は嗚咽を漏らす。
彼女はこんなに弱さを見せるような人間だったろうか?
「真理…確かに信じられない気持ちは分かる。でも、起きてしまったことから目を背けちゃダメだ…」
この状況に追い込んだのは―
「わかってるわ…!でもっ…それでも…!」
他でもない―
「真理っ!これはお芝居でもなんでもないんだ…!」
僕自身だというのに…。
言ったら真理は泣き出してしまった…。
彼女には現実を素直に受け止めるだけの強さがなかったのだ。
そしてそんな真理を見て、どうしてか罪悪感を感じてしまう…。
「ごめん…。言い過ぎた…」
真理の髪を優しく撫でながら深く抱きしめる。だが一方では思うのだ。
違う…!こんなのは僕じゃない、と。
真理を慰めようとする気持ちとそれを認められない気持ち。どちらも確かにあって異なる気持ち。
僕は……彼女をどうしたいんだ?
294 :
637 :2006/11/10(金) 14:46:21 ID:cikW4tKJ
困惑したまま抱いていると、やがて真理は僕から離れ、目元を腕で拭いながら口を開いた。 「……あ〜あ、何だか泣いたらスッキリしちゃったわ。…でも、なんか悔しいなぁ…透に泣かされるなんて……」 「どういう「あれ?」 意味?と聞こうとしたらふと、真理がなにかに気付いたような声を出す。 「透……どうしたの、ここの首のところの傷…」 「!!」 美樹本にやられた傷……!僕は思わず傷を手で覆っていた。 「昨日は…そんな傷なかったわよね?どうしたの?」 「…あ、いや、多分着替えるときに、服に引っ掛けたんじゃないかな…」 「引っ掛けた?引っ掛けてそんな傷ができるかしら…?」 ま、まずい…話題を変えなければ…。 A:「真理、シャワーでも浴びたらどう?」 B:「じゃあ何の傷だと思う?」 C:反射的に真理にキスをしていた。
295 :
名無しのオプ :2006/11/10(金) 14:51:52 ID:YGBvcZtD
Bでおねがいします!
296 :
637 :2006/11/11(土) 17:36:43 ID:2AAOZ4GY
>>294 の続き
B:「じゃあ何の傷だと思う?」
まるで傷がいつ付いたのかわからない、という風に言った。
「そうね……何かで切ったような傷みたいだけど、痛くない?」
真理が僕の傷に軽く触れながら言う。
「ああ、もう血も止まってるし、痛みもないから大した傷じゃないよ」
「そう…よかった。でも変なところ切ったわね…。どうやったらそこにそんな傷が付くのかしら?」
気になったら納得しないと気が済まない性格なのだろうか?
それともあのみどりさんのように悪い意味での女の勘、というやつなのか…。
いずれにしてもそれは僕を困らせることにしかならない――
A:
>>294 のA
B:「これはね、ナイフで切った傷さ」
C:
>>294 のC
297 :
名無しのオプ :2006/11/11(土) 20:01:58 ID:QFzv4hNx
C
298 :
名無しのオプ :2006/11/14(火) 00:41:40 ID:iw1rmipc
保守っとくか
299 :
名無しのオプ :2006/11/14(火) 00:51:01 ID:7sm3mSFv
ミス板は1ヶ月放置しても落ちないから大丈夫
300 :
名無しのオプ :2006/11/19(日) 09:54:07 ID:jCIZhZrs
さんびゃく
301 :
637 :2006/11/19(日) 13:36:10 ID:AOGp+cOS
>>296 の続き
C:反射的に真理にキスをしていた。
真理からすれば不意をつかれたのだから、キスをした、というより唇を奪われたという感覚だろう。
とはいえそれはほんの少し触れる程度のものだったし、
一瞬でも彼女の気を惹ければよかったのですぐに離れる。
「…………………」
何が起こったかわからないという顔をし、
「…………真理?」
しばらく何の反応も示さない真理に僕は少し狼狽する。
怒らないのか…?
正直なところ平手打ちくらいは予想してたし、覚悟もしていた。怒って自分の部屋に戻ってくれればそれでよかった。
だが彼女の反応は違った。
「……え?…い、いま、今……!」
突然真理は顔を赤くしながら確認するように自分の唇をなぞる。
意外…。彼女は反応しなかったのではなく、それ以前、理解できてなかったのだ。
「ど、どうして…?」
「ん…心配してくれる顔を見てたらしたくなったんだ」
悪びれなく言った。
「…もう、するならするってちゃんと言ってよ!ビックリするじゃない!それに…それに、私、初めてだったのに……」
はぁぁ、と気落ちする真理。
どうりで反応が初々しいと思ったが…しかし、“今からキスします”なんて言うやつがいるだろうか?
「えぇと、それは知らなかったよ…ごめん」
「透にはわからないでしょうけどね!私にとっては、大事なことなんだからっ!…だから…、だからっ……」
…?トーンが上がったり下がったり言い淀む様子が何だかおかしい。
「真理、言いたいこ「…やり直しよ!あんなのダメ!だからもう一度、今度はちゃんとしてっ!」
僕の言葉が遮られ、真理は顔を真っ赤にしながら堰を切ったように言った。
302 :
637 :2006/11/19(日) 13:37:21 ID:AOGp+cOS
「………………」 何でだ?どうしてこんなことなるんだ?まったく予想外な事態に頭を抱えたくなる。 「…う〜………」 …だがここは断るわけにもいかないようなので僕は居直ることにした。 「……わかった。じゃあ、はい…こっち向いて…」 「ん……」 肩を掴んで真理を正面から見据える。 さっきと違って今度は顔を直視することになるので妙に緊張する。…今更ながらに何をやってるんだ僕は、とも思う。 だからなるべく早く、簡単に済まそう…、と思いながら唇を重ねた。しかし―― 「―――!?」 真理は唇が触れた瞬間、僕の首から後ろ手に手を回し、頭と背を抱えた。 その衝撃で自然と僕も真理を抱きしめるような形になる。 それは、まるで恋人同士がするような―― 「……ん…っ……」 今度は僕がビックリする番だった。 触れる彼女の柔らかな唇は…擬似的な甘美さを伝え、 さらに暖かな抱擁から陽だまりのような心地よさを感じる。 緊張もいつのまにかドクン、ドクンと鼓動の高鳴りに変わっていた。
303 :
637 :2006/11/19(日) 13:38:39 ID:AOGp+cOS
「……ふふ、どうしたの。顔が真っ赤よ?」 どれくらいそうしていたのだろうか。 離れた真理が何か勝ち誇ったような笑みで僕を見つめる。 「いや、え、あ…なんで……」 思考が定まらずに滑舌が悪くなる。動悸も一向に収まらない。 「あは、何慌ててるの。私たち付き合ってるんだし、これくらい当たり前でしょ?」 さも当然のように言う真理。何か悔しいので 「……さっきが初めてだったくせに」 ボソリと言った。 「何 か 言 っ た?」 その言葉は怒気をはらんでいたので別に、と返した。 「ふん、でもその様子だと、透だってこういうの初めてだったんじゃない?」 …当然、人と必要以上に関わりを持とうとしてこなかった僕にそんな経験はない。
304 :
637 :2006/11/19(日) 13:40:17 ID:AOGp+cOS
「まぁそれはともかくさ…こんなときに不謹慎じゃあ「先にしてきたのは透の方だけど」 …最後まで喋らせろっ! と心の中で突っ込んだが確かに元々僕が招いたことなので何も言い返せない。 少しの間があり真理が思い直したように口を開く。 「……うん、まぁ透の言う通り、こんなときにっていうのも考えたわ…。…でもね、本当はすごく安心したの。 髪を撫でられているとき、キスをしているとき、その時だけは…今日のこと、忘れられたような気がした。 …ううん、気のせいなんかじゃない。例えば、こんなふうに抱きしめられているときも……」 甘えるように言いながら真理が僕の胸に覆いかぶさってくる。 「やっぱり、そう。……透、好きよ。大好き………」 初めて聞く、真理の呟くような告白。 体温が一気に上昇する。 何なんだ…この気持ちは……。鳴り止まない鼓動。決して感じたことのない感覚。 だけどその感覚は、とても暖く、無垢で… もっと触れてみたい、そう思い―― A:感情に流されるまま、押し倒していた。 B:感情を、押し殺した。
305 :
名無しのオプ :2006/11/19(日) 19:37:12 ID:MpewO2gK
ちょっとエッチなkam A itachinoyoru
306 :
名無しのオプ :2006/11/19(日) 21:29:08 ID:jE1NZhJ8
こういうのを待ってた!!! Aでお願いw
307 :
名無しのオプ :2006/11/19(日) 21:30:20 ID:T6YMKTEU
俺も全力で A を選択するぜ!
308 :
名無しのオプ :2006/11/20(月) 11:03:32 ID:p6O9ZJfX
お前ら大好きだw
309 :
名無しのオプ :2006/11/25(土) 12:38:28 ID:GkOqd1w9
念のため保守
310 :
名無しのオプ :2006/11/25(土) 13:40:25 ID:mrwZ7VKK
だったら上げろ
311 :
名無しのオプ :2006/11/25(土) 17:24:21 ID:Vqn2QrTT
官能編ですか?
312 :
637 :2006/11/26(日) 20:38:24 ID:mthrfrfE
>>304 の続き
A:感情に流されるままに、押し倒していた。
真理の両肩を掴んでベッドへ覆いかぶさる。
「!?ちょ、ちょっと…!ダメよ、こんなときに…これ以上は……!」
察したのかわずかに抵抗の力を感じる。
「こんなときだから、さ。僕もすごく不安なんだ…。…ダメかな?」
「そんな言い方、卑怯よ…」
「ごめん。けど、真理が安心するように僕も安心したい。
キスだけじゃ足りない…もっと真理を感じたいんだ…」
何故こんな感情に駆られるのか…自分の行動なのに、理解出来なかった。
313 :
637 :2006/11/26(日) 20:39:27 ID:mthrfrfE
「透…私に何か、隠してない?」 「え…」 突然の問。 「今の透…何だか焦っているように見えるわ。 さっきキスしたときの表情も、その傷のことも、何か戸惑って誤魔化しているような…。 あ、別にするのが嫌っていうわけじゃないの。 こうしてきてくれるは、その、嬉しいんだけど…ただ、ちょっと気になって」 「……………」 「考えてみれば透、今までこんな風に積極的にきてくれたこともなかったよね。 付き合ってはいるけど…どこか私を避けてる、そんな印象だった。 でも、嫌われてるっていうわけでもなさそうだし…。 ねぇ…ちゃんと聞かせて。私のこと、好き?」 「…っ………」 ここにきてもまだ気持ちに整理がついてなかった。 好き?嫌い?それは僕が彼女に対して最も遠ざけてきた問だったからだ。 思えば今まで、なんと曖昧な付き合い方をしてきたのか…。 だが、ここではっきりさせなければならない。 でなければ今後の僕の行動にも影響する…そんな気がした。 僕は目を閉じ、自問し――言った。 A:「僕は、真理のことが好きだ。でも…」 B:「そんな君は…嫌いだ」 C:「…分からないよ!」
314 :
名無しのオプ :2006/11/26(日) 20:43:26 ID:SP6gjLU+
A
315 :
名無しのオプ :2006/11/26(日) 20:54:30 ID:FVQkW6ec
ラヴロマンス編かーーーー!? A来ーい!
316 :
名無しのオプ :2006/11/26(日) 20:58:02 ID:/DRvKjKT
うむAだな。
317 :
名無しのオプ :2006/11/26(日) 21:07:38 ID:EL9sJF9l
満場一致でAだな wktk
318 :
名無しのオプ :2006/12/05(火) 14:17:21 ID:vccWlmAm
ワクテカ保守
319 :
名無しのオプ :2006/12/10(日) 08:16:14 ID:KAdWMAGh
捕手
>>47 D 可奈子ちゃんの勢いに押されてそのまま推理を披露し始めた。
「じゃあ、始めましょうか。まずは田中さんと俊夫さんのケースです。彼らはあまりにも異様な状況で殺されていました。
バラバラにされた挙げ句、釘を打ち込まれていた」
「それはもういいわよ」
「まあまあ。これ以外にも不審な点があります。出血の具合からみて、別のところで解体されて窓際に運ばれたと思われます。
なぜそんなことをする必要があるのか。」
「…それは、別の部屋で殺して運んだんじゃないの?」
「まあそうかも知れない。でも、異様な点はまだあってね、
A 窓が割られていたんだ」
B 密室になっていたんだ」
321 :
名無しのオプ :2006/12/10(日) 22:34:00 ID:+gQVuRdr
おお、釘魔編復活? Aでお願いします wktk
322 :
名無しのオプ :2006/12/10(日) 23:46:34 ID:/gOSNBXK
おお久々に追加されてる。 wktk そういえばもうすぐクリスマス、かま1の日に近づいてるねえ
323 :
名無しのオプ :2006/12/13(水) 18:51:35 ID:K++C38F5
324 :
名無しのオプ :2006/12/17(日) 03:30:32 ID:jFKu96uG
保守+アゲ
325 :
名無しのオプ :2006/12/21(木) 05:12:01 ID:Arfe7FHd
保守がてらにお知らせ
宮司を強迫し、韓国人を新役員に…鳥居も撤去 脱税目的で京都の神社を乗っ取り! 神社本庁が刑事告発
神社本庁の役員会が十二月七日に開かれ、平成十九年度一般会計予算大綱などが協議
されたほか、本庁業務検討委員会が提出した第一号報告書、京都府内の神社に関して公正
証書原本不実記載罪で刑事告発したことが報告された。
(中略)
★ 本庁が刑事告発
報告事項では、京都舞鶴市内の神社において、宮司を強迫の上、代表役員変更登記が
行われた事件が発生したことから、神社本庁が刑事告発したことの説明があった。
府神社庁の調査によれば、被告発人は「同神社の土地を買い取ったので、神社を潰す」
などと言って宮司を強迫。被告発人らが総代会を開き、韓国人三人を新役人に選任している。
脱税を目的とした神社乗っ取りと見られ、十一月二十二日には、同神社の社務所・石鳥居が
撤去されたことが確認されている。
ttp://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/879827.html
326 :
名無しのオプ :2006/12/22(金) 09:08:35 ID:o2eX1A+y
アゲ 非常にどうでもいい話はいらないから、続きが読みたいな
327 :
名無しのオプ :2006/12/25(月) 19:10:37 ID:Vh4zFivv
だな
328 :
名無しのオプ :2006/12/27(水) 00:43:16 ID:CTh3ithD
遠慮がちなノック。 今度は少し乱暴なノック。 悪夢の終わりはまだまだ先のようだった…。 ぼくは、この状況で生き残る為に何を為すべきか考えた。 どうする? A. バスルームの天上裏に隠れる B. ベッドをバリケードとしてドアの前に配置する C. 窓から外へ脱出し、歩いて逃げる D. “殺人者”を敢えて部屋に入れ、隙を突いて攻撃する E. 「もうすぐ警察が来るぞ!」 ぼくは大声でハッタリをかました。
329 :
名無しのオプ :2006/12/27(水) 02:02:57 ID:Bxnd3MyD
いきなり新作キター! とりあえずAでお願いします。
330 :
名無しのオプ :2006/12/27(水) 21:56:47 ID:CTh3ithD
>>328 の続き
A. バスルームの天上裏に隠れる
「真理、もうすぐここのドアは破られる。
今の内に、バスルームの天井裏に隠れるんだ。」
「でも…、外にいる犯人も、天井裏の存在くらい、
既に知っているんじゃないの…?」
「そんなこと言ったって、もう時間がないんだ!
早く隠れよう!」
ぼくたちは急いで天井裏へ逃げ込んだ。
次の瞬間、何かが破裂するような音がした。
そして、ドアが開かれたようだった。
小さな足音が、バスルームへ近付いてくるのが分かった。
バスルームの扉が開かれる。
もう一度、破裂音がした。
お腹が猛烈に熱い。
触れてみると、ぼくは大量出血していた。
どうやら、犯人は天井に向けて発砲したようだった。
真理の言う通り、気付かれていたのだ。
ぼくはそのまま眠りに落ちた。
終
(透死亡、コンテニュー
>>328 )
Dで
332 :
名無しのオプ :2006/12/27(水) 22:02:03 ID:GEsgYXLE
しまった、コテトリが…orz
333 :
名無しのオプ :2006/12/28(木) 00:45:32 ID:39vxvozb
>>331 ちょwwwおひさwつづきお願いしますよwww
334 :
名無しのオプ :2006/12/30(土) 00:44:16 ID:awntrCz+
D. “殺人者”を敢えて部屋に入れ、隙を突いて攻撃する
「真理、ぼくは今から外にいる奴に攻撃をしかける。
危険だから、真理はバスルームの天井裏に隠れているんだ。」
「透…、大丈夫なの?」
「大丈夫さ。
ちょうど、バスルームに柄の太いモップがあったんだ。
あれで思い切り叩けば、どんな大男だろうと一発だよ。
…さ、早く隠れて。」
「気を付けてね…。」
そう言うと、真理はバスルームの扉を閉めた。
「さて…と。」
ぼくは、足音をたてないようにドアに近付き、鍵を開けた。
そして、ベッドの陰に屈んで身を潜める。
数分後、ドアは乱暴に開かれた。
来た…!
モップを握る手に力が入る。
足音が近付いてくる。
人影が、バスルームの扉に手をかけた。
今だ!
ぼくは、人影に飛び掛った。
破裂音。
ぼくは何が起こったのか分からなかった。
ただ、気が付くと、その場に倒れ込んでいて、体が動かない。
どうやらぼくの手は気付かれていたようだった…。
終
(透死亡、コンテニュー
>>328 )
335 :
名無しのオプ :2006/12/30(土) 07:31:15 ID:9NVsOGlk
突破口があるのか不安になってきたw Cで。
336 :
名無しのオプ :2007/01/01(月) 08:28:37 ID:G+Vxep6/
おまいらあけおめことよろ! 書き手さんも忙しいでしょうが頑張って!続きをキボンヌ
337 :
名無しのオプ :2007/01/05(金) 00:01:14 ID:HlIU3fuB
C. 窓から外へ脱出し、歩いて逃げる
「真理、毛布でも何でもいいから、
防寒になるものを、急いで部屋から持ち出せるだけ持ち出すんだ。」
「どうするの?」
「今から、そこの窓から外へ逃げ出すんだ。
雪が大量に降り積もっているから、飛び降りても大丈夫だ。」
「でも…、ほんの数メートル先も見えないような状態よ…?
上手くいくのかな…。」
「でも、時間が無い。
相手はプロかもしれないんだ。戦って勝てる相手じゃないよ。
諦めて逃げるしかないんだ。」
そして、ぼくと真理は部屋のベッドから毛布などを集めると、
そっと窓を開けて外へ脱出した。
「この道を真っ直ぐ行けば、街に出られるはずだ!」
ぼくと真理は、はぐれないようにお互いの体を紐で固定して、
前屈みになりながら歩いた。
凍死した。
終
(透死亡、コンテニュー
>>328 )
338 :
名無しのオプ :2007/01/05(金) 01:45:03 ID:aqaOpQU1
Bで!助かる?
339 :
名無しのオプ :2007/01/05(金) 01:50:17 ID:PyaAgPcg
間に合わんような そもそも外開きだし
340 :
名無しのオプ :2007/01/05(金) 02:31:17 ID:yywdPVY0
いや、運よくベッドの脚の下敷きになるか、 ちょうどベッドの下(倒れなかったら裏)にもぐり込む形になって、 二人がかりで待ち構えてやっつけられるかも。
341 :
名無しのオプ :2007/01/05(金) 05:38:08 ID:iMULf4K4
ミッキー強敵(とも)だなぁw
342 :
名無しのオプ :2007/01/06(土) 00:06:06 ID:en1w+fNU
B. ベッドをバリケードとしてドアの前に配置する
「よし、真理。
今から、ここにあるベッドをドアの前に配置して、
犯人が入ってこれないようにするんだ。」
「でも…、ここは外開きの扉よ?」
「う…、いや、ベッドを縦に立てて配置すれば、
入口が丸々塞がるじゃないか。」
「そんなことをしている時間はないでしょ!」
確かに…。
しかし、ぼくは考えることをやめて、行動に出た。
ベッドを移動させようと、手をかけ、踏ん張る。
ベッドが少しずつ動き出す。
「よしっ、良い感じだ!」
それと同時に、目の前のドアが開かれ、ぼくは射殺された。
終
(透死亡、コンテニュー
>>328 )
343 :
名無しのオプ :2007/01/06(土) 00:12:20 ID:F8DDHz11
縦読みもないようだし… 正解はこれだな 「選択肢を選ばず放置」
344 :
名無しのオプ :2007/01/06(土) 00:50:51 ID:S6FaIp0R
いや、まだEがある! これに望みをかけるっ!
345 :
名無しのオプ :2007/01/06(土) 01:50:11 ID:eOWqVKZD
これどれ選んでもバッドエンドだったりしてw 本編がそれを匂わす終わり方だったし。 それともDの”殺人者”というのが引っ掛けで、実は別人だったとか?
346 :
名無しのオプ :2007/01/10(水) 00:41:19 ID:RmMRMh8E
E. 「もうすぐ警察が来るぞ!」 ぼくは大声でハッタリをかました。 すると、ドアの外で大きな足音が響いた。 どうやら、犯人は、ぼくたちのいる部屋から離れて、 階段を降りていったようだ。 ぼくたちがここまで辿り着けたという事実が、 犯人に、警察が来るというハッタリを信じさせたのだろうか? と、すると、犯人は何をしに下に降りたのか? ぼくは少し考えてから、行動に出た。 A. 「平気で何人も殺すような奴を放ってはおけない。」 そう言うと、ぼくは真理を部屋に残して、犯人を捕まえることにした。 B. 「このままここにいれば大丈夫さ。」 そう言うと、ぼくと真理はじっと待つことにした。
347 :
名無しのオプ :2007/01/10(水) 02:31:43 ID:LzTODoDC
キター! Aで!
348 :
名無しのオプ :2007/01/10(水) 05:20:41 ID:wP+bkZMI
おいいいっ! 放っておけよおおおっ!
349 :
名無しのオプ :2007/01/10(水) 11:12:15 ID:gu5kDSj1
死亡フラグたったんじゃ…
350 :
名無しのオプ :2007/01/10(水) 20:24:14 ID:DMXBS2Uu
でも逃げたんでなければ犯人がこのまま引き下がるとも思えないから、 二人の死亡フラグが立つだけの気も。 こういう流れも斬新かも。
351 :
名無しのオプ :2007/01/11(木) 21:10:51 ID:anIoagFq
そもそも死亡フラグだからAだろ
352 :
名無しのオプ :2007/01/15(月) 20:06:42 ID:+jsVC+FL
>>346 の続き
A. 「平気で何人も殺すような奴を放ってはおけない。」
そう言うと、ぼくは真理を部屋に残して、犯人を捕まえることにした。
「真理、いいかい?
今からぼくは、犯人を逃がさない為に行動に出る。
真理はここで待っているんだ。
ぼくが出て行ったら、ドアに鍵を掛けておくのを忘れないで。」
「透…。」
真理は不安な表情を隠そうともしなかった。
ぼくも、圧倒的な恐怖を感じていたが、
持ち前の正義感が傍観を許さなかった。
ぼくは、モップを手に、腰にはスキーのストックを差し、
静かに廊下に出た。
ドアが閉まると、鍵を掛ける音がした。
廊下は真っ暗だ。
まずは、どうしようか?
A. こう暗くては、殺人のプロ相手には不利だ。
ぼくは、まず電力の復旧を試みた。
B. 2階の客用の部屋を丹念に調べる必要があると思った。
C. モップとストック、これだけでは心細い。
ぼくは、1階のキッチンから、包丁等の刃物を手に入れようと思った。
D. 殺人者は、1階に降りたはずなのだ。
ぼくは、犯人を逃がさない為にも、すぐに1階に降りた。
353 :
名無しのオプ :2007/01/15(月) 20:37:48 ID:+7hc0w+a
続きキタ! Bでお願いします。
354 :
名無しのオプ :2007/01/16(火) 14:49:19 ID:6BefDNoD
続きキテル━(゚∀゚)━!! どうなるかwktk!!
355 :
名無しのオプ :2007/01/17(水) 22:02:40 ID:TlzjvE6r
>>352 の続き
B. 2階の客用の部屋を丹念に調べる必要があると思った。
足音を立てないように、端の部屋から調べていく。
階段の所には、先程と同じように、香山さんの奥さんの死体が転がっている。
最初の部屋の前に着くと、ドアノブに手をかける。
鍵は掛かっておらず、ドアはあっけなく開く。
ゆっくりと、慎重に部屋の奥へ進む。
「うっ…。」
ベッドの上に、三人の女性が横たわっていた。
さっきの悲鳴は、この人たちのものだったのか…?
小林夫妻、香山さんの奥さん、それに俊夫さんのように、
皆、殺されてしまったのか…?
ぼくは、なるべく死体を見ないようにしながら、部屋を見回す。
特に気になるようなことはなかったが、
懐中電灯が転がっているのを見付けた。
スイッチを入れると、灯りが付いた。
電池はまだ残っているようだ。
犯人はいつ2階に戻ってくるか、それとも逃げてしまうか分からない。
長居は無用だ。
ぼくは、懐中電灯を持って部屋を出た。
356 :
名無しのオプ :2007/01/18(木) 22:06:52 ID:SjE2rW69
そろそろ24時間。 書き捨て放置は良くないと思う。
357 :
名無しのオプ :2007/01/19(金) 10:04:33 ID:koSJBeqP
>>356 まぁ、このスレではよくある事だし、書き手さんの都合もある事だから
気長に待とうよ
358 :
名無しのオプ :2007/01/19(金) 19:59:36 ID:/ZgVnPxS
選択肢で締めずに文章途中で放置ってのは結構珍しくないか?
「しおりを挟む」で締めた俺が来ましたよ まとめ死んでない?
360 :
名無しのオプ :2007/01/19(金) 20:26:43 ID:/ZgVnPxS
あまりレス増えてない時はそんなこまめにやる必要無いと思うよ。今回も2レスだけでしょ。面倒なだけだし・・・。それこそ書き手と同じく自分のペースでやってもらえばいい。 自分が書いてた時は自分で保存してあるページや文章から探すよりわかりやすくて助かってた。終わったらあまり見なくなってしまったが。 ということでまとめの方、いつもご苦労さまです。
361 :
名無しのオプ :2007/01/19(金) 23:45:46 ID:MVj41zD8
>>355 の続き
次の部屋の調査に取り掛かる。
ドアノブに手を掛けると、やはり鍵は掛かっていない。
中に入り、懐中電灯で部屋の奥を照らす。
特に気になるようなものはない。
更に、もう一つの部屋も、同じように気になるものはなかった。
次は、最後の部屋だ。
ドアノブを握り、ドアを少し開くと、物凄い風が吹き付けてきた。
「一体何なんだ…。」
ぼくは、今まで以上に慎重に中へ入った。
懐中電灯で奥を照らすと、窓が割れ、そこから外の猛吹雪が吹き込んでいた。
「何故、ここだけ窓が割れているんだろう…?」
ぼくは、ゆっくりと窓に近付く。
すると、何かを蹴ったような感触があった。
足元を見ると…、そこにはマネキンのパーツのようなものが転がっていた。
懐中電灯で照らし、良く見てみるとそれは…、
どうやら本物の人間の身体の一部のようだった。
シュプールに辿り着いてから、いくつかの死体を見たが、
これは特に異常なバラバラ死体であり、異彩を放っていた。
犯人は本物の異常者だ。
感情が存在しないかのように、大量殺人を実行しているのだ。
362 :
名無しのオプ :2007/01/19(金) 23:50:19 ID:2/ULNUyL
>>360 まとめサイトにたまたま繋がらなかっただけみたい
まとめの方、失礼しました&ご苦労様です
363 :
名無しのオプ :2007/01/19(金) 23:53:28 ID:MVj41zD8
ぼくは吐き気を堪えつつも、廊下に出た。 とりあえず、2階にある客室の調査は終わった。 次は1階か…。 そんなことを考えていたその時、背後から足音がした。 一体誰だ…? A. 真理だ。 B. 犯人だ。 C. 気のせいだ。 D. 真理でも犯人でもない。 E. ノリだ。
364 :
名無しのオプ :2007/01/19(金) 23:55:22 ID:2/ULNUyL
Eで
365 :
名無しのオプ :2007/01/20(土) 00:12:46 ID:MDg0LfB+
>>363 の続き
E. ノリだ。
ぼくは、ごく普通に振り向いた。
そこには、先頃、某球団を退団した、ノリさんが立っていた。
「あ、あなたは、ノリさん…!?」
ノリさんは微笑を浮かべながら、頷いた。
「そうや。ノリや。」
「一体…、こんな所で何を?」
「自主トレや、自主トレ。
これから、各球団のキャンプに参加して回って、
売り込みをせなあかんからな。」
「こんな寒い場所で自主トレ…?」
「それより、マエカワの奴知っとるか?
あいつはロクでもないわ。社会常識がなっとらん。」
先頃、一般道で19キロの速度超過で検挙されたノリさんが得意げに言った。
「ええ…、あの事件は酷いものでしたね。」
「ところで、わし、専属マネージャー探しとったんや。
どや、マネージャーやってみんか?」
A. 「よろしくお願いします。」
B. 「お断りします。」
366 :
名無しのオプ :2007/01/20(土) 00:26:41 ID:pqPjMRf4
ちょwww Aで
367 :
名無しのオプ :2007/01/20(土) 01:02:22 ID:ex65IltU
就職ENDクル━(゚∀゚)━!?
368 :
名無しのオプ :2007/01/20(土) 02:24:18 ID:TyEMv+4U
犯人は一体どうなるんだw
369 :
名無しのオプ :2007/01/21(日) 04:57:29 ID:IBRIXElj
>>365 の続き
A. 「よろしくお願いします。」
「そうか!引き受けてくれるんか!
ほな、早速行こか。」
ぼくとノリさんは、ペンションの外に出た。
空は美しく晴れ渡っている。
少し歩くと、タクシーが通りかかった。
「ヘイ、タクシー!」
ノリさんは、タクシーを呼び止め、乗り込んだ。
「お客さん、どちらまで?」
「まずは札幌ドームや。
北から南まで、全ての球団を回るでぇ!」
そして、ぼくはノリさんのマネージャーとして、全国を飛び回り、
PRや代理人としての活動に精を出した。
それから、10年…。
ノリさんはとっくに現役引退していたが、ぼくとの友好関係は続いていた。
今、ぼくはノリさん夫妻と共に、スキーをする為、
自家用車でペンションに向かっていた。
爽やかな風が、開いた車の窓から吹き込み、心地良い。
今日は絶好のスキー日和だ。
370 :
名無しのオプ :2007/01/21(日) 05:06:32 ID:IBRIXElj
快晴のおかげか、山道の状態は良好で、
あっという間にペンションに着いた。
「透くん、荷物だけ玄関先に降ろして、とっととスキーに行こか。」
「はい。」
ぼくは、トランクから荷物を素早く降ろすと、スキーウェアに着替え、
すぐにスキー場へと足を運んだ。
ノリさんは、ようやく覚えたボーゲンで
なんとか麓のレストハウスまでたどり着き、一息付いていた。
「あは、ノリさんったら雪だるまみたい。」
「そ、そんなに太ったかいな?」
「そういう意味で言ったんです。
もう一度、自分を見つめ直して下さい。」
そんなやりとりをしている中、ぼくは既視感を覚えていた。
あれ?
確か、前にもこんなことがあったような…。
終
(コンテニュー
>>363 )
371 :
名無しのオプ :2007/01/21(日) 07:41:56 ID:Y60Mtwan
Dでお願いします。
コンティニュー、
>>365 からじゃないんだね。
372 :
名無しのオプ :2007/01/22(月) 00:21:24 ID:g6vFEZBE
>>363 の続き
D. 真理でも犯人でもない。
そうだ。
この足音の主は、真理でも犯人でもない。
まだ、生き残りがいたのだ。
そう考えたぼくは、足音の方へ素早く駆け寄った。
そこにいたのは…、みどりさんだった。
そういえば、みどりさんの死体はなかった。
「…みどりさん!無事だったんですか!」
「…ええ。
今まで、必死で身を隠していたのよ。
…あなた達は、今まで何を?」
「事故を起こしてしまって、徒歩でシュプールまで来たんですよ。
それより、犯人は一体誰なんですか!?」
「それが分からないのよ。
最初は、話し合いで香山さんが疑われて、
地下室に閉じ込めることになったけど…、その香山さんも殺された。
もう、何が何だか分からないのよ。」
「…そうですか…。
それで、聞きたいことがあるんですけど…。」
「…何かしら。」
A. 「まだ、殺されていない人はいるんですか?」
B. 「みどりさん…、あなた、どうやって生き延びたんですか?」
373 :
名無しのオプ :2007/01/22(月) 00:46:15 ID:Z7x2AygB
Aかな。
374 :
名無しのオプ :2007/01/24(水) 01:20:12 ID:DUTbrnVn
>>372 の続き
A. 「まだ、殺されていない人はいるんですか?」
「さあ…、オーナー夫妻に香山さん夫妻、
それと田中さん…、その5人の死体は見たけど…。」
みどりさんは、俊夫さんもやられてしまったことを知らないらしい。
ぼくは、気が進まなかったが、そのことをみどりさんに
率直に伝えることにした。
「俊夫さんも…、正面玄関前で…亡くなっていました…。」
「何ですって!」
それを聞いたみどりさんは、駆け足で階段を降りていく。
「みどりさん、待って下さい!
一人は危険ですよ!」
ぼくは、みどりさんとは違って、周りに注意しながら慎重に階段を降りる。
その時だった。
爆竹が破裂するような音がした。
一体…何が起こったんだ?
ぼくは、姿勢を低くしながら、正面玄関の方に懐中電灯を向けた。
正面玄関付近で、みどりさんが倒れている。
既に血溜りができていた。
何者かが、みどりさんに向けて拳銃か何かを撃ったようだ。
375 :
名無しのオプ :2007/01/24(水) 01:28:43 ID:DUTbrnVn
ぼくは、その場から動けなかった。 恐怖もあるが、犯人が銃を持っている以上、迂闊な行動はとれないのだ。 ぼくの先程のハッタリが、既にハッタリであるとばれ、 皆殺しを再開したのかもしれない。 どうしよう…。 A. 素早く食堂へ転がり込む。 B. 一旦、2階へ引き返す。 C. 「お前の銃は既に弾切れのはずだ!」 ぼくは、その場で再度ハッタリをかました。
376 :
名無しのオプ :2007/01/24(水) 04:29:34 ID:RIhOLdK/
Aで
377 :
名無しのオプ :2007/01/28(日) 23:53:59 ID:Dh95M1qH
続きwktk
378 :
名無しのオプ :2007/01/29(月) 20:41:58 ID:3NrLpu3x
続きまだですか?
379 :
名無しのオプ :2007/02/04(日) 02:32:04 ID:bajtP/CN
一発ネタ?!
続き期待
381 :
名無しのオプ :2007/02/10(土) 14:26:38 ID:y8n2PRJR
もういいよ。作者は逃げたんだろう。 誰か有志で書いてくれ。お前が書けってのはなしで。
382 :
名無しのオプ :2007/02/10(土) 19:03:20 ID:bzBvVN7c
お前が書け
383 :
名無しのオプ :2007/02/10(土) 19:34:36 ID:y8n2PRJR
384 :
名無しのオプ :2007/02/10(土) 20:11:49 ID:Qq6TdSY1
逃げたって言うよりただ忙しいだけじゃない?でも2週間以上あいちゃうと辛いなぁ。 今日続きレス無かったら三日月島編を明日から書くよ。若干忘れてるんで今から×3収録の2やり直してみる。
385 :
名無しのオプ :2007/02/10(土) 20:49:03 ID:IySj2+Ly
386 :
名無しのオプ :2007/02/11(日) 11:22:39 ID:MOPG6vP9
期待age
387 :
名無しのオプ :2007/02/11(日) 20:17:22 ID:zsFaNwX9
ではとりあえず三日月島編をどうぞ。ゲームと違って殺人事件が早めに起こせるといいかなと思って一部の人物紹介とか端折ると思うのでご容赦を。 ↓
388 :
三日月島編 :2007/02/11(日) 20:20:46 ID:zsFaNwX9
『かまいたちの夜』というゲームがある。 吹雪によって閉ざされた山荘で殺人事件が起こるという内容だ。 そのゲームの原作者が『我孫子武丸』という人物である。 8月15日正午 今、ぼくたちは『我孫子武丸』の招待を受けて三日月島という小さな島へ向かう船の上にいる。 波のせいか船の揺れは思った以上に激しいが、そのおかげでTシャツ姿の真理のむ・・動きを楽しむ事ができる。 小林真理・・・。 ぼくが思いを寄せている女性だ。一度は一緒に旅行に行くまでの関係になったのだが、正式に告白もできず、急な彼女の両親の都合によって離ればなれになってしまった。 電話でのやりとりは細々と続いていたものの、それは心を通じ合わせた確かなものとは言えず、結局1年半近くも会う機会が無かったのだ。 今回『我孫子武丸』の招待状が届いたとき、チャンスだと思い連絡をした。 久々にあった真理の姿に惚れ直したぼくは今回こそ真理に告白をするつもりでいる!! ・・・ような気がしている・・・かもしれないような・・・。 「透はどうだった?」 矢島透・・・それがぼくの名前だ。 「どうって何が?」真理の姿に見惚れてて、決意のようなモノを固めているぼくに尋ねてきた。 「だから『かまいたちの夜』はどうだったって事よ」 真理と再会して近況報告も兼ねた雑談から、ゲームの話題に移ったといったところだ。 真理が笑いながら、言い直す。そんな仕草にどきっとしながら答える。 A、「まさか主人公がラスボスだとは思わなかった」 B、「ピンクのしおりまでばっちり完璧さ」 C、「ごめん、全くやってないんだ」 D、「どうもかまいたいちの嗜好がわからなくて、エサあげたら羽が生えてきたよ」
389 :
名無しのオプ :2007/02/11(日) 20:49:16 ID:uRC6txlN
やべー、ゼンブ魅力的だぜ… A
390 :
三日月島編 :2007/02/11(日) 21:05:38 ID:zsFaNwX9
>>388 のA
「まさか主人公がラスボスだとは思わなかった」
「そうそう、あそこまでレベル上げたのにいきなり裏切って戦うなんて・・・。そんな事なら最初からリザーブにしてたのに・・」
「そうだよなぁ。装備まで最強装備にしたのにそれごと敵になるなんて・・・。おかげでやり直しさ」
「透…。実はやってないでしょ?」
え?
真理が疑わしそうなまなざしを向けてきた。
A、「冗談だよ。もちろんきちんとやってるよ」ぼくは笑いながら答えた。
B、「やったさ。セーブデータもちゃんとあるよ」ぼくは意地になって言い返した。
C、「『我孫子武丸』って誰だろう?」ぼくは急いでごまかした。
391 :
名無しのオプ :2007/02/11(日) 21:27:36 ID:uRC6txlN
一人で書くならトリ付けた方がよか 連続で取るのは気が引けるぜ ↓の選択肢で
392 :
名無しのオプ :2007/02/11(日) 22:36:20 ID:KwgREzw7
意地になってBで
393 :
名無しのオプ :2007/02/12(月) 00:17:16 ID:ZP+uYIN2
うむBで。
>>390 「やったさ。セーブデータもちゃんとあるよ」
ぼくは意地になって言い返した。
「ふ〜ん。別にいいんだけど…。招待主の『我孫子武丸』さんに感想とか聞かれたら困るんじゃない?」
げっ・・・。確かにそうだった。
真理との旅行だけを楽しみにしてて、そんな事考えてもいなかった。
『我孫子武丸』にしても1年半前のシュプールにいたメンバーから直接感想を聞きたいはずだ。
ぼくはタダで旅行できるのに、その恩すら忘れている。
だが、ぼくにだって意地がある。ここで折れたら負けかも知れない。
A、「ごめん。やっぱりやってないんだ。大まかなあらすじ教えて」ぼくは簡単に折れた。
B、「実はやっていたんだ!!」ぼくの頭の中で『かまいたちの夜』の内容が再生された。
C、「やったちゅうんじゃい!!!」もう後には引けない。男の意地だ。
395 :
名無しのオプ :2007/02/12(月) 20:04:37 ID:1VWXt5z9
あえてCで。
396 :
名無しのオプ :2007/02/12(月) 20:16:43 ID:XS1/MKRh
いきなりバッドエンド突入の勢いだなw
>>394 のC
「やったちゅうんじゃい!!!」もう後には引けない。男の意地だ。
ぼくは船長に掴みかかった。
「船を元の港に戻せ!!真理に証明してやるんだ!!」
「透!!ちょっと止めてよ!!何ムキになってるのよ!!」
「放せ!!これはぼくの名誉の問題だ!!絶対に証明してやる!!いいから早く船の向きを変えろ」
グキッ
「ゲェッ」
妙な感触だ。そんなに強く掴んだっけ?
「…透…。ちょっと船長さんがぐったりしてるわよ…」
え?
よくみるとぼくの腕の中で船長は口から血の混ざった泡を吹いて死んでいた。
「・・・・・・・・」
「…………………」
・・・・・・・・・・
「犯人はぼくだ!!」
そう言って、ぼくは勢いよく船から飛び出し海に落ちた。
バッシャ〜ン
ぼくはそのままかっこよく海の底へと沈んでいくと思ったが、あっさりと船の縁に頭をぶつけて意識を失った。
教訓・・・変な意地ははらないでおこう。
終「マカイタチのイタ」
コンティニュー
>>388 or
>>390 or
>>394 むぅ・・・、死ぬ気マンマンだね。
398 :
名無しのオプ :2007/02/12(月) 22:06:15 ID:09hgRjcG
次はおとなしく、Aで
399 :
名無しのオプ :2007/02/12(月) 22:08:42 ID:Ed+hpjRM
どれの?
400 :
名無しのオプ :2007/02/13(火) 00:19:27 ID:Fz94bAR7
>2週間以上あいちゃうと辛い ここってそんな忙しないスレだったのか。 かまいたち系の創作スレは一ヶ月待ちとか余裕だと思ってたのに。
401 :
名無しのオプ :2007/02/13(火) 16:14:02 ID:3iFrIKAK
>>400 他の話も平行して進んでればまだいいのだろうけど、
単発だとスレも進まないしどうしても長く待たされる気になってしまうからでは?
あとは、長く空いても書き主さんがその旨書いてくれれば安心するし。
>>400 そうだよな。別に誰かせき立ててるって訳でも無いんだけど。なんかスレで間が空くと寂しいってだけなんだ。はね逃げ編もそんだけの理由で誰かの横取りしたわけだし。
ごめん、ちょっと逸ったかもしんない。マターリ待てばいいんだよ。気を悪くさせたようで申し訳ない。
ちょうど書けとかの掛け合いがあったんでやろうかと思ったんだ・・。
無理にプロット練った状態から始めたもんだから、発展性と主軸で板挟みになりたった数レスで窮屈な文章。選択肢作る段階で指向性はあったはずなのに意味不明に迷走。
直前にゲームやったのが悪影響を及ぼして自分らしさやリレー小説っぽい勢いが消え、ゲームとの重複を避けるために省略しながら書いてるはずが文自体無秩序な上、くどく感じる始末。
てか読み返しても普通につまらんし・・・。
素直にパズルやトリックだけ考えてるのがお似合いなのかも知れん。
ただやり始めた以上、そのまま逃げて終わらせない訳にもいかないし、なるべく駆け足で進めるので勘弁して下さいな。
>>398 どっちでもあんまり変わらないと思うので
>>394 のAを採用。
>>394 のA
「ごめん。やっぱりやってないんだ。大まかなあらすじ教えて」ぼくは簡単に折れた。
「やっぱり…」真理はため息をつき、大まかなあらすじを教えてくれた。
一年半前の旅行でシュプールに行った時のメンバー全員が登場していること。
そこに加えて『河村亜季』『田中さん』といった架空の登場人物がいること。
殺人事件が起きてバッドエンドを迎えるとほぼ全員死んでしまうこと。
何よりも主人公がぼくこと『矢島透』であることには驚かされた。
なんでぼくが主人公なんだ?
「だからわたしは最初透が『我孫子武丸』なんじゃないかと疑ってたのよ。特に恋愛部分の話で心情的な部分があったから…」
「恋愛!!?何ソレ!!『ぼく』は何やったの?」
なんだってぼくが勝手に惚れた腫れたのやってるんだ。
「ふふ…実際の透は鈍いって事よ。『かまいたちの夜』の透はリーダーシップがあって頭脳明晰なのになぁ〜」
「はぁ・・」
真理にはぐらかされた。どうやらフィクションの透は相当真理の株を上げているらしい。
それにしても悪趣味な話である。勝手に人を登場させて心情部分まで描き、挙げ句殺されたり殺したりと・・・。
「で肝心なことなんだけどさ。犯人は誰だったの?」
「ふふ…それも内緒。実際やってみてのお楽しみ♪ってことで」
くぅ〜・・・。焦らすのはお上手なようで・・・。少しだけ先行きが不安になる。
「でね。叔父さんと話してたんだけど・・・。『我孫子武丸』は結局誰なんだろう?ってこと。もちろん透じゃないわよね?」
「違うよ。もしぼくが『我孫子』だったらこんな辺鄙な島の屋敷なんて買わないと思うし・・・」
それだけお金があったら違うことをするに決まっている。
「うん。でもね気になることがあるのよ。使われてる写真なんだけど、叔父さんと叔母さんの部屋やみどりさん達の部屋とかは実物と違う物なの」
「じゃぁ従業員じゃない可能性の方が高いんじゃない?」
「どうかしら?叔父さんも叔母さんも違うって言ってるし、みどりさんや俊夫さんじゃあんな作品書けると思えないけど・・」
「でもシュプールが勝手にそんな事に使われて迷惑じゃない?」
「・・・・とんでもない。いい宣伝になってるよ。今年の冬の予約ももう一杯でキャンセル待ちなんだ」 弱々しい声で件の「シュプール」のオーナーであり、真理の叔父でもある小林二郎さんが会話に加わった。 横になっている、その隣では妻の今日子さんが介抱しながら肩をすくめて苦笑する。 『かまいたちの夜』の舞台となったシュプールは盛況のようだ。 小林さんは人一倍荷物を持ってきてやれ釣りが楽しめるなどはしゃいでいたのだが、船に乗りしばらくすると船酔いでグロッキー状態になってしまった。 ぼくと真理が話してても会話には加わってこなかったがシュプールの事は気になるようだ。 「どうだい透くん。今年の冬はバイトしにこないか?」 「あなた、何言ってるの?人手は十分でしょ。バイトよりも招待してあげればいいじゃないですか」 今日子さんが良いことを言う。だけど、貧乏学生なので真理と長期滞在できるならバイトの方がという気もする。 「ダメよ。透は北海道に遊びに来るんだから・・・」 え、それって? 「話は変わるがちょっと『我孫子』様に頼まれたガイドしてもいいか?」 船長が話を変えた。部外者のくせに訳が分からない人だ。 「どうぞ」 ぼくはぶすっとした声で促した。 島の由来と不気味なわらべ歌を聴いた。真理が熱心にメモを取っている。 必要なら後で教えてもらえばいいだろう。 A、「変な唄だね」ぼくは率直に感想をもらした。 B、「何か気味が悪いね」ぼくは急に不安になった。 C、「テン・リトル・インディアンズ・・」ある作品を連想した。
405 :
名無しのオプ :2007/02/13(火) 22:58:04 ID:H6yBXpRB
Bでお願いします
406 :
名無しのオプ :2007/02/13(火) 23:55:16 ID:kONiFBYI
なまず料理ができない強固さんいるのか
407 :
400 :2007/02/14(水) 03:30:41 ID:RNSDAE3A
>>402 いや別に気を悪くしたんじゃ全然ないよ。ちょっと驚いただけ。
もうちょい考えてレスすれば良かったよ。こっちこそすまん。
あと、402さんの文章普通に面白いよ。選択肢もどれも読みたくなるし。
駆け足でなんて寂しいんで、いけるとこまでおながいします。
408 :
名無しのオプ :2007/02/14(水) 21:31:08 ID:e3grgh3p
>>408 のB 「何か気味が悪いね」ぼくは急に不安になった。
今から行く先はかつての私設監獄であり、伝承とはいえこんな不気味なわらべ唄が残っている。
どう考えても、悪い方向に向かっているような気がする。
真理はメモを見ながら何か思案している。
「何か気付いたことがあるの?」ぼくは尋ねてみた。
「うん。ちょっと変な所があって…推理してるの。わらべ唄の由来とか…」
そう言って考え込む。
「真理も主人も推理小説好きだから、透さんがゲームで探偵役なのに憤慨してたのよ。なんで自分が探偵役で主人公じゃないんだ!?って」
今日子さんが笑いながら教えてくれた。なんとはた迷惑な話だろう。そんな弊害まであったのか。
それにしても推理・・・そして名探偵・・・か。ゲームならいざ知れず、実際のぼくとは縁遠い言葉だ。
「ゲェ〜ゲェ〜」 船長の不気味なガイドも手伝ってか、ついに小林さんがはき出した。今日子さんが横で背中をさする。
さすがに我が愛しの名探偵真理もメモをしまい、心配そうに横に座る。
風が強くなってきた・・・・。
午後1時
島に着くなり、小林さんは船を駆け下り桟橋ですぐに座り込んだ。
「死ぬかと思った〜」青ざめた表情でうなる。
「申し訳ないが屋敷まで案内するつもりだったが時化そうなので、わしはすぐに戻るよ」
ぼくに屋敷までの手描きの地図を渡す。
「時化そう?分かるんですか?たしかに風は強くなってきましたし、波も高かったですけど・・・」
「ああ、何せ今日は50年に一度の『かまいたちの夜』じゃからな」
「『かまいたちの夜』!!!?」 真理が驚いて声を上げた。
「それってゲームのタイトルなんですけど…」
「わしは難しい事は分からん。詳しいことは島の人間に聞いてくれ。今日は風が強くなるときまっとる。漁師は夜漁に出ん日じゃ。それにあと1往復せにゃならん」
「どういう意味なのかしら…」
ぼくには分からない。船長が詳しいことを知らない以上、考えても仕方ないので船長に違うことを聞いてみる。
A、「今までどんな人を乗せたんですか?」
B、「まだ客がいるんですか?」
C、「ぼくも一緒に乗せて帰してくれませんか?」
410 :
名無しのオプ :2007/02/14(水) 23:35:10 ID:jXD/uVqY
あえてCで。
411 :
名無しのオプ :2007/02/15(木) 01:19:01 ID:GYUZ2MGI
またしてもバッドエンド臭い選択肢をw
412 :
名無しのオプ :2007/02/15(木) 01:35:15 ID:YJNV8VAy
アッー!
>>409 のC
「ぼくも一緒に乗せて帰してくれませんか?」
これは明らかに殺人事件が起こる流れだ。深く考えるまでもない。
「わしゃ別に構わんが…」船長が快諾してくれた。
「透!!!何言ってるのよ!!せっかく招待してもらって、ここまで来て帰るなんて信じられない」
「だっておかしすぎるよ!こんなの殺されるに決まってるね!真理も一緒に帰ろうよ」
「帰りたかったら一人で帰ればいいじゃない!!せっかく新しい水着も持ってきたの…」
新しい水着!?いやよく考えると古い水着姿も見たことないぞ。そんな挑発にのってたまるか・・・。
「行きましょう船長。ぼくは帰りたいんです」
「ええんかのう・・・」
「透のバカ!!!」真理の涙混じりの声を背中に受けたが無視して船長に船を出すよう促した。
家に帰って3日後、警察から連絡があり三日月島で大量殺人事件が起こったことを知った。
うん。予想通りだ。ぼくは自分の選択が間違ってなかったことを知り、満足だった。
「真理もあのとき帰ってこれば死ななかったのに・・・」
事件の被害者はぼくと香山春子さんという人物を除いた『かまいたちの夜』に出演した人物全員とそれ以外にも何人か殺されたようだ。
警察は様々な証拠から最終的に死んだ人間の一人を殺人犯であり、全員を殺害後に自殺したと断定した。
おそらくそいつが『我孫子武丸』だったのだろう。
事件のおかげでぼくはマスコミの格好の的となった。警察から執拗な自白強要を受けたりしたわけでもないのにマスコミは様々なシナリオを描いた。
そのこともありゲーム『かまいたちの夜』は元々ヒット作だったが、さらなる大ヒットを記録し正に歴史に名を残す存在となった。
もちろん取材に対して金銭的見返りを要求するのを忘れなかったぼくは車を購入したり風俗で豪遊したりもした。
さらにはゲームメーカーからの依頼で今回の事件をモデルにしたゲーム『かまいたちの夜2』に参画することも決まったのだ。
ぼくの人生は順風満帆だ。
まさにすばらしきグッドエンドを迎えたと言えよう。
あのとき島に残らなくて良かった。
完?「ある意味グッドエンド」
コンティニュー
>>409 のAorB
414 :
名無しのオプ :2007/02/15(木) 21:26:18 ID:q0IIkJgK
()b
415 :
名無しのオプ :2007/02/16(金) 06:40:28 ID:v1q4FlBU
涙味のラーメンENDと真逆のオチw
>>409 のB
「まだ客がいるんですか?」
もう昼過ぎだ。今から往復してきたら夕方になってしまう。
「ああ、本当はこれで終わりのはずじゃが、何でも仕事の都合で遅くなるらしいの。全く面倒な事じゃ。別料金貰わんとなぁ」
「ねぇ、透。推理してみない?最後の客が誰か」
「いや、面倒だからいいよ。推理しなくてもどうせ後で会うから、その時に分かるでしょ」
「もうっ!!ホントものぐさね!…今まで誰を乗せたか覚えてますか?」
真理が船長に向き直って尋ねる。そんなの知ってどうするんだろう・・・。
「最初は女性3人だな。朝一で運んだんじゃが、よく食べる娘っこがおったのう。その後が関西弁の夫婦と髪を後で縛った男とその嫁っこじゃ。で、次ぎにあんたらで。最後は男が一人じゃ」
「よく食べるのは啓子ちゃんで・・、髪を縛った男ってのは俊夫さんかな?関西弁の夫婦ってのは香山さん夫婦?あれ?春子さんって関西弁で話してたっけ?」
ものぐさとまで言われてしまったので真理の推理ゲームに付き合うとする。
「最初は女性3人って言ってるでしょ。これはもちろん可奈子ちゃんと啓子ちゃん、後一人はとりあえず秘密ね」
真理がニコニコしながら言う。誰か分かってるのかな。
「次ぎに関西弁の夫婦は香山さんとその『奥さん』で、髪を縛ったのはもちろん俊夫さんと・・」
「俊夫さんとその奥さんだね。へぇ俊夫さん結婚したんだ。誰としたんだろう」
「え?」
3日間同じ屋敷で過ごすわけだから、いい人だといいけど・・・。真理の方を向くと目を丸くして驚いている。
「どうしたの?ぼく何かおかしな事言った?」
「透。もしかして俊夫さんの結婚相手知らないの?」
「知らないよ」知っているわけがない。そもそも俊夫さんとだってあまり話してないのに・・。
「もう透のニブチン!!!」
よく分からないけど真理が怒り出す。はて?それにニブチンってどういう意味だろう?チンチンが二部って事?
「そろそろ行くがの。気をつけるんじゃぞ。何せ50年前の『かまいたちの夜』は殺人事件が起きたらしいからのぅ」
「殺人事件!!!?」
「殺人事件!!!?」 ぼくたちの驚く声をかき消すかのように船はエンジン音を上げ、桟橋から離れていった。 ぼくたちはもうこの三日月島から引き返せない。 風がさらに強くなってきた・・・・。 悪い予感がする。完全にホラー映画の主人公の気分だ。 真理は殺人事件と言う言葉に反応し、さらにメモに何か書き加えた。 『かまいたちの夜』と殺人事件、何か関連があるのだろうか? 「ところで最後の一人って誰かな?」 悪い予感を振り払うように努めて明るく真理に聞いてみた。 「おそらく美樹本さんでしょうね」真理はなんて事無いという風に答える。 全員『かまいたちの夜』の登場人物か・・・。 「そろそろ屋敷に行きましょう」 そう言うと今日子さんと二人で小林さんを両脇から支え上げ、自分の荷物抱えて、そのまま歩き出す。 ふとぼくの足許を見ると、小林さんのやたら多い荷物が転がっている。 「透〜。叔父さんの荷物お願いね」 げ!?ぼくの荷物の3倍以上はあるぞ。釣り竿入れらしき長い筒や重そうなツールボックスのようなものまで・・。 A、「おっけ〜。ドンとまかせてよ」ぼくは愛想良く真理に答えた。 B、「・・・」腹が立って、思い切り小林さんの荷物を蹴り飛ばした。
418 :
名無しのオプ :2007/02/16(金) 23:11:07 ID:3c6W2poL
ワクワクしながらBで。
419 :
名無しのオプ :2007/02/17(土) 10:11:26 ID:4bzxeAYg
たまには素直に進もうぜw
420 :
名無しのオプ :2007/02/17(土) 17:08:59 ID:3Owlskuo
死体が詰まってそうな悪寒
421 :
637 :2007/02/18(日) 11:36:41 ID:V/zn+KKA
まぁ自分も二ヶ月以上書いてないわけですが…不定期で申し訳ない。 しかししまった…まとめサイトで白雪村編の話を読んでたら 面白くなってつい勢いで続きを書いてしまった(自分の話も終わってないのにorz) けどこの話は元々リレーで書かれていたようなんで…リレーで書いて(書くべき?) みたいんだけど、今もうそういう流れってないのかな。
422 :
白雪村編 :2007/02/18(日) 11:37:46 ID:V/zn+KKA
まとめサイトより前スレ
>>19 の続き
A :ここまで来て途中で投げ出すのは、
何か気持ちが悪い気がした。
「そうですね。もう少しだけ、調べてみましょう」
「透…でも…」
「平気さ。美樹本さんの言うとおりこっちは五人いるんだ。
多少危険な奴が潜んでいたとしても安易に襲ってきたりはしないだろう」
「その通り。いやぁ分かってるな、透くんは」
「…それに、誰かいるのは間違いないみたいだし、
もし怪我をした人がいるならなら助けに行くべきじゃないかな」
「人命救助ってわけか…そういう理由なら俺も手伝おう」
俊夫さんも乗り気になったようだ。
「ええ。ただ、包丁のこともあるから、
もし本当に危険なことがあったりしたらすぐに引き返し、警察に連絡する。…それでいいですね?」
ぼくは美樹本さんの方を向き同意を求めた。
「…仕方ない、わかったよ。
確かに僕もこんな薄気味悪いところに長くはいたくない。だからさっさと調べ回ろう」
そう言いながらも、美樹本さんはあまり納得していないようだった。
危険だということより仕事を優先させる…記者としてのプライドなのだろうか?
真理だけはまだ浮かない顔をしているけど…とりあえず話はまとまった。
さて、どこへ向かおう?
A:北側にある最も大きな家、あの場所へ行こう。
B:西側にある普通の家へ行こう。
423 :
名無しのオプ :2007/02/18(日) 15:34:50 ID:fzn98JLM
>>417 のB
「・・・」腹が立って、思い切り小林さんの荷物を蹴り飛ばした。
ガッシャァァァァァァン!!
「いてて・・・・」
足が痛む。おまけにツールボックスはフタが開いて中の荷物は飛び散った。
「透〜!!どうかしたの〜!!?」
真理の声が聞こえる。結構先まで進んでいるみたいだ。
「何でもないよ〜。ちょっと忘れ物を取りに戻っただけだから〜」
我ながらいい言い訳だ。
「透く〜ん〜。荷物は大事に扱ってくれよ〜!!」
弱々しい小林さんの声が聞こえる。そんなに気になるなら自分で運んで下さいよ!!
さて・・・・。散らかった荷物を箱に移す。物が多すぎて困るよ。
蛍光、反射バンドだ。何本もある。マジックテープがついてて腕などに巻くと夜に車や船から人がいることを知らせる事ができる。この島でいるの?
釣り糸は2000mと書いてある。一体どこまで釣る気なんだ?
変な機械が転がっている。何だろう?デジタル時計・・・・糸巻き?いやリールにデジタル時計みたいな機械がくっついてるんだ。
液晶には何も映っていない。おそらく電源が入っていないんだろう。振るとカチカチ音がする。壊れてる訳じゃ無さそうだ。
「透く〜ん〜!!特に中に入ってるのでリールは高級だからあまり揺らさないで持ってくれ〜」
「は〜い!!」
まさかコレじゃないよね?まさか・・・ね。ぼくは「POWER」と書かれたボタンを押してみる。
カチッ。何も点かない。おそらく電池が入ってないんだろう。
「とりあえず3日分は充電で持つと思うけど・・・」
聞いてもいないのに何か言っている。意外と元気そうだ。はて?充電?充電電池の事か?
よく見るとリールに穴が付いていて「DC IN 5V」と書かれている。う〜ん・・。ぼくは考えるのを止めて、無造作にそれを箱に突っ込んだ。
「なんとプログラムを組んで、自動的に釣り糸を動かしたり時間が来たら自動的に巻き取る事ができるんだ〜」 だから聞いてないですって!!そもそもそんな事したら、それは最早釣りじゃないでしょうに!! 「なんと15万円もしたんだよ〜」 アーッアーッ。何も聞いてませんよ〜。 ぼくは急いで他の荷物を箱に詰める。 釣り針を納めた箱やら、気持ちの悪い生物が詰まった瓶・・・。 小林さん、アンタ一体何しに来てるんだ? 「!!!!!!?」 不意にぼくの手が止まる。 何だコレは? 妙な物を見つけた・・・。 人の手首?それも子供くらいの小さな手だ。どういうことだ・・・。 A、まさか小林さん・・・。 B、まさに小林さん!!
426 :
名無しのオプ :2007/02/18(日) 16:41:12 ID:oKY9rV8s
>>425 すいません、別に意地悪するつもりじゃないんですが、
どうしても気になるのでBでお願いします。
427 :
名無しのオプ :2007/02/18(日) 21:01:09 ID:dfnCYd+Q
>>426 大丈夫。全然問題ないよ。好きな選択肢選んでって。
>>425 のB
まさに小林さん!!
こんな恐ろしい物を持ってきているとは!!
ってルアーかよっ!!!サメでも釣るつもりかいっ!!
よく見ると変なルアーがたくさんある。
サカナの形してる物ならまだしも、人形やボール挙げ句タコ型まで実に数十個・・。
そういえばいるよな。
アウトドア派とか言いながら、ただ道具ばっかり自慢する人って・・・。
とにかく大量のルアーを無造作に放り込んだ。急ごう。
ふぅ・・。ようやく片づけ終わった・・。
両肩に荷物のショルダーベルトをかけ下げる。重みで肩にめり込む。
背中には自分のナップを背負い釣り竿の竿を間に挟む。
何気に痛い。
ぼくは急いで真理の後を追った。
「しまった!!」
船長から預かった地図はぼくが持っている。
真理たちが迷うとは思えないが、心配になってきた。
小走りで追いかけたせいか、何とか真理たちに追いついた。
「透。大丈夫?ごめんね。荷物重かったでしょ?」
「大丈夫。大丈夫。これくらい何てことないさ」ぼくは笑顔で返した。
真理の顔を見ると疲れが癒える。ぼくって意外と単純なのかも。
地図の通り迷ってない。というより屋敷までは人が通れるようになっている道を進むだけみたいだ。地図自体必要ないが、船長の親切だったのだろう。
「あら。こんな所に神社があるのね。ちょっと寄っていかない?」
「賛成。少し座りたいよ」
小林さんが同調した。今日子さんも頷く。
A、「急いで屋敷に向かいましょう。後から来れば良いじゃないですか」ぼくは逆らった。
B、「そうですね。ちょっとお参りしていきましょう」悪い予感がしていたんだ。せめて少しでもご加護があれば・・・。
429 :
名無しのオプ :2007/02/18(日) 21:47:56 ID:fzn98JLM
430 :
白雪村編 :2007/02/19(月) 07:40:58 ID:Aa+d+oAp
>>422 の続き
A:北側にある最も大きな家、あの場所へ行こう。
「そういえば美樹本さん、この村は廃村って聞きましたけど…
どの家もまだ、意外としっかりしてますね」
道を行く途中、ぼくは周囲を見渡して言った。
見かけは朽ちた家ばかりと思っていたけど、近くでよくよく見れば
根は張っているし、ちょっと立て直せばまだ住めそうな感じだったのだ。
「ああ。実は僕もそれを不思議に思ったんだ。
事前の調べじゃなんでもこの村はかなり古くからある村落だったらしい。
だが今じゃあ大分建物の老朽化も進んで、加えて都会と比べれば生活も不便。
人が住もうって環境じゃなくなって…ま、典型的な過疎ってやつになったわけだ。
しかしそれも何年も前の話だって聞いたんだが…」
言いながら美樹本さんは顔をしかめた。
「ウチのペンションもそうだが木造の家ってのは結構しっかりしてるもんだぜ。
…けど確かに年月が経って、土台の木材が腐敗した、っていう感じはあんまりしないな…」
俊夫さんが応えた、が同様に顔をしかめてしまった。
「まぁ外見上のことだ。中は結構痛んでるのかもしれん」
美樹本さんはそれで話を打ち切ったが、ぼくには何か納得いかない感じが残った。
431 :
白雪村編 :2007/02/19(月) 07:41:45 ID:Aa+d+oAp
「だけど、それで何で幽霊が出るってうわさが立ったのかしらね」 真理が小声でぼくに聞いてきた。 「さぁ…この村に、何か謂われでもあるんじゃないかな。 もしくは村が廃村になってしまった村長の無念が、残留思念になって化けてでたとか…」 根拠なんてないがぼくは根も葉もないことを言った。 「まさか…。っていうか透、幽霊なんて本気で信じてるの?」 呆れたように真理が言った。 「だってさ、火のない所に煙は立たないって言うじゃないか。 幽霊じゃないにしろ、似た何かが出たってことは間違いないんじゃないかと思うけど…」 「何かって何よ?」 いや、わからないけど。
432 :
白雪村編 :2007/02/19(月) 07:42:18 ID:Aa+d+oAp
「ふぅ、君たちは何故、この村が『白雪村』というか分かるか?」 ぼくと真理の会話を聞いていたのか美樹本さんが唐突に言った。 「え…?やっぱり謂われとかあるんですか?」 「ああ、簡単な話さ。何故この村が『白雪』と言うと思う?」 「ええっと、一年中白い雪が降ってるから、とか?…まさかね。 あとは代々村長の姓が『白雪』だからとか、かなぁ?」 「…実はそうなんだ。だけどそれだけじゃあない。 村じゃなく、ただ『白雪』という単語を聴いて連想するのは何だ?」 う〜ん……。 「『白雪姫』、ですか?」 真理が答えた。 「そうだ。この村には村長の姓が白雪というだけじゃなく、『白雪姫』の話にちなんだ、ある謂われがあるんだ」 白雪姫だって…?なんだか美樹本さんの話に好奇心が湧いてきた。 「まぁ僕も独自に調べただけなんで、この話が本当かどうか定かじゃないんだが……っと話は後にしよう。 着いたぞ」 急に話の腰を折られたのでぼくはムズがゆい気分になる。が、そんな気持ちも前を向いたら吹き飛んだ。
433 :
白雪村編 :2007/02/19(月) 07:43:23 ID:Aa+d+oAp
「………大きい……」 誰かが声を洩らした。 吹雪で視界の悪い中でも、遠目に大きいと分かった家は、実際に来るとなお大きかったのだ。 「村長だった人の…家、でしょうか」 ぼくは美樹本さんに聞いた。 「おそらく、な。しかしこれほどとはな…」 見上げた家は一種の威厳さえ放っているように感じた。 同時に何か中へ入ってはいけない…そんな警告のような異様さも感じた。 しかもそれはぼくだけが感じたことじゃなかったらしい。 俊夫さんもみどりさんも、真理も訝しげな表情を浮かべて、足を止めていた。 「おいおい、何を固まってるんだ。さっさと中へ入ろうぜ」 美樹本さんが中へ入るよう促してきた。 ぼくは引き戸を見つめて… A:「…わかりました」 B:「美樹本さん、お先にどうぞ」 C:「やっぱり手分けして探しませんか?」
とまぁ自分で続きを書いてもいいのですが…やはり自分の話が終わってからにします。 もし続きを書きたい人がいれば勝手に書いてくれちゃって結構です。 あ、それと時間を被らせないためこれから先投下するのは昼頃にしますね。
435 :
名無しのオプ :2007/02/20(火) 00:06:52 ID:TfkAk235
ケツの穴が心配だが… A
>>428 のB
「そうですね。ちょっとお参りしていきましょう」悪い予感がしていたんだ。せめて少しでもご加護があれば・・・。
薄汚れた鳥居の横に神社の名前を彫った石碑が建っている。
ー風祝波祝神社ー
かぜいわいなみいわいじんじゃと読むようだ。
「これがかぜはふりなみはふり神社ね」
と読むようだ・・・。
「風の悪霊と津波に悪霊を鎮めるための神社よ」
階段を少し上がったところで境内の前に人の背中が見える。お参りしているように見える。
その人物は振り向くとこちらに気付いた。
「…もしかして透さんと真理さん、シュプールのオーナーの小林さんと奥さんの今日子さんですね?」
メガネをはめたショートカットの女性・・・。真理と同じく化粧気がほとんどないが、美人の部類に入ると思う。
はじめて会う人物のはずだが、どうしてぼくたちの名前を知っているんだろう?
はじめて会う?いや、違う。違わない?初めて会ったはずだ。だけど何か見覚えのあるような・・・。誰かに似ているのか?
「どちら様でしょうか?」真理が笑顔で、それでいて探るような目で聞き返す。
「…ああ失礼しました。私河村亜季と申します」女性は笑いながら答えた。
河村亜季?ゲームで登場したという架空の人物だ。一体どういう事だ?
「ふふ、おかしい。そういう事もあるわよね」
真理がクスクスと笑い出した。
「…分かりますか?」河村さんも真理が笑った意味を理解したのか、笑顔だ。
「透。河村亜季は実在したのよ。ゲーム内の架空の人物ではなく」
「え?」
ゲームをやってないぼくが驚くのもアレだが、実際にゲームのモデルとなった夜はぼくたち自身が体験したもののはずだ。
その時にこの人はいなかったじゃないか?
「…実は私『我孫子』の親戚なんです。ですからゲームのシナリオが採用されたときどうしても出して欲しいってお願いしたんです。恥ずかしい話、実はゲーム好きなんですよ」 「だから、ゲームの中であまり目立った会話も絡みも無かったんですね。OL3人組でもあまり目立ってなかったですし」 真理がすぐに納得した。ぼくにはさっぱりだ。河村さんは頷いた。それにしてもしゃべり方がおかしい。何か考えてから話してるような、酒を呑んで呂律が回らないような・・・。 「…すいません。実は大事故に遭ってつい先日まで入院してたんです」 そんなぼくの疑惑に気付いたのか河村さんは説明した。 「…その後遺症が残ってて話し方がおかしくなったみたいなんです」 事故?何か引っかかる。 「…では私はこれで失礼します。…船酔いですか?」 河村さんは石段の辺りで座って休んでる小林さんに声をかけた。 「ええ、ちょっと波が高くて・・・」 河村さんはそれを聞くとハンドバッッグから何か小さな箱を取り出した。 その時一瞬、白い札のような物が見えた。 「○○病院」診察券か?どちらかと言えばネームプレートのようにも見えた。看護師からくすねたのだろうか? 「…これで少しはよくなると思います」 酔い覚ましの薬だったのだろう。小林さんが感謝して受けとった。 「…では失礼します。また後でお会いしましょう」 「ええ、また」今日子さんが、深々と頭を下げた。 「あの人が啓子ちゃんや可奈子ちゃんと一緒の船に乗ってきたんだわ」 ゲームの設定上は同い年の3人組だと真理が言っていたが、ずいぶんと年上で大人びた感じがする。 「おそらく今回の招待を受けても来ない人物がいるわ。春子さんよ」 「へ?なんで?香山さんは夫婦で船に乗ったんでしょ」 ぼくは訳が分からなくなって聞いてみた。 「後でわたしの推理が正しいって証明されるわよ」 またはぐらかされた・・・・。 とりあえず賽銭箱の前に立ち鈴の付いた紐を掴んでゆらす。 ガランガランッ 周りが静かなので意外と大きな音に感じられる。 ぼくは A、真理ともっと親密なれますようにお祈りした。 B、殺人事件が起きませんようにと心の底から願った。 C、もっとお金が儲かりますようにと祈った。 D、賽銭箱にお金を入れ忘れたことに気付いた。
438 :
名無しのオプ :2007/02/20(火) 16:41:02 ID:rCR75HAh
C
439 :
名無しのオプ :2007/02/21(水) 02:04:14 ID:wXwG14zF
亜希登場か。透が「河村さん」って言うのがリアルで上手いなと思った。 伏線らしきものがいくつもあって先が気になる。 期待してます。
440 :
名無しのオプ :2007/02/21(水) 23:01:01 ID:eycfhSIe
夜のシュプールの談話室。 座り心地の良い大きなソファ、 テーブルの上にはビール、 そして、壁に掛けられた大きな薄型テレビに映る野球のナイター放送。 これはぼくにとって、至福の時である。 神聖不可侵である。 ぼくの応援するヨミウレ・ジャイアンズは、9回裏の時点で 5-0とリードしていた。 ほぼセーフティと言っても良いリードだった。 心地良い酔いと、間も無く訪れるであろう贔屓チームの勝利。 その時だった。 「よう、透くん! …おっ、野球見てるのか。 俺も一緒に見ようかな!」 でかい声で下品に喋るその男は、図々しくもぼくの隣に座った。 神聖不可侵であるはずの時間に、侵略者が訪れたのか。 ぼくの時間を略奪しようというのか。 ぼくは嫌な予感がした。
441 :
名無しのオプ :2007/02/21(水) 23:07:03 ID:eycfhSIe
隣に座っている男は、何やら次々とぼくに話しかけてきているようだったが、 ぼくは無視した。 観戦に全神経を集中させる為だ。 …嫌な予感は当たった。 テレビから、ピッチャー交代のアナウンスが聞こえてくる。 「ピッチャー、ウェッハラ・コージィに代わりまして、 ダン・ミッセーロ。」 まただった。 またあの監督は、ミッセーロを使うのだった。 ぼくはどうしようもない腹立たしさを感じていた。 確かに、ミッセーロに球団が投資した額は尋常ではない。 現役メジャーリーガーの肩書きが、 果てることの無い「もしかしたら…」のマインドをかきたてるのだ。 しかし、奴は伝説的なまでに燃えるのだった。 …そうら、奴が投球練習を始めたぞ。 ふれこみよりもずっと遅いストレート、曲がらない変化球。 ぼくはこの光景を見るたびに嘆くハメになるのだ。
442 :
名無しのオプ :2007/02/21(水) 23:11:57 ID:eycfhSIe
やがて、投球練習が終了すると、9回裏の攻撃が始まった。 ミッセーロ、初球。 ライト前ヒットだった。 ミッセーロ、初球。 死球だった。 ミッセーロ、初球。 137キロの速球がアウトローに決まった。 ミッセーロ、第2球。 渋い当たりが三遊間をゆっくりと抜けていった。 満塁だった。 ぼくはテレビを消した。 この先は見なくても良いのである。 ぼくは残っていたビールをグラスに全て注ぐと、 まるで浴びるように飲んだ。 その時だった。 「おいおい、透くん。 これからが良い所なんじゃないか。 テレビを消さないでくれよっ!」 ちょんまげ野郎は、リモコンを取ると、 悪夢のショウを再びぼくの眼前に現出させたのだった。
443 :
名無しのオプ :2007/02/21(水) 23:19:14 ID:eycfhSIe
スコアは既に5-4だった。 テレビが消えていたわずかな時間に、 満塁弾が鮮やかにバックスクリーンに飛び込んだのだ。 それでも、ミッセーロはマウンドに居た。 そう、彼は守護神なのだ。 ぼくはこれ以上耐えられそうに無かった。 あれだけビールを飲んだのに、目は冴え渡り、 ミッセーロのファイアーダンスが脳に焼きつくのだ。 ぼくはもう一度テレビを消した。 「だから何で消すんだよっ! 俺の贔屓の本神・ライガースがサヨナラ勝ちしそうなんだぜっ?」 ぼくはライガースが大嫌いだった。 万年Bクラスだったのに、ここ数年調子が良いだけで でかい面をしているのが何とも腹立たしかったのだ。 それでも、テレビを付けようとする大学6年生を ビール瓶で数回叩くことにした。 「おっえう!」
444 :
名無しのオプ :2007/02/21(水) 23:33:13 ID:eycfhSIe
「何すんだよ!ふざっけんなよ!」 怒るのは筋違いだった。 ぼくの神聖不可侵の時間を侵略し、 ウェッハラ続投からミッセーロに継投という あり得ない采配を呼び込んだのは、 お前の持つ負のオーラのせいに違いないからだ。 「俊夫さん、いい加減にして下さい。 夕食の時に話したはずです。 ぼくはジャイアンズのファンであると。 そして、野球は一人で見るのがぼく自身の法であると。」 「死んだらどうするんだ!」 「犯人は美樹本。奴に擦り付けますよ。」 「何を言ってやがるんだ!?」 「もうじきカタがつきますよ。 ここで俊夫さんを処刑した所で、美樹本が殺ったとしか思わない。」 翌日、2階で発見されたバラバラ死体の犯人が捕まった。 美樹本洋介。 彼は、南さん、俊夫さんの2名を殺害したのだった。 しかし、現場に居合わせた男子大学生の機転により、 彼は逮捕されたのだった。 完
445 :
名無しのオプ :2007/02/22(木) 01:54:49 ID:m9BgKamB
この文体…モップ職人さん再び!?
446 :
名無しのオプ :2007/02/22(木) 03:57:06 ID:aoqIwwtE
>>437 のC
もっとお金が儲かりますようにと祈った。
「よっ」
背後で声が聞こえたので、ぼくは咄嗟に身体を横にずらす。
賽銭箱に硬貨が吸い込まれていった。
「あなた、横着な事しないで下さい」
どうやら小林さんが賽銭を座っている場所から投げ入れたようだ。罰当たり真似をするもんだ。
「透は何をお祈りしたの?」
少し照れたような顔で真理が聞いてきたので、ぼくは素直に答えることにした。
「お金が儲かりますようにって祈ったよ」
「え?」
真理が一瞬きょとんとした。
「もっと現実的な事をお祈りしたらどうなのよ!!」
なぜか怒られた。いつの時代も正直者がバカを見るのだ。実に哀しい。
それにお金が欲しいってのは現実的ではないのだろうか?う〜ん・・・。
ぼくたちは神社を後にした。
小林さんは河村さんから貰った薬のおかげで元気になったのか普通に歩けるようになった。 前をしっかりとした足取りで歩いているが、荷物はぼくが担いだままだ。自分で持てばいいのに・・・。 坂道を上がり森を抜け、丘の頂上部にたどり着く。 「きれい〜」 真理が声を漏らした。 確かにすばらしい景色だ。島全体を一望できる。ここが島で最も高い場所なのだ。 島の形はその名の通り三日月型だった。ちょうど内側にぼくたちがやってきた桟橋のあるハーバーが見える。 「外周は岸壁になってるから内側にしかハーバーを造れなかったんでしょうね」 少し離れたとこにはかつて村落がある。よく目をこらすと電化製品や軽トラックなどが見えるから実際に、最近まで人が住んでいたのかも知れない。 すぐ近くには人造のものに見える湖、そしてさらに向こうにはぼくたちが宿泊すると思われる建物が見える。 あれがおそらく「三日月館」だ。塀が回りを囲んでいるので、満月にも見えるが、建物自体は先が四角く切れた感じなので、三日月というより視力検査などに使われるランドルト環の穴部分が大きく開いているように見えた。 かつての私設監獄、そしてこの島で起きたという50年前の殺人事件。 建物や村落からは禍々しさすら感じられるが、それでもなお島の全景はとても綺麗だった・・・。 丘の上で受ける風はぼくの心を少しだけ鎮めた。 湖までたどり着くと二人の人物がいた。 あの夜、シュプールでアルバイトをしていた久保田俊夫さんと髪を縛った女性だ。 「よう、久しぶり。それからお久しぶりです。オーナー。ママさん」 俊夫さんが手をあげて挨拶した。隣の女性もお辞儀をする。 A、「お久しぶりです。俊夫さん。こちらは?」俊夫さんに紹介して貰おうと思った。 B、「あんたは誰だ!?」ぼくは警戒しながら隣の女性に尋ねた。 C、「俊夫さんと・・・きみどりさんでしたっけ?」ぼくはうろ覚えだったある人物に思い至った。
449 :
名無しのオプ :2007/02/22(木) 16:26:47 ID:lHlejaNg
透、なんつー間違え方だw ってことでCで。
450 :
名無しのオプ :2007/02/23(金) 00:27:11 ID:I85rOfZ7
センス溢れる選択肢だw
451 :
名無しのオプ :2007/02/23(金) 22:12:47 ID:Vnul6rH8
「きゃあぁぁぁっ!」 平日の昼下がり、三友銀行新宿支店内に、女性行員の絶叫が響いた。 女性行員の目の前には、拳銃を構えた男が2人、立っていた。 「いいか、死にたくなかったら、このバッグに金を詰めろ。 きっちり3億だ。そのくらいは、キャッシュで置いてあるはずだろ。」 女性行員は、黙って何度も頷くと、上司と思われる男性と共に、 奥の金庫へと消えた。 数分後、女性行員と上司は、大き目のバッグ3つに 札束を目一杯詰めて持ってきた。 「確かに、3億円ございます…。」 「ようし、とっととずらかるぞ。」 2人の銀行強盗は、バッグを抱えて、素早く銀行を後にした。 外に出ると、黒いワゴンタイプの自動車が止まっていた。
452 :
名無しのオプ :2007/02/23(金) 22:18:34 ID:Vnul6rH8
ぼくの名前は、矢島透。 大学生だが、その毎日はあまりに退屈なものだった。 そこで、たまたま知り合った自称カメラマンの美樹本さん、 それに、美樹本さんの友人だという南さんと共に、 銀行強盗でもして、人生に派手な花火を打ち上げてやろうという ことになった。 美樹本さんは、どうやって入手したのかは知らないが、 オートマチックの拳銃を所持していたし、 南さんも、犯罪歴があるとのことで、強盗の実行は 彼ら2人に任せられた。 ぼくはというと、逃亡の際の運転手の任に就くことになった。 そして今、ちょうど逃亡しようというところである。
453 :
名無しのオプ :2007/02/23(金) 22:24:19 ID:Vnul6rH8
ぼくは、2人が車に乗り込むのを確認すると、 素早くシフトをDに入れ、車を急発進させた。 実に手際が良かった。 彼らが強盗に入ってから、わずか20分ほどで全てが完了したのだ。 プロだ。 彼らは間違いなくプロだ。 少なくとも、こういったことをするのはこれが初めてではないだろう。 南さんだけでなく、自称カメラマンの美樹本さんも。 このスリル…。 今までの退屈な生活では、永久に味わえなかったに違いない。 加えて、銀行から持ち出した大金。 ぼくは、免許の取得をしてから、これほど運転が楽しいと感じたことはない。 車は軽快に高速道路へと進入していった。
454 :
名無しのオプ :2007/02/23(金) 22:33:19 ID:Vnul6rH8
ぼくたちは、このまま海外に逃亡する予定だった。 しかし、問題が起こった。 南さんが、美樹本さんの提案した、略奪金の分割案に 反対し、是が非でも「分け前をもっとよこせ」と主張しだしたのだ。 「南、貴様、自分の立場が分かっていないようだな。」 「何言ってんだ! 銀行に入って、行員どもに指示を出したのは俺だろうがっ!」 南さんの主張は馬鹿げていた。 そもそも、今回の銀行強盗の全ての計画の立案、 拳銃という切り札の仕入れなど、ほとんど全てを美樹本さんが 仕切ってきたのだ。 それを、たかだか銀行で大声を張り上げただけで、 略奪金の40%をよこせというのは、横暴以外の何物でもない。 ちなみに、ぼくの分け前は、5%である。 運転をするだけだから、こんなものだろう。
455 :
名無しのオプ :2007/02/23(金) 22:42:16 ID:Vnul6rH8
美樹本さんは、溜息をついて、車から降りた。 「透、しばらく待っててくれ。南と話をつけてくる。」 美樹本さんはそう言うと、南さんと共に、どこかへ出かけた。 数時間後、美樹本さんが戻ってきた。 南さんの姿はない。 「美樹本さん…、南さんは?」 美樹本さんは微笑を浮かべながら言った。 「処分した。」 「えっ!」 ぼくは正直に驚いた。 しかし、思ったより冷静でいられた。 よく考えてみれば、当然の結末だと思ったからだ。 「…で、死体は?」 「すでにバラした。あとは、バッグに詰めて、運ぶだけだ。」 「運ぶって…どこへですか?」 「透…、もう少しスリルを味わってみないか?」 美樹本さんは、不敵に笑った。
456 :
名無しのオプ :2007/02/23(金) 22:53:01 ID:uFHno1IZ
新作キタ━━
457 :
名無しのオプ :2007/02/24(土) 01:47:25 ID:D2PadQb5
このエキセントリックな出だし…やはりモップの人?
458 :
名無しのオプ :2007/02/24(土) 08:38:57 ID:EXUQAEGU
斬新な展開にワクワクテカテカ + + ∧_∧ + (0゚・∀・) (0゚∪ ∪ + と__)__) +
459 :
名無しのオプ :2007/02/24(土) 12:57:32 ID:N32G4f90
さすが平日クォリティ・・。脱字まみれだorz
>>448 のC
「俊夫さんと・・・きみどりさんでしたっけ?」ぼくはうろ覚えだったある人物に思い至った。
じろりと件の二人と真理に睨まれる。何か変なことを言ったのかな?
篠田きみどりさん・・・。俊夫さんと同じくあの夜シュプールでアルバイトをしていた女性だ。年齢不詳というのがぼくの印象。真理ほどではないもののこちらもまぁ美人だ。
たった一日しか過ごしておらず、そこの従業員の名前をしっかりと覚えているぼくは天才だ。
「お久しぶり〜。みどりさん綺麗〜」
真理がわいわいときみどりさんに話しかける。省略してみどりさんか・・・。ぼくもそう呼ぶことにしよう。
「これでわかったでしょう?船の話」
真理がこちらを向いて嬉しそうに話す。もちろん分かったよ。
「船長が二人を夫婦と勘違いしたんだね」
「もうっ!!何でそうなるのよ!!」
また怒られた・・・。
「はははは、実は俺たち、結婚したんだ」俊夫さんが笑いながら言った。
血痕した?どういう意味だ?ぼくは身構える。まさか俊夫さん・・・・。
みどりさんと意味ありげなアイコンタクト・・・。
「そういうことなの。分かった。香山さん夫妻と一緒に乗ってきたのは久保田夫妻。それが俊夫さんとみどりさんよ」
「え?」
ようやく意味が分かった。二人は結婚して夫婦になったんだ。篠田が久保田になったのか。ついでに名前もみどりに改名すればよかったのに・・。
「もうっ、ホント透は鈍いんだからっ。わたしたちが泊まったときには付き合ってたのよ」うーん。たった一泊したペンションの従業員が、付き合ってるとか普通分かるのかなぁ?
あらためて真理の鋭い観察眼を思い知らされる。
とりあえず・・・
A、「おめでとうございます」ぼくは素直に祝福した。
B、「結婚は人生の墓場ですよ」ぼくはひねくれて、そう言った。
C、「子作りに励んでますか?」ぼくは社交辞令を述べた。
D、「結婚ですか。そいつはケッコウなことですね」ぼくは笑いながら、そう言った。
E、ぼくは何も言わず、俊夫さんの背後に素早く回り込み縛った髪を引っ張った。
F、ぼくは俊夫さんの縛った髪を掴み、俊夫さんをブンブン振り回して湖に投げ込んだ。
461 :
名無しのオプ :2007/02/24(土) 14:08:08 ID:jFMGSXRa
真理のカップサイズと思われるEで
462 :
名無しのオプ :2007/02/24(土) 16:55:12 ID:BADZ4fRF
あえてFに行ってほしかった。 三日月島の透がちょっとツボだw
>>460 のE
ぼくは何も言わず、俊夫さんの背後に素早く回り込み縛った髪を引っ張った。
「いてっ」
俊夫さんが声を漏らす。みどりさんも真理も呆気にとられている。
「いきなり何するんだ!?」
「すいません。髪を縛る習慣のあるマルマホ族は結婚した男性の髪を引っ張って祝うんですよ」
「なんだ。それなら先に言ってくれよ・・・。いてて」
もちろんそんな民族の話なんて聞いたことはない。
「でも、どうしてこんなとこにいるんですか?散歩でも?」真理が聞いた。
「いや、ちょっと家内が香山さんの奥さんと船で口論になってね」
そういえばみどりさんはどことなく不機嫌そうだ。まさしく呉越同舟という奴だ。春子さんとケンカした訳か。意外ときつい性格なのか?
「で、部屋の準備は出来てないからここで散歩してるって訳ですね」
「そういうこと。まぁ景色もいいし、ここは涼しくて気持ちいいからゆっくりしてるよ」
適当に談笑を切り上げぼくたちは三日月館へと向かった。
7〜8Mはあろうかという高い塀に囲まれた屋敷。門は開いていたので、そのまま入っていく。 門の両脇には監視塔と思われる建物。窓が内側と外側に付いてて、なぜか開いたままだ。 屋敷には先の部分に窓があるだけで、あとは壁だ。 窓の下の地面には剣山が立っており、窓の横に草刈り鎌が立っている。 円の真ん中にあたる部分はオブジェの付いた泉。お世辞にもセンスがいいとは思えない。 玄関の扉が開き、中から老婆が現れた。 「わしは菱田キヨと言います。主人の我孫子から皆様のお世話をするよう言われとりますので、何かありましたらおっしゃって下さい」 老婆は随分と腰が低い。ついでに背も低いので、こっちが何かしてあげたくなる。 ぼくたち招待状をキヨさんに渡した。 「すいません。お部屋の準備が出来てませんので、応接室でお待ち下さい」 玄関を入り、すぐ左手の部屋に通された。結構綺麗な部屋で、装飾品、調度品など随分と高級感がある。 荷物を部屋の片隅に置いて、どっしりとソファに腰を下ろした。重い荷物を運ばされたせいでもうクタクタだ。 「透くん。真理ちゃん」 扉の方から声がした。 渡瀬可奈子ちゃんと北島啓子ちゃんだ。北野だっけ?まぁいいや、啓子ちゃんと呼ぶので名字は気にしない。 真理や小林さん夫婦が一緒になって雑談を始める。ぼくは耳を傾けながら少し休憩する。 話が一段落したところで、小林さんが立った。 「河村さんに薬のお礼してくるよ」今日子さんも一緒に部屋を出て行った。 タイミングを計ったように、OLの二人が真剣な表情になった。 「二人にちょっと相談に乗って欲しいことがあるのよ」 真理と顔を見合わせる。 A、「いいですよ」ぼくは頷いた。 B、「面倒なので勘弁して下さい」ぼくはきっぱりと断った。
465 :
名無しのオプ :2007/02/24(土) 21:28:58 ID:Qms8hRQE
ここは流石にAで Bじゃ話が成り立たないし
466 :
名無しのオプ :2007/02/25(日) 00:10:07 ID:03Fl3QnH
>>455 の続き
「このまま死体をどこかへ捨てちまえば、それでおしまいだ。
だが、それでは面白くない。」
南さんを殺しておいて、その上、
面白くない、ときたら、さすがのぼくもたじろぐ。
「死体をどこか、宿泊施設にでも遺棄して、
誰かを犯人にでっち上げてやるのさ。
…どうだ、面白いだろ?」
美樹本さんの表情は、笑みを浮かべているものの、
凍りつくような冷たさが宿っている。
「…ええ、そうですね。」
ぼくはそう言うしかなかった。
「そこで、だ。
ちょうど良いことに、南の野郎が偽名で某県のペンションに
予約を取ってやがったんだ。
そこで実行しようじゃないか。」
467 :
名無しのオプ :2007/02/25(日) 00:20:52 ID:03Fl3QnH
「では、早速行きましょうか?」 「ちょっと待て。 先に、強奪した金をロンダリングしなければならん。 紙幣番号などから、足が付く可能性があるからな。 東京にいるその筋に依頼してくるから、もう少しここで待て。」 「しかし、今はもう検問も実施されているはずですし、 都心に戻るのは危険ですよ。」 「大丈夫だ。 この金を小包として、請負人に郵送する。 そして、ロンダリングが済んだら、再び現金を郵送してもらう。 3億円は膨大な容量ではあるが、郵便局、コンビニなど 複数のサービスに分割すれば、問題ない。 …では、行ってくる。」 美樹本さんは、3億円バッグを別の自動車に移し変え、 颯爽と姿を消した。
468 :
名無しのオプ :2007/02/25(日) 00:24:06 ID:03Fl3QnH
それから、更に数時間後。 美樹本さんが戻ってきた。 行く時とは、また別の自動車だった。 「準備は整った。そのワゴンは捨てろ。 逃走時に使ったものだからな。 では、ペンションに行くぞ。」 ぼくは、美樹本さんの自動車に乗り換えると、 そのまま車を某県のペンションへと走らせた。
>>313 の続き
A:「僕は、真理のことが好きだ。でも…」
「透―!」
真理がぱっと顔を輝かせた。――しかしそれも一瞬のこと。
「でもね、だからこそ…君を殺さなければならければならないんだ」
言葉を告げ終わるときには、僕の右手は彼女の首筋を叩いていた。
「ッ!?」
ビクっ、と痙攣したかのような反応をすると、真理の体から力が抜け落ちる。
「………」
真理が完全に気絶したのを確認すると、僕は自分のバックの下へ向かった。
認めたく、なかった。
これまでのやりとりで感じたこと、好きだという気持ち。
だがそれは、彼女に実際に触れることで分かった。分かってしまった。
しかし、だ。そうだとして…僕にそんな感情を持つ資格があるのか?
親、友人、何の罪もない人、誰もかれも殺してきた、僕に。
欲のため欲のため欲のため殺してきた、この僕に!
…あるわけない。そうさ、資格がなければ必要も無いはず。殺人は僕にとって生き甲斐なのだ。
人を平気で殺す人間がそんな感情を持てば、きっと僕という人間は弱くなる。
今までひた隠しにしてきたのは、それを恐れたため。
…そう、誰かに依存するような感情などあってはならないんだ。
「消さなきゃ…消さなきゃ…」
得体の知れない焦燥感を感じながらスペアのナイフを取り出す。
そこにはいつも感じているひやり、とした氷のように冷たい感触…
フ…ハハやはり僕にはこの感覚が合っている。
幾重にも人を刺し殺す感覚は身震いするほどの興奮と愉悦。
この感覚に比べれば恋愛なんて感情は取るに足らない。
切って刺して殺すように、この感情も断ち切り、消す――!
「すぐに済むから…大人しく待ってて」
眠る真理を一瞥し、僕は部屋を後にした。
スタッフルームの前に来た。 ドアに手を触れ様子を窺う。………いるな。 気配で分かる。俊夫は間違いなく中にいる。 僕は無遠慮に扉を開けた。 「!!――なんだ君か。どうした?ノックぐらいしろ」 俊夫が座った椅子から驚いた表情で振り返った。 どうやらベットに横たえたみどりさんを見ていたようだ。 「…………」 「おいおい!何黙ってるんだ?まさか眠れない、なんて言うんじゃないだろうな」 「……その通りですよ」 は?と俊夫がきょとんとした顔になる。 「ねぇ、俊夫さん。聞きたいんですがみどりさんが殺された時、どう思ったんですか?」 「あ…?」 「悲しかったですか?辛かったですか?とても怒ってましたよね」 「お前、何言って…」 僕ははぁ、とため息をつく。 「さぞ、悔しかったんでしょうね。あぁ、そう思うと僕もこれから同じ思いをしなきゃならないなんて…正直気が重いです」 「おい、何を言ってる!何のことだっ!!」 「しかも僕の場合殺されるのではなく、自分で殺らきゃならないんで…尚更でしょうね。 けど、いくら好きな人とはいえ、けじめはつけなきゃあいけませんよね」
「……殺る、だと?…!!まさかっ!」 場の空気が変わった。 「…ん?あぁ、ようやく気付きました? あ〜そう言えば実に滑稽でしたよねぇ。あなたと小林さんが争う姿は。 まったく…あの人柄のいい小林さんたちが本当にみどりさんを殺したとでも? あの優しかったオーナーが本当に人をバラバラにしたとでも? あっははははは!! まさか本気で信じるなんてね!」 「てめぇ…!」 俊夫の表情が一変した。みどりさんを部屋を運ぶときにみせた、あの表情だ。 「ふん、はっきり言ってあげましょうか?みどりさんを殺したのは、この僕ですよ。 いやぁ彼女は実に簡単に死んでくれましたよ。なんせ死ぬ」 「この野郎ォォォォ!!!」 突然の突進に僕はなすすべなく壁に打ち付けられた。 「う、ぐっ…!」 さらにギリギリと首を締め上げられる。 放っておけばあっという間に意識をもっていかれそうだ。
だが彼は気付く由もない。僕の手に、既に、ナイフが握られていることに―― 突き上げるようにして締め上げる右腕に、刺す! 「うおっ!」鮮血と共に腕が解かれる。 次に脚、動きを止めるため脚を切り裂いた。 「くおっ…!」 しかし持ち前の運動神経のためか後方に避けられ、わずかに掠める程度に止まった。 …だが腕のダメージは致命的だ。 「うぅ…う、ぁ…!」 ぼた、ぼたと血が流れ、腕はだらしなくぶらん、と垂れ下がっている。 当然だ。神経を断ったのだから。彼の右腕は一生使いものにならないだろう。 「ごほっ、ごほ……ふぅ、ダぁメダメ。駄目ですよ、不用意に近づいちゃあね」 ピッ、ナイフに付いた血を払う。 「小林さんを犯人だと誤解したことを学んでないようですね… あなたのような感情的なタイプはすぐに冷静さを失う。 ちょっとでも冷静であれば、小林さんを犯人だと決め付けることも、その腕を失うこともなかったでしょうに…。 ま、だからこその今。だからこその状況というわけですが…納得できました? くっ、あはははははっ! で、もう終わりですか?このまま大人しく僕に殺されてくれるんですか?」 嘲笑を含めて言い捨てた。
「や、ろうっ……!」 しかし俊夫は苦悶の表情を浮かべたまま動く様子はない。 …ちっ、このまま殺したんじゃ面白くないし…仕方ない。カンフル剤を打ってやるとするか。 「あーそれとさっきの話の続きですけどね。みどりさんの死ぬとの表情、最っ高でしたよ〜。 僕は基本的に殺してしまった相手に興味はないんですけどね、彼女の表情だけはほんっと、 いつまでも眺めていたいくらいでしたよ!」 「!っおおおぉぉぉおおお!!!」 血走った目、鬼気迫る表情で俊夫が立ち上がる。どうやら完全に切れてしまったようだ。 手近にあった椅子を左腕で掴むと、それを滅茶苦茶に振り、回す! 「っと!」 かろうじて薙ぐ攻撃を避ける。 ―ったくなんて単純な。冷静さって僕の話を聞いてなかったのか? 動作も大きい上、あれじゃあ動けば動くほど血は失われていく。 とはいえ道具を使うの結構いい選択だ。 当たり所が悪ければ致命傷になるかもしれないな… だから僕は―― A:あえて受け止めることにした。 B:俊夫がヘバるのを待つことにした。
474 :
名無しのオプ :2007/02/25(日) 17:18:21 ID:pO3m4IBb
>>464 のA
「いいですよ」ぼくは頷いた。
「実はこの旅行について気になることがあるのよ」
「かまいたちの夜、殺人事件、我孫子武丸…。気になることばかりね」
真理が同調する。可奈子ちゃんも確認がてら頷くが、そこからさらに話があるようだ。
「それもなんだけど…。啓子さっきの本貸して」
可奈子ちゃんが啓子ちゃんに言う。お菓子とかジュースのペットボトルとか入ったトートバッグから1冊の雑誌を取り出した。女性向けの週刊誌のようだ。
「この本にちょっと気になる写真があって…」
それはシュプールの紹介記事のようだ。ゲームで人気のペンションとして、部屋や外観といった写真や小林さんの料理とかも紹介されている。
「!!」
写真の一つに真理の目がとまる。ぼくも視線を写真に向ける。それは窓ガラスに人の顔が映っているようにも見えた。
「心霊写真?普通こういう変なのが映ったものは使用されないんじゃ…」
真理がクビを傾げる。
ぼくは撮影者の部分に目がいく。「美樹本洋介」と書かれている。記事は女性の名前が書いてあるが、美樹本さんがこの写真を撮ったのか・・・。
「それは多分、人の顔に見えない程度だと思うから…。普通に見ればただの景色の反射に見えるわ」可奈子ちゃんも説明した。
「でも、それを見てからこっちを見て欲しいのよ」
啓子ちゃんがもう1冊の雑誌を取り出した。
今度は明らかにいかがわしいイラストのオカルト雑誌だ。UFOやら人面犬やら表紙には嘘臭い見出しがいくつも並んでいる。○月号と書いてあるから月刊誌なんだろうけど。啓子ちゃんが付箋の貼ってあるページを開く。
『大人気ゲームのモデルになったペンションで幽霊!?実際に殺人事件が起きていた?』
『大人気ゲームのモデルになったペンションで幽霊!?実際に殺人事件が起きていた?』 「なにこれ!?」 真理が怒りのこもった声をあげる。 「どれどれ」記事の内容によれば、シュプールに宿泊した客が幽霊を見たと証言している。女子大生や主婦から会社員まで何人もいるそうだ。加えて近所で交通事故もあったという噂まであるらしい。 やれ夜中に天井に顔が浮かんだの、金縛りだの、よくある話をもっともらしくコメントしてる。 「でっちあげよ。こんなのただのゴシップ記事だわ。最低ね」 真理の憤慨ももっともだ。見ていて気分が悪い。売り上げが減ったらこの出版社を訴えてもいいと思う。 「そうよね?あ〜良かった。ずっと気になってたのよ」 可奈子ちゃんが胸をなで下ろす。こんな事で真剣に悩んでいたのか・・・。若い女性らしいと言えばそうかもしれない。 「実際に事件は起きてないし、幽霊なんて存在しないわよ」 実に合理的で・・・。真理は本気で怒っているようだ。 だが、真理の表情が何かを思いついたように一瞬曇った。しかし、また怒りの表情に戻る。見間違いか? 確かに小林さんたちには見せたくないよなぁ。こんなひどい記事は。 二人のOLは問題が解決してすっきりしたのか、オカルト雑誌の他の記事を見ながらわいわい言い出した。やっぱり好きなのか・・・。そういう話。 「二人とも仲良さそうだし、ついでに恋愛相談なんかもしちゃおっかな…」可奈子ちゃんがぼくたち二人を見て舌を出す。 A、「不倫・・・ですか」可奈子ちゃんの照れたような顔を見ながら言った。OLの悩みといえばこれしかない。 B、「プリン・・・ですか」啓子ちゃんが美味しそうに口に運んでいるのを見ながら言った。OLの好物といえばこれしかない。 C、「仲が良いって、ぼくたちまだそんなんじゃないですよ」笑いながら一応否定した。 D、「それよりもシュプールの話が気になりますね」少し考えた方が良いかもしれない。
477 :
名無しのオプ :2007/02/25(日) 19:29:08 ID:pO3m4IBb
>>476 のB
「プリン・・・ですか?」
「ヨーグルトよ」即答だった。
「いい?透さん?プリンてのはこう食べるのよーーーー!!」
そう言うと啓子ちゃんはバッグからビッグプリンを取り出し、カポっと丸飲みした・・・。
すごい。まるで蛇のようだ・・・。蛇?まてよ、わらべ唄に蛇がいなかったっけ?
可奈子ちゃんの恋愛相談はそっちのけになってしまった・・・。
「やぁおまたせ」小林さんと今日子さんがお盆に飲み物を載せて戻ってきた。
そう言えば出てってから10分以上経っていたが、飲み物を用意してくれたようだ。
「河村さんには挨拶しましたか?」
ぼくは聞いてみた。
「ああ、彼女事故の後遺症で色々な薬が必要らしくて大変みたいだ。笑ってたけど妙に忙しそうで青白い顔してたよ。私たちは客室は2階で用意してるらしいが、河村さんは1階で泊まるらしい」
「そうですか。大変ですね」
そんな状態で、なぜこんな島に遊びに来たんだ?ぼくは小林さんから飲み物を受けとる。
「今晩の夕食はすごいぞ。さっき材料を見せて貰ったんだ。どうやら我孫子武丸の依頼で流しの料理人が下準備していったらしい。
香山さんたちと入れ替わりで帰ったみたいだが、相当の腕前だな。私もこの腕をふるいたいよ」
料理好きで料理人を目指していただけあって、小林さんが目を輝かせる。今日子さんはあきれ顔だ。彼女は料理が苦手なのだ。
「なんや。みんなそろっとるようやな?」
扉の方を見る。浪速のテーマと共に噂の香山さんの登場だ。そして隣には厚化粧で派手な金髪、薄着、といかにも水商売風の若い女がいた。
A、「お久しぶりです。香山さん、春子さん」ぼくは挨拶した。
B、「アンタは誰だ!?」ぼくは警戒しながら隣の女性に尋ねた。
C、「香山さん・・・。まさか浮気旅行とは思いませんでしたよ」ぼくはため息をついた。
479 :
名無しのオプ :2007/02/26(月) 22:08:26 ID:Axy1oIK+
まあみどりさんの名前も忘れる透の事なので。 Aで。
>>478 のA
「お久しぶりです。香山さん、春子さん」
し〜ん
ん、何だ?この微妙な空気は・・・?それに当の本人が何か睨んでいる・・。
ポカッ。真理に叩かれた。
「もう、どこをどう見たら春子さんなのよ!?」
確かに別人だ。ということは香山さんが愛人をつれてきた訳か・・・。社長なら愛人の一人やふたりはいるだろう。風俗関係とは言え、立派な浮気だ。
「ぶははは、おもろいわぁこの子。うちめっちゃ気に入ったで!!」下品に笑いながらどぎつい関西弁が飛び出す。まるで大阪のおばちゃんだ。若いのに・・・。ナチュラルボーン関西人だ。
「おいおい夏美。おてやわらかにたのむでぇ・・・」
あの香山さんが困惑気味だ。よほど、強気なタイプらしい。夏美と呼ばれた女性が香山さんに抱きつく。
「嫉妬せんでも、うちはあんた一筋やさかい」香山さんがでれぇ〜とした表情になる。家で泣きながら待っているだろう春子さんの事を思うと不憫でならない。ぼくは不機嫌になり、香山さんに言った。
「こんなとこで浮気して春子さんに悪いと思わないんですか?」
ポカッ。また真理に叩かれた。
「もう、香山さんは離婚したのよ。それでこちらの夏美さん…ですか?と再婚したのよ!!」
え?ホンマかいな。
「すごいなぁ。真理ちゃん、ごっつ賢いわぁ!!あんたも気に入ったで!!」
「どういうことなの?」
「もうシュプールの時には冷め始めていたのよ…あっごめんなさい」普通、分からないでしょ、そんなこと。
「ええんや。わしも春子があんな女やとは思わんかったんや。夫婦仲も完全に冷め切ってしまった頃に夏美とおうて、付き合いはじめたんや」
やっぱり浮気じゃないですか・・・。
「そしたらあの女、ごっつい額の慰謝料請求しよった。そら浮気したのはわしの方やから全面的にわしが悪いんやけど。なんぼなんでもぼりすぎやで」 「へぇ〜。いくら位ですか?」興味があって聞いてみた。 すっと香山さんが指を3本立てた。 「300万ですか?わりかし普通ですね」 「あほぅ桁が一つ違うわい」 げっ。離婚でそんな法外な慰謝料聞いたことないぞ。財産の取り分じゃないんだし・・・。 「調停しなかったってことですか・・・」 会社の影響を考えて裁判所を介さず、個人でのやり取りをしたのだとしてもぼりすぎだ。よほど不利な証拠でも握られてたか。 それにしても春子さんは金の亡者だったのか・・・。人は見かけによらないものだ。 「でも、それが終わって晴れて夏美と再婚できたんや。わしは幸せもんや」 「うちも幸せやで」夏美さんを見る限り、財産目当てとしか思えない。 「そうや、透くん。あのとき聞いた就職の話、決意してくれたかいな?」 そういえば、シュプールで泊まった時に香山さんの会社で働かないかと聞かれた気がする。 A、「ぜひお願いします」ぼくは頭を下げた。 B、「社長が浮気するような会社では働けませんよ」ぼくは丁重に断った。 C、「もう少し考えさせて下さい」あの夜と同じく保留しとくことにした。
482 :
名無しのオプ :2007/02/27(火) 22:06:11 ID:DdWZW8vo
>>481 のA
「ぜひお願いします」ぼくは頭を下げた。
今の内に内定をもらっとけば、いざという時に安心だ。
就職活動が面倒だったら、香山さんの会社にそのまま就職すればいいのだ。うん。
「よっしゃ、そうと決まったら善は急げや。早速、訓練を受けてもらうで!!」
「えっ?」
颯爽とロビーに向かい、「電話借りるさかい!!」と叫ぶと、備え付けの黒電話を使用した。
「一人、『穴』送りや。ヘリで迎えにきてや!!」
穴?ヘリ?そういえば、ここは携帯電話が通じないようだ。このロビーの電話はある意味、命綱になるかも知れない。
「うわっ!!何をするんだ!!」
1時間後、ぼくは黒服の男たちに捕まりヘリに連れ込まれた。
「透ーーーーー!!」
「真理ちゃん。透くんは立派な社会人になるために旅だったんや。笑って見送ってやればいいんや」
真理の叫び声はヘリのプロペラ音にかき消され、ぼくは目隠しされたまま連れ去られた。
これから何をされるんだろう・・・。
終「職業訓練」
コンティニュー
>>481 のBorC
484 :
名無しのオプ :2007/02/28(水) 19:23:08 ID:+qIfsflu
穴ってなに?
485 :
名無しのオプ :2007/02/28(水) 19:36:34 ID:SlAO4gsx
まぁ「虎の穴」とかに代表される、それっぽい怪しい訓練施設てとこかねぇ。 所詮バッドエンドなんであんまり深い所までは気にしないで欲しいす。
486 :
名無しのオプ :2007/02/28(水) 20:04:38 ID:+cuT9+IP
透、香山の穴編 も見たくなったw
487 :
名無しのオプ :2007/02/28(水) 23:25:24 ID:PXLiyWgN
ではCで
488 :
名無しのオプ :2007/03/01(木) 19:36:39 ID:I6G+uyWZ
>>481 のC
返答はとりあえず保留しておくことにする。
「ほうか?そら学生時代に色々勉強しといたほうがええわ」
ん?何かお願いしたら速攻、就職させられそうな気がしたが気のせいか?まぁいいや。
「ところで香山さんたちは何してたんですか?」
「いや、ちょっと朝はやかったもんやから、休ませてもろうとったんや。自分らの部屋用意できとらんようやったから、他の部屋で昼寝しとったんや」
「夏美さんも?」
「せや。うちも昼寝しとったんや。一人部屋やさかい狭くて一緒に寝れんのがさみしいわ」
はいはい。そうですか。お水関係だったら昼寝はさぞや得意でしょうね。
「なんや、それ『月刊マジカルトムー』やないか。しかも最新刊?うちめっち好きやねん」
夏美さんが啓子ちゃんのオカルト雑誌を見て声をあげた。
「夏美さんも幽霊とか気にするタイプなんですか?」
可奈子ちゃんが尋ねる。
「うち、陰陽師の家系やねん。ちょっとした御祓いとかもできるんや」得意満面に話す。
「そうなんですか?香山さん」ぼくは香山さんに聞いてみた。
「ほんまやで。夏美に祈祷して貰ったら肩こりがなおったんや」
そう言って肩を見せる。
なるほど、ビップ・エレキバンか・・・。
夏美さんとOL二人組は結構盛り上がってる。幽霊話に華が咲くというのか。まるで仲良し3人組のようだ。
ふと、みどりさんの事を思い出した。たしかに、あけすけな性格は相手によっては不愉快になるかも知れない。ウマが合わないということだろう。
最初会ったときはどうかと思ったが、案外いい人なのかも知れない。
香山さんも小林さん夫婦と話し始める。悪くない雰囲気だ。
午後2時30分 キヨさんが応接室に戻ってきた。 「一応部屋の準備が出来ましたが、荷物はわしがお運び致しますので、外を散歩なさったらいかがでしょうか?」 真理に目配せする。どうしよう? 「わたしたち、ちょっと泳ぎに行ってきます」 OL二人組は海か・・・。恐らくあのハーバーだろう。丘の上から見下ろしたらまともな浜はあそこしかなかったし・・・。 「わしらは丘の方にいきましょか。神社にお参りせなあかん」「さっきは行けへんかったもんなぁ」 さっきの何たら神社か・・・。河村さんやぼくたちはもうお参りしたが・・・。 「じゃぁ私たちは湖に釣りに行こうか?今日子」「いいですよ。俊夫さんたちもいるかもしれませんしね」 ギクッ。あの釣り道具を使うつもりか・・・。と思ったら釣り竿だけ持って行く見たいだ。竿ケースの先に小物入れが付いてるのか。便利なもんだ。 って釣り道具はそれだけ持ってこればよかったんじゃ・・・。 「わたしたちはどうしようか?」 真理が聞いてきた。 A、「海に行って泳ごうよ」水着!!それしかない!! B、「もう一度神社にお参りに行かない?」とにかく、ご加護を。 C、「湖に釣りに行こうか?」親戚筋の顔を立てるのも必要かな?
490 :
名無しのオプ :2007/03/01(木) 19:38:40 ID:I6G+uyWZ
タイトル付け忘れた。ごめんね・・。
>>486 香山の穴って・・・
491 :
名無しのオプ :2007/03/01(木) 21:17:18 ID:MBUhzZDS
慰謝料30万かぁ
492 :
名無しのオプ :2007/03/01(木) 22:05:30 ID:zdzN1QhA
もちろんAでw
>>489 のA
ハーバーに着いた。波は結構ゆるやかで、泳ぐのに問題はなさそうだ。
更衣室がないため、ぼくは岩陰で素早く水着に着替えたが、女性陣は少し離れた場所まで移動するようだ。
「透。絶対覗かないでよ」
「分かったよ。おとなしく待ってるね」
ぼくは答えた。
さて・・・
A、諸行無常。暗送秋波。孟母断機。意気軒昂。弱肉強食。焼肉定食。徒然なるままに蜩。ほう法華経。南無阿弥陀仏。我、いざ覗かんと欲す。
B、とりあえずおとなしく待っていよう。
C、「大佐、ミッションの準備は整った」
494 :
名無しのオプ :2007/03/02(金) 21:28:11 ID:y9ilSoDX
>>493 のA
「大佐、ミッションの準備は整った」
「よし、スネ・・・じゃなくトオル。まずは自分の鞄をあけろ」
「ドリンク。カロリーメイト。サバイバルナイフ。デジタルカメラ。通信機(携帯電話)。そして、着替えだ」
「分かっているな。周りは砂浜。そして目的地周辺は木陰」
「ああ、どうやらカムフラージュはできそうにないな」
「そうだ。うまく気配を消し去りながら近づき、ミッションを遂行するしかない。ミッションの内容は覚えているな、トオル」
「ああ。デジタルカメラにメタルギ・・・じゃなく真理の映像を納めることだ。もちろん外装よりも重要なのは内部だ」
「そうだ。トオル。今回のミッションは恐らく困難を極めるだろう。時間の余裕もほとんどない」
「すでに、ターゲットが目的地に着いて、69・・70秒だ。急いだ方がいいかも知れん」
「キミならやり遂げることが可能だろう。一旦通信を切る。200秒後には目的地に到着しているだろう。その時に再度、連絡する。番号は分かっているな」
「了解だ。大佐」
ピッ
「ふう、やれやれ性欲をもてあます」
ザッザ
(む、砂浜は足跡がつくのか?ここは迂回すべきか?)
A、ほふく前進で進む。
B、大きく迂回する。
C、ローリングダッシュ。
D、カロリーメイトを食べる。
496 :
名無しのオプ :2007/03/03(土) 00:45:44 ID:q0kkg2zO
Aで
497 :
名無しのオプ :2007/03/03(土) 03:53:33 ID:+4s2SlpS
wktk
498 :
名無しのオプ :2007/03/03(土) 11:10:31 ID:kuu7XIyH
メタルギアワロスww
499 :
名無しのオプ :2007/03/03(土) 13:12:52 ID:ydN2U1In
一人二役かw
>>495 のA
ザッザッザッ
ピィーッ
「トオル、目的地手前にたどり着いたようだな。バイタルデータが著しく低下しているぞ。何があった?」
「ハァハァ。スニーキングミッションは極力証拠を残さない方が良い。足跡を消すためにほふく前進で移動した」
「トオル。それはあまり意味がない。ほふく前進した痕跡が残るではないか」
「大丈夫だ。ウミガメが這った跡に見える。問題はここにウミガメがいないことだ」
「トオル。おかしな行動は慎むことだ。いいな」
「了解だ。・・・・それと大佐。緊急事態だ」
「何だと!?何があった?」
「見張りがいる。一人。ファットウーマンだ」
「なるほど。その付近に他に男はいない。見張りを立てたという事はだ。トオル、キミは全く信頼されてないということになる」
「・・・大佐。冗談は顔だけにしといたほうがいい」
「すまない。気を悪くしたようだな。緊急事態の件、こちらからはどうしようもない。なんとか切り抜けるんだ」
「・・・了解」
ピッ
さて、どうしたものか・・。
A、カロリーメイトを目の前に投げる。
B、直接殴りかかる。
C、背後から近づき落とす。
D、「トイレどこかな?」と言って飛び出す。
501 :
名無しのオプ :2007/03/03(土) 15:16:00 ID:ydN2U1In
Aだな
>>500 のA
(カロリーメイトに気をとられた隙に走り抜ける)
サッ
ポトッ
「あら、何かしらコレ・・・。カロリーメイト?こんなカロリー高くて、あまり美味しくない物食べる訳ないじゃない。どこから飛んできたのかしら」
(なんだ?ぶつくさ言いながら、鞄にしまい込んだぞ・・・。しかし、隙はできなかった。もう時間もない。ここは強行突破だ)
バッ
ドン、ドン、ドン、バシッ、パン、ドドドド
ズガン
パタンッ
キュー
「トオル?どうした?トオル、応答しろ。トーーーーーオーーーールーーーーッ」
A、コンティニュー
>>500 のBorCorD
E、思わずうとうとしてたようだ。ぼくははっと目が覚めた。
503 :
名無しのオプ :2007/03/03(土) 22:38:55 ID:ydN2U1In
もういいや E
504 :
名無しのオプ :2007/03/04(日) 02:30:37 ID:9r1TuKoj
もういいやってwww いつも思うんだけど、選択肢の作り方、上手いなー。
>>502 のE
思わずうとうとしてたようだ。ぼくははっと目が覚めた。
バシャンッ!!
途端、冷たい液体が顔にかかる。真理だ。
「うわ、何すんだよ」
「うたた寝してたでしょう〜」
目の前にはすばらしい光景があった。
ゴクリ。
真理の眩い水着姿に、息をのむ。来て良かったぁ〜。
真理が頬を染める。
「もうっ。あんまりじろじろ見ないでよ」
「ああ、ごめん。あんまり綺麗だから、つい」
「…もう」
困ったような真理の顔がさらに真っ赤になる。
「それにしても遅かったね。そんなに遠くで着替えてたの?」
「ううん。啓子ちゃんが『男なんてみんなけだものよ。絶対覗くに決まってるわ』って言うから、交代で見張りながら着替えてたの。透はそんな事しないって言ったのに…」
うん。真理にはしっかり信頼されてるようだ。真理の信頼を裏切るような真似はしない方がいい。ぼくは心からそう思った。
小一時間ほど浜辺で遊んでいると一隻のクルーザーが近づいてきた。
すごい勢いでぼくたちに水を引っかけ桟橋の横に停泊する。
中から現れたのは長身の男だ。
ぼくたちと同じく、あの夜、シュプールに宿泊した男性。
「よぅ。ひさしぶりだな」
男はぼくたちに向かって挨拶をした。
「お久しぶりです。美樹本さん」ぼくも挨拶を返した。 「すごいですね。この船、買ったんですか?」 「ああ、ローンでね。少し仕事が増えたからな。あのゲームの影響も大きい。よく色々言われる」 「そういえば見ましたよ。女性誌の写真とかも撮ってるんですね」 「ああ、フリーだから何でもやるんだ。たまたま、編集部に行ったときに頼まれてね。小林オーナーにもお世話になったよ」 あははと笑いながら話した。 啓子ちゃんや可奈子ちゃんが、クルーザーを興味深そうに見てる。真理は何か思案しているようだ。 「美樹本さんが『我孫子武丸』ではないんですよね?」 真理が尋ねる。クルーザーの購入、写真の存在とかも考えると可能性は高い気がする。 「違うよ」あっさりと否定した。 「小林さんたちやスタッフの誰かじゃないのか?」 「違います。一体誰が『我孫子武丸』なのかしら?」 誰だろう? 「それと、最後の船に乗ってくるのは一体誰なのかしら?」 そう言えば、真理の推理では船長のボロ船の最終便で乗ってくるのは美樹本さんだったはずだ。 美樹本さんがこうして自分の船で来た以上、誰か他の人物が乗ってくるという事になる。 「ダメね。恐らくわたしたちの知らない人だから、考えても分からないわ」 水着姿だけでなく潔さも立派だ。
風が強くなり肌寒くなってきたので、ぼくたちは引き上げることにした。 素早く着替えると、待たせていた美樹本さんと屋敷に向かうことにする。 もう少ししたら最後の客も来るだろうけど、先に帰らせてもらおう。 美樹本さんの荷物も小林さんに負けず劣らず、大量にあるが、さすがに体力勝負のカメラマンだけあって、一人で担いでも涼しい顔のままだ。 「写真とか撮らなくて良いんですか?」神社や丘をそのまま通りすぎる。帰りは少し回り道をしたが、意味はないみたいだ。 「ああ、今日は止めとくよ。明日、1日中使えるし、仕事で来た訳じゃないからね。釣りもしたいしな」 色々話しながら、屋敷にたどり着いた。湖にも小林さんたちがいなかったからもう引き上げたのだろう。 「紋入りの荘厳な門扉に脱出防止の剣山、窓に風切り鎌、そして二つの監視塔。話に聞いてたけどすごいなこりゃ。面白い」 美樹本さんが、嬉しそうな声をあげる。面白いと言うよりは不気味なだけだと思うが・・・。 キヨさんが出迎える。美樹本さんも招待状を渡すが、受けとると見もせずに、応接室に通された。 午後5時半 「久しぶりです」「お久しぶり」みんな、挨拶を繰り返す。 応接室ではほぼ全員が揃っていた。いないのは河村さんだけだ。キヨさんと今日子さんが飲み物を運んだりしてくれる。 「食事は7時に致しますのでそれまでゆっくりして下さい」 キヨさんに告げられ、それぞれが思い思いに話をする。 A、ぼくは一旦部屋に戻って休もうと思った。 B、少し屋敷の中を回ってみようと思う。 C、このまま応接室でみんなと話していよう。
508 :
名無しのオプ :2007/03/04(日) 23:47:37 ID:mn4D6j8M
Cで
>>507 のC
応接室ではみんな楽しく話している。
来なかった春子さんが夏美さんに変わったことを除けば、『かまいたちの夜』のモデルとなったあの夜の再現だ。
「え〜地縛霊って移動したりするんですかぁ」
「そうや。それから誰かに憑依したりもするでぇ。例えば、殺されたけど誰に殺されたか分からんくって地縛霊になりよったけど、殺した相手が来たときに分かって憑依したりとかな。
実はうちこの屋敷から何か感じるんや。結構ごっついで」
「うそ〜〜」
幽霊なんていない。うん。いないんだ。
「ほう。キミも釣り好きか。どうだい明日一緒に釣りに回らないか。いいポイントがいくつかありそうなんだ」
「いいですね。ぜひ。そうしましょう。色んな所を回って写真も撮りたいですしね」
「実は、高性能のリールまで買ってしまったんだ。早く試してみたくてね」
「それは奇遇ですね。俺も自動巻き取りのリール買っちゃいましたよ。特にクルージングでは重宝しますしね」
リールを買った自慢とクルーザー持ちとではどだい勝負になってないような気が・・・。
「夫婦ちゅうもんは愛情やお金だけじゃなりたたんのや。相互理解が重要なんや」
「はぁ」
「ええか。俊夫くん。しっかりと奥さんの気持ちを掴んどかなあかんで」
「はぁ」
俊夫さんも香山さんには言われたくないだろう・・・。
「みどりさん。オシャレですね」
「そんな事ないわよ」
「でも、香水も、マニキュアも素敵。うらやましい。全部俊夫さんが?」
「うん」
みどりさんとわいわい話しつつ、真理がちらっとぼくを見る。
A、ぼくは視線に気付かないふりをした。
B、「真理には必要ないよ」心からそう思った。
C、「所詮、物ですか」ぼくは拗ねて、ため息をついた。
510 :
名無しのオプ :2007/03/06(火) 17:53:56 ID:SMy6uK7a
ここはBで。
511 :
名無しのオプ :2007/03/06(火) 19:58:22 ID:rCRcIPQR
キャラのノリが1の頃の感じだね
>>509 のB
「真理には必要ないよ」
ぼくは格好良く言ったつもりだが・・・。
「それ、どういう意味?」
真理は疑わしそうな目だ。
「え?」
ぼくは真理は化粧なんてしなくてもすごく魅力的である・・というつもりで言ったんだけど。
ふと考えると香水もマニキュアもあまり容姿とは関係ない。
真理の匂いがすごくいい?変態かぼくは!?
爪はとっても綺麗?それは褒め言葉なのか!?
「と〜お〜る〜。どーういう意味なのかしらねぇ?」
「ふふ」みどりさんはぼくが困ってるのを見て笑っている。
これは罠か?
「あの・・・その・・・・」
誰か助けて・・・。
午後6時 ガチャッ。不意に応接室の扉が開いた。 扉から現れたのは、コートを着た男だ。帽子にマスクまでしている。表情は全く見えない。 いかにも怪しげな感じだ。 「…まさか…」誰かがポツリと漏らす。 「…まさか、田中さん?」 ああ。ゲームに登場したという架空の人物か。河村さんも実在したんだし、田中さんだっていてもおかしくない。 たしか、さっき真理から聞いた話ではバラバラになった発見された死体の人物だったような・・。 ぼくならいきなり殺される役は嫌だろうけど、河村さん同様、本人が出演したがってたのなら納得だ。 「変わった人だね。田中さんって」 ぼくは真理に耳打ちした。 「…田中さんてのは、ゲームの中でも」 真理が言いかけてやめる。 先ほどとはうって変わり、応接室は静まった雰囲気だ。船長が迎えに行った最後の客。 季節はずれのコート姿という不気味な闖入者の登場に緊張感が漂っているようだ。ぼく以外。 ゲームを最後まできちんとやった人にとっては結構衝撃的なのか? 男の口からボソボソと言葉が漏れる。そして、 「俺 を 殺 し た の は 誰 だ!!!!」 男が大声を上げた。マスク越しのせいで、随分とくぐもった感じだが、それが一層不気味さを醸し出す。 「キャァァァァァァッ」 ガタンッ!!バタンッ!!ダダッ!! 扉近くにいた女性陣は一気に離れる。みんなおびえている。 俊夫さんと美樹本さんが、男の前で身構える。小林さんや香山さんは、それぞれの奥さんを抱きかかえている。 「おいッ!!アンタ一体何者だ!?」「変な冗談はよせ!!」 ぼくは A、勢いよく男に飛びかかった。 B、「ハロー」陽気に握手を求めた。 C、とりあえず真理の後に隠れていた。 D、「遅かったな。田中」何となく知ったかぶりをした。
514 :
名無しのオプ :2007/03/07(水) 15:59:02 ID:Pf/neie2
>>512 の「こう来るか!」というセンスに脱帽。
Dでお願いします。
515 :
名無しのオプ :2007/03/07(水) 16:01:04 ID:UbIME15E
Dで、透の銀行強盗編につながったら大笑いなんだがw
516 :
名無しのオプ :2007/03/09(金) 01:15:27 ID:k1u+CgQU
>>468 の続き
美樹本さんによると、南さんはペンション・“シュプール”に
今日から3泊4日の宿泊予約を取っていたらしい。
「仕事」を終わらせてのんびりするつもりだったのかもしれない。
「先程、問い合わせたんだが、当日の宿泊が可能だそうだ。
お前も泊まってショーを見て行けよ。」
「はぁ…。」
ぼくは乗り気ではなかったが、生返事をしながら車を飛ばした。
「よし、ここで降りる。」
シュプールの最寄の駅前に着くと、美樹本さんが急に降りると言い出した。
「え、シュプールに行かないんですか?」
「トリックに必要なんだ。
お前だけで先に行っててくれ。」
美樹本さんは薄笑いを浮かべながら、駅へと消えた。
ぼくは釈然としないながらも、そのままシュプールへ向かった。
517 :
名無しのオプ :2007/03/09(金) 01:22:52 ID:k1u+CgQU
ややカーブが多い道で、注意が必要だったものの、 シュプールにはすぐに辿り着くことができた。 ぼくは、駐車場に車を止めると、シュプールの正面玄関から中に入った。 「いらっしゃいませ。」 中に入ると、感じの良い中年の女性が声をかけてきた。 「あのう、数日泊まりたいのですが…。」 「分かりました。 こちらで記帳をお願い致します。 それから、お部屋のご案内を…。」 ぼくは、すぐに記帳を終えると、ルームキーを貰い、 二階の部屋へ案内された。 荷物を降ろすと、ベッドに腰を下ろす。 それにしても…、銀行強盗があんなに上手くいくとは思わなかっな…。 そんなことを考えていると、ドア越しに、 「一階の談話室へお越しになりませんか? ケーキと紅茶がございますよ。」 そういえば、腹が減っている。 「頂きます。」 ぼくは返事をすると、すぐに一階へ降りた。
518 :
名無しのオプ :2007/03/09(金) 01:33:34 ID:k1u+CgQU
談話室へ行くと、見覚えのある顔が目に飛び込んできた。 「透じゃない!」 大学の同級生の真理だった。 そういえば、大学の冬期休業では、親戚のペンションで アルバイトをすると言っていたな…。 そして、これから美樹本さんは、このペンションで 殺人事件をでっち上げようとしているのだ。 もしも、その噂が世間に広がったならば、このペンションの 客足に致命的な影響が出るかもしれなかった。 いや、その逆で、好奇心に煽られた者が殺到して 繁盛するかもしれない。 しかし、ぼくにはどちらでも良かった。 そんなことを考えつつも、ぼくは周りの人達と自己紹介を交わした。 今夜、このペンションにいるのは、 ぼく、真理、小林次郎・小林今日子オーナー夫妻、 会社社長の香山さん、その妻の春子さん、アルバイトの俊夫さん・みどりさん、 そして、後から来る美樹本さんと、すでに死亡済みの南さんということになっている。
519 :
名無しのオプ :2007/03/09(金) 01:39:08 ID:k1u+CgQU
ケーキを食べながら談笑していると、正面玄関の扉が開かれた。 深々と帽子をかぶり、サングラスをしている人が入ってきた。 「こんにちは。予約を入れていた南ですが。」 「ああ、南様ですね。 お部屋は二階になっております、こちらがルームキーです。」 南という男は、そのまま二階へ消えた。 その時、ぼくは…、 A. 「おやっ、美樹本さん。今までどこに?」 ぼくはぶっちゃけた。 B. 「あの人、ヤクザかな?」 ぼくは真理に印象を尋ねた。 C. ぼくは南と名乗った男をモップで何度も何度も叩いた。
520 :
名無しのオプ :2007/03/09(金) 02:32:32 ID:hzW1XpVO
もちろんCでw
521 :
名無しのオプ :2007/03/09(金) 06:14:58 ID:qzf+jHRi
522 :
名無しのオプ :2007/03/09(金) 15:10:40 ID:oLgwvf3f
>>515 うん。面白いw全然そんな発想なかったし。
>>513 のD
「遅かったな。田中」
ぼくは手をあげて、田中に挨拶した。
「透。その人、誰か知ってるの?」
「何言ってんだよ。田中じゃないか。あの」
少なくとも、高校時代のクラスメイトではないことは確かだ。
「だから誰なのよ?」
「おいおい透くん。きみの知り合いなのか?あまりにも悪趣味だぜ」
「そうや。こんなん全然笑えんで」
ぼくも誰かは知らない、知ったかぶりをしてみただけなのだ。
田中の方も動きが止まっている。これからどうなるんだ。
「ふはははは。最高だな。透くん。キミは全くゲームと違うんだな」
急に田中が笑い出した。
「驚かせて申し訳ない」
そう言って、帽子やコートを脱ぎ、マスクを外した。至って普通の男だ。ニヤニヤしている。
誰だ?ぼくの知らない人物だ。年齢は30代半ばくらいだろうか。
「私は正岡慎太郎といいます。フリーのゲームプロデューサーをしていて、『かまいたちの夜』も私がプロデュースしたんだ」
そう言って名刺を女性に配りだした。
「今回、我孫子先生が屋敷を買って次回作の取材がてら、『かまいたちの夜』の出演者たちと集まるって言うもんだから、呼ばれもしないのにやってきたという訳さ」
呼ばれてもいない?なんて奴だ。だから船長が追加料金とか言ってたのか。無理矢理押しかけたわけだな。
「自分がプロデュースした作品だからね。キミたちはみんな私の子供みたいなものさ」
無茶を言うな。誰がお前の子供だ。
「もうっ。誰が田中よ…」
真理が心底、あきれた様子で言った。
「だからといって、こんなの悪趣味じゃないか?」苛立たしげに美樹本さんが言った。「いやぁ。私らみたいな業界人はいつでもエンタテインメントでないといけないのよ」 エンタテインメントねぇ・・・。少なくともエンターナショナルではないようだけど。 それにしても、ぼくは知ったかぶりをしたせいで、真理に軽蔑されてしまった。全てこの男のせいだ。 コノウラミハラサデオクベキカ・・・ 「いやぁ。資料としてみんなが写った写真を見せて貰ったが、実物はもっと綺麗だね」 などと言って、女性陣に話しかける。なんて軽薄な男だ。 面白くない。 OLの二人組なんかはもう、意気投合し、わいわいと話し出す。ゲームプロデューサーという職業に魅力を感じているのか。 「ところで『我孫子武丸』は誰なんですか?この中の誰かですか?」 話の合間を縫って、真理が正岡さんに質問する。 「いや・・・。その私も実は会ったことがないんだ。仕事関係の話もメールですませてたもので」 正岡さんは言い淀んだ。 「おかしな話だな。実際に招待したんだし、全員揃った今、素性を明かしてもいいはずだ」 美樹本さんが首を傾げる。船長の船の最終便は終わったし、時刻は6時を回ったから、もう船で来ることはないだろう。 「確かにそうだね。私も『シュプール』を無断で使用されたんだから、礼の一つもあってもいいと思うが、招待状にあった文だけだからな」 小林さん、さっきは繁盛して感謝しているとか言ってなかったけ? 「あなた、覆面作家としてやっていきたい方だったいるようでしょうし。こうやってみなさんと楽しく過ごせるだけで良いじゃないですか」 覆面作家ねぇ・・・。ぼくはプロレスラーみたいなのを想像した。 ふと真理に目をやると、やはり何か思案している。 それにしてもお腹がすいた・・・。
午後7時 「みな様、食事の用意が出来ましたので、食堂の方へ移動をお願いします」 キヨさんが告げた。 結局、みんな何度かトイレや電話で応接室を離れた以外、自分の部屋には戻らなかったようだ。 「正岡様の分も用意させていただきましたので、どうぞ召し上がって下さい」 「いやぁ。ありがたいね。さすが我孫子先生だ」 食堂は応接室を出て、左に曲がり突き当たった角の部屋だ。ぼくと真理は最後列でキヨさんと一緒にゆっくり歩く。 「キヨさん。一人で運んだんですか?」真理が尋ねる。 「いえ、河村様にも運んでいただいて。河村様は食事規制のため、一緒に食事が出来ないそうで、正岡様の食事にさせてもらいました」 そういうことか。河村さんが食べないなら、猫かかまいたちにあげればいいのに・・・。 「それは大変ですね。次からは透を使って下さいね」真理がにっこりとキヨさんに話した。 ん?ちょっとまった。 食堂は相当広く、高級感が漂うが、部屋の隅などの汚れが気になる。暖炉なんかは相当汚そうだ。 天井の灯りとテーブルランプはあるもののやはり少し、薄暗い。窓がないため、昼でもこの位なんだろう。 先に入ったみんなは部屋の調度品に見とれていた。 長いテーブルにはすでに料理が並んでいた。コース料理と同じ構成のようだけど、一気に運ばれたおかげで、非常に煩雑だ。
「こういうのも悪くないな」小林さんが、勝手に席についた。 上座にあたる当主席には椅子はあるものの、食事が置かれてないので、空いている。 小林さんの隣に今日子さんが座り、真理、ぼくの順に席に着く。右側に俊夫さん、みどりさん。 対面側は正岡さん、可奈子ちゃん、啓子ちゃん、美樹本さん、夏美さん、香山さん。 結構適当に座ったので、特に座る席はあまり重要でないようだけど、席について気になる点があった。 ぼくの左隣に座る真理と右隣に座っている俊夫さん、そして目の前の啓子ちゃんのメインディッシュの肉が、ぼくのそれより大きい事だ。いや、ぼくのが一番小さい。 よく見ると、結構、肉や前菜の野菜の切り方にバラツキがある。スープの量も結構違う。 これは重大事件だ!!ぼくは神経を研ぎ澄ませた。 A、「真理、アレ何かな?」一瞬の隙に素早く真理の皿とぼくの皿を入れ替えようとした。 B、「俊夫さん、肉は赤ちゃんに良くないですよ」ぼくはアドバイスした。 C、「啓子ちゃん、ダイエットした方が良くない?」ぼくは親切にそう言った。 D、毒だ!!!ぼくの皿の肉には毒が入っている!!
527 :
名無しのオプ :2007/03/09(金) 15:53:55 ID:vJaSE0oL
528 :
名無しのオプ :2007/03/10(土) 00:27:14 ID:9q4cBIpz
>>519 の続き
C. ぼくは南と名乗った男をモップで何度も何度も叩いた。
「ぎゃあっ!」
ぼくは壁に立てかけてあったモップで南さん(と名乗った男)を叩いた。
何故叩くのか?
それは、やはり、真理の親戚のペンションで
問題を起こされたくないからだ。
真理はぼくの大事な人なのだ。
ぼくは叩いた。
「やめるんだ!透くん!」
俊夫さんが突進してきた。
正義感が彼を突き動かしているのだろう。
それすらも叩いた。
「うっげぇ!」
モップが俊夫さんの顎にヒットしたようだった。
顎が外れたのは確かだ。
ぼくは南さん(と名乗った男)を叩くことを再開した。
やがて、南さんは動かなくなった。
そして、ぼくは今、大変なことに気付いた。
南さん(と名乗った男)は今、間違いなくここで死んだ。
つまり、結局はここで殺人が起こったのである。
問題は起こったのだった。
ぼくは何故、南さんをモップで何度も何度も叩いたのか?
頭が混乱していた。
やがて、ぼくは乾燥室に監禁された。
終(コンテニュー
>>519 )
529 :
名無しのオプ :2007/03/10(土) 00:33:09 ID:5fuF1j3C
じゃあAでw
>>526 のD
毒だ!!!!
「毒です!!!ぼくの皿には毒が入ってます!!」
ぼくは立ち上がって叫んだ。
「ちょっと何言ってるのよ?透、どうしたの?」
「見てごらん。このぼくの前にある皿の肉を・・・。みんなの物より一際小さいだろう」
「そう?確かにバラツキはあるけど、そんなに違わないわよ」
「いいや。ぼくには分かっている。この皿には毒が入ってるね」
「どういうことなんだ?」
ぼくはきちんと説明することにした。
「よく考えて下さい。たった一人、誰でもいいから殺したいと思う人間がこの中にいたとします」
「おいおい。何を変な事言い出すんだ」
「そこで、毒を肉に注入することにします。しかし、自分がそれを食べるわけにはいかない。その目印として一番小さな肉に毒を入れることにしたんです」
「はぁ?」
全員がきょとんとしてる。推理するまでもない。こう考えるのが自然だと思う。
「そこで一つ思い出して下さい。ぼくらを運んできた船長が口ずさんだあのわらべ唄を」
そうだ。あの唄には意味があったんだ。あの唄の見立てによって今、この毒によって、第一の被害者が現れること・・・。
「もうっ。それがどうしたって言うのよ。本当は大きい肉と取り替えて欲しいだけじゃないの?」
真理が怒る。
みんなの冷たい視線が突き刺さる。
A、「ズンズンズンズンドコ ヒロシ」みんなのためにぼくはあのわらべ唄を歌った。
B、「ごめんなさい。ぼくが間違ってました」素直に謝った。
C、「ぼくはそんな卑しくない。だったらこの肉なんか食べないよ」意地になって言い返した。
D、「うわ〜ん」冷たい視線に耐えきれず、食堂を飛び出した。
531 :
名無しのオプ :2007/03/10(土) 16:32:27 ID:QqDBFgzH
D
>>530 のD
「うわ〜ん」
ぼくは食堂を飛び出した。
みんな、どうしてぼくの言うことを信じてくれないんだ。
これじゃぼくが、ただ大きい肉が食べたくてごねてるだけじゃないか。
バンッ
玄関を勢いよく飛び出す。
外は雨が降り、風が強くなっていた。
台風だ。これがかまいたちの夜なんだ。今更、構うものか。もう後戻りはできない。
既に閉められた門をなんと身体が通る隙間をこじ開けて、屋敷を抜け出す。
雨の中を濡れるのを構わず走り出す。
走れ。ただ、ひたすら走れ。そして、肉のこともこの島の事も忘れろ。
何も考えず、走れ。
でもお腹はすいた・・・。
終「Runner」
コンティニュー
>>530 のAorBorC
533 :
名無しのオプ :2007/03/10(土) 18:13:02 ID:mFT5aLM6
>>530 のA
みんなのためにぼくはあのわらべ唄を歌った。
「ズンズンズンズンドコ ヒロシ どこかの村のタロウどん
痛い痛いと泣いてござる どこが痛いとヤスコが聞けば
悪たれタイチに毒を飲まされ 喉が痛いと泣いてござる
ズンズンズンズンドコ ヒロシ」
ぼくの記憶力もまんざれではない。それにしても、なんて恐ろしい不気味な唄だ。
「分かりましたか?この唄に見立てられて殺人が起きるんですよ。ぼくがこの肉を食べることによってね!!」
し〜ん
「あの、透くん。その唄、全然違うじゃないか?」
「大体誰よ?ヒロシって」
真理が頬を膨らませて、正しい歌詞を教えてくれた。
「それにきちんと考えたらどう?」 「・・・・・はい」
「まず、毒を入れたとして、一番機会があったのはキヨさんよね」
「つまり、キヨさんが犯人なんだね」
「もうっ。だから何でそうなるのよ。キヨさんが犯人だとしたら、目印なんか必要ないでしょ。一緒に食事してる訳じゃないんだし」
それもそうだ。
「それ以外の人物も、トイレに立ったりしてるから、可能性はなくもないな。相当難しいけど」
小林さんが面白がって言った。
「そうだ。その隙に食堂に来て、さっと毒を注入すればいいんだよ」
「だったら席を注意しておけばいいじゃない?自分が座る席だけ気にしてればいいのよ」
「でも、それじゃ、誰かが皿を入れ替えるかも知れないだろう?」
現にぼくは今でも皿を入れ替える隙をうかがっているのだ。
「で、肉の大きさが目印で毒が入ってるって言うの?大体、そういう議論は実際に人が死んでから行うんじゃないの?」
「でもさ・・・」
「分かったわよ。お皿交換してあげるから、これ以上、ごねないの」
「しょぼ〜ん」
「透。『しょぼ〜ん』って自分で言うもんじゃないでしょ」
しょぼぼ〜ん
「今『しょぼぼ〜ん』って思ったでしょ」
うへぇ・・・。
「もう一つ、教えてあげるわ。キヨさんはおそらく弱視なのよ」 「弱視?どうして分かるの?」 何が何やらさっぱりだ。 「さっき、招待状渡したとき、美樹本さんの名前の確認すらしてなかったでしょ?それにわたしたちが誰かも聞かなかった。細かい文字が読めないのと実際、人の顔もはっきり分からないのよ」 「流しの料理人は一部の材料やソース、スープ、一部のオードブル、デザートといったものは準備していたが、肉や野菜などはあらかじめ切っておくと味が落ちるので、恐らくキヨさんが切って指示通りに焼き上げたんだ」 「で、キヨさんは綺麗に切りそろえることができなかったと言う訳ね」 「はぁ。なるほど」 なんで肉一つでそこまで推理するんだ・・・。 「あっはははは、本当にゲームの透くんとは大違いだなぁ」 正岡さんがゲラゲラ笑う。むかつく奴だ。 「アンタ、そない失礼な事言わんくってもええやないの」 夏美さんが擁護してくれる。しかし、失礼なことって、どっちがどう失礼なんだろう。 「まぁまぁ、せっかくの御馳走ですし、冷めない内に頂きましょう」 小林さんの声で仕切り直しだ。 「透くん。疲れてるんじゃないのか?」俊夫さんが聞いてきた。余計落ち込む。 「いいえ。別にそんな事ありませんよ」
それにしても上手い料理だ。若干冷め気味なのが気になるがあまりにも上手すぎる。こんな料理は食べたことがない。 「上手い」「美味しい」 全員、舌鼓を打つ。特に小林さんはしきりに感心している。 「いやぁ、一度勉強させてもらいたいもんだ」 「『シュプール』に呼びますか?」今日子さんが皮肉ぽっく言う。 「いいね。ぜひ、そうしよう」 キヨさんが食堂にやってきた。 「おかわりの方もようさんありますので、よろしかったら言って下さい」 「透?お代わりあるらしいわよ」 う・・。真理が笑いながら言う。 う結局、真理は毒で苦しむ事もなく、美味しそうに食べていた。 「あの、アルコールとかってありますかね?」 美樹本さんが聞く。そう言えば、飲み物が水しかない。 「ああ。すいません。文字が見にくくて、何をお持ちしたらいいのか分からず。適当にお持ちします」 「なら、俺が行こう」「私もワインとかあれば見たいな」 美樹本さんと小林さんが席を立つ。 A、「肉とライスのお代わりを下さい」ぼくはキヨさんに頼んだ。 B、「ぼくも行きます」少しはいいところを見せないと。
537 :
名無しのオプ :2007/03/10(土) 23:03:00 ID:NLn7TGA5
Aで
>>473 の続き
B:俊夫がヘバるのを待つことにした。
「おおおああぁぁあああ!!!」
俊夫が狂犬のように叫び、ニ、三度力任せに椅子を振り回すッ!
だが片腕で安定しない攻撃など、左右の軽いバックステップで十分避わせる。
しかも奴は頭に血が上ってるせいで間合いが計れてないのだ。
闇雲に振って……当たると思ったか! すかさず反撃に転じ――――!?
(ッ……こいつ…………!!)
目が交差した瞬間、足が止まる。いや、止めた。懐に飛び込むのはまずい、と本能的に察した。
…初見はただの自暴自棄かと思ったが…くそ、そうじゃなかった。あの目は僕を壊すことだけを考えた…相打ちすら考えない目だ!
怒りであれば痛みで目を覚ます。だが捨て身は死によってしか止まらない。
とすれば…懐に飛び込み、刺せたとしても思わぬ反撃を喰らう可能性がある。急所以外では死ぬまでにラグがあるからだ。
「ちっ…」
どうする…?避けながら冷静に思考する。
腕でガードして止めその隙に殺るか…?…いや、だめだ。勘が告げる。
“あれはガードすれば骨ごと砕かれる”、と。
僕はまたちっ、と舌打ちする。
結局出した結論も…動けなくなるまで待つべき、と臆したような判断だった。
だがジリジリ、とだんだん避けるスペースがなくなってきていることに気付く。
このままでは壁際まで追い詰められる――移動するか。
僕はスタッフルームのドアを開け、談話室まで駆けた。「待ちやがれっ!!」
「はあっ…!はあっ……!」 追いつくころに俊夫の息は上がっていた。右腕からは止め処なく血が流れ、顔面蒼白。傍目にみてももう瀕死だろう。 それでも立ってるのはさすがの体……いや、精神力という言べきか? 「……ああ、早く止血したほうがいいですよ、それ。そのままだと僕が止めを刺すまでもなく、死んじゃいますから」 「…うぁ……くそっ!黙れッ!!」 怒声も息継ぎ混じりで弱々しい。 「…親切で言ってるんですけどね…もう頑張らないほうがいい。過度の血の喪失…それによって引き起こされるショック死寸前です。 自分でもやばいって分かるでしょう?大人しくしてればせめてその頑張りに応えて、一瞬で楽にしてあげますが…」 「黙れぇぇぇぇーー!!!」 椅子を振り翳し、突っ込む。 勢いはあるが、それはすでに見慣れた足元の覚束ない攻撃。「……」 だから僕が少し体を反らし、ちょっと足を掛けると、受身も取れず、倒れ込む。 「うぐっ!……うぅ、くそ!ちくしょう畜生っ!動けぇっ!!」 もはや起こすこともままならないのか懸命に体を立たせようとする。 「…畜生っ!…なんでだ……何でなんだ!!何でみどりを殺した!? みどりに殺されなきゃならない理由が、どこにあったって言うんだぁぁァァ!?!」 ……うるさいな。それは質問か? いや、もはや敵わぬと理解しての観念かな…? 哀れというか末期というか…。 …それはともかく、分からない。こいつは何故こんな半死の状態になっても向かってこようとする。 恋人を殺されたからって…?笑わせる。 もう会えないと悲しむならさっさと死ねばいいだろう! 僕はお前にその機会を与えてやってるんだぜ…? はははははは!!感謝しろっ! だからお前は潔く、殺されるべきなんだ! A:…………こんなもの、か。(殺す) B:もう少し話をする。
540 :
名無しのオプ :2007/03/11(日) 04:00:46 ID:Dc4+8z5u
>>539 この期に及んで楽しくお話のBでおながいします
541 :
名無しのオプ :2007/03/11(日) 09:08:06 ID:1luiKub9
いきなりシリアスな展開になって、スレを間違えたかと錯覚してしまったw
>>536 のA
「肉とライスのお代わりを下さい」ぼくはキヨさんに頼んだ。
「あたしも大盛りでお願いします」
「俺も少しでいいですが・・・」
ぼくに続いて、啓子ちゃんと俊夫さんが頼む。
しばらくして美樹本さんが、ビールやワインを運んできた。
「いやぁ結構色々あるぞ。ほらカリフォルニアワインまで」
高級なワインも何本かあるらしい。
「小林オーナーは、きみらの肉を焼いてて遅くなるよ。さすがだね」
「もう、叔父さんたら、結局手をだしてるのね」真理があきれる。
「おまたせ」台車に料理を運んで、小林さんが戻ってきた。
「あまり変なことしないで下さい」今日子さんがたしなめる。
「いやいや。『我孫子武丸』には感謝しないとな。これだけの高級食材はあまりお目にかかれないよ」
午後8時
晩餐が終わる。キヨさんが空いたお皿から片づけているが、何分量が多いので大変そうだ。
「透。キヨさんを手伝いましょうよ」
真理がウィンクした。何か意味があるのだ。多分・・・。
A、「そうだね。手伝おう」真理の提案に乗ることにした。
B、「面倒臭いから真理一人でやれば」ぼくは客なのだ。
C、「ぼく一人で十分だよ。真理はゆっくりしてて」いいところを見せよう。
543 :
名無しのオプ :2007/03/11(日) 18:22:50 ID:wTueS3+B
>>320 A 窓が割られていたんだ」
みんな一様に妙な顔をした。そんなこと?といった感じだ。
「ちょっと、透。そんなこと、犯人ともみ合ったときに割れたとか、犯人が逃げるときに割ったか、そんなところ
でしょ?
異様ってほどでも無いじゃない」
「真理。小林さんの言葉を忘れたのかい? みんなを叩き起こしている最中に何かが割れる音がって言って
たじゃないか」
「いや、透くん。窓ガラスが割れた音とは限らないよ」
「いいえ、家捜ししたときに何も割れた物品はありませんでした。それにあの部屋でガラスや陶器を使用していると言えば、
バスルームの中か、電灯、窓くらいじゃありませんか?」
「確かに、部屋の捜索をしたときには鏡や電灯は割れていなかったな。バスタブや洗面台が割れるような衝
撃が加わったら
割れるだけでなくもっと激しい音が響くだろうし」
美樹本さんが同意してくれた。
「みなさんが持参した手鏡が割れたくらいではそんなに大きな音はしないでしょうしね。さて…」
ぼくが推理を続けようとしたとき、美樹本さんが割り込んできた。
「ちょっと待ってくれ。時間差で窓が割れるようにした仕掛けとは考えられないか?」
「仕掛けですか?」
ぼくは驚いて美樹本さんの顔をまじまじと見た。何を言い出すのだろう。 「そうだ。…そう、たとえばスキーバッグの底板を屋根の雪に突っ込んでおいて、それを窓のところに紐でくく りつけておく。 そのうち雪が積もって、雪ごと底板が落ちれば窓は引っ張られてガチャン! ってわけだ」 …おいおい。 ぼくは、 A 「いえ、それは考えにくいと思います」 ぼくはすぐさま否定した。 B 「もしそうだとして、どうなりますか?」 ぼくは美樹本さんの答えを待った。 C 「そうです、そしてあなたが犯人です」 ぼくは美樹本さんをモップで何度も何度も叩いた。
546 :
名無しのオプ :2007/03/11(日) 21:15:22 ID:SXJuWief
>>542 のA
「キヨさん、わたしたちも手伝います」
真理が台車に、皿や瓶を載せる。ぼくも横から手伝う。
「ありがとうございます」
「キヨさんは先に厨房で片づけてて下さい。こっちのはわたしたちが運びますから」
作業をしながら、キヨさんに指示を出す。
「若いのに感心やなぁ」「ええ子たちやろ」
「俺たちも手伝おうか?」「そうね」俊夫さんやみどりさんが言った。
「いえ、いいですよ。せっかくの夫婦旅行なんですからゆっくりして下さい」
食堂を出るといきなり真理が変なことを言い出した。予想通り、他の人間に聞かれたくないからぼくに手伝いを促したのだ。
「ねぇ透。どうしてキヨさんなのかしら?」
「え?」
「おかしいと思わない?高齢でしかも、目が少し不自由なのよ。普通だったら、そんな人を管理人、えとお手伝いとして雇うとは思えない」
「それはちょっとひどいんじゃ・・・」
中々の毒舌ぶりだ。
「実際、一人だけしか雇わないなら、それなりに動ける人物を雇うと思うわ。そもそも若い方がいいでしょうし・・」
「そうだね。お手伝いさんは若い女の子の方がいいよね」
「別に女の子じゃなくてもいいですけどねっ」きっと睨まれる。
「やっぱり、この招待には何か裏があると思うのよ。特に『我孫子武丸』が正体を明かさない理由なんて考えられないもの」
「それはぼくも同感だ。はっきり言えば、悪い予感がする」
「そうよね。だから、直接キヨさんに聞くべきじゃないかしら?」
「なるほど。少しでもおかしな所は分かりそうなことから調べて見た方が良いって事だね」
「ええ。叔母さんの言うように本当に楽しく過ごせれば、それに越したことはないんだけど…」
食堂から厨房までは屋敷の端から端まで移動する必要がある。厨房の更に奥には物置スペースがあるが、これではあまりにも不便だ。 普通なら隣にくっつけると思う。 厨房ではキヨさんが一人で皿を洗ったりしていた。お世辞にも要領が良いように見えない。 真理の言うとおり、専門的な人を雇った方が良いのは事実だろう。 「どうもありがとうございます」 「いえいえ、それを洗えばいいんですね」真理がにこやかに言う。 「ぼくは、生ゴミや飲み物を片づけるね」 「ありがとうございます。お二人は夫婦なんですか?」 キヨさんがすばらしいことを尋ねる。それは同時に、キヨさんが招待客、一人一人をきちんと把握できてないという証明にもなった。 「違いますよ〜」 真理が笑いながら即座に否定した。 「はぁ、そうですか。でもお似合いのようです。私は結婚することもありませんで」 お似合いすぎると言ってやって下さい・・。 「ところでキヨさんは、『我孫子武丸』さんに会った事があるんですか?」 真理が早速調査を開始する。 「いえ。何分、急に仕事して欲しいと連絡があって、昨日、こちらに伺った次第です。それまではこの屋敷を管理会社の人が管理していたと聞いとります。給金は振り込みで戴いとります」 キヨさんは『我孫子』の正体を知らない。つまり、キヨさんを選んだのは『我孫子』側に何らかの理由があったということか。 ぼくも聞いてみることにする。 A、「50年前の殺人事件って何か知ってますか?」 B、「キヨさんはここに住んでたことがあるんですか?」 C、「『かまいたちの夜』って知ってますか?」
549 :
名無しのオプ :2007/03/11(日) 21:38:23 ID:/k5i8xyq
550 :
名無しのオプ :2007/03/11(日) 22:08:07 ID:uEjjbTyd
>>545 C 「そうです、そしてあなたが犯人です」
ぼくは美樹本さんをモップで何度も何度も叩いた。
そうだ、こいつが犯人なのだ。
ばきっ。
こいつは銀行強盗をやった挙げ句、仲間を殺してしまったに違いない。
ぼこっ。
死体の処理に困って、殺人事件を演出しアリバイを確保して罪を逃れようとでも思ったんだろう。
めきっ。
ぼくを止めに入る、ぐしゃっ。
真理や小林さんも、どこっ。
香山さんも打ちすえる、ごきっ。
ごきっ。
俊夫に工作を見られ、亜希ちゃんに犯行を見られたから、殺した。
どすっ。
まったくなんて奴だ。
ぐちょっ。
ぼくはタンコブでぼこぼこと泡立つような輪郭になった美樹本さんに一瞥をくれ、
みんなの方を振り返った。
551 :
名無しのオプ :2007/03/11(日) 22:09:06 ID:uEjjbTyd
推理で追い詰められなかったのが残念だけど、見事犯人を捕らえ、
なぜか加勢しようとした真理や小林さんも打ちすえることに成功した。
大金星だ。
なのにどうしてぼくは今、底冷えのするワインセラーにいるんだろう。
取り押さえたはずの美樹本に真理が寄り添って看病してたのは何でだろう。
なんでかな。
どうしてかな。
ぼく、間違ってた?
終(
>>545 )
トリップ忘れた〜 関係各位の皆さんすみません…
553 :
名無しのオプ :2007/03/12(月) 16:52:28 ID:ItdvCeNa
554 :
名無しのオプ :2007/03/12(月) 21:13:44 ID:u/XxtZAN
>>548 のA
「50年前の殺人事件って何か知ってますか?」
ガシャンッ
キヨさんの手から皿が落ち、割れた。キヨさんが震えて、腰を落とす。
「透?何を言ってるの?」
キヨさんの動揺を見て、真理も驚く。
「いや、キヨさんは50年前、実際にここにいたんじゃないかと思って」
「どうしてそうなるのよ?」真理が聞くが、キヨさんの様子から、それが真実であることは分かるはずだ。
「うん。今、管理会社の人って言っただろ。不動産関係だと思うけど。そこの人間が『我孫子』に屋敷を売った際に、屋敷の関係者が今も存命していることを伝えたんじゃないかと思ったんだ」
「それで『我孫子』さんがキヨさんに連絡した訳ね。かつて知ったる屋敷で働いてみないかと」
だけど、それだけじゃキヨさんが雇われた理由には弱すぎる。何かあるはずなんだ。もしかしたら、その殺人事件と関係あるかも知れない。
「どこで、その事件を知りなさった?」 厨房の椅子にキヨさんを座らせ、落ち着くのを待っていたら、尋ねてきた 「船長がポロッと言ってたんです。ぼくたちが知っているのは事件があった事だけで、詳しいことは知りません」 「あの、船長か。なら、知っとるかもしれん。アレは子供の頃から、本土とこの島を父親と一緒に行き来しとった」 キヨさんは、青ざめて震えていた。 「できれば、話して貰えませんか?」真理が優しく言う。 キヨさんは軽く頷いた。 「私はその頃、この屋敷で奉公として働いとりました。底蟲村で産まれた私らは島から出るよりも、島で働くのがほとんど決まっとりました」 丘から見た、あの廃村だ。気味の悪い名前だ。 「死んだのは旦那様です。子供がおりませんでしたので、岸猿家、最後の当主になります」 真理が素早くメモを取り始めた。やはり、この屋敷は岸猿家から正式に売却されたものではなかったのだ。 当主がおらず、当時は島自体行政区分もはっきりせず、公地とすることができずに、不動産会社が管理だけしていたと考えられる。 「そして、疑われたのは私です。私が旦那様を殺したんだと…」 「…そんな。キヨさんは犯人じゃないんですよね?」 「滅相もございません。私はあんな事できませんで…」肩を抱いて震える。よほど、恐ろしい事件だったのだろう。 「それでも、私以外殺すのは無理だと責め立てられ、私は監禁されることとなったのです」 「監禁。この屋敷にですか?」宿として使うもんじゃないよ。まったく。 「元々、私設監獄だったとは聞いてます。50年前は違ったんですか?」
「はい。その原因が…。これは、村の大人が言ってた話ですが、100年前の話です。当時は完全な私設監獄でした。100年前の『かまいたちの夜』に 囚人達が脱走を試みますが、失敗に終わり、見せしめに外の監視塔に首を吊らされ、晒しものにされました」 あの不気味な監視塔か・・・。何か曰くありげだったけど、そんなに恐ろしいものだったとは。 「その時、囚人達は恨みを残したと言います。50年ごとの『かまいたちの夜』には必ず人が死ぬという呪いだそうです」 それから数えると今回が2回目になる訳だ。前回も人が死んだのは事実なのだろう。なら今晩も誰か死ぬのか? 「囚人を見せしめに殺したのはいいものの、こんな辺鄙な島に囚人が送られてくることも減り、監獄としての役目は、50年前にはありませんでした。しかし、50年前でも鍵とか一部の機能は監獄そのもので、外側から鍵をかけ、部屋に閉じこめることもできたのです」 詳しいことを調べない限り、キヨさんが犯人かどうかも分からない。 A、「警察に通報しなかったんですか?」 B、「どうしてキヨさんが疑われたんですか?」 C、「当主の殺害状況は?」
558 :
名無しのオプ :2007/03/12(月) 21:40:48 ID:Y5MUM6ej
557 んーどうしよう… Cでお願いします
>>557 のC
殺害状況について聞いてみることにした。記憶の方は全く欠落してないと言う。
落ち着きがないキヨさんの話を、真理とぼくとで所々質問を混ぜたりして要約する。
50年前の8月15日。
夕方から風が強くなり、夜半からは完全に暴風雨となったらしい。
その時、屋敷にいたのは岸猿家の当主と使用人、そして、底蟲村から避難してきたという老若男女、十数人がいた。
100年前の当主は見せしめに人を殺して吊り下げたようだが、最後の当主は村の住人を保護するあたりそれなりの人格者だったようだ。
キヨさんと当主が持つ玄関の鍵を閉めると、その日はもう外に出ることは出来なくなったという。
外の門を閉めた男の使用人が、本来ならキヨさんが玄関の鍵を閉める前に塀に囲まれた敷地内を見回りするのを交替して行った。
キヨさんはその男に感謝して、玄関の鍵を閉めた。その頃、当主は既に姿を見せていなかった。晩の食事が済むと、いつも自室に引きこもるので、誰も不審には思わなかった。
『かまいたちの夜』があけると、屋敷2階の角の部屋から、水がかなり染み出しているのを、同じく2階に泊まっていた村人が発見し、使用人たちが集まった。
ここは、ぼくたちがさっき見たとおり、窓のある部屋だから、当初、雨水が窓から入ったのではないかという考えだったが、掃除をしようと扉を開けようとしても開かなかった。
ここで問題となったのがドアノブの下についた鍵である。今でいうところのサムターン錠のようなものらしい。 キヨさんの説明のように、当時は外側から鍵をかけることになっていたのだが、その鍵は合鍵もなく当主だけしか持っていなかった。とはいえ、元々、ここは普段から閉まっているので、その時は特に誰もおかしいとは思っていなかった。 鍵穴が縦の時は開いており、横の時は閉まった状態だ。このときは横になり確実に閉まっていた。 また、内側には金属製の丸いスライド錠がついているが、中に人がいないのなら、それが横にスライドされて、扉が開くのを阻止しているなんて事はあり得ないと思っていた。 まずは扉自体の鍵の方である。使用人たちは当主を捜すものの、屋敷中、全く見つからない。 それならばと思い、ようやく玄関をキヨさんの鍵で開けると、外は台風一過のように青空が澄み切っていたという。 玄関の鍵は当主も持っているため、外にいるのではないかと思ったが、門は昨夜の閂がかけられたままで、門も裏門からも誰かが出た形跡はなかった。 そこで、使用人の一人が風切り鎌に服の切れ端が、ついてるのを見つけた。あの水がしみ出た部屋の窓の横についてた鎌に・・・である。 使用人たちは急いで部屋の前に集まり扉を壊すことにした。 ノブの下についた鍵を壊すが、それだけでは入れなかった。扉に体当たりすると、内側についてたスライド錠が吹っ飛んで外れた。 驚いたことに内側からしかかけられないスライド錠と外側からしかかけられないサムターン錠が両方閉まっていたのだ。 床一面には水が染み込み、一部は溜まりにもなっていたという。 そして、窓は大きく開け放たれていた。 この不可解な現象を完全に説明できたかも知れない人物はその部屋の中央で変わり果てた姿で亡くなっていた。 その人物・・・岸猿家の最後の当主はあまりにも無残な状態で発見された。 まず喉が切られていた。ざっくりと割れているように。 そして、手足などの四肢には数個の切り傷があった。手首の一部はぎりぎり繋がっている状態ですらあった。 いくつか、痣のようなものもあったらしいが、死斑と区別がついていたかどうかは今となっては定かではない。 「『かまいたちの夜』に殺され吊された人たちの祟りだ・・・」と誰かがつぶやいたという。 これが50年前の事件である。
「結局、解決はしてないんですよね?」 真理が聞く。 「はぁ。何分、船が来なくて、遺体の腐敗も早くその・・・」 キヨさんが言い淀む。腐ってきたのだろう。それだけ傷ついた死体で真夏の暑さも手伝ったら相当腐敗の進行は早そうだ。匂いも非道かったに違いない。 「丁重に埋葬させていただいた次第で・・・」 埋めるよね。そりゃ・・・。 「警察にも連絡できないまま、屋敷では犯人捜しが始まりました。そして、私が・・・」 「そう…」真理が考え込む。 不意に何か思いついて、顔を上げる。 「透。わらべ唄で死因になりそうなものが、この事件に入ってるわね」 「えと、喉を切られて、手足をもがれて、高みにたたされ、大雪降らせ、だっけ?」 「よく覚えてたわね。さっきのヒロシは何だったのよ」真理が笑う。 「そう、高みが2階だってことと、水が大雪の代わりだと言うのはちょっと苦しいかも知れないけど、もしかしたらこれは見立て殺人じゃないかしら?わらべ唄の」 「ふ〜ん」 「もうっ。気のない返事ね。推理してみる気ある?」いたずらぽっく笑う。 A、ある B、ない
562 :
名無しのオプ :2007/03/13(火) 22:44:25 ID:SDtOwP9f
無気力にBでw
563 :
名無しのオプ :2007/03/14(水) 00:40:53 ID:yS8gq/mZ
内外両方の鍵が閉まっていた理由は、 どうにかして外(窓)から入って殺して内側の鍵を閉め、その後外から鍵を閉める 一旦外に出る方法としては、 ・玄関から 玄関の鍵を持ってるのはキヨなので、犯人は実質キヨに限定される キヨが監禁されたのはこれと考えられたからだろうか? ・逆側の窓から 全ての人に可能性が生まれる しかし、雨が降ってる中どうやって犯行現場に行ったのかが不明 ・そもそも戸締りをする前に殺している これだと、具体的にはキヨの代わりに見回りに行った人が怪しいか 最も現実的な方法とも言える 無気力な透の代わりに軽く推理してみた 間違ってる気しかしないw
564 :
名無しのオプ :2007/03/14(水) 20:03:10 ID:hLUGYXyh
モナギコスレに貼ってきたいな…
565 :
名無しのオプ :2007/03/14(水) 21:12:44 ID:F48nT+s5
>>563 その段階で、100%正しい推理してる。問題としてはまだきちんと成立してない。
実際に「キヨだけが可能だった」という下記の情報が加わる。
・もう一方の窓のある反対側の部屋(あの物置)も外(廊下)側の鍵がかかっており。当主が持つ同じ鍵束にくっついている。
・鍵束は当主の死体の腰巻き(ウェストポーチみたいなもの)にくっついたままで発見時に誰かが後からつけたという細工は一切してない。
・門を閉め見回りをした男が、外にいたのは3、4分程度で、使用人達も確認していた。翌朝の状況からも少なくとも門を閉めたのは事実であるため、窓に登ったりして細工するにしてもあまりにも時間がたりない。
鍵束を当主の死体に戻したら、その部屋の外に出ることはできず(監獄の機能)、入り口は窓を経由した玄関だけになる。
玄関自体夕方から閉められており、当主が姿を消してから、屋敷から姿が見えなくなった人間はいなかった。
↓
当主をあらかじめ部屋で殺害し、鍵を奪い、部屋の外から鍵をかける。この時点で床1面に水を広げない(これは雨が入り込んだにしては多すぎる量)。
玄関を閉めるのを確認後、みんなが寝静まった頃に、玄関をあけ窓から侵入し、部屋や死体にわらべ唄に見立てて細工、鍵束を死体に戻す。内側のスライド錠を閉め、ふたたび窓から縄か何かを使い降りる。
そして、玄関から入り、鍵を閉め終了。
それが出来たのは玄関の鍵を持つキヨだけであったと屋敷の人々は当然思った。
566 :
名無しのオプ :2007/03/14(水) 21:14:10 ID:F48nT+s5
というわけでキヨは監禁されることになる。 しかし、暴風雨の中、窓からの上り下りをしたり、小柄な女性のキヨが床一面に水を張ったり、何より自分しか犯行可能でない状況を作るという不可解な事もあったため、その結論は正しいのか疑問視される。 キヨの部屋や移動先から凶器や、その他道具が見つからなかったことや、真面目さなどからも島の人間はやはり違うんじゃないかと思いキヨを釈放する。 結局この事件の真相は分からないまま(一部はキヨが犯人であると疑ったまま)、「呪い」「祟り」が具体性を帯びる。 もちろん、呪いとかを完全に信じ切っている人間は少数だったが、島の有力者の岸猿の当主が死んだことにより、島の財形を管理する人間もいないので、必然的に本土への移住が始まり、三日月島の歴史が幕を下ろすことになると・・・。 50年前の殺人事件の不可解な状況を透、真理が推理で解答を導くのか。 もちろん、キヨが犯人ならそれで終わりだし(事実キヨが犯人でない確実な証拠もない) 50年後の今、身よりもない老い先短いキヨが犯人として自白しないのなら、本当に犯人は別の人間で何らかのトリックが使用されたのかを推理するのかどうかというお話。 だけど、この事件は「50年前に殺人事件がありキヨが疑われた」という部分以外、特に本筋にはあまり関係ないし、ただでさえ三日月島編は冗長なので、お言葉に甘えて次に行くわけである。
>>561 のB
「ないよ。だって50年も前の事件だろ?証拠があるわけじゃないし、考えても無駄でしょ?」
ぼくはそう言った。間違ってはいないと思う。
大体、キヨさんだって、そんなおかしな話して、実際の犯人の可能性もある訳だ。
そんな事件が、『我孫子』と関わってくるなんて思えない。
「本当にそれでいいの?」
真理が真剣な目で訴えてきた。
ぼくは少しだけひるむ。
A、「ごめん。やっぱり考え直すことにする」そもそも、情報集めをしているのだ。何か分かるかも知れない。
B、「いや、もういいよ。だって面倒だし・・・。みんな所に行こうよ」断固として、頭を使いたくないのだ。
568 :
名無しのオプ :2007/03/14(水) 21:37:43 ID:z0883EB4
Aでお願いします
569 :
563 :2007/03/15(木) 04:46:45 ID:DmBCpULt
当主を外で殺し、窓がある部屋を戸締りし、 窓から当主の死体を持って殺害現場(とされてる場所)に進入 とかはどうだろう? と思ったけどこの方法穴だらけだw しかも話の本線に関係ないようなので俺の無駄な推理はそろそろやめます
570 :
名無しのオプ :2007/03/15(木) 21:26:40 ID:yw5fqrne
>>569 ストレス溜めない程度に考えることは、脳に良いよ。
水を利用したのは血痕が無い事がばれるのを防ぐためって考え方は出来る。
でも、実際に島の人たちはそれほど、頭が悪いという訳でないので、単純に犯罪行為として見た場合「不可能犯罪」と考えて良い。
といっても、現実にキヨが犯人で無かった場合、普通なら不可能な事が起こってしまったわけで・・・。
事象(現場の状況や時間)=犯人が失敗したこと+犯人が意図的に出来たこと+犯人の意図と全く関係なく確率の低い出来事が偶然起きたこと。
高いビルの上からボールを落とし、地面の同じくらいの穴の中にボールがはまる可能性は極端に低くても、それは決して零ではない。
しかし、その穴の近くに全く同じボールを持っている人間がいたとする。落としたボールが穴にはまる直前までボールを持っていて、持っていたボールはどこかに風で飛ばされたのなら、周りにいた人間は、その人のボールが地面にはまったと思うより他はない。
色んな情報を元に、今の段階でも解けない訳ではないので、脳を刺激してあげても良いかも知れない。あまりにも、難しいけど。
一応凶器も本文中に書いてある。もしやるなら現場の状況から帰納的に推理することかなぁ・・・。
>>567 のA
「ごめん。やっぱり考え直すことにする」
「ほんと?」
真理の表情が明るくなる。
「もちろん、透の言うように今の段階でその犯罪を立証する方法はないわ。でも、考えてみることに価値はあると思うの」
そうだろうか?まぁ、とりあえず付き合うとしよう。
「じゃぁ。前提として考えるべき事を決めましょう」
そう言って、キヨさんの方を見る。
「つまり、キヨさんが犯人でないという事から考える訳。外側からしかかけられない鍵ってのがやっかいね。
遺体にその鍵がくっついてた訳でしょう?」
キヨさんに確認する。
「そうです。部屋を開けたときに、誰かが旦那様に鍵束をつけるような真似はしてなかったようなのです」
「そうでしょうね。もし、そんな怪しいことしてたらその人物が犯人ですからね」
「ってことはどういう事?どういう意味で考えればいいの?」 もっと、はっきり言って欲しいものだ。 「キヨさんが疑われた唯一最大の理由は当主以外に玄関の鍵を持っていたことね。犯行手順はこんな感じね。 まず、当主をあらかじめ部屋で殺害しておいて、鍵を奪い、部屋の外から鍵をかける。 玄関を閉めるのを確認後、みんなが寝静まった頃に、キヨさんは玄関をあけロープか何かで窓から侵入し、部屋や死体にわらべ唄に見立てて細工、鍵束を死体に戻す。 内側のスライド錠を閉め、ふたたび窓から縄か何かを使い降りる。 そして、玄関から屋敷に入り、鍵を閉めたって感じかしら」 「ああ。つまり、玄関の鍵を使用しないで、犯行を行う方法考えるってことか」 そういう意味らしい。 「現場の部屋ってのはどっちなんですか?」 「ここの上の角部屋です」 「反対側の角部屋の窓と扉はどうでした」 「部屋自体は外(廊下)側から鍵で閉められてました。窓もそちら側は開いてません」 「ますますキヨさんが怪しくなるわね」 「はぁ」恐縮する。 「今日は誰が泊まる予定なんですか?」 ぼくだったら、絶対ごめんだ。 「美樹本様と指示を受けております。『我孫子』様が部屋割りを決めまして…」 なんだ。美樹本さんか・・・。そう言えば飛び入りの正岡さんはどこで泊まるんだ? 真理が少し考えた後、メモに何か書き加えた。 A、「真理は何か思いついたの?」 B、「じゃぁ、やっぱりキヨさんが犯人なんじゃない?」 C、「当主が自殺した可能性はないのかな?」
573 :
名無しのオプ :2007/03/15(木) 22:29:47 ID:gwr+VPY6
('A`)で
>>573 のA
「真理は何か思いついたの?」
「ええ、もしかしたら謎が解けるかも知れないわ」
「キヨさん以外の人物にも犯行が可能ってことかな?」
「わたしが気になるのは、犯人はなぜ内側のスライド錠を掛けたのかってことなの。鍵は扉を開けさせない目的で掛ける訳だけど、どちらかがかかっていれば両方掛ける必要はないでしょ」
確かに扉を開けさせないのが目的なら片方だけ掛かっていればいい。
「でも、実際は両方掛かってた訳だよ」
「そこが文字通りのキーポイントね」
どう考えればいいんだろ?
「本当は内側の鍵しか掛かってないとしたら?」
「えっ」
「実際は内側の鍵しか掛かってなかった。外側の扉は掛かってるように見せかけただけなの」
「つまり、当主の持つ鍵は必要ないって訳か」
「ええ、内側の鍵さえ掛かっていれば扉は開かない。壊してしまえば、証拠も消えるわ」
本当にそうだろうか?
「具体的な細工の方法としては、鍵穴を横に見せかけるってことね。鍵のカバー部分をを横にして穴の写真か、絵をはめておくの。塗りつぶした紙でも見た目は大丈夫じゃないかしら」
「また、変なやり方だね・・・」
「で、そうすると問題になるのは?」
「部屋の外から、スライド錠をかける方法」ぼくは言ってみた。
「よく分かってるじゃない」真理がにっこりと笑う。
「はぁ、今の部屋でも、鍵の形状は同じですから実験はできます」
キヨさんが、説明する。真理が厨房の内鍵を見る。
「鍵の方は扉についてて、壁に受け金があるタイプよね。まず。手でつまむツマミに、糸を引っかけて、反対側の受け金に糸を通して部屋の外から引っ張れば、スライド錠は横にスライドして密室が完成」
「・・・・」
「どうかしら?」
「糸の回収は?」
「言うと思ったわ。二重の輪みたいにしておけば、あとで一方を離して糸だけ回収できるの」
「・・・・」
「どう?ぐうの音もでないでしょう」
「ぐう」
ぐうの音という物を出してみた。
「もうっ。真剣に考えてる?じゃぁ犯行手順を考えましょう。 まず、時間の問題があるわね。これは、今言った方法を使えば、時間には余裕が出来る」 「そうだね。それなら屋敷の外に出なくても犯行ができるってことだからね」 「そう。屋敷の現場の部屋で殺して、見立ての細工をして、鍵の細工をして終わり。これだけね」 「えらく単純だね」 「事件の真相なんてそんなものよ」 真理は満足そうに胸を張る。 「その場合、誰でも犯行は可能だから、犯人は特定できないわけか・・・」 A、真理の推理は正しい。 B、真理の推理はおかしい。 C、真理の胸は怪しい。 D、やっぱりキヨさんが犯人でいい。
576 :
名無しのオプ :2007/03/16(金) 21:54:03 ID:9SYyLOpo
早く続きが読みたい気持ちを抑えてCで
577 :
名無しのオプ :2007/03/17(土) 05:59:14 ID:UlYPUNss
見立て殺人に密室、という時点でおかしな行動 (基本的には見つからない為の密室、見つからなければ意味がない見立て) ここらにも謎が隠されてる気がするね
578 :
名無しのオプ :2007/03/17(土) 17:41:53 ID:RBkhtnlc
色々、気になるぜ。
>>575 のC
真理の胸は怪しい。
これは推理なんかしてる場合じゃない。
「真理、ちょっと気になる事があるんだ」
ぼくは真剣な声で言った。
「どうしたの?急に真面目な顔しちゃって」
ぼくは、ゆっくりと真理の胸に手を伸ばす。
「チェストォォ!!」
グサリッ
自分の胸に痛みを感じた。血がどくどく出ている。
「なっ。なんだこりゃぁ」
「キヨさん・・・・」
キヨさんがぼくを厨房にあった包丁で刺したんだっ!!!血が止まらない!!
「私じゃないです。私じゃないんです」
キヨさんは震えながら、譫言のように繰り返す。
ぼくは理解した。
今、ぼくが間違った推理や変なことをしようとすると、なぜか極限の緊張状態にあるキヨさんに刺し殺されてしまうのだ。
恐ろしいルールだ・・・。
とりあえず、ぼくは死んだ。
コンティニュー
>>575 のAorBorD
580 :
名無しのオプ :2007/03/18(日) 00:07:28 ID:iThqX0NO
D
581 :
名無しのオプ :2007/03/18(日) 00:28:13 ID:KNoCrMUh
住民の悪ふざけに、ついに職人がキレたかw
582 :
名無しのオプ :2007/03/18(日) 01:22:21 ID:GrPW2FIY
583 :
名無しのオプ :2007/03/18(日) 08:40:27 ID:Wjm/5Zti
彩りとしてのネタ選択肢は用意したいけど、展開に困るってとこかな
584 :
名無しのオプ :2007/03/18(日) 14:04:43 ID:OODlS4Zp
>>581 >>583 違う。違う。真相が一つの推理部分なんかシナリオ的に展開しようがないんで選択肢はアタリ、ハズレだけ設定していこうと思ってたんだけど・・・。
選択肢が罠というか推理ゲームみたく、失敗、奇行→即エンドみたいなルール説明的な事をした上で進めようと思っただけど、そんなの面白くないだろうしなんか鼻につくのでやめとく。
>>575 のD
「やっぱりキヨさんが犯人でいいよ」
ぼくは、諦めてそう言った。
「どうしてよ」
「だって、真理の説明ではおかしな部分が多すぎるし」
「はあ、そうでしょうね」キヨさんも同意する。
「だから、どうしてダメなの?」
「鍵にそんな細工してたら、気付かない訳ないだろ」
「だから、犯人が鍵を壊そうって言い出したんじゃない?」
「鍵を壊しても、上手く壊れず、カバー部分だけ外れたり、外から梯子か何かで様子を見ようって話になる可能性もあるでしょ。
それ以外にも色々問題がありすぎる。水を調達する方法だって、上の階にはないとしたら、下の階まで降りたり何往復もしないとダメだし」
「そうです。その部屋にも2階にも当時、水道はありませんでした。そう言った検証も全て行っていました」
「部屋の中から雨水を桶とかに溜めたりすればいいと思うけど…」
「気の長くなる話だね。そこまでして、そんな中途半端な見立て作っても仕方ないと思うよ」
キヨさんが無念そうだ。
「とりあえず、少しだけ『かまいたちの夜』ってのを体験してみようよ」
ぼくは立ち上がって真理に提案した。
「体験?」
「うん。・・・・キヨさん、玄関は今、開いてますか?」
「いいえ、さっき、閉めましたので…すいません」
「ちょっとだけ開けて貰えますか?」
「はい」そう言って、立ち上がる。
ぼくたち3人は玄関に向かった。
ゴウッ 玄関の扉を開けると、すさまじいまでの風が入り込んできた。雨も相当強い。 「きゃっ」真理が小さく悲鳴を上げる。 「うわぁ。ひどいなこりゃ」 風が強くまともに目も開けられない。地面はすでに水が溜まっていて、その上に雨が強く叩き付けられる。 「二重扉なんですね」 玄関の扉内側に開けた真上に、入った時には降りてなかった重そうな扉が見える。 「あれが下に降りてくるんだ。だから、雨水が塀の中に貯まっても屋敷内までは侵入しないのか」 玄関の扉の少し離れた位置にある溝は門がはまり込むためのものだろう。 「今日はこっちの扉は降ろさないんですか?」 「あとで降ろします。玄関閉めていいでしょうか?」 キヨさんが少し離れた位置で大声で確認した。 「ありがとうございます」ぼくは玄関の扉を閉めて貰った。 「…これってもしかして…」 「うん。はっきり言ってキヨさんですら、外で作業するのは無理だろうね」 ぼくは説明した。 「それでもキヨさん犯人説にすがるしか無かった…。わたしの考えた鍵のトリックも考慮に入れてた可能性はあったの…?」 「多分。それ以外にも、ありとあらゆる可能性を吟味してたと思うんだ。玄関の鍵を持つキヨさんなら状況はどうであっても時間的な問題だけはクリアできるからね。はっきりと凶器や縄とかの道具でも見つかればまた話は変わってたと思うけど」 真理がため息をもらす。 「もういいだろ。やっぱりぼくたちにそんな謎はとけないんだ。今じゃ情報も少なすぎるし。それにこの事件は『我孫子』とは関係ないと思う。違う方向から考えていいんじゃないかな?」 「謎は謎のままかぁ。仕方ないわね」
午後9時半 そういえば、長い間、厨房にいたせいで、みんなの状況が把握できてない。 1階の厨房と玄関の間にある河村さんの部屋で、キヨさんが飲み物をおいてきた。 「…ありがとうございます」と弱々しい河村さんの声が聞こえた。 玄関と横にあるトイレ、洗面所の隣の客室が河村さんの部屋のようだ。 とりあえず、食堂を閉め、もう休むというキヨさんと別れて真理と応接室で一息つくことにした。 「よう。遅かったな」 応接室に入ると、何人かがいた。 「外に行こうと思ったが、あいにくの天気でね。仕方なくここで、小さな飲み会を開いているのさ」 美樹本さんと小林さんは夜釣りに行こうとしたらしい。 「部屋にいても何もないし」可奈子ちゃんたちも一緒にいる。正岡さんも一緒だ。 いないのは、河村さんと香山さん夫婦、俊夫さん夫婦たちか・・・。 「みどりさんが気分がすぐれないらしいの」今日子さんが意味深に言う。 ぼくも少しだけ飲む。 今日は意外と疲れた。 A、もう休む。 B、まだ、少しだけここにいる。
588 :
名無しのオプ :2007/03/18(日) 16:09:03 ID:awDfVnd5
589 :
名無しのオプ :2007/03/18(日) 17:34:02 ID:92JThxtk
事件の解答なしのままなのか?
590 :
名無しのオプ :2007/03/18(日) 20:19:08 ID:c86PP8TR
いいんでない? これから少しずつ明らかになっていくだろうし
591 :
名無しのオプ :2007/03/19(月) 15:43:34 ID:m63kusVA
いや、そこはもうこれからの展開には不要なので無しでもいいかなと。
>>587 のB
ぼくは少しだけ飲み会に付き合うことにした。
「部屋割りなんですけど、誰がどこの部屋なのか聞いてるんですか?」
ぼくはまだ、自分の部屋を聞いてなかった。
「ああ、自分の部屋の扉にでっかく貼ってあるよ。カタカナで書いた紙が」
美樹本さんは、自分の部屋で殺人事件が起きたことなど知らないと思う。船長の話すら聞いてないはずだから、追求しようがない。
「それにしても、みんな成長したなぁ」
小林さんが感慨深げに言う。
「あれから1年半かぁ。月日の経つのはあっという間だ」
正岡さんも少し口をつぐんだ。全員が感傷的になっているのを察してのことだろう。
「小林オーナーと今日子さんは俺と取材で会ってますけどね。女性陣なんか、随分と綺麗になってる」
美樹本さんがさらっとお世辞を言う。大人の男性の貫禄という奴か。
「美樹本さんもカメラマンとして人気じゃないですか?結構、いろんな本で見ますよ。名前」可奈子ちゃんが言った。
「料理の撮影も上手ですよ。すごく美味しそうですもん」啓子ちゃんも褒める。
「それは、褒められてるのかなぁ」美樹本さんが頭を掻きながら苦笑した。
部屋の中でどっと笑いが起きる。
ぼくはどうだろう?女性は綺麗になったかも知れない。そう思う。
俊夫さんとみどりさんは結婚した。香山さんも春子さんと別れ、夏美さんと再婚した。
小林さん夫婦も、ゲームの影響で大忙しになり、シーズンが到来すれば毎日充実した日々を送るんだろう。
真理は、本当に綺麗になった。直接会ったのが1年半ぶりだからより一層そう思うのかも知れないけど・・・。
多分、ぼくだけが変わってない。
なぜか、一人だけ取り残された気分になった。
午後11時 随分と話し込んだ気もする。最初仲が悪いと思って正岡さんと美樹本さんも、飲んでる内に意気投合したのか、次回作は美樹本さんの写真を使うやら、大きな話になっていった。 次回作の舞台は『我孫子』の予定ではこの島だから、またぼくたちが殺されるのかも知れない。ちょっと勘弁して欲しい。 「では、この辺でお開きにしますか」美樹本さんが締める。 「そうですね」 すでに小林さんたちは上がっているので、残ったのは20〜30代の若者だけだったが、さすがにこの時間になるとしんどい。 全員で応接室の後かたづけを始めた。 真理と一緒に部屋を出ると、どこからか怪しい読経が聞こえてきた。気味が悪い。 A、様子を見に行く。 B、耳をふさいで逃げる。 C、応接室に戻る。
594 :
名無しのオプ :2007/03/20(火) 01:37:09 ID:CZCyuXyU
Cで
595 :
名無しのオプ :2007/03/20(火) 13:51:21 ID:PTJzQGmd
選択肢の結果で話が飛ばされるってのもなんだな
596 :
名無しのオプ :2007/03/20(火) 15:17:28 ID:GBiBr193
ただでさえ、長いしね。
>>593 のC
ぼくは一旦応接室に戻った。
「どうかしたんですか?」
可奈子ちゃんと啓子ちゃんが不思議そうに聞いてきた。
「いや、怪しい呪文が聞こえるんだ。なんかヤバイ」
「それって…」
二人が顔を見合わせる。
「夏美さんじゃないかな…」
「え?」
「行ってみましょう。透」
真理に引っ張られながら、連れて行かれる。
応接室を左に曲がり、すぐに夏美さんの姿を発見した。
応接室から数えて2番目の客室の前で、数珠を持って一心不乱に何かを唱えている。
かなり真剣な目つきだ。
「〜〜所所方方に急に罷往ねと追給ふと詔るに姦心を挟んで留りかくらば、
大儺公、小儺公、五兵を持ちて追走り〜〜」
「ナンミョウホウレンソウ・・・・」
ぼくも怖くなってお祈りする。
「ぶっ」
突然、夏美さんが吹き出した。
「なんやねん。透くん。そのおまじない」
「あの、おかしかったですか?」
ぼくは真面目にお祈りしたつもりだ。
「おかしすぎるわ」なんかお祈りしてるときの雰囲気と違って大笑いしている。
「お祈りするのはかめへんけど、笑わせるのだけは堪忍してや」
「何をしてるんですか?」 真理が尋ねる。 「ここに邪気が溜まっとるみたいなんや。ちょっとした御祓いやな」 「中には何があるんですか?」 真理がドアのノブに手をかける。 「あら?開かない。鍵が掛かってるのかしら?」 ガチャガチャと回すが、一向に開かない。 「なんや鍵穴に鉄屑みたいなモンがつまっとるんや」 「あ、本当だ」のぞき込んだ真理が声をあげる。 「これじゃ開けられないわね」 「開かずの間ですか?」可奈子ちゃんが目を輝かせて言った。 「何かしらの理由で開けんようにしたんやろうけどな…。それとは別で」 夏美さんが考え込む。 「気になることでもあるんですか?」 啓子ちゃんも興味津々だ。ぼくは悪霊じゃないが退散したい気分だ。 「邪気が新しい気がするんや…。ごっつ最近てか、今日運ばれたばっかのような新鮮な邪気や」 そんな・・・キャベツじゃあるまいし・・・。 「それってもしかして、『シュプール』から来たんじゃ…」 昼間に見た雑誌記事を思い出してか、可奈子ちゃんが面白そうに言う。 「憑き物やったら小林さんらが運んできたのかも知れんけど…。なんて言うか全員に小さく憑いてた物が一気にここに溜まったて感じなんや」 ゾクリ 背中に悪寒が走る。 真理は特に興味がないような顔をしている。怖くないのか? A、「真理は怖くないの?」ぼくは聞いてみた。 B、「それってどんな霊なんですか?」何か気になる。 C、ガムを噛んでみることにした。
599 :
名無しのオプ :2007/03/20(火) 16:22:48 ID:fnOUeU/c
どれ選んでも面白い展開になりそうなんだけど。 Aで。
>>599 「真理は怖くないの?」ぼくは聞いてみた。
「全然。現実の殺人鬼の方がよっぽど恐ろしいわ。透は怖いの?」
「だって、現実の殺人鬼は鍵をかけた部屋に入ってくる事はできないだろ?幽霊はできるんだよ」
実に恐ろしい。深い恨みを持った幽霊だったら・・・。
「ふふ。実際にいたらそうかもしれないわ。ほら、啓子ちゃんたちだって面白がってるのよ。それにしても夏美さんも何だか本格的ね」
OLの二人に色々説明している。
「いずれにしろ『我孫子』に聞かず、扉を壊して入るのは無理やかい、出来ることだけしとかな」
そう言って懐から、大きめのお札を取り出す。赤い文字が書いてあるが読めない。
「なんですか?それ」可奈子ちゃんが聞く。
「霊験あらたかな封呪札や。欲しいんなら、まだあるから売ったるで」
さすが浪速の商人の妻である。こんな所で商売とは・・・。ぼくは呆れた。
札を壁と扉にくっつくように貼る。もし、仮に誰かが扉を開けたら、剥がれてしまうだろう。けど、これで幽霊が出てこないなら安心だ。
「いくらなんですか?」
買う気なのか?可奈子ちゃん。
「う〜ん。特別におまけして本来なら5万円の所を5千円にしとくわ」
高安っ。元の値段の異様な高さも驚きだが、値引き率も半端じゃない。むしろ逆に怪しい。
「ええ〜。ホントですか?すごいお得〜。1枚下さい」可奈子ちゃんは買うらしい。通販番組を見る主婦のようだ。
相場はいくらなんだ?これ。
「おおきに」夏美さんは本当に売買を成立させた。
「ほんなら、うちはもう寝るわ。邪気はまだ消えとらんけど、多分大丈夫やさかい。けんど、夜中の出歩きだけは気をつけときぃ」
夏美さんは、2階に上がっていった。
「わたしたちも自分の部屋に行きましょう」
「うん」
そうだ。ぼくはふと思いついて、自分の財布に入れていたおやつのおまけについてたシールを貼ることにした。
小さいので壁と扉の両方くっつくように貼るのが意外に難しい。
「よしっ」とこれで、少しは足しになっただろう。壁の出っ張りの目立たない所に貼っておく。
「どうしたの?」先に歩いていた真理が聞いてくる。
「なんでもない」
足早にその部屋の前を離れた。
人が引き上げた1階は閑散として、不気味だった。 真理と一緒に階段で2階に上がる。よく考えると初めて2階に上がったことになる。 上がった所には小さな机と椅子が置かれ、休めるようになっているようだ。少し薄暗い。 上がって正面の左右には壁と天井にくっついた鉄格子がある。幸い、鉄格子の扉部分は撤去されてる様なので安心だ。 1階同様、屋敷の形状でここから廊下の先までは見ることができない。 応接室、厨房、物置、食堂が丸々囚人部屋、もとい、客室になっているのなら、相当な数の部屋数である。 A、「囚人になった気分だね」 B、「何だか恐ろしいね」 C、「部屋の数多いね」
602 :
名無しのオプ :2007/03/21(水) 13:44:22 ID:LylOOsxI
c
>>601 のC「部屋の数多いね」
「殺人事件のあった部屋があっちで、反対側は物置で、客室は全部で19部屋らしいわよ」
「へぇ。ホテルとしては十分だね」まず、流行らないだろうけど・・・。
「右端からつめられていくみたいね」
「ここから左右に分ければいいのにね」なんでそんな不便な真似を・・・。
「あらわたし、ここみたい」
真理が2階ロビーからすぐ左手に「コバヤシ マリ様」と書かれている。
「階段が近くていいね」ぼくはどこだろう?
ガチャッ
「じゃぁね。透、お休みなさい」そのまま部屋に入る。
はやっ。何も言わずに別れるハメになってしまった・・・。ぼくはとぼとぼ、右に向かって歩く。
ワタセ、キタノって・・・ああ啓子ちゃんか。シノザキって誰だっけ?、ナツミ、ん?何も貼ってない部屋がある。空き部屋かな?
コバヤシ ジロウ、カヤマ、クボタ、ヤジマ・・。
ああ、あった。あった。ここが僕の部屋か・・って・・美樹本さんの隣じゃないか!!
人が死んだ部屋の隣なんて縁起が悪い。さらには真理の部屋からも離れすぎている。うう・・・。我孫子め恨んでやる。
部屋は狭くて閉鎖空間と言ってもいいと思う。小さな部屋にベッドと、机、そしてルームライトが置かれている。一応壁にクローゼットがあるが、夏場なので荷物置きにしかならないな。
コートを持ってる正岡さんは別だろうけど・・・。ちょっと窮屈かな。
ぼくの荷物は運ばれており、机に鍵がおいてある。昔の鍵と違ってドアノブ自体についた鍵で新調してあったから、そこは安心だ。
内側にはさっき聞いたとおり、厨房と同じようなスライド錠がある。寝るときは掛けておこう。
ベッドに腰を下ろす。・・・・カサッ
手に紙のような物が当たる。新聞の切り抜きだ・・・。「何だろう?」一昨年の12月?なんでこんな古い記事が・・・。
表面にはヤクザのような男が笑顔で笑ってる写真が出ている。
「ふむふむ、ノリ、笑顔の契約更改か」
裏面はと・・・。
「雪山で女性はね逃げ。交通事故で意識不明の重体・・・」
交通事故・・・。はて、どこかで聞いたような・・・。
ぼくは記事を詳しく読むことにした。重要なのは・・・
A、ノリだ。
B、事故だ。
604 :
名無しのオプ :2007/03/21(水) 17:07:37 ID:LylOOsxI
せっかくだがbで
>>603 のB
記事を詳しく読むことにする。
N県・・・。どうやら現場は『シュプール』の近くらしい。
被害者の名前は『河村亜季』・・・。
河村さんだって!!!?
19歳・・・。
彼女が言っていた事故ってこのことなのか。それでようやく意識が回復したのか・・・。
逃げた相手は、新聞の日付では見つかってないとのことだ。
どういうことだろう?
あの夜は、たしか吹雪だったはずだ。
恐らく、吹雪く直前に救助はされたんだろうけど、証拠といった物は消えてしまったんだと思う。
だから、はねた相手は分からなかったんだ・・・。
調子は悪そうだし、後遺症もあるみたいだけど、意識が回復して良かった・・・。
それにしてもなんで、この新聞記事がぼくの部屋にあるんだろう?
チンコーン
ぼくの頭の中で電球が光った。
そうだ。真理にこれを見せに行こう。いい口実だ。
だが、幽霊も気になる。
A、部屋にいることにする。
B、幽霊なんてへいちゃらだい。真理の部屋に向かう。
606 :
名無しのオプ :2007/03/23(金) 16:08:11 ID:j5E4q7Fs
Bで
>>605 のBせっかくのチャンスを無駄にしてたまるか。ぼくは新聞の切り抜きを持って、颯爽と立ち上がる。
外開きのドアを少しだけ開いて、周りの様子をうかがう。右手は美樹本さんの部屋で行き止まり。
カチャリッ
どこかの扉が開く、円形だから先が見にくいが、開いた扉はあの名前の貼ってない部屋だった。
誰だろう?
僕は外に出て、少しづつ移動する。
その部屋から出て行ったのは美樹本さんだった。どうしてその部屋にいたんだろう?
どうやらトイレにでも行くらしい。階段を降りていくような音が聞こえる。
鉢合わせになったら気まずいな・・・。ぼくは息を潜めながら、美樹本さんが戻ってくるのを見えない角度で待つ。
5分くらい経って、美樹本さんが戻ってきた。
(あ、パクってる)
美樹本さんは数本の缶ビールを持っていた。厨房に入って盗んできたんだ。というか勝手に持って行けばいいのか。そういえばキヨさんは厨房の鍵を閉めてなかったな。
ぼくも、真理の部屋に行く前にちょっと何か貰おうかな・・。酔ってしまえば・・・。いやいや。頭を横に振り、思い直す。
ガチャッ
背後で扉の開く音がした。ぼくの隣の部屋、例の角部屋の音だ。美樹本さんは違う部屋にいるのに誰がそこにいるんだ・・・。
ぼくはゆっくりと振り向いた。
ザクリッ
その人物は、一瞬でぼくとの距離を縮め、持っていたナイフをぼくの胸に突き立てた。
「がっ」
シュッ
驚く間もなく、一瞬の隙に喉がすぐさま、横一閃に切られる。鮮血が飛び散る。これは・・・ぼくの血?
声がでず、息ができず苦しい。口からはゴボゴボと何かがこぼれ落ちる。目の前の景色は薄れていき赤い帳が落ちていく、その人物の狂気に満ちた顔を見ることも出来ない。
ドッ!!膝から床に落ちる。
ドサッ!!うつぶせに倒れる。一生懸命に手を伸ばす。
グサッ、グサッ、グサッ、グサッ、グサッ
背中を何度も何度も刺される。痛みは増え続け、もうどこが痛いのかも分からない。目からこぼれ落ちるのは涙なのか血なのかもはっきりしないくらい一面が赤い。
真理・・・。意識が薄れていく・・・。もう・・・。
終「最初の犠牲者」コンティニュー
>>605 のA
608 :
名無しのオプ :2007/03/24(土) 18:51:59 ID:QWHOh4Dz
えー!じゃあAで
>>605 のA
ぼくはベッドで横になった。
今日1日はあまりにも長く感じられた。
少しづつ意識が遠のいていく・・。
コンコンッ
ノックの音で現実に呼び戻される。
時計を確認すると午後11時半を過ぎている。30分ほど眠っていたようだ。
「・・・はぁい」
われながら寝ぼけた声だ。
「透?起きてる?・・・・・あの入っていい?」「えっ」
ぼくは急いでドアに駆け寄って開ける。
「ああ・・。どうぞ、どうぞ。汚いところですが・・・」
間抜けだ。
「くすっ。何言ってるのよ。自分の部屋じゃないくせに」
「あは・・・・はは・・・。どうしたの?」
「もしかして寝てた?よかったら少しお話しない?色々考えてたら目が冴えちゃって・・」
真理の部屋に行くのを取りやめたが、真理がやってきた。
淡い期待に胸がわく。
A 「女が男の部屋に来るって事はわかってるのかい?」
ぼくはクールに決めてみた。
B 「いいよ。ぼくも眠れなくて・・・」
うそをつきながらも真理を迎え入れた。
C 「眠いんだよ!!」
ぼくは真理を突っぱねた。
610 :
名無しのオプ :2007/03/24(土) 19:19:20 ID:lA6YU30u
AをやってみたいけどノーマルにBで
>>609 のA
真理を部屋に招きいれた。持っていた新聞記事は反射的にポケットにしまい込む。
ぼくは机の下にあった備えつけの椅子に腰をかけ、真理はベッドに腰をおろす。
「誰かに会わなかった?」
「ううん。誰にも。みんな寝ちゃったみたいね」
「そう」
真理の部屋から、ぼくの部屋まで部屋数にして8部屋、ロビーがある。結構な距離だ。
逆に言えば、それだけ離れているのにわざわざ来てくれたのだ。嫌でも期待してしまう。
「隣の部屋で人が死んだのね」
ポツリと真理が話し出す。
「うん。まぁ美樹本さんは知らないだろうから、今頃ぐっすりと寝てるかもね」
「そうね」
殺人事件のこと、近況報告、久しぶりに会った人たちの感想、少し話しては会話が途切れる。
話せること・・。話したいこと・・。1年半も離れていたから、今日話しきってない事はたくさんあるのに・・。
緊張しているんだ。ぼくも、真理も。
視線を彷徨わせて、真理と目が合う。互いにはっと気付いたかのように視線をそらす。
何をやっているんだろう・・?
もしかしたらチャンスは今しか無いのかも知れない。2泊3日の予定だけど、明日の夜にはこんな機会はやってこないかも知れない。
8月15日午後11時59分
ドクンッ、ドクンッ。今日という日が終わる。
8月16日午前0時
1日の終わりを告げる音は何も無かった。
ただ、心臓の鼓動がさらに加速した。
A、「どうして部屋に来たの?」ぼくは探りを入れることにした。
B、「真理、きみが好きだ」思い切って告白した。
C、何も言わず、そっと真理の手を握った。
D、鞄の中から、ある物をとりだした。
E、とりあえず、事故の記事を見せることにした。
612 :
名無しのオプ :2007/03/24(土) 20:50:16 ID:UrhNBKOA
あ、アルファベット間違った・・・。ごめん。 A×→B。
613 :
名無しのオプ :2007/03/24(土) 23:41:36 ID:RcNj7No5
Dで
614 :
名無しのオプ :2007/03/25(日) 12:10:16 ID:Taipx7jB
みんなそんなに事故の記事を真理に読ませたくないのかw まあおそらく自分もDを選んでしまうだろうが。 「ある物」って色々な方面に想像出来て楽しいな。 殺伐とした物か、エロ関係か、ギャグで落とすのか。
>>611 のD
ぼくは鞄の中からある物を取り出した。
「どうしたの透?」
真理が聞いてくる。
「コレ、真理にプレゼントしようと思って」
今日、会ってから、二人きりになる機会がほとんど無かったので、渡しそびれた物を差し出す。
旅行資金以外のバイト代を使って、作った小さなペンダントだ。もちろん、そんなに高い物ではないんだけど・・・。
真理に手渡す。
驚いたような表情をして、少し照れると、それを受けとってくれた。
「ありがとう。似合うかしら?」
少し大人になった真理には、幼稚だったかも知れない。でも・・・。
ペンダントの先にぶら下がった黒光のする小さな石を不思議そうに見つめる。
「実はそれ、隕石なんだ。大きさの割に少し重いだろ。変な形だけど、隕石だから世界で一つしかないんだよ」
「へぇ〜。なんかロマンチックね」
「鎖部分は安物だけど・・・」
「ううん。何かちょっと嬉しい」
そう言って、ペンダントを付けようとする。後ろ髪をあげる仕草が色っぽいと思う。ドキドキしながら真理の動作を見つめていた。
ぼくの視線に気付いたのか、顔を赤らめる。
「どう?似合ってる?」
考えるまでもない。
「うん。似合う。って綺麗なペンダントじゃなくて申し訳ないんだけど」
みどりさんや夏美さん、可奈子ちゃんのように、化粧をしなくても、真理は綺麗だったから。
「隕石ってのは高圧縮だからねぇ。弱い拳銃の弾丸位ならはじき飛ばすんだよ」
「ホント?でも、そんな事にならないでしょうけどね」
クスクスと笑う。
今日は結構色々怒らせちゃったけど、汚名挽回できただろうか?いや、汚名返上、名誉挽回か。
「じゃぁ。そろそろ寝るわね」 「うん。部屋まで送っていくよ。寝る前にトイレも行きたいし」 ぼくは真理と一緒に部屋を出る。相変わらず廊下は静かだ。2階ロビーで別れる。 「お休み。透。また明日ね」 「うん。お休み」 焦らず、ゆっくりと距離を近づければいいかなとも思えた。 1階に降りてトイレに行く。 やはり人気がない、この屋敷は不気味だ。幸い灯りは付け放しなので、移動に困ることはない。 玄関の扉を見るが、しっかりと閉められていた。外側から何の音もしないから、本当に暴風なのかは分からない。 扉には古びた大きな鍵穴がある。これが、キヨさんの持つ鍵か・・・。しっかりと閉められているようで、少しも動かなかった。 ドアノブもそうだったけど、電球など電気、水道関連が綺麗なのは、『我孫子』が購入して、一応の改修したからだろう。 喉が渇いたので、厨房で飲み物を貰うことにする。何か問題があれば明日、謝ればいいや。 厨房に来ると、嫌でも殺人事件の話を思い出す。 ダンボールの箱にレトルトのカレーなどが入っているのを見つけた。今日の夕食は豪華だったけど、もしかして明日はコレなのかな? 大きめの冷蔵庫から、ジュースやお茶を貰い、製氷器から氷を何個かコップに入れる。 ガラッ こんなにも氷が必要なのか?という位、大量に氷が作ってあった。氷の大きさは普通の家庭用のブロックアイス並みだ。 部屋に戻るまでは誰にも会わなかった。 スライド錠をしっかりと掛ける。飲み物を飲み、ベッドで横になった。 今日会った人たちの事、そして出来事を振り返る。
矢島透・・・ぼくだ。 小林真理・・・ぼくの好きな女性だ。残念ながらまだ、彼女ではない。 小林二郎・・・ペンション『シュプール』のオーナー。真理の叔父。 小林今日子・・・小林二郎の妻。料理は苦手。 久保田俊夫・・・『シュプール』でアルバイトをしていた男性。 久保田きみどり・・・久保田俊夫の妻。俊夫と同じくアルバイトをしていた。旧姓:篠田? 香山誠一・・・大阪の会社の社長。春子さんと別れて再婚した。 香山夏美・・・香山誠一の再婚相手。陰陽師の末裔? 美樹本洋介・・・フリーのカメラマン。 渡瀬可奈子・・・OL。啓子と仲が良い。 北野啓子・・・OL。可奈子と仲が良い。 正岡・・・ゲーム『かまいたちの夜』のプロデューサー。 河村亜季・・・事故にあった(?)女性。 菱田キヨ・・・屋敷の管理を任されたお手伝いさん。50年前の殺人事件で嫌疑をかけられる。 結構人数がいるなぁ。 今日の出来事や出会った人たちを頭の中で整理してると、眠くなってきた。 お休みなさい・・・。 1日目終了
618 :
名無しのオプ :2007/03/25(日) 22:30:34 ID:4gfUAMOd
>>519 の続き(コンテニュー、
>>529 氏、選択肢A)
A. 「おやっ、美樹本さん。今までどこに?」
ぼくはぶっちゃけた。
男はこちらを振り返った。
拳に力を入れて、こちらを睨んでいるかのようだ。
「美樹本さん、どうしたんですか?
室内でそんな格好は暑いでしょう。
早く脱いで、こっちで一杯やりましょう。」
ぼくが畳み掛けると、男は帽子・サングラスを外し、
懐から拳銃を取り出した。
男は、確かに美樹本さんだった。
「透…、お前がそこまで馬鹿だとは思わなかったぜ。
これで計画が全て崩壊してしまった。
悪いが、皆殺しにするしかなくなったよ。」
美樹本さんは、ぼくを見下しながら言った。
「きゃあーーーーーっ!」
619 :
名無しのオプ :2007/03/25(日) 22:36:23 ID:4gfUAMOd
誰かが絶叫した。 声のする方を見ると、2階への階段の所に、 3人組の女性がいた。 まだ、他にも客がいたようだ。 「騒いでも無駄だ。 おい、そこの3人組。 さっさと降りてきて、そこのソファに座れ。 …早くしろ!」 3人組は、恐怖に脅えながらソファに座った。 「ようし! まずはそこのデブ社長から始末するか! 貴様、前に出ろ!」 「ちょ、ちょっと待ってくれ。 わしは社長やっとるんや! 金ならいくらでもやるから、命だけは助けてくれ!」 「いらねぇよ。 もう散々稼いだからなあ。 …早く前出ろ!」
620 :
名無しのオプ :2007/03/25(日) 22:43:39 ID:4gfUAMOd
その時、美樹本さんが吹っ飛んだ。 背後から、俊夫さんが渾身のタックルをかましたのだ。 「ぐわっ!」 しかし、美樹本さんは素早く受身を取ると、 俊夫さんに銃を向けた。 さすがにプロは違う。 「ふざけたマネをしてくれるじゃねぇか。 お前は死刑だ。」 「殺すなら殺すがいい! 俺は俺の正義を貫いたんだ! 悔いはないさ!!!」 俊夫さんは糞尿のように臭いセリフをぶちまけながら、仁王立ちしている。 ぼくは心底腹が立った。 こういうタイプは言っても理解しない。 体で理解させねば。 ぼくは俊夫さんに向けて、紅茶やケーキを投げまくった。 煮えたぎる紅茶が俊夫さんに降り注ぐ。 「うわっ、あちちち!」 「透!何やってるのよ!」 真理が抗議してきた。 A. 「うるせえぞ!」 B. 「ごめん。」 C. 俊夫には止めが必要だ。
621 :
名無しのオプ :2007/03/25(日) 23:01:15 ID:0Yb/aHpO
Cでお願いします
622 :
名無しのオプ :2007/03/26(月) 08:41:21 ID:9XNf7ilI
>>617 の透の中でのみどりさんの名前がまだきみどりのままなのにワラタw
選択肢は一旦休憩?
623 :
名無しのオプ :2007/03/26(月) 19:54:45 ID:HEgkHbfj
っ栞
624 :
名無しのオプ :2007/03/26(月) 20:14:59 ID:PRRTnRmY
1日目が妙に長いので、一旦区切りをつけた。もちろん
>>617 の登場人物の中に当然犯人はいたりもする。いなかったら最悪だしね。
だらだらとした長い1日目が終わり、早速人が死ぬ怒濤の2日目スタート↓
>>617 の続き
8月16日午前3時
犯人は自嘲した。
失敗を犯したからだ。行動自体に何も問題は無かった。
ただ、殺す相手を間違えたのだ。顔の辺りまで布団を掛けていたのを好都合とばかりに、確認もせず、喉元にナイフを突き立てたのだ。
布団が掛かった状態なら、返り血も浴びにくくなる。もちろん動脈を綺麗に切れば、血は吹き出るのだが、そこは自分の勘と運に委ねた。
断末魔の叫び声は上がらなかった。予想通りだ。
確認すると、殺した男は最初に殺すつもりだった男とは別の人物であった。
だが、どちらにせよ邪魔な存在である事は確かだった。『我孫子武丸』に招待されたわけでもなく、飛び入りで参加した男・・・。
あの夜の全員を招待した理由は簡単だ。島にいる全員を殺すつもりだった。だが、飛び入りで参加したこの男は確実に殺す必要の無い相手だ。
しかし、何の感慨も抱かない。後悔も無かった。
部屋に入るとき、ドアの鍵もスライド錠も掛かってなかったのだから気付いても良かったのかも知れない。
この男以外の人間は少なからず、不審に思っているはずだから。『我孫子武丸』が正体を明かさないことに・・・。
犯人は男の死体を見て、口元をゆがめた。殺す相手を間違えた。それでもいいと思った。
自分は人の死を背負って生きることに決めたのだ。だから赦される。たとえ何人殺してもだ。自分が自分を赦すのだからそれでいい。
赦せないのは、人の人生を奪って、『知らず』に、のうのうと生きていく人間だ。
だから殺すのだ。誰が『それ』をしたかは分からない。だから、可能性のある全員を殺す。
そして、自分は遠く海外の地へ逃げ延び、人の死を背負って生きるのだ。
自分が殺した相手のことを一生忘れない。ただの勝手な理屈。それが犯人にとっての免罪符だった。
細工をしたスライド錠を元に戻す。一度部屋に侵入したときに確認したが、あの時にすでに部屋交換していたのだとしたら、見つからなかったのは僥倖だった。 完全に掛からないスライド錠の細工をしてあるのはこの部屋だけだ。ただ、鍵の左右を付け替えただけだが、気付きにくい。 そんな細工を活かす機会が無く、少し残念だった。 合鍵を持っているからドアの鍵は『意味がない』。スライド錠を閉めてない人間の部屋には侵入することは容易なのだ。 自分以外で合鍵を持っているのは菱田キヨだけだ。 合鍵を持っていることも、この犯行時刻も自分を犯人として特定するには至らない。 最初から『全員が犯行可能な状況』で殺人を行うつもりなのだ。 『誰もが犯行不可能、トリックを使えば可能』など、そんな事をすれば自分の首を絞めるのは目に見えている。 合鍵も全く問題ない。屋敷の持ち主である『我孫子武丸』なら持っていて当然だからだ。合鍵を持っているのが誰か特定できなければいい。 屋敷にたった二つだけある窓は、風と雨がたたきつけ、ガンガンと音を鳴らす。 窓を開ける。 犯人は『かまいたちの夜』に魅せられた。 少し先は全く見えない。真っ黒な闇に吸い込まれそうになる。だが、風と雨が顔に叩き付けられ、痛みを感じる。それでも気持ちいいと思った。 窓を閉める。窓の鍵もしっかりと掛けた。キヨが完全に玄関を閉めたのもちょっとした誤算だが、それでも、門自体が閉まっているのであまり関係がない。外部の人間の犯行を疑うことが出来なくなるだけだ。 その部屋から出て、合鍵で鍵を閉める。発見は遅い方がいい。外側からある方法によってスライド錠を掛ける。糸は使わない。ものすごく簡単な事だ。 ガチャッ 近くの部屋のドアが開く音がした。息を殺し、壁に張り付いて様子を伺う。 男に割り当てた部屋から、女が出てきた。急ぎ足でロビー方面へと向かっていく。 その女に割り当てた部屋も素通りしていった。 トイレか?それとも喉でも渇いたのだろうか?どちらでも良かった。 2人目の獲物にその女が選ばれたのは偶然以外の何者でもない。 犯人はゲーム『かまいたちの夜』を、そして、先ほど殺した男の登場した場面を思い出し、偶然とはいえ、ゲームと同じ順番で人を殺すことに不思議な高揚感を覚えていた。 これは神にすら赦してもらえる犯罪なのだと・・・
8月16日 ぼくの目の前にかまいたちという大きな化け物がいる。 ぼくがなぜその化け物をかまいたちだと断定できるのか?それは簡単な理由だ。 なぜならその化け物は首からプラカードをぶら下げているからだ。 そこにはしっかりと『かまいたち』と書いてある。残念ながら、学年までは分からない。大学の場合は入学年度による学籍番号が当てられるが、名前だけしか書いてないのだから、名前以外の情報はさっぱりだ。 かまいたちの手には真理が握られていた。しかも水着姿だ。ぼくの名前を呼びながら逃げてと叫んでいる。 状況はとても、恐ろしい。真理を掴んだかまいたちにぼくが立ち向かっているところなのだ。 このまま、向かっていっても、Dead or Deathだ。 ここは、真理の言うとおり逃げるべきなのか?それとも・・・。 A、 どうせ夢なんだ。死なばもろとも。特攻あるのみ。 B、 逃げるわけにはいかない。真理と代わりに人質になる提案をする。 C、 お言葉に甘えて逃げる。 D、 ぼくの手にはモップが握られていた。
628 :
名無しのオプ :2007/03/26(月) 21:27:16 ID:HEgkHbfj
ぼくが一番モップをうまく扱えるんだ! D!
>>627 のD
ぼくの手にはモップが握られていた。師匠の西方無敗と共に歩んだ辛く苦しい修行が思い出される。
モップファイト・・・。それはモップファイター達が自身の尊厳と命をかけてモップを使い戦う競技だ。
目の前にいるかまいたちは今までぼくが戦った事のない程の強敵だろう。
だが、真理が捕まっている以上、倒さなければならない。
呼吸を整え、モップに神経を注ぐ。
「いざ、尋常に!!!モップファイト!!!
レディィィィィ『キシャァァッ』
ブチッ
ぼくはあっさりとかまいたちに叩き潰された。
8月16日午前7時
目が覚めた。
何か恐ろしい夢を見ていた気がするが思い出せない。夢の内容なんか深く考えても仕方ないので、気にしないことにする。
起きてすぐしたいことはといえば、トイレだ。ぼくはドアのスライド錠を外し、ノブの鍵を回して廊下に出た。
窓が無いから、本当に昨晩と変わらない。時計を見ないと朝かどうかも疑わしいと思う。
隣の例の部屋を見る。何か昨日より不気味なオーラが漂っている気がする。
どうか美樹本さんが死んでませんように・・・。
廊下には誰もいなかったが、ロビーの椅子に座っている人影を見つけた。
真理だ。
「おはよう透。よく寝られた?」
昨日、プレゼントしたペンダントを付けているのに気付いた。何かちょっと嬉しい。
「う〜ん。あんまりかな」眠りは浅かった。
「キヨさんが朝ご飯用意してるわよ。一緒に行きましょう」
「ん」
A、「そうだね。行こう。行こう」そういえば、お腹が減った。
B、「他の人たちは起こさなくて良いの?」一応聞いてみた。
C、「誰か他に起きた人は?」確認してみる。
630 :
名無しのオプ :2007/03/26(月) 23:07:40 ID:dNMQwqIT
C
631 :
名無しのオプ :2007/03/27(火) 01:08:14 ID:Q1s/dsp5
>>620 の続き
C. 俊夫には止めが必要だ。
ぼくは真理の抗議を無視し、俊夫にどんどんモノを投げ付けた。
「やめろぉ!」
俊夫さんはヤケドに打撲に、もはや瀕死だった。
それでもぼくは投げ続けた。
「透!いい加減にしなさいよ。」
真理が烈火の如く激怒している。
投げた。
ぼくは真理を投げた。
真理はミサイルのように俊夫に命中した。
二人とも動かなくなった。
これでいい。
「透くん…、君は…一体…?」
小林夫妻は、恐怖に慄いている。
「俊夫さんのようなタイプは大嫌いなんです。
しょうがないでしょう?
これは生理的な現象ですからね。」
632 :
名無しのオプ :2007/03/27(火) 01:14:03 ID:Q1s/dsp5
「馬鹿なことやってねぇでさっさと前に出ろ、 デブ社長が!!!」 美樹本さんは、痺れを切らしたように怒鳴った。 「うわあああああ!!!」 突然、香山さんが美樹本さんに突進していった。 もう助からないと悟り、捨て身の攻撃にでたのだ。 美樹本さんは、銃を両手で構えると、数発発砲した。 香山さんはあっけなく逝った。 「馬鹿が!」 美樹本さんは爆笑しながら、こちらを見た。 「次は誰を殺ろうかなあ!」 ぼくは、さすがにヤバイと感じ始めた。 どうすれば良いのか? A. ジャンケンだ。ジャンケンで次に死ぬ者を決めるのだ。 B. 動かなくなった俊夫…、アレを何かに使えないだろうか?
633 :
名無しのオプ :2007/03/27(火) 01:25:54 ID:gest5/6n
Bでw
634 :
名無しのオプ :2007/03/27(火) 20:26:25 ID:XK0a0j2i
面白いw透超人か
>>629 のC
「誰か他に起きた人は?」
「さっき下でキヨさんにあっただけで、誰にも会ってないわ」
みんな疲れて寝てるんだろう。
「いつからここにいるの?」よく見ると、本を机の上に置いている。
「30分くらいかしらね」
「そっか」
ガチャリ
どこかで扉の開く音がした。ちょっと見てみると名前の書いてない部屋が開いている。
中からのっそりと男が現れた。
美樹本さんだ。自分の部屋があるのにどうしてこんな所から出てきたんだ?
「おや?透くんじゃないか。早いね」
あくびをしながら言った。眠そうだ。ひげも少し伸びてる。
「美樹本さん。どうしてその部屋で寝てるんですか?」
ぼくは不思議に思って聞いてみた。
「いや、正岡さんが閉所恐怖症だからとかで、窓のある部屋に変わりたいって言い出して、仕方なく交換したんだ」
「正岡さんがこの部屋を使う予定だったのね」
真理が加わる。
「ああ。キヨさんに布団だけ用意して貰ったらしい。迷惑な男だな」
そんな男の頼みを聞くのもすごいと思うけど・・・。
「知ってますか?美樹本さんが泊まる予定だった角部屋。50年前に殺人事件が起きたんですよ。泊まらなくてよかったですね。何か化けて出るかもしれませんし」
「いや、それは面白そうだな。一度心霊写真って奴も撮ってみたいと思ってたんだ。今晩はそこの部屋で寝るか」
笑いながら言った。ぼくから見たら正気の沙汰じゃない。
ぼくたちが適当におしゃべりしていると、また扉の開く音がした。 ロビー近くの今日子さんの部屋だ。 出てきたのは小林さんだった。 「あっ」 小林さんはぼくたちに気付くとバツの悪そうな顔をした。 「叔父さん・・・」 真理が絶句する。 「あっ、いや、その、あの、何だ。今日子の奴が低血圧だから、調子悪いと思ってちょっと様子を・・・」 たどたどしく説明する。まるで挙動不審者だ。 真理は30分はロビーにいたから、少なくとももっと前からいたことになるから、小林さんの言葉はおかしい。 A、「それを言うなら低気圧ですよ」ぼくは訂正してあげた。 B、「昨晩はお楽しみだったようですね」ぼくはニヤニヤしながら言った。 C、「時と場所を考えて下さい」ぼくは叱った。
637 :
名無しのオプ :2007/03/27(火) 21:20:30 ID:RF0SGDyi
638 :
名無しのオプ :2007/03/28(水) 00:17:19 ID:XKrvNjmR
>>632 の続き
B. 動かなくなった俊夫…、アレを何かに使えないだろうか?
「ようし!
次はデブ社長の妻に死んでもらうか!
前に出ろ!!!」
美樹本さんは、春子さんに気を取られている。
春子さんと離れた位置にいるぼくは、ノーマークの状態だ。
ぼくは、そっと倒れている俊夫の傍に移動すると、俊夫を担ぎ上げた。
投げた。
美樹本さんに。
「うぐわっ!」
ぼくが俊夫を投げ付けたわけだが、美樹本さんの方へ飛んでいく俊夫は、
まるで美樹本さんに特攻を仕掛ける香山さんのようだった。
「貴様、まだくたばってなかったのか!」
どうやら、美樹本さんはぼくが俊夫を投げたのではなく、
俊夫が美樹本さんに特攻を仕掛けたものと勘違いしたようだ。
図体がでかい俊夫は、美樹本さんに不思議な絡み方をした。
「ぎゃあああああ!!!」
俊夫と共に美樹本さんが横転する。
639 :
名無しのオプ :2007/03/28(水) 00:25:43 ID:XKrvNjmR
チャンスだった。 逃げた。 隙を突いて、二階へ逃走した。 美樹本さんは、俊夫をどけようともがいている。 俊夫はまもなく撃たれた。 多分、死んだ。 「油断できねぇ奴らだ。 さっさと残りの奴らも片付けないとな!」 美樹本さんは、ぼくが二階へ逃走したことに気付いていないようだ。 つまり、ぼくは美樹本さんの不意を突けるということだ。 どうしようかな…? A. 二階からダイビング・タックル B. もう沢山だ。ぼくは、二階の窓から外へ脱出し、車で逃げることにした。 C. 清原
640 :
名無しのオプ :2007/03/28(水) 00:58:19 ID:DxM3HdvK
Cといいたいが ここはAで
641 :
名無しのオプ :2007/03/28(水) 23:31:12 ID:XKrvNjmR
>>639 の続き
A. 二階からダイビング・タックル
ぼくは二階の手すりに足を掛けると、
美樹本さんに向かってダイブした。
美樹本さんは全く気付いていない。
ぼくのジャンピング・ショルダー・タックルが、
美樹本さんの首の裏に直撃した。
「おふっ!」
美樹本さんは変な声をあげて倒れた。
ぼくは間髪入れず、壁に立てかけてあるモップで、
美樹本さんを何度も何度も叩いた。
死んだ。
「きゃあーーーーーっ!」
女性陣が絶叫する。
やり過ぎたのだ。
目の前で殺人を目撃されたのだ。
このままでは、ぼくは破滅だ。
ぼくは美樹本さんの手から拳銃を抜き取ると、それを構えた。
「おっと!
動かないで下さい、皆さん。
どうせあなた達は死にます。
美樹本さんに殺られるか、それともぼくに殺られるか、
その程度の違いです。」
642 :
名無しのオプ :2007/03/28(水) 23:39:35 ID:XKrvNjmR
その時だった。 ぼくの足首を誰かが掴んだ。 「何だ!?」 足元を見ると、死んだと思われていた俊夫が、ぼくの足を掴んでいる。 物凄い握力だ。 足首に激痛が走る。 「うおおおおお!死にやがれ、透!」 俊夫の抵抗に勇気付けられた他の連中が、一斉にぼくに飛び掛る。 ぼくは、なす術もなく拘束された。 その後、拷問まがいの尋問を受け、銀行強盗計画についても 洗いざらい吐かされた。 そして、地下の乾燥室に放り込まれた。 「ふざけやがって…。」 ぼくは、得意の軟体術を用い、ロープから逃れた。 これで自由だ。 問題は、どうやってこの地下室から抜け出すかだ。 唯一の出口は、施錠されている。 A. ぼくは近くに置いてあるスコップに目がいった。 B. 「火事だ!」と叫ぶのだ。
643 :
名無しのオプ :2007/03/28(水) 23:42:21 ID:sGDIW42I
B
644 :
名無しのオプ :2007/03/28(水) 23:42:28 ID:CrBiiI6G
透ww Aで
>>637 のB
「昨晩はお楽しみだったようですね」
ぼくはニヤニヤしながら言った。
「あ、いや、その」
小林さんはさらに口ごもる。
「ちょっと透、何言ってるのよ」真理がぼくの腕を掴む。
何か不愉快そうな顔をしている。ぼくは構わず小林さんに話しかける。
「一度火が点いたら止まりませんもねぇ。きちんと回数決めてやらなきゃ」
うへへへとぼくは笑う。
「あ、いや、う、って回数はそのあの」
「言わなくっても分かってますよ。繋げたり、漏らしたり、へっへっ」
ぼくは指を輪のようにして、ニヤニヤしながらOKサインの形にして見せる。
「透くん。ちょっと・・・」美樹本さんがなぜか呆然としている。
「透!!!いい加減にしなさいよ」
「何怒ってるんだよ。そうだ、真理。良かったら今晩、一緒にやらないか?ちゃんとアレも持ってきてるし」
「…アレって」真理がわなわなと震え出す。
「管通すアレに決まってるじゃん。たまに穴が開いてて漏れたりして失敗する」
バチンッ!!!!
「いてっ!?何するんだよ!?」
ぼくの頬に痛みが走る。真理にひっぱたかれたのだ。
「サイテーッ!!」
美樹本さんと小林さんは口をあんぐり開いて呆然としたままだ。
「何だよ。そんなに水道管ゲームが嫌いだなんて、知らなかったんだよ」
確かにたまに二人でやると退屈だったりするときもある。しかし、一度やり出すと止まらない魅力もあるのだ。だが、まさかひっぱたかれるほど嫌いだとは思わなかった。
「は?水道管ゲーム?」
真理がきょとんとした。
「もう紛らわしいこと言わないでよ!!」
また、真理を怒らしてしまった。はて、何でだろう?
ぼくたちは1階に向かうことにした。小林さんは自分の部屋に戻って着替えるらしい。もう歳なんだからゲームに興じるのも程々にするべきである。 顔を洗ったりして、食堂に向かう。 食堂には一人だけ先客がいた。メガネをはめている・・・河村さんだ。 「おはようございます」ぼくたちは挨拶した。 「…おはようございます。夕べはきちんと眠れましたか?」 相変わらず、変な発音をしている。アクセントの置く位置がおかしい感じだ。それにしても今日は元気そうである。 「ちょっと寝不足気味ですけどね」「わたしも・・・」 などと簡単に挨拶をした。 朝食はいたって普通だった。やはり昨日の晩ご飯だけが豪勢だったのだ。 相変わらずキヨさんが、一人で作ったのか、形がおかしかったり、目玉焼きが潰れたりしている。 ゆっくりと朝食を食べていると小林さんと今日子さんが食堂にやってきた。 同じように河村さんと挨拶を交わす。 「朝は私が作れば良かったかな」「もう、またそんなことを」 みんな意外とゆっくりとした起床だ。可奈子ちゃんに啓子ちゃん、俊夫さん、みどりさん、香山さんに夏美さん、そして正岡さんはまだ起きてないのか。 朝食を食べ終わり、真理と今日の予定を話す事にする。 「透、何かしたいことある?」 そ、そりゃ、いくらでもありますよ。 A、「また、海に行こうよ」 B、「廃村に行ってみたいな」 C、「部屋で水道管ゲームかな」 D、「島を歩き回ってみよう」 E、「釣りに行ってみようか」 F、「サバイバルゲームだ」 G、「真理とチョメチョメだ」 H、「誰か死んでる気がする」 I、「美樹本さんの船をパクって島から逃げ出そう」
647 :
名無しのオプ :2007/03/29(木) 22:43:47 ID:lUcvnM//
H、「誰か死んでる気がする」 で。
648 :
名無しのオプ :2007/03/29(木) 23:48:15 ID:mEkHsOF2
>>642 の続き(選択肢は
>>643 氏の方が早かったのでB)
B. 「火事だ!」と叫ぶのだ。
「火事だぁ!」
ぼくは、全力で叫んだ。
恐らく、ぼくのシャウトはペンション全体に響いたはずだ。
上の方で慌しく足音がした。
すると、正面の扉が開かれた。
小林さんが入ってきた。
消火器を抱えている。
「どこだ!どこが燃えてるんだ!
早く消さないと木造ペンションは一たまりもないぞ!」
オーナーの小林さんは、相当焦っている。
きっと、ローンが山のように残っているに違いない。
「どこなんだ!透くん!!!」
「そこです。」
ぼくは、奥の棚を指差した。
小林さんは、急いで棚の方へ駆け込んだ。
ぼくはすかさず棚を力一杯押した。
棚が小林さんに向かって倒れる。
「ぎゃっ!」
小林さんは数十キロはある棚の下敷きになった。
背骨が砕け散った可能性が大きい。
649 :
名無しのオプ :2007/03/29(木) 23:55:02 ID:mEkHsOF2
動かなくなった小林さんの腰から、鍵の束を奪い取る。 ぼくは、そっと扉から出た。 乾燥室への扉は施錠した。 全員始末するより他はない。 ぼくは、配電室に行くと、ブレーカーを落とした。 あっという間にペンション中が闇に包まれた。 そして、配電室に施錠し、ぼく以外が電気を復旧できないようにする。 あとは、この闇に乗じて全員抹殺するだけでいい。 まず、どうするか? A. ペンション内最強の武器である拳銃はどこに行ったのか? それが一番大事なことだ。 B. 俊夫を速攻で消さなければならない。 C. 真理、女3人組みなどの非力なものから消すのがいい。 D. 美樹本さんは本当に死んだのか? それを確認することが急務だ。
650 :
名無しのオプ :2007/03/30(金) 01:37:48 ID:GIzeuE6U
Bで
>>646 のH
「誰か死んでる気がする」
「え?」
ぼくは真理の腕を引っ張り、食堂を後にした。
入り口ロビー付近でキヨさんが後かたづけに来る所を捕まえた。
「キヨさん。昨日はここの玄関の鍵を閉めたまま、誰も入れない状態でしたか?」
「はぁ。ここの鍵は一つしかなく、私しか持っておりませんで」
「わかりました。今すぐここを開けて下さい」
キヨさんを急かして、玄関の鍵を開けて貰った。
入り口の扉を開くと、庭は1面濡れていた。
バシャバシャッ
走って門まで向かい、門の閂をどけて、足跡を確認する。濡れた地面には誰の足跡もなかった。
裏門に回る。こっちは完全に鉄で溶接してあり、全く開きそうもない。
塀の形状や高さからもロープを使って塀をよじ登ったりすることも不可能だ。
「どうしたのよ?急に」
真理がびちゃびちゃと靴を濡らしながら近づいてきた。
「やられたかもしれない・・・」
「え?」
ぼくは急いで踵を返す。真理も後からついてくる。
玄関のキヨさんは既にいなくなっていた。
美樹本さんが首からカメラをぶら下げ、カメラバッグやクーラーケースなどを持って出かけようとしていた。
「どうしたんだい?血相を変えて、俺はこれからちょっと撮影に行こうと思ってるんだが」
「いってらっしゃい」
急いで、言葉を交わし、すれ違った。
ぼくは急いで2階に駆け上がる。真理もついてくる。 「待ってよ。透。本当に何が何なのか説明して」 ぼくにもはっきりとした事は分からない。 「あの部屋だ!!殺害現場の部屋の人間が起きてこない。もしかしたら何かあったのかも知れない」 目指す先は角部屋だ。 走ってそこに向かうと既に先客が扉を叩いていた。 「おい!!起きろ!!この糞カメラマン!!」 俊夫さんだった。 「どうかしたんですか?」 努めて冷静に声をかけた。真理も心配そうな顔をしている。 「いや、みどりがいないんだ。部屋にも、昨日別れてからずぅっと行方不明だが・・・。この部屋の前にこれが落ちてたんだ」 「これって…」 真理が俊夫さんの手の中をのぞき込んだ。 「みどりさんのマニキュア?」 「ああ。あの糞野郎が、みどりに何かしてるんじゃないか?」 A、「美樹本さんならここにはいませんよ」ぼくは事実を言った。 B、「昨晩はお楽しみだったようですね」 ぼくはニヤニヤしながら言った。 C、「何かって何ですか?」ぼくはあえて聞いてみた。
653 :
名無しのオプ :2007/03/30(金) 20:59:47 ID:OPMML/XU
Aでよろしく
>>652 「美樹本さんならここにはいませんよ」ぼくは説明した。
「何?どういう事だ?」
「さっき屋敷から出て行ったはずです。美樹本さんは正岡さんと部屋を交換したんです」
「まさか、正岡の野郎がここにいるのか?」
「今朝、会ってないので、ここにいる可能性はありますが、それだけ叩いても出てこないと言うことはもう部屋から出て行ったのかも知れません」
「俊夫さんはどうして、1階にも降りてこずにこんな所を調べてるんですか?」
真理が鋭い指摘をする。普通に考えれば、屋敷中を探してから、いなかった場合に誰かの部屋にいる可能性を疑うはずだ。
「・・・それは」
俊夫さんがひるむ。
「ぼくが言いましょう。俊夫さんはみどりさんが来るのを部屋で待っていた。そういう約束をしてて・・。朝起こしに来て欲しいとかでしょうか?しかし、みどりさんは来なかった。違いますか?」
「正確にはもう来てたんだよ」
観念して言った。
「その後で、トイレに行きたいと言って出てってから戻ってこないんだ。それで俺もうとうとして起きた。目が覚めてもみどりはいなかったから部屋に行ってみたら、そこにもいなかった」
「2階から探し回ろうとして、この部屋の前にみどりさんのマニキュアが落ちているのを見つけたわけですね」
真理が確認するように言った。
「何時頃ですか?みどりさんがトイレに行きたいと言ったのは?」
「・・・夜の3時は過ぎてた気がする」
俊夫さんが、小さくつぶやいた。
「3時!?そんな遅い時間に」真理が驚いた。
誰だって、水道管ゲームをやり始めたら、時間が経つのも忘れてしまうものだ。
さて、この部屋は50年前に人が死んでいた部屋だ。嫌でも悪い想像が頭をよぎる。
呪い・・・?
A、「正岡さんを探しましょう」
B、「キヨさんに頼んでここを開けて貰いましょう」
C、「扉を壊しましょう」
D、「部屋の前で踊ってみましょう」
655 :
名無しのオプ :2007/03/30(金) 21:39:55 ID:6BdgBDyr
D
>>654 のD
「部屋の前で踊ってみましょう」
「何だと!!!?巫山戯てるのか!!!?」
やれやれ、これだから無知な男は・・・。
「天の岩戸ですよ」
ぼくは説明してあげることにした。
「昔、アマテラスという神様が岩戸に隠れました。アマテラスを何とか外に出そうと色々画策します。作戦として踊ることを思いついたのです。
みんなが踊り、喜ぶ様が岩戸の中に届いてアマテラスがそれが気になって岩戸から出てくるというお話です」
実際、もう少し色々あるのだが、簡単に説明した。
「なるほど、外の人間が踊っていたら中の人間は気になるからな」
俊夫さんも理解したようだ。
「ええ、一緒にフィーバーしましょう」
ぼくはニヤリと笑った。
20分後
「ぜぇぜぇ、誰も出てきそうにないぞ。本当にこんな作戦でいいのか」
「はぁはぁ、なぜでしょうねぇ?」
おかしい。何を間違ったんだ?
「…ねぇ透。中に人がいなかったり、あるいは本当に寝てるなら意味がないんじゃない?」
退屈そうに傍らで本を読んでた真理が呆れたように言った。
「・・・・・」
もしくは死んでたら意味がないじゃないか!!
「俊夫さん・・・
A、他の所へ行って、正岡さんを探しましょう」
B、キヨさんに頼んでここを開けて貰いましょう」
C、ここは思い切って、扉を壊しましょう」
D、意地になって、さらに部屋の前で踊ってみましょう」
E、犯人はアンタだ!!!」
657 :
名無しのオプ :2007/03/30(金) 22:29:07 ID:LYrG2EO5
悩んだけどBで。
>>656 のB
「キヨさんに頼んでここを開けて貰いましょう」
ぼくは一番まともな方法を言った。
「最初からそうすればいいのに…焦ったり、踊ったり変なの」
ガチャリ
ぼくたちが歩いていると急に部屋が開いた。
香山さんだ。香山さんは美樹本さんや小林さんと違って自分の部屋から出てきた。
「何や?えろう騒いどるなぁ。おかげで目が覚めてもうたがな」
目をこすりながら、ぶつくさ言っている。
「あ、香山さん、おはようございます」 ぼくは挨拶した。
「なぁ、みどり知らないか?そう言えばアンタの奥さんと昨日、船で口げんかになったなぁ」
俊夫さんがけんか腰で突っかかる。 いきなり何を言い出すんだ。この人ってこういう性格だったのか?
従業員と客との関係じゃ分からない訳だ。
「何や?いきなり藪から棒に。知るわけないやないか」
香山さんも目をぱちくりさせて驚いた。寝起きにそんなこと言われたら困るに決まっている。
「そ、そうや、夏美起こさんとあかんわ。あいつ低気圧やさかいに」
香山さんが夏美さんの部屋の前に小走りで向かった。やれやれ・・・。真理も肩をすくめた。
「夏美。夏美。起きとるか?」
扉をドンドン叩く。
「入るでぇっ」
そう言うと香山さんが扉のドアノブを掴み、回す。
ガチャリ
すんなりと扉は開き、香山さんが中に侵入した。
「夏美?・・・おらん。もう起きとるんか」
部屋をちらっと覗くとベッドの上とかに煩雑に服が散らかった痕跡がある。魔よけのお札みたいなのも乗っているのが見える。
「あいつ、片づけるのが苦手なんや」
ぼくが覗いているのに気付いた香山さんが説明した。
「透。女性の部屋をそんなに覗かないの」
真理にたしなめられて覗くのを止める。
「もう下におるんかいなぁ・・・」
どうだろうか?さっき、起きたときには会わなかったし、2階にいる間に誰か部屋から出たような音はしなかった。
「とりあえず、行きましょう。考えても仕方ないわ」 真理が言った。
ガチャリ また近くでドアが開く音がした。啓子ちゃんの部屋だ。 「…あの真理ちゃんいる?ちょっといい?」 啓子ちゃんが顔をちょこんと出して、真理を手招きする。 「何ですか?」 真理が部屋にはいっていった。可奈子ちゃんの声も漏れているから一緒にいたのだろう。 「ああ、そうですね。分かりました」 真理が何かを頼まれたようだ。すぐに出てきた。 「可奈子ちゃんと啓子ちゃんが化粧したいから男性陣は、先に応接室か食堂で待ってて20分くらいトイレにこないで欲しいって」 なんだ、そんなことか。 時間長いなぁ。 ぼくは香山さんと俊夫さんに向かって頷くと二人も仕方ない、分かったというような仕草をした。 トイレが男女兼用というのも不便なものだ。 ぼくと真理は応接室で待ち、俊夫さんと香山さんは食堂で朝食を取ることにした。 午前10時 応接室の扉は開いたままにしておいた。小林さんと今日子さんもくつろいでいたので適当に会話をする。 昨夜の暴風雨で足場が悪いので、どうやら午前中は屋敷の中でゆっくりすることに決めたようだ。 「ねぇ透。気にならない?」 「何が?」 「さっきからキヨさんを見ないのよ」 「あっそう言えば、朝、玄関開けて貰ってから見てないね」 「何かおかしくない?それと今日、わたしたちが存在を確認してないのは?」 「正岡さん、夏美さん、みどりさんか・・・」 誰かが死んでいる・・・。ぼくはそんな気がしている・・・。ただ、焦っても仕方ない。 少なくとも俊夫さんと香山さんが確認して、二人の部屋に人がいないことは分かっている。 個別に割り振られた部屋で開いてないのは例の角部屋だけだ。何かあるのだろうか? そしてキヨさんの持つ合鍵があれば・・・。一つは疑問が解けるはずだ。 A、「キヨさんの部屋に行ってみようよ」 B、「食堂で片づけた後があるか見てみよう」 C、「厨房に行ってみないか?」 D、「地下室とかありそうじゃない?」
660 :
名無しのオプ :2007/03/30(金) 23:35:00 ID:epyIFUXf
A
>>659 のA
ぼくたちはキヨさんの部屋、すなわち管理人室へと向かった。
ガチガチ「あれ?開かない」
ぼくはドアノブを回して、扉を開けようとしたが、おそらく鍵が掛かっているみたいで、開かなかった。
「外、見てみよう」
ぼくたちは外の門まで行き、足跡を確認する。美樹本さんが出て行った靴の後しかない。
「外には行ってないようだね」「そうね」
「キヨさんが見つからない以上、合鍵はダメだな。扉を壊すぞ」
背後から声が掛かった。俊夫さんだ。香山さんもついてくる。
「朝食の後かたづけも全然終わってなかったで。キヨさんも行方不明や」
たしかに、これだけうろうろして手伝いのキヨさんの姿が見つからないというのはおかしい。
「とにかく、あの部屋の前にみどりの物が落ちていたのは事実なんだ」
「そうですね…」
真理も頷いた。
「叔父さんと叔母さんにも立ち会って貰います。壊したら謝るしかないですから」
扉を壊すか・・・。それにしてもキヨさんはどこに行ったんだろう?
応接室により、小林さんたちに説明して、2階に上がった。
可奈子ちゃんと啓子ちゃんは入れ替わりで、朝食を取るために食堂に向かった。河村さんは自室に引き上げたみたいだ。
午前11時
ぼくたちは再び部屋の前に集結した。今いるのは、ぼくと真理、小林さん、今日子さん、香山さん、俊夫さんだ。
「いいかい?今は緊急時で、中の人間が急病で倒れてるかも知れない。だから扉を壊すんだ」
小林さんが確認するように言った。たしかに人の物を無断で壊すのは良くない。だが、今は理由は関係ない。
「開けるぞ」
俊夫さんが扉をけり出す。
「意外と頑丈だな。体当たりや蹴りだけでは壊れないみたいだ」
どうしようかな?
A、 ぼくは頭突きで扉に突っ込んだ。
B、 物置に何かないか見てくることにした。
C、 俊夫さんと交互に体当たりしてみた。
D、 ドアノブを蹴り壊してみることにした。
662 :
名無しのオプ :2007/04/01(日) 13:06:19 ID:mNCtBzem
Aでおながいします
>>361 のA
「だぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!」
ぼくはみんなを扉から下がらせ、助走をつけて、すごい勢いで扉に頭突きをした。
ドカーーーーーーーーーーーーーン
バキッ
コキャッ
扉が開くのと引き替えに、ぼくは首の骨を折って死んでしまった。きちんと加減すべきだった・・・。
終「危険な頭突き」
コンティニュー
>>361 のBorCorD
664 :
名無しのオプ :2007/04/01(日) 17:18:47 ID:FVUmj80+
なんかかっこよさそうなDで
>>661 のD
軽く、足を上げて、ドアノブをこつこつと蹴る。
間合いを調整し、思い切り蹴り上げた。
バキッ
ドアノブだけを後からつけただけあって、案の定、ノブは壊れた。鍵のシリンダー内側ごと吹き飛ぶ。
廊下側のドアノブが外れただけでは、扉のシリンダー外側の止め棒は倒れたままだ。
俊夫さんが指を突っ込み、止め棒をノブのはまっていた空洞部分に移動させる。
(※鍵の構造については別に意味がありません。ノブについている通常のケースロックをノブを蹴り壊して扉を開けているだけで、合鍵で普通に閉められているだけです)
俊夫さんが空洞部分から、指をかけたまま、手前に扉を開こうとする。
「・・・うん?なんでだ?まだ開かないぞ」
ノブの鍵はもう効力はないはずだ。となると・・・。
「まさか、スライド錠が掛かってるんじゃ?」
真理が言った。
「外開きだから、ストッパーみたいなのを噛ませるなんて事はできないし、ノブを何か紐で、反対側の窓とかと繋げても、開かないなんて事はないだろうから」
「やっぱり、中に人がいて、内側からスライド錠とドアノブのケースロックを掛けたとしか…」
50年前の事件と違い、ぼくたちの客室は普通に内側からでも、ドアノブについている鍵をツマミを倒すことに掛けることが出来る。
「それでも、これだけ騒いで起きてこないのはおかしくないか?」
小林さんが言う。
「スライド錠だけなら体当たりすればいい」
俊夫さんが、扉に思い切りぶち当たった。外開きだが、少しだけ内側にめり込む。
「外開きだったな。よし、次は引くぞ」
今度はドアノブのあった空洞部分から、手前に強く引っ張る。
バリッ、チャリン
スライド錠が落ちて、扉が開かれた・・・。
その部屋には窓が付いている。窓の外は快晴だ。 ぼくたちの部屋や廊下よりも、明るくその部屋の景色を映し出していた。 「なに…これ…」 真理が震えながら言った。 ドサッ 誰かが倒れる音がした。 「おい、今日子しっかりしろ。今日子」 倒れた今日子さんを小林さんが抱え上げる。 「・・・・」 俊夫さんも香山さんも無言だった。 部屋の壁にくっついているベッドの上で、喉を切られた男が仰向けに横たわっていた・・・。明らかに死んでいる。 正岡さんだった。 ベッドの上にはおびただしいまでの出血の跡が残っていた。 喉の傷口に目をやる。肌が二つに分かれ、乾いた血や皮、肉が、不確定な丘陵を作る。 身体部分は、昨夜と同じ服に刺したり、切ったりした跡が残っている。色は大きく変わってしまっている。 布団は見当たらない。 血が壁や離れた所にまで飛散せず、傷口から広がったような跡を見ると、おそらく、布団の上から鋭利な大きめの刃物で何度も突き刺したんだろう。 やはり人が死んでしまった。 「何やこれ?一体何の冗談なんや」 「冗談なもんかよ。正岡が死んでるんだ」 誰も部屋に入ろうとはしない。ふらりとする真理を肩から支える。 「大丈夫?」 「…ええ、ちょっと目眩がして」 それはそうだろう。現に今日子さんも失神している。真理の身体は震えている。目から少し涙がにじんでいた。 あまりにも凄惨な光景だった・・・。 A、現場保存をしておくべきだ。扉を閉めておくことにした。 B、今、現場をしっかりと調べて一刻も早く犯人を見つけるべきだ。 C、1階ロビーに電話があったはずだ。ぼくはすぐに警察に連絡しようと思った。 D、もうだめだ。ぼくは気絶した。
667 :
名無しのオプ :2007/04/01(日) 19:34:56 ID:gi8ea3NE
D、もうだめだ。ぼくはDを選ばずにはいられない。
>>666 のD
もうだめだ。あまりの非道い状況にぼくは気絶した。
「ばたんきゅぅ〜」
目が覚めると、不思議な光景が広がっていた。
まず、ぼくの傍らに真理が頭から血を出して倒れており、その向こうで香山さんが壁に顔面をぶつけて膝立ちの状態で鼻血を出しまくって死んでいた。
壊した扉の下敷きになっていたのは俊夫さんだ。やっぱり頭から血を流して、死んでいる。
小林さんも今日子さんの下敷きになっていた。今日子さんは今日子さんで身体が変な形にねじ曲がり、生きていないのは明らかだった。
一体何が起こったんだ?ぼくは冷静に推理した。
まず、ぼくが気絶して倒れた。支えていた真理を掴んだまま倒れ、真理は勢いよく床に激突。
次ぎに香山さんを真理が倒れる際、蹴り飛ばした。香山さんは思いきり壁に激突し、鼻と首の骨が折れ、立ったまま気絶し、そのまま失血死。
その衝撃の勢いで蝶番の緩んでた扉が俊夫さんの頭を直撃し、俊夫さんも還らぬ人に。
小林さんが驚いて俊夫さんを助けようとして今日子さんを天井に放り投げてしまい、天井に跳ね返った今日子さんが小林さんを直撃した。
この推理が正しいかぼくには分からなかった。
なぜなら、ぼくはまたも気絶して、今度は目覚めることが無かったからだ。
「ばたんきゅぅ〜」
終「気絶ドミノ倒し」
コンティニュー
>>666 のAorBorC
669 :
名無しのオプ :2007/04/01(日) 23:33:07 ID:FVUmj80+
Bでお願いします
>>666 のB
「ちょっと調べてみましょう」
ぼくは吐き気を押さえ込みながら、部屋へと入ろうとした。
今、少しでも情報を集めるべきだ。何か犯人の痕跡でも見つけないと。
「ちょっと待てよ!!」
俊夫さんに肩を掴まれる。
「透くんが犯人だったら、証拠を消しかねないぞ」
「何や、今一番怪しいのはきみの奥さんや無いか。部屋の前にマニキュアがあったんやろ」
「何だと!!?」
俊夫さんがぼくを離して、香山さんを掴む。香山さんも俊夫さんを掴んだままだ。
「止めて下さい!!!」
真理の悲鳴に似た声が上がり、二人は離れた。
「透が犯人な訳ないじゃない。それに犯人が何も痕跡を残してなかった場合、今から調べる透が警察に一番疑われる立場になるんですよ。分かってるんですか?」
真理が涙混じりに説明した。ぼくはそこまで考えてはいなかった。しまったなぁ・・。まぁいいか。
「いや、その」「はぁ、ま」
二人はおとなしくするように決めたようだ。少なくとも真理はぼくを信頼している。少しだけ勇気を貰った気がした。
「…透。何かあったら言って。メモしておくから」
「うん」
ぼくは部屋に入り、まずは正岡さんの死体を確認する。傷口は刺し傷でも大きな物は15cmを越えている。凶器は刃物であること以外は判別しようがない。どの傷も大きさはバラバラだ。 刺し始めは大きく、段々傷口は小さくなる。疲れや血脂で切れ味が落ちるからだ。 正岡さんの死体は、血の付いてない部分の肌の色が変色している。当然出血によるものだ。 身体を持ち上げ、背中を見て死斑を確認する。傷が貫通してないため、背中側は比較的綺麗だ。 死斑を確認して、死体を移動させたりしてはいないのが、はっきり分かる。これはもちろん予想通りだった。廊下にそんな痕跡はない。 しかし、そのことから言えるのは、犯行は非力な女性でも可能だということだけである。 つまり、屋敷にいる誰でも可能であるということだ。弱視のキヨさんだけは除外できるかもしれないけど・・・。 犯行時刻はいつだろう?血は完全に乾いている。出血がこれだけ多い以上、硬直も当てにはならない。 ただ言えるのは12時間以上はたってないだろうといった程度だ。昨晩別れたのが夜の11時過ぎだからこれも、貴重な情報とは言えない。 死体を一通り確認して言えることは、誰が犯人か分からないということだ。軽く落胆した。 気を取り直して、部屋の中を見回す。 布団はベッドの下からあっさりと見つかった。血で茶色く変色、刃物が貫通した跡が何カ所もある。 部屋に置かれた荷物を見る。簡単な着替えと旅行セットに手帳。圏外の携帯電話。手帳と携帯電話を真理に渡した。 「『我孫子』のアドレスとか電話番号があればいいけど」 「そうね」 「足りない物がある」ぼくは言った。 「え?」 「コートと帽子だ。サングラスもかな。田中さんの変装グッズがない。あれは正岡さんが持ってきたものだろう?」 「じゃぁ犯人が持ち去ったのかしら?」 「返り血を浴びるのを避けるために使ったのかも・・・」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁぁぁ!!!!!タスケテェェェェ」 急に恐ろしい悲鳴が聞こえた。1階の方だ。 この声は・・・・ 「夏美!!!!!」 香山さんが気付いていきなり走り出す。俊夫さんも後に続く。関西弁のイントネーション・・は正しく夏美さんのものだった。 「小林さんは今日子さんを見ていて下さい」 小林さん達を残し、ぼくと真理も後から追いかけた。 「何があったの?」部屋から顔を出して、可奈子ちゃんと啓子ちゃんが聞いてきた。 「分からない。夏美さんの悲鳴が聞こえたんだ」走りながら説明した。 2階ロビーまで行き、急いで階段を駆け下りる。 どこだ?夏美さんは1階のどこにいるんだ? A、食堂だ。 B、開かずの間だ。 C、応接室だ。 D、厨房だ。
673 :
名無しのオプ :2007/04/02(月) 19:57:34 ID:6Bs4VjWa
D、厨房だ。
>>672 のD
玄関は開いてない。扉を閉めるにしても、時間が掛かるから外から悲鳴でないのは確かだ。
ぼくと真理は厨房へ向かうことにした。俊夫さんと香山さんは反対側の食堂方面だ。
走りながら向かう途中、扉が不意に開く。
「…あの今の声は一体?」
河村さんだ。自室から警戒するように顔を覗き出す。
正岡さんが死んだことを知らないから、事の重大さが分かってないようだ。
「できれば1階ロビーかどこか人のいそうな所で待っていて下さいっ」
真理が素早く指示を出した。すぐに厨房にたどり着く。
厨房は開いたままだった。だけど・・・。
「おかしい」
「ええ。今朝の朝食の準備がそのまま残ってるわ」
「かたづけた後もない。キヨさんも行方不明のままなんだ」
時刻は既に11時半を回っている。昼食の準備すらしてない。
「誰もいない。何もない。何か変わったことがあるかな?」
「分からないわ。夏美さんはこっちにいない。食堂の方かも」
緊張で喉がカラからだ。急いで夏美さんを探さないといけないのは分かってる。
とりあえず、冷蔵庫から缶の飲み物を取り出し、真理にも渡す。
「走りながら飲もう」
「ええ」
ふと、気になり、冷蔵庫の製氷器を見る。昨日、人一人は隠せそうな相当量があったはずだ。あれだけあった氷がほとんど無くなっていた。
どういうことだ?
急いで、反対側の食堂へと向かう。ロビーにいるはずの河村さんがいないが、啓子ちゃん、可奈子ちゃんと共にすぐに見つかった。 昨夜、夏美さんが護符を貼った、開かずの間の前だった。 夏美さんが貼ったお札は壁と扉の境で綺麗に破かれていた。 「扉が開いたの?」 可奈子ちゃんが驚きながらつぶやいた。 食堂の方面から、俊夫さんと香山さんが戻ってきた。 二人は昨晩のやり取りを知らないからこの部屋をきにしてなかったんだろう。 真理が簡単に、夏美さんがこの部屋を邪気を封印するための護符を貼った事を説明した。 「なんやと?夏美がそないな事を」 「床おかしくない?」 啓子ちゃんが、何かに気付いた。床が濡れていた。 「うわっ」 ドアノブに手をかけた俊夫さんが、いきなり素っ頓狂な声をあげた。 「何だ?何でノブが濡れているんだ?」 床とドアノブが濡れている? 「どいてください」 真理が俊夫さんを押しのけ、ノブをハンカチで包みながら回し、扉を開けようとした。 ガチガチ 「ダメ。鍵が掛かってるのかしら?開かないわ」 鍵穴をのぞき込む。 「やっぱり、何か詰まってる。でも昨日とちょっと違う形みたい…。とりあえず、ここは壊すしかないかも」
「…これ水じゃないみたいですが」 河村さんが濡れた床と見ながら言った。 「香水だ・・・。これって確か・・・」 意識してなかったから気付かなかったが、言われて匂いをかぎ取る。確かに香水だ。 「みどりさんがつけてた香水…」 「まさかみどりがここにいるのか?」 「護符が破れているから、扉が開いたのは確かだと思うけど…中に誰かいるとしたら…」 「殺されてる?」 「透っ!!!まだそう決まった訳じゃないでしょうっ!!悲鳴は助けてって言ってたじゃない!!」 しまった。うっかり口から・・・。 「何?どういうことだ?」 真理がため息をついて言う。緊張と恐怖で震えているのが分かる。だが、扉に関して一つ考えてることがあるのだ。 「…とりあえず、一刻も争う事態だと思います」 「キヨさんを見つからない。壊すしかないね」 ぼくは真理に確認するように言った。真理も青ざめた顔で頷く。 「そうだな」 夏美さんがいるのか、みどりさんがいるのか?いなくなったキヨさんも気になる。 俊夫さんがノブを壊し、正岡さんの部屋と同じように扉を開ける。 その場にいた全員が、無口でそれを見守った。 数分後、扉は開かれた。 ある一カ所に目をやる。他の人間がほとんど気付かないほど、小さなそれを・・・。 それは昨夜と同じままだった。ぼくはその時、はじめて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 自分の貼ったシールが全く剥がれて無かったことに気付いた。
部屋は真っ暗だった。窓が無いから、光が差し込まない。廊下の薄明かりが少しづつ部屋に浸透していく。 誰かが扉付近の部屋のスイッチを入れ、灯りをつける。部屋の光景が映し出された。 一人の人間が部屋の中で倒れていた。 香水で滑りそうになりながら、香山さんがその人物に近づいた。 他の人間の動きは止まったままだ。 「・・・夏美。寝とるんかいな。そんなトコでそんな格好で寝とったら寝違えてまうで。 なんぼなんでも、寝相悪すぎやろ。なぁ、寝言でたすけてぇなんて洒落にならんで」 香山さんの言葉が空虚に響く。 金髪に化粧、夏美さんは見た目はねているだけのようにしか見えない。 「…死んでるの?まさか怨霊…」 可奈子ちゃんがつぶやいた。正岡さんの死を知らないままだからそう考えたくなるのも当然かも知れない。それに、この現場はあまりにも綺麗すぎる。殺害の痕跡はこの光景からは見えない。 ドサリ 誰かが倒れた。今日子さんはここにはいない・・・。誰だ? 「河村さんっ」 真理が声をかける。河村さんは完全に失神しているようだった・・・。 夏美さんは香山さんの呼びかけにも応えなかった。身体が完全にだらんと弛緩している。 「まだ、あったかいやんか。いきとるんやろ透くん。夏美はちょっと寝とるだけやろ」 香山さんの呼びかけに応じるように、ぼくは夏美さんの脈を取り、首筋にも手を当てた。 脈は止まっていた。口元に手を当てるが呼吸もしてない。ちょっとだけ口の中をのぞき込む。唾液が反射している。体温も残ったままだ。つまり・・・ A、「残念ながら」ぼくは首を横に振った。 B、「死にたてホヤホヤですね」真実を告げた。 C、「生きていますよ。香山さんの心の中にね」ぼくは上手いことを言ってみた。 D、「・・・・・・」香山さんの前で何も言えなかった。
678 :
名無しのオプ :2007/04/05(木) 20:15:38 ID:WxII6SD9
Bで
679 :
名無しのオプ :2007/04/05(木) 20:59:13 ID:5SsaLpR4
>>678 自分もBを選ぶかどうか悩んでたw
最後の一行がそれを選べと訴えてる気がしたし。
透、もっとマシな言い方は思いつかなかったのかw
680 :
名無しのオプ :2007/04/07(土) 13:35:24 ID:4vlhdxmV
いや、思ってるだけか、言うかは別問題な気もするけど。
>>677 のB
「死にたてホヤホヤですね」
ぼくは真実を告げた。
キュッ
「いてっ」
いつの間にか部屋に入っていた真理につねられた。
「もうっ!何、できたてホカホカの弁当みたいな言い方してるのよ」
小声で非難された。真理も今にも泣きそうな顔をしている。
香山さんが夏美さんを抱きかかえ、嗚咽を漏らし始める。どうやらぼくの声は聞こえなかったようだ。
夏美さんの死体を見る。目をつむり、本当に眠っているかのようだ。服は昨日と替わってない。左手に大きな注射針の痕跡が何カ所かあった。
「青酸?」
真理が確認するように聞いてきた。確かに即効の神経毒と言えば限られてくるけど・・・。
「誰もいなくなったじゃあるまいし、注射で青酸はないだろう。注射器を使ったのなら、弛緩系の麻痺毒かも知れない」
詳しくは分からない。ただ、それでも、死体は綺麗すぎる気がする。正岡さんの殺され方とは大違いだ。
「時間かしら?正岡さんを殺すときは、深夜で時間があった。でも、夏美さんは昼間で素早く行動する必要があった」
そうだろうか?
香山さんが夏美さんを背負う。そして、無言で部屋を出て行った。
ぼくは部屋の状況を確認することにした。
何もない殺風景の部屋だ。かろうじて、ベッドに綺麗な布団と枕がある。ただ、ぼくたちの部屋と違って机もルームランプもない。
扉を確認する。正岡さんの部屋と違って、ここはスライド錠が掛けてなかった。ドアノブの鍵だけに細工してあったのだ。
「いやっ!!!」
可奈子ちゃんだ。
「何が封印よ。怨霊に殺されたんじゃないのっ!!」
「違うわ。正岡さんも夏美さんも人間に殺されたのよ」
真理が説明した。
「正岡さんも・・・?」啓子ちゃんが聞き返す。
そう言えば、二人とも正岡さんが死んだことを知らない。
「何よ、ソレ!!じゃぁこの屋敷に殺人犯がいるって事!!!?」
可奈子ちゃんがヒステリックに声をあげた。
「とりあえず、応接室に集まろう。ここで議論してても仕方ない。今いない人達の事も気になるし」
ぼくは言った。
俊夫さんと二人で河村さんを連れて行く。可奈子ちゃんを啓子ちゃんがなだめていた。
8月16日正午 応接室にはぼくと真理、俊夫さん、そして可奈子ちゃんと啓子ちゃんがいる。 そこに小林さんが降りてきた。 「叔母さんは?大丈夫だった」 「ああ、目が覚めたけど、部屋で休ませてきたよ」 真理が夏美さんが亡くなった事を告げると、小林さんはやはりと言う顔をした。あの悲鳴が聞こえたのだから、当然か・・・。 「犯人はどうして、正岡さんと夏美さんを殺したんだい?」 小林さんが真理に尋ねる。 「分からないわ。何か繋がりがあったのかも」 ミッシング・リンクという奴か・・・。裏の事情なんて知りようがない。 「もしかしたら、狙われたのは正岡さんじゃなく、美樹本さんだったのかも?」 ぼくはふと思いついて口に出した。 「ええ、その可能性はあるわね。布団の上から刺し殺してるから、誰が寝ているかまでは確認しなかったかも知れないわ」 ただ、そうだからといって、結局二人に共通点があるかどうかまでは分からないのだ。 「夏美さんの事件については、犯人が分かるかも知れない」 真理が突然、そんな事を言い出した。 「でも、断定はできない。特に動機までははっきり分からないわ」 「でも、部屋は開かずの間で、開けることができなかったはずだよ。どうやって開けたんだい?」 「それも一応の説明はできるの」 「正岡さんの部屋のスライド錠は?」 小林さんが言った。 「特にスライド錠は問題ないと思うの。外側からでも閉められるから」 昨夜の糸を使ったというアレか。 夏美さんの事件に関して真理が犯人の可能性があると思っている人物は恐らくあの人だろう。だけど、時間的に相当難しい気がする。 ぼく達が悲鳴を聞いてから、1階に降りていくまでそれほど時間があった訳ではない。 しかし、実際はそれ以上に疑われる人物がいるはずだ。
「やっぱり、アンタの奥さんが犯人やったんや!!」 いつの間にか応接室に来た香山さんが俊夫さんに向かって言った。 「香山さん。夏美さんは」 小林さんが心配そうに聞いた。 「部屋で寝かしてきた。わしは、犯人を許さへん!!!」 「みどりが犯人だって言うのかっ!!!?」 俊夫さんが立ち上がり、香山さんを睨み付ける。 「正岡の部屋の前にはマニキュア、そして、今度は現場に香水や。もう、犯人にきまっとるやないかぁっ!!!」 確かに現場に残された物品はみどりさんのものだ。単純に考えれば、今の段階で最も怪しい人物はみどりさんだと思う。 でも、それではあまりにも・・・。 二人とも今にも殴り合いそうな雰囲気だ。正岡さんの死体を発見する前よりも険悪だ。 A、「ファイッ、ファイッ」ぼくは二人を煽ってみた。 B、「二人とも止めて下さい」二人の間に入り、止めた。 C、「・・・・」無言で成り行きを見つめることにした。
684 :
名無しのオプ :2007/04/07(土) 16:47:53 ID:ESxdXbNC
Bで。
>>683 のB
「二人とも止めて下さい」
ぼくは二人の間に入り、止めた。二人を座らせる。
「まだ、はっきりしたことは分からないんですよ。みどりさんの物が落ちてただけで犯人だと決めつけるのは短絡的です」
「せやけど」「ふんっ」
「少し、落ち着きましょう」
真理が静かに言った。
「とりあえず警察に連絡しよう。誰も携帯は使えないんだな。ロビーの電話を使ってみるか」
小林さんが立ち上がる。ぼくも一緒に行くことにした。
「ダメだ。使えなくなってる」
小林さんがガチガチと黒電話をいじるが、諦めた。
「そうでしょうね。犯人がそのまま使えるようにしておくとは思えないですからね」
ぼくも操作してみるが、やはり無理だった。
応接室に戻り、全員にそれを告げた。
「やっぱり…」
真理がため息をつく。可奈子ちゃんが震えている。
「とりあえず、屋敷中を探し回ってみる事にするよ。誰か他の人物がいないかどうか」
「ええ、そうね」
ぼくと俊夫さん、小林さんで屋敷中を回ったが、使われていない客室には部屋の中に何も無く、人が隠れている気配は無かった。
個人に割り当てられた客室はきちんと鍵が閉まっており、まだ確認はしていない。
午後1時
再び応接室に戻った。
「とにかく、みどりさんとキヨさんの行方が気になるわね」
A、「管理人室を開けてみよう」
B、「外を調べに行こう」
C、「とりあえず昼食にしよう」
686 :
名無しのオプ :2007/04/07(土) 17:45:59 ID:lQ1xJrBc
っC
>>685 のC
腹が減っては戦はできぬ。
「とりあえず昼食にしよう」
ぼくはみんなに提案した。
「賛成〜」啓子ちゃんの賛同の声が上がった。
が、他のみんなから妙に冷たい視線を浴びる。
「よく、こんな時に飯が食えるな」
俊夫さんが言った。
「透だって悪気がある訳じゃないんです」
「ふんっ。案外そいつが犯人だったりしてな。死体見ても全然驚かないし、正岡の死体を自分から調べに行ったからな」
「ぼっ、ぼくが犯人な訳ないでしょう!!」
なんて失礼な人だ。ぼくを犯人呼ばわりするなんて。
「…うう」
河村さんが目を覚ました。
「大丈夫ですか?」
真理が心配そうに声をかける。
「…。あの夏美さんは?」
真理がその問いかけにゆっくりと首を振った。
「…そんなっ。そんな事って!!」
河村さんがふらふらと立ち上がり、部屋を出て行く。
「待って下さい」
真理が呼びかけて追いかける。ぼくもそれを追う。
急に河村さんが走り出したので、急いで追いかける。
河村さんは何も持たず、玄関から出て行くと、そのまままっすぐ外へと走っていった。 門の外に今付いたばかりの河村さんの足跡を除くと、今朝の美樹本さんの出て行った足跡しか無い。 キヨさんもみどりさんも外には出てないのか? 河村さんの姿がどんどん離れていく。 「待って!!」 真理が追いかけようとしたのを掴まえて止める。今はバラバラに動いてはいけないと思う。 「変なのよ」「変?」 何が? 門の所で真理と話しながら立ち止まってると、美樹本さんが荷物を抱えて戻ってきた。何と無く満足そうな顔をしている。収穫があったのだろうか? 「ただいま〜。いやぁお腹がすいたなぁ」 と呑気な事を言い出した。 A、「そうですね」ぼくは同調した。もうペコペコだ。 B、「大変なんですよ!!」ぼくは事件の説明をした。 C、「クルーザーの無線使って警察に連絡して下さい!!」ぼくは行った。 D、「船で島から脱出しましょう!!」ぼくは美樹本さんに頼んだ。
689 :
名無しのオプ :2007/04/08(日) 16:36:52 ID:jLRqRXh+
Cでお願いします。
690 :
名無しのオプ :2007/04/08(日) 20:42:37 ID:dZ271W3f
誤字ばっかだorz読み返せよって感じだなぁ。 ところで、容量的にもうすぐ次スレの季節なのです。 で誠に申し訳ないことに、今スレで終われそうにないのでテンプレとかの修正要望とかあればよろしく。
>>687 のC
「クルーザーの無線を使って警察に連絡して下さい!!」ぼくは言った。
「何かあったのかい?」
「殺人事件です。事は一刻を争うんですよ!!」
「人が死んだ?誰が?」
じれったい人だ。手短に説明することにした。
「正岡さんと夏美さんです」
「何だって!!?ロビーの電話は!!?」
ぼくはその問いに首を振った。
「分かった。急いで船に戻ろう」
「ありがとうございます」
カタンッ
何かが倒れる音がした。上から?
「何だ?今の物音は?」
監視塔の窓部分に目をやると、何かがぶらんぶらんと揺れている。
正岡さんのそれとも違って、またも非現実的な光景だ。
「嘘…。そんな…」
真理が口元に手を当てて、つぶやいた。
「何て事だ。そんな馬鹿な」美樹本さんも苦々しく漏らす。
キヨさんが、まるで蓑虫のようにぶら〜ん、ぶら〜んと揺れていた。
何であんなに揺れているんだろう。
まるで芝居がかってるよ・・・。
「…透?」 真理がぼくに声をかけて、ぼくは気が付いた。 「急げば間に合うかも知れない!!」 ぼくは急いで監視塔の入り口に回った。 門を縮尺したような扉がある。それに・・・ まただ!!また鍵が閉まっている!!南京錠だ。 ガキンッ 外側の南京錠を思い切り蹴飛ばして、壊す。 だめだ。まだ開かない。外側にはもう鍵はない。内側に何か横になっているのが、隙間から分かった。 木の角材を横にして、2枚の扉の金具を通し開かないようにしてあるのだ。 これは元々の鍵代わりだろう。通常内側からしか掛けられない。 監視塔に侵入しないための物か?今となっては完全な邪魔物だ。 もうダメか? いや!!キヨさんが今この瞬間に首を吊ったばかりなら、まだ間に合うかも知れない!! ぼくは A、 ぼくは頭突きで扉に突っ込んだ。 B、 物置にはしごか斧かないか見てくることにした。 C、 美樹本さんと交互に体当たりしてみた。 D、 監視塔によじ登ることにした。 E、真理にはしごを探してくるように頼み、美樹本さんと二人で蹴ったり体当たりをしてみた。
693 :
名無しのオプ :2007/04/08(日) 21:12:04 ID:RUbzyTrK
A
694 :
名無しのオプ :2007/04/09(月) 18:17:03 ID:SlRqO4vN
まとめ止まっちゃったのか
>>692 のA
「だぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!」
ぼくは真理と美樹本さんを扉から下がらせ、助走をつけて、すごい勢いで扉に頭突きをした。
ドカーーーーーーーーーーーーーン
バキッ
コキャッ
扉は全く開かなかった上、ぼくは首の骨を折って死んでしまった。きちんと加減すべきだった・・・。
終「危険な頭突き2」
コンティニュー
>>692 のBorCorDorE
696 :
名無しのオプ :2007/04/09(月) 20:40:26 ID:nN5FMTou
D
697 :
名無しのオプ :2007/04/10(火) 01:52:37 ID:1Nt4bi3W
頭突き→即死は規定路線かw
>>695 Dでおながいします
>>692 のD
ぼくは監視塔によじ登ることにした。急いがないと・・・。
突起や割れ目に手をかけて、足を引っかけながら上を目指す。フリークライミングをやってるかのようだ。やったこと無いけど・・・。
「透くん。無茶はよせ」
「透?大丈夫なの?」
真理が心配そうな声を出す。
大丈夫どころか、20cmくらい上がったところで、もう上へ登るのは不可能だと分かった。
監視塔の壁も塀と同じく、よじ登るなんて事は不可能だったのだ。
「ダメだ。やっぱり違う方法を考えよう」
既に5分以上の時間が経過している。若者でもアッチの世界から戻ってこれなくなる可能性もあるし、キヨさんの年齢を考えればもう・・・。
「お〜い。透くん。コイツは使えないか?」
俊夫さんがはしごを持ってきてくれた。監視塔の窓は塀より高いから10m近くはある。これで足りるのだろうか?
「わしも良いモン見つけてきたでぇ」
香山さんは、どこで見つけてきたのか手には大きな斧を握っていた。これなら監視塔の扉を壊すことが出来るかも知れない。
「どうして、こんな道具を持ってきてくれたんですか?」
真理が聞いた。
「いや、玄関からあれが見えてしもうてな」
アレとはキヨさんの事だろう。なるべく上を見ないようにして香山さんが言った。
「俺もだ。とにかく今は緊急事態だ。急いでやってくれ」
俊夫さんがやればいいのに・・・。
「もちろん、わしの斧を使うんやろ?」
香山さんが斧を差し出す。
「いいや、俺が持ってきたはしごを使うんだよな?」
俊夫さんもムキになって、はしごを塔に立てかけた。塀の上までは届かない様だけど、手を伸ばせばよじ登ることが出来るかも知れない。
俊夫さんが触れたであろう部分を除けば、完全にほこりが被っていて、誰かが使ったような痕跡はなかった。
「さぁ、どっちを使うんだ!?もちろん俺のはしごだろ?」
「いいや、わしの斧やな」
そう言って互いを睨む。こんなときまでさっきの険悪なムードを引きずらなくって良いのに・・。
二人の後で真理が青ざめた顔で上を指さす。
ああ・・・。終わった・・。間に合わなかった・・。
キヨさんの身体は完全に静止していた。 揺れていたから気付かなかったが、今は舌が口からだらんと垂れ下がり、首が異様に伸びていた。 ついさっきではなく、もう少し前に首を吊ったみたいだ・・・。 俊夫さんと香山さんの二人はそれに気付かず、にらみ合ったままだった。 「・・いずれにしろ、現場を調べる必要があると思う」 真理と美樹本さんに伝える。 「そうね」「そうだな」 二人とも同調した。 自殺の可能性が頭をよぎる。でも、なぜ? 殺人の可能性は?正岡さんも夏美さんも不審な死を遂げている。 とにかく、あのままではキヨさんも浮かばれない。 さて、どうしよう? A、俊夫さんの持ってきたはしごを使う。 B、香山さんの持ってきた斧で扉を壊す。 C、俊夫さんと居酒屋をはしごする。 D、香山さんの斧を奪い「Oh〜NO〜」と言ってみる。
700 :
名無しのオプ :2007/04/10(火) 21:44:43 ID:fXq4ldpo
>>699 のA
俊夫さんが立てかけたはしごに登っていく。
「透。気をつけてね」
「うん」
塀の上に手を掛けてなんとか、塀の上に登り、監視塔の外側の窓と内側の窓の間にかがむ。
キヨさんの死体があるのは内側の窓部分だ。
ロープの先は・・・?
あれっ、監視塔の外側だ。それも頂点の尖塔部分だ。
自殺だとしたら、なんでこんな変な所にロープをかけたんだ?キヨさんがそんな事が可能なのか?
と思いながらふと気付くとロープは何本もぶら下がっていた。
キヨさんのような軽い人ならともかく、ぼくだとちぎれそうな位、ボロボロのロープがたくさん・・・。
もしかしてこれが・・・?
100年前に脱獄を図った囚人達が吊された監視塔・・・。その尖塔部分にぶら下がる何本かのロープ。
その内の一本をキヨさんが自殺に利用した?
キヨさんの死体が邪魔で内側の窓から入らず、外側の窓から塔に侵入する。
鉄パイプや角材がたくさん転がっていてる。結構、古い物だ。すえた匂いが入り交じる。
比較的目新しいゴムバンドが転がっていた。風に飛ばされて入ってきたのか。キヨさんが持ってきたのか?
塔の中は昨日から窓が開けっ放しだったために、風雨で汚れおり。一部には雨水が溜まったままだ。
キヨさんの死体から、異臭がする。体内の物をいくつか排泄した・・・死人の匂いだ。
塔の中には濡れないような位置にあった小さな机に封筒と鍵束が転がっていた。
封筒には「遺書」と書かれている。
自殺なのだろうか?
それでも、なぜ?どうしてここで?といった疑問が頭をよぎる。
A、遺書の中を見る。
B、塔を降りて、扉を内側から開ける。
C、キヨさんの死体を降ろす。
702 :
299 :2007/04/10(火) 23:28:51 ID:H3xy2lXK
Bで。
>>701 のB
塔の階段を降りていった。
螺旋階段は、頭が上の階段にぶつかりそうな程、上下は狭く、その上、段差は急だった。
キヨさんのような年寄りにはきつい気がする。
一番下まではそれほどかからないのが救いだった。
扉には横に木の角材がはまっていた。本来なら金属の棒を利用するのだろう。
どちらにしても、外から閉めるのは不可能だ。
「大丈夫だった?」
角材を外し、扉を開けると、真理の心配そうにする顔を見つけた。
「何とかね。急いで降りてきたから現場はあまり荒らしてないけど・・・」
「何か気になることでもあったのかい?」
美樹本さんが聞いてきた。
「ええ、それが屋上の部屋に遺書がありまして・・・」
「遺書だって?」
いつの間にか、小林さんが来ていた。
「中には何て書いてあったんだい?」
「それがまだ、見てないんです。とにかく、ここを開けるのを優先しようと思って」
「賢明だな。もし殺人なら、きみが疑われる可能性もあるわけだしな」
美樹本さんが言った。
さっきの正岡さんの時と同じか・・。もしぼくが殺人犯なら、自らすすんで現場に入るだろうか?
「とにかく調べてみましょう」
真理の声に全員が頷いた。
階段をみんなでゆっくりと登る。途中には部屋がないので、実際に監視以外の用途は無かったのだろう。
見せしめに殺された囚人はどうっやって屋上に運ばれたんだろう?
外は快晴で窓はあけっぱなしだが角度が悪いせいで、薄暗い。
屋上にぼくと美樹本さん、真理、小林さん、俊夫さんが到着した。
香山さんは階段で様子を見守るらしい。上半身だけのぞかせている。
それでも5人いると、かなり窮屈に感じられる。
「とりあえず遺書を開けてみよう」 小林さんが、率先して言った。合鍵と遺書はこの場では、重要な証拠だ。 「ふむふむ」 封筒から中身を取り出して読んでいる。 「どう叔父さん?」 「いや、こいつはどういう事だ?」 真理が小林さんから遺書を奪い、ぼくはそこからのぞき込んだ。 綺麗に揃えられた文字で、内容は衝撃的な事が書かれていた。 要約すると、50年前の殺人事件を起こしたのは本当にキヨさんで、それを暴こうとした正岡さんとみどりさんを殺したと書いてあった。 みどりさんを殺した? みどりさんは既に殺されたのか?キヨさんの手によって? 「おいおいどうしたんだ?何が書いてあるんだ?」 「自殺の理由が分かったのかい?」 俊夫さんと美樹本さんが聞いてきた。 ぼくは A、正直に話した。 B、遺書を飲み込んだ。 C、この場は黙って他の人に委ねることにした。 D、笑ってごまかした。
705 :
名無しのオプ :2007/04/11(水) 20:25:20 ID:JrnfxIBy
C
>>704 のC
ぼくが黙っていると小林さんが俊夫さんに向かって話しかけた。
「俊夫くん。正岡さんが死んだのは知っているね?」
「ええ、それとあの人もね」
そう言って、階段の方に目をやる。香山さんが複雑そうな表情で俊夫さんを見返した。
夏美さんか・・・。キヨさんの遺書に夏美さんについては何も書いてない。どういうことかぼくにはさっぱり分からない。
「キヨさんが事件の犯人だと遺書に書いてある」
「だから自殺したのか・・。みどりについては?」
「いや、それは・・・」小林さんが言い淀む。真理がため息をついた。
「みどりさんは分かりません。キヨさんが正岡さんを殺したとしか書いてありませんから・・・」
真理は嘘を・・・ついた。
「そうか・・・」
俊夫さんがほっとした表情になる。ぼくは罪悪感を抱いた。たしかにここで言ってしまう必要はないが、俊夫さんが遺書をよこせと言ったらすぐにばれる。
だけど、幸いにも俊夫さんは遺書についてはそれ以上、追求せず
「キヨさんを降ろしてやらないか?」と言った。きっと安心感から出た言葉だろう。真理がとても哀しそうな顔をしたのに気付いた。
キヨさんの遺体をぼくと俊夫さんと美樹本さんで協力してロープを外し、降ろした。
とりあえず監視塔に安置しておく事に決めた。
キヨさんの遺体は軽く、そして随分と冷たく感じた。
「何かかけるものでも持ってきてあげようか・・・」
美樹本さんがそう言いながら手を合わせた。ぼくもそれに倣い、手を合わせる。短い付き合いだったけど、いい人だったと思う。
「さぁ、もうこんな悲しい事件は終わりだ。戻ろう」
小林さんが言った。
「夏美もキヨさんに殺されたんか?」
香山さんが聞いてくる。
小林さんは「多分・・・」とだけ答えた。
真理がぼくの服を引っ張った。
「ねぇ透?おかしいと思わない?キヨさんの自殺なんて・・・」
A、思う。
B、思わない。
707 :
名無しのオプ :2007/04/11(水) 21:13:39 ID:cJWWzuXv
やっぱりここはAで。
>>706 のA
「変だね。完全に偽装自殺だよ」
「そうよね。殺人事件を暴かれたくないから殺したとしたら、全く自殺する意味なんてないわよね」
「うん自殺する意味は無いね。50年前の事件なんて今更暴かれたって・・・。
それにキヨさんを殺した犯人は自殺にみせかけた殺人を強調してるんだと思う」
「『自殺に見せかける』のじゃなく『自殺に見せかけた殺人』だと断定させるため?何か変わってるわね」
小林さんたちが階段を降りていく。合鍵と遺書は小林さんが持ったままだ。ぼくは素早くキヨさんの遺体を見る。
「これ見てよ。キヨさんの首のうしろのあたり」
真理が気持ち悪そうにのぞき込む。
「キヨさんの首のロープの跡、索条痕にズレがある」
「ええ、それに少し上の部分には横一文字に何かを押したような痣があるわね」
何と無くこの偽装自殺の方法が読めてきた。だが、それで犯人が誰かまで断定できる訳じゃない。
「どういうことかしら?」
「うん。考えるまでも無いと思うけど、キヨさんの遺体はまずこの部屋にあったんだと思う。それが何らかの方法で窓の外に飛び出たんだ」
「だからあれだけぶらんぶらんと揺れていたのね」
「うん。正にわらべ唄にあった歌詞のようにね」
「それに遺書の文字も問題ないわね」
「え?どうして」
「わたしたちは誰もキヨさんの直筆を知らないわ」
「ああ、そっか」
言われてみればそうだ。つまり誰でも遺書は捏造できたのだ。
「キヨさんは殺されたんだ。犯人は誰か分からないけど」
「扉を閉めた方法は?透分かる?」
「ぼくが内側から開けて分かったのは、扉を外側から閉めるような工作は不可能だったってことだけだよ」
「つまり、窓から出る以外に方法はないって事ね」
「うん。それも簡単な方法でね。ロープを使って降りた。ただ、それだけなんだ」
ロープをどこかに引っかけて降りる。輪の状態にしておいて結び、降りたらほどいて、引っ張れば回収できる。スライド錠の糸と同じだ。
「じゃぁ問題は誰もいない状態でキヨさんがどうやって窓の外に飛び出てきたかだけね?」 「そうなるね。何らかのトリックが使われたのは間違いないと思うけど」 少しだけ思案した。しかしながら、塔に誰もいなかったし、はっきりとそれをやる意味が見当たらない気がする。 トリックを使ったのであっても自分を容疑の圏外におけなければ意味がないからだ・・・。 それに死体を発見させたかっただけなら監視塔で行わなくても良いはずだ。 となるとおもしろ半分で見立て殺人でもしたのか?わらべ唄にあったように・・・。 「本当に誰もいなかったのかしら?実は誰かいて塀の外側の窓から逃げ出したのだとしたら?」 「真理〜透く〜ん。どうしたんだい?」 階下から小林さんの呼ぶ声が聞こえた。 「行きましょう」 「うん」 ぼくはもう一度キヨさんに手を合わせた。 A、必ずぼくが無念を晴らして見せます。 B、真理が必ず真相を明らかにします。 C、助けることができなくてごめんなさい。 D、もっとお金が儲かりますように。 E、真理ともっと親密になれますように。
710 :
名無しのオプ :2007/04/11(水) 22:15:20 ID:cJWWzuXv
頼りにしてるぜ真理、って事でB。
とりあえず今のところ怪しいのは、見つかってないのに死んだことになってるきみどりさんかな? 死んだと言ってるのは遺書のみ、しかもそれを戸板出すことはできない 夏美を殺したのは誰だろう (偽)遺書では全く触れられていないようけど、これも疑問
712 :
名無しのオプ :2007/04/12(木) 21:26:34 ID:WAm5dJqy
>>711 全くもって素晴らしいね。
探偵が一同の前で真相を披露する解決編まであと少し(多分次スレ)それにしても憂鬱になるくらい長い。
>>709 のB
真理が必ず真相を解き明かすと思う。
そうだ!!
ぼくはポケットから、新聞の切り抜きを取り出した。真理の推理の役に立つかも知れない。
「真理。これ、この記事って確かぼくたちが『シュプール』に泊まった時の」
「…透。これって…」
「河村さんの事故の記事なんだけど。ぼくの部屋に転がってたんだ」
真理はしばらく考え込むと、青ざめた顔のまま少しだけ笑った。
そしてぼくに向かって言った。
「ありがとう透。これで謎は全て解けたわ。急ぎましょう。みどりさんが危ないかも」
午後2時
ぼくたちは監視塔を降りて小林さんに声をかけた。
「叔父さん。他の人たちは?」
「ああ、香山さんも俊夫くんも美樹本さんもみどりさんを探しに行くって言って出ていったよ」
「何ですって?」
真理が大声を張り上げた。
「おいおい、どうしたんだい?」
「大変だわ!!みんな危険っ!どうして引き留めなかったのよ!!」
真理が焦る。真理がたどり着いた真相は何だったんだろう?
「叔父さん。叔母さんや他の人たちは中にいるのよね?」
「ああさっきの3人以外誰も出てないからな。何がそんなに危険なんだ?事件は解決したじゃないか?犯人も自殺したわけだし」
小林さんが合鍵と屋上にあった新しいゴムバンドを呑気に指でくるくる回した。 「それ小林さんのだったんですか?」 「ああ、どこかで落としたらしい。なんであんな所にあったのかな。キヨさんが拾ってくれたのか?」 屋敷の中に今日子さんと可奈子ちゃん、啓子ちゃんのOL二人がいる訳か。 「お願いだから誰も外に出さないで!!」 真理が小林さんに頼んだ。 「おいおい。何なんだ一体」 「透!!行きましょう」 ぼくにはよく分からなかったが、真理は心底、焦っているようだった。 「3人とも一緒に行動してると良いけど」 「何で?」 「そうじゃないと危険だからよ。とにかく探さないと。みどりさんが行くとしたらどこ…?」 ぼくと真理は門をくぐり、既に乾いた地面に飛び出した。 「いいえ。みどりさんは分からない…。俊夫さんたちが行くとしたら、どこが怪しいかしら?」 走りながら真理が自問して、そしてぼくに聞いてきた。 A、「廃村かな?」 B、「美樹本さんの船に無線を使いに行ったんじゃ?」 C、「屋敷に引き返そう」 D、「もしかして、神社かな?」 E、「見晴らしの良い丘の上でみんなを探すのはどうかな?」
715 :
名無しのオプ :2007/04/13(金) 01:08:26 ID:X/WjrWQh
B
>>714 のB
ぼくたちはハーバーへと向かった。
走りながらも十数分はかかり、ようやくたどり着いた。
「あった美樹本さんの船だ」
「でも、非道い外傷ね」
昨夜の暴風のせいで、船はかなり傷ついていた。
「動くのかな?」
「分からないわ。橋桁もないみたいだし、透飛び移れる?」
ハーバーの橋から船まで少し距離がある。だけど、飛べない距離じゃない。
「よし」
ぼくは少し助走を付けて、船に飛び移った。
ガンッ
「っと」
意外にゆれないものだ。昨日の船長のボロ船とは大違いで、結構安定している。
ちょうど、いい厚い板があったので、橋にかけて、手を伸ばして真理の手を掴み、船によせた。
胸の近くにまで、真理の身体が来て、状況もわきまえずドキドキしてしまった。
看板の真ん中の船室入り口を覗くと、一目で荒らされているのが分かった。
「やっぱり、無線は壊されてるみたいね」
「警察に通報する手段はないのか・・・」
よく見ると舵とりの操舵輪なども破壊されている。
「美樹本さん、ショックだろうなぁ。コレいくらだったんだろう・・・」
船内を破壊したであろう道具は入り口付近ですぐに見つかった。
ぼくはそれを拾い上げた。
「これって確か・・・」
「香山さんの持ってた斧ね。それでここを破壊したんだわ」
ガンッ 痛いっ!!後頭部に強い衝撃を受け、ぼくはそのまま倒れた。 「透っ!!」 真理の悲鳴が上がる。 誰だ? 見上げると黒い手袋が真理の首のあたりにあった。 ドサッ!!何か薬のようなものを注射された真理が倒れ込んだ。 「・・・・ま・・・り」 ぼくは必死になって真理の身体に近づこうと這いずった。しかし、ある人物に阻まれる。ぼくを殴ったのは・・・ それはあの『田中さん』だった。 帽子に黒いコート、手袋、そしてマスクにサングラス。 誰かが田中さんに変装した?これが真理の心配してた犯人なのか? ぼくは・・・ぼくたちは殺されるのか・・・・?恐怖が身体を駆けめぐる。 ぼくの口に何かが押し当てられた。黒い手袋の内側に白いガーゼのようなものを見た。これは・・・。たぶん・・・何か麻酔の一種だ・・・。 そして、それきり、ぼくは意識を失った。
午後5時半 目が覚めると船室にいた。身体も縛られているわけではない。 生きているのか・・・?時計で時間を確認する。屋敷を出て既に3時間は経過していた。 「もう、こんな時間か・・・。はて何してたんだっけ?」 ぼくは周りを見回す。すぐ隣で真理が倒れている。 「真理っ」 ぼくは急いで真理を抱きかかえた。 「よかった。生きてる」 息はしている。眠っているようだ。 そうだ!!ぼくたちは『田中さん』に襲われた。それは恐らく誰かが変装した姿だったと思う。 コート姿のうえ、倒れていたせいで実際の身長もはっきりとは分からない。 だけど生きている。良かった。 どうして、犯人はぼくたちを殺さなかったんだろう・・・? 香山さんの持っていた斧も近くに転がったままだ。 とりあえず、急いで犯人を見つけないと・・・。 A、真理の服を冷静に脱がす。 B、真理にキスをして起こす。 C、真理にぶっかける。 D、真理の身体を揺すって起こす。 E、目覚まし時計を使った。
719 :
名無しのオプ :2007/04/13(金) 22:37:35 ID:igMDoy3R
720 :
名無しのオプ :2007/04/14(土) 06:36:21 ID:rtli+Jv8
>>719 どれにしようか非常に悩んで別の人にお任せしようと思ったら、無難に一番まともなのを選んでくれて一安心。
いや、別のストーリーで雪に埋もれた河村さんの服を脱がせてて「?!」と思ったら、
単に心音を確認しただけというオチもあったので、
いかにもバッドになりそうな選択肢でも逃げ道が隠されてるのかなって。
721 :
名無しのオプ :2007/04/14(土) 14:07:50 ID:ThsLzYSI
前は選択肢選ばれてから話考えてたしなぁ。今回は大筋があるから窮屈かも知れないんで・・。
>>718 のD
「真理。真理」ぼくは真理の身体を揺すって、呼びかけた。
「……う、う」
良かった。目が覚めたみたいだ。
「…透?どうしたの」
真理は後から、注射を刺されたから、何が起こったのか理解してないんだろう。
「どうやら、襲われたみたいだ。気絶させられた」
「…誰に?」
「・・・・・田中さん。田中さんの格好をした人にだ。変装してたんだ」
あの黒いコートと帽子にマスク。
「つまり、誰に襲われたかまでははっきりとは分からない」
「そう…」
真理はゆっくりと立ち上がり、かなり落胆した様子で、船室を出て行った。
「犯人が誰かまで分からなくて、落ち込んでるの?」
「…」
追いかけたぼくが真理に聞いてみると、真理は首を横に振った。
「いいえ。時間が経ちすぎたの…。もう…」
もう・・・既に誰かが殺されているかも知れない・・・・。
日は傾き、もう少しで夜を迎えることになる。
何かが反射した。ネームプレート?
「○×病院 看護士 河村亜季」
看護士と書かれた部分までは共通になっている台紙のようで、下は個別の名前のシールが貼ってある。
名前の下にも病院名。ファミレスとかと同じか。
確かこれは昨日見た河村さんの鞄にあった物と同じ形だ。
「真理、これは?」
「ええ。そうね」
真理に見せても反応は薄い。もうそれが何を意味するのかか分かっているようだ。
「とにかく屋敷に戻りましょう」
「うん」
ぼくたちは今度はゆっくりと歩いて帰る。帰り道は無言だった。
屋敷にたどり着くと、応接室で啓子ちゃんを除く全員が眠らされていた。 真理と同じように、身体を揺すって起こす。 起こした全員がぼうとした表情で、意識がはっきりするまで少し時間がかかった。 「叔父さん。誰に襲われたんですか?」 「・・・いや。分からない」 「私が入れたお茶に何か睡眠薬でも入っていたようなんですよ」 今日子さんが申し訳なさそうに、うつむく。 正岡さんの死体を見たショックからは立ち直っているようだが、かなり辛そうだ。 「啓子は?」 同じく辛そうな、可奈子ちゃんが聞いてきた。 「まさか啓子が殺されたんじゃ・・・」 口に手をあてて、気持ち悪そうにした。吐き気を感じているんだろう。 ぼくは急いでトイレに行き、水を汲んでくることにした。 トイレで誰かが倒れていた。 啓子ちゃんだ。 「しっかりしろ。おい」 ぼくは啓子ちゃんを何とかゆすり起こそうとした。 息はしているから、生きているんだろうが、何か他の人間より生気が少ない気がする。 原因はすぐにはっきりした。 床に少し血がついていたからだ。ぼくと同じように啓子ちゃんは殴られて気絶させられたんだろう。 「・・・うう。透さん?」 「大丈夫か?しっかりするんだ!!」 「どうしたの?透」 トイレに真理がやってきた。 「啓子ちゃんはここで襲われたらしい」 二人で啓子ちゃんに肩を貸し、応接室まで運んだ。 残念ながら、ぼく一人では啓子ちゃんを運べない。
「みんなと同じようにお茶を飲んでたんだけど、みんなが何か急にうとうとし始めて、眠ったから。私はお手洗いに行ったの」 啓子ちゃんに話を聞いてみる。お菓子を食べたり、物をがぶ飲みするせいで睡眠薬の効果が薄いのだろう。良いことなのかな。 「誰に襲われたかはっきりしない?」 真理が啓子ちゃんに尋ねる。 「田中さん!!あたしが洗面台で手を洗ってたら、影を感じて・・・。それで・・。そうだわ。 あたしの真後ろにトイレの鏡にゲームの田中さんが映ってた!!!コートのボタンを上までしっかり閉めてた!」 肌の色も分からないか・・・。 「正岡さんじゃないのよね?」 可奈子ちゃんが聞いてきた。可奈子ちゃんは正岡さんの死体を直接見てないから、そんな疑問を感じるのだろう。 「正岡さんではないわ」 「とにかく美樹本さんや俊夫くん、香山さんも心配だ」 小林さんは美樹本さんたちが危険な目に遭わされる可能性があることを自分のせいだと思ってるんだろう。 キヨさんの自殺によって安全だと思ってしまった自分の言動を悔いているのだ。 「叔母さん。お茶の睡眠薬ってどうやって入れたか分かる?」 「ごめんなさい。私がしっかり確認しなかったから・・・」 「冷蔵庫に大きなペットボトルのお茶があって、あれを使ったんだ。使い差しだったけど大丈夫だと思って」 「氷は無かったの?」 「ああ、製氷器に氷は無かった。だから、仕方なくそのまま飲んだんだ」 そう言えば、昨日あれだけあった氷が今日は空だったのを朝確認した。 「俊夫さんたちを探さないと」 「ええ」
屋敷の中を一通り見回ったが、特に怪しい人物は見つからなかった。 ぼくと真理、そして、今度は小林さんも一緒に3人を捜索することになった。 屋敷には今日子さん、啓子ちゃん、可奈子ちゃんの3人が残り、応接室を内側から閉めさせ、ぼくたち以外の誰かが来ても絶対に開けないように伝えた。 「大丈夫なの?今日子さんやあの二人の誰かが犯人だったら?」 ぼくは真理に聞いてみた。その可能性は全くないのだろうか?誰かが嘘をついてたら。 「それなら、もう殺されてるでしょ。眠らせた時に」 言われてみれば・・・それもそうだ。昨日の晩ご飯の毒といい、ぼくの疑問はちょっとずれているのかも知れない。 「どこが怪しいんだ?」 もう6時を回り、急がないと真っ暗になってしまう。 「さっき、ハーバーから戻るときに丘を通ったら、人が動いているのは見なかったわ。襲われるとしたらどこかしら?」 「みどりさんを探すなら・・・」 A、「三日月館だ」 B、「湖の小屋だ」 C、「ハーバーだ」
726 :
名無しのオプ :2007/04/14(土) 16:00:00 ID:Yrny9Q+w
B
>>726 「湖の小屋だ」
真理が頷いた。
「みどりさんは島の外へ出て行くわけ無いし、犯人が何かを隠すには絶好の場所だと思うの。いえ、待ち伏せしていた可能性もあるわ」
小屋で待ち伏せして、美樹本さんたちを襲う。ぼくたちがハーバーに向かった時に追いかけて、眠らせる。
そして、屋敷に戻り、小林さんたちを眠らせた・・・。
時間なら十分に余裕がある。
だけど、ぼくたちが殺されなかった理由は何だ?犯人は誰を殺したかったんだ?
「よし、急ごう」
小林さんが先陣をきって走り出した。
小屋までの距離はそう遠くない。
ゴンゴン
何か聞こえる。小屋の方だ。
「ーーーーーー」
声のような物が、叩く音に入り交じる。
「誰か〜助けてくれぇ〜わしら閉じこめられとるんや〜」
「お〜い。誰かぁ〜」
ガンガンッ
香山さんと美樹本さんの声だ。
「透」「うん」
真理と目を合わす。急いで小屋の前に向かった。
「大丈夫ですか?」 小屋の外から声をかける。どうやら外開きの扉の左右の隙間はほとんどない。 指すら全然通せそうにない。 扉を正面から見ると、真ん中に鉄パイプが掛かっていた。鍵代わりか? 扉の前の横向きの凸状の金具には鉄パイプが通されている形だ。 右側の方が少しはみ出て長いものの、閉じこめるつっかえとしては十分な役割を果たしている。 鉄パイプの直径は、金属の留め金の横の長さとほぼ同じで、パイプ自身は下に降りて、上には何も無かった。 金属の留め金はそれぞれ左右の扉2カ所の計4カ所だ。鉄パイプの左部分は一番左の留め金の左端から少し右の部分で止まっていた。 その理由は一番左の金具の底の左部分が上の方にかなりねじ曲がっていたからだ。実際の形状はおそらく他の物とは変わらない。本来ならストッパーの役割か? 横から見ると、上下の長さは約20cmほどで横部分の長さと鉄パイプの直径は6cmほどだった。 つまり横から見た場合、縦20×横6cm程の空洞があるわけだ。 正面から見た面部分は、縦が20×横10cm程度で意外としっかりしている。 (横から見ると扉に金属の[状のものが付いていて、外から閉める場合、本来ならちょうど良い大きさの角棒で閉めるのが鉄パイプが刺さって閉まっていた) 「ああ。何とかな。誰かに襲われて閉じこめられた」「わしもや」 グチャ 何か地面が柔らかいと思ったら、下が少し濡れていた。何だろう? 「ちょっと大変なんだ。開けてくれないかな?」 美樹本さんが言った。 「すいません。今開けます」 大変?何だろう? それに俊夫さんはどこへ行ったんだろう?一緒にいないのか? A、小屋の扉に頭突きをかます。 B、鉄パイプを抜いて普通に開ける。 C、窓の方に回ってみる。
729 :
名無しのオプ :2007/04/14(土) 20:24:52 ID:Eo639e3h
Cで
>>728 のC
ぼくは窓の方に回ってみた。
ヒビが入り、薄汚く変色しているが、結構がっしりとしている。
中に鉄格子が入ってるから、内側からは割れそうにない。
鉄格子がある以上、窓を割っても、意味がないだろう。
窓は開いてない。上下に開閉式だが、なぜか鍵がかなり昔に溶接されているようで、開かないみたいだ。
「ダメだ」
後にいた真理に言った。小林さんも覗き込む。
「ねぇ、あれ俊夫さんじゃないかしら?」
「えっ」
ぼくは気付かなかったが、右奥の方に一人の人物が座っていた。顔は下を向いている。
俊夫さんが何かボールのようなものを抱えていた。
「あれって、もしかして…」
真理が青ざめ、震えながら言った。
「うん。やられたんだ。あれはみどりさん・・・」
俊夫さんが抱えていたのはみどりさんの首だった。真っ白に変色して、まるで凍死しているかのようだ。
「…うう」
真理が口許をおさえ、嗚咽を漏らす。
「大丈夫か?真理」
「…ええ。透、窓はダメだから扉を開けましょう」
「うん」
窓の中を見ると香山さんが手でバツを作り、扉の方を指さし、何か口をパクパクさせている。
「多分、早く開けろって言ってるんだ」
「行きましょう」
ぼくたちはふたたび正面の扉に回り、ぼくが鉄パイプを抜いた。
ひんやりとした感触がした。水がついている。
731 :
名無しのオプ :2007/04/14(土) 23:38:09 ID:mAlOOTpI
支援
小屋の扉は香山さんと美樹本さんが一気に押し開けた。 「大丈夫でしたか!?」 「いや、殺されるかと思ったよ」 美樹本さんが安心したような表情になる。 「ほんまに。わしも夏美の声が聞こえよったわ」 三途の川をわたりかけた訳でもあるまいし。 「それで、俊夫くんは?」 小林さんが二人を押しのけて、座り込んでいる俊夫さんの所へ行った。 「・・・・・ああ、オーナー、これ、家内です」 俊夫さんが薄気味悪くにやりと笑う。 「俊夫くん!!しっかりするんだ!!」 小林さんが俊夫さんの肩を揺すった。 「・・・オーナー、みどりがどこにいるか分かりましたか?ここにいたんですよ」 完全に我を見失っている。みどりさんの首を抱えたまま、目はうつろだ。 「俺たちが篠崎君を見つけた時から、終始あの調子でね・・・」 「女房を失ったばかりのわしにも気持ちは分かる」 香山さんは心底、俊夫さんに同情している様子だった。 「その、みどりさんの首はどこにあったんですか?」 真理が俊夫さんから目をそらしながら美樹本さんに聞いた。 「ああ、あの奥のドラム缶の中だ。氷がたくさん詰まっててね。家庭用のブロックアイスくらいの奴だ」 美樹本さんが、小屋の奥の方を指さした。材木や鉄パイプ、薄いベニヤ板などが、立てかけてある前に古いドラム缶が立っていた。 人一人は十分に入りそうだ。 「氷?」 製氷器にあった奴だろうか?全部詰めればちょうど同じくらいの量だけど。 「俺たちがここに来たときには、床に何個か転がってたな。今は溶けて、あのドラム缶の中にあるだけさ」 「風見鶏、寒い、寒いと〜」 真理がメモを開きながら、声に出した。わらべ唄か・・・。 「俊夫くん!!俊夫くん!!」 ひたすら俊夫さんを呼ぶ小林さんの横を通り過ぎ、ドラム缶の中を覗く。確かに氷が残っている。 そして・・・。 女性の首から下の部分があった・・・・。昨日の服そのままだ。 肌色のつめ、白い指先には恐らく俊夫さんが送ったであろう指輪がはまっていた。 服に染み込んだ血の跡が生々しい。ここで殺されたのは間違いないだろう・・・。 ドラム缶から動かしたような痕跡は見当たらない。 ぼくは真理に見たままを伝えた。 「そう…」 とだけ口に出した。
733 :
名無しのオプ :2007/04/14(土) 23:40:38 ID:mAlOOTpI
紫煙
パシンッ 小林さんが俊夫さんを叩いた。 「オーナー・・・・。俺は・・・・。みどりは・・・・うぁぁぁぁぁぁぁ」 どうやら小林さんのおかげで立ち直れそうだ。俊夫さんはそのまま泣き崩れた。 「しっかりしろ。君は生きるんだ。何があっても」 「・・・・・はい」 俊夫さんは小林さんの言葉に頷いた。 「みどりさんはそのままにしておきましょう。島から出たら必ず、弔いましょう」 真理が俊夫さんに言葉をかける。それは完全に優しさに満ちていた。 ぼくと美樹本さんがドラム缶からみどりさんの首から下部分を出して、ベニヤ板や角材で簡単なベッドを作り横にした。 首は俊夫さんがみどりさんの切れた部分近くに置いた。 ぼくたちは小屋を閉めた。鉄パイプを通し、内側から開けられないようにしたのに特に理由はない。 ただ、そうしたかっただけだった。
735 :
名無しのオプ :2007/04/14(土) 23:41:32 ID:mAlOOTpI
試演
外は既に暗くなり始めていた。 「おや、あれは?」 小林さんが何かに気付いた。少し離れた崖の方に田中さんの帽子が置いてあった。 来るときからは背中側だから気付けなかったんだろうけど、変な場所にあるもんだ。 「ちょっと見てみましょう」 美樹本さんが、崖の方面へと歩いていく。ぼくたちも後を追った。 「やられたな・・・。まさか、こんな事だったとは・・・」 美樹本さんがため息をつく。 「ええ、事件は全て終わりました。こんな最悪の形で」 真理が言った。 ぼくたちが覗き込んだ崖の下には、一人の人間が横たわっていた。 手を真横に広げ、身体部分は不自然にもりあがった感じがする。 服は真っ黒いコート。田中さんの服装で、黒い手袋を身につけていた。 そして、帽子とサングラス、マスクをはずしたその顔は・・・。 河村さんだった。その顔は血で染まっていた。そしてきっと、その手は・・・・。 事件は終わったのだ・・・。
737 :
名無しのオプ :2007/04/14(土) 23:45:30 ID:mAlOOTpI
…まだ続く? 終、が出てないけど
738 :
名無しのオプ :2007/04/15(日) 05:23:16 ID:BXx5Yk76
これで終わりだったら、河村さんは目的を果たしたので自殺って事でいいのかな? 事故じゃむなしすぎるし、誰かに突き落とされたのならまだ話は終わらないし。 みどりさん以外を殺した犯人や動機(一人は間違いだけど)も不明なままだけど。 もしこれで終了なら、出来れば途中から再開して完結編も読みたいです。
739 :
738 :2007/04/15(日) 06:23:34 ID:BXx5Yk76
もう一度一通り読み直してみたら、正岡さんを殺害した理由は出てましたね。 あと、犯人は終わったら外国に逃げて別に自殺をするつもりはなかったという事も。 みどりさんはいつどこで殺害されたのか謎なのだけど、地下水路を使って運んだのかな?
>>737 長くなるから休憩、とかでは?
>738氏
正岡を殺した理由に関しては間違い殺人だと思われ
遺書に関しては頭から疑ってかかるべきかと
だから、考えないといけないのは、ミッキーを殺したかった理由
まあこれは解決編を待たないといけないんだろうな…
きみどりさん殺害はやっぱり地下水路かなぁ…
一晩で(ミッキーのつもりだけど)正岡を殺し、きみどりさんと氷を小屋まで運ぶ、
となると複数犯も考えてみる価値がありそう
複数犯なら夏美殺害のところでも色々トリック練れそう
組みそうといえば…加奈子と啓子?
そういえば啓子だけ寝てなかった……
741 :
名無しのオプ :2007/04/15(日) 10:54:31 ID:LwqcU3FH
続きはあるでしょ。それにしてもペース速いな。すらすら読めるし。すごいよ。
742 :
名無しのオプ :2007/04/15(日) 12:43:57 ID:d4WgV99p
743 :
名無しのオプ :2007/04/15(日) 13:10:05 ID:BXx5Yk76
>>740 うん、正岡殺害の理由は部屋を交換した事による間違いだってのは犯人の回想で分かった。
ミッキーに関しては、自分を事故に遭わせたと思われる中から絞って一番怪しそうだったから?
そういや透の部屋にあった事故の切り抜きだけど、真理の部屋にはなく、他の人物の部屋にはあったかどうかすら不明。
「あの日」に車を運転してた人の部屋にだけ置いて、反応を見たのかな?
そうでない真理たちまで最初は殺すつもりだったのは、証拠隠蔽などの共犯の可能性もあるから?
744 :
名無しのオプ :2007/04/15(日) 13:34:23 ID:d4WgV99p
疑問は全て解消されるよ。あることが可能だったたった一人の人間(犯人)を指摘した上で。
745 :
名無しのオプ :2007/04/15(日) 14:17:37 ID:4nV1ivn+
複数犯説は違ったか… ではこっちは埋めますか
746 :
名無しのオプ :2007/04/15(日) 14:31:56 ID:BXx5Yk76
じゃ埋めついでに他の疑問も。
続きを読めば分かる事なので、書き主さんはレスしてくれなくてもいいです。
あ、
>>743 の最後で書いた共犯ってのは今回の事件ではなく、ひき逃げの方ね。
でも自分も今回の事件は複数犯だと思ってたけど。
単独犯なら、河村さんは他殺ではなく自殺か事故なのかな?
747 :
名無しのオプ :2007/04/15(日) 14:34:36 ID:BXx5Yk76
あとは透が開かずの間に貼ったシールか。 あれは、みんなが開けた時までシールははがれず、 犯人は扉を一度も開けずに犯行を行った事を意味する? もちろんお札が破られてたのはダミーで。
748 :
名無しのオプ :2007/04/16(月) 06:42:08 ID:qfm+AVgg
新スレでの続きを読むちょっと前からもしかして・・・と思ってたけど、 河村さんに関しては本作かま1とかま2〜3でのトリックというかひっかけを使った可能性もあるんだね。 やっぱりつい先入観を持って読んでしまうよなあ。
749 :
名無しのオプ :2007/04/17(火) 01:23:32 ID:Xc4E2awI
スライド錠って磁石で動かせるよな…?
750 :
名無しのオプ :2007/04/23(月) 01:41:37 ID:LF8ZP5Bx
このスレ埋めるの?
埋めにちょっと短編でも。間に合うかな…。
「……うっ、いててて…ここは?」 辺りは薄暗く、前がよく見通せない。 知らない場所だが雰囲気からしておそらく地下室のようなところだろうか。 ぼくはとりあえず状況を整理するため記憶遡らせてみることにする。 …そう、たしかぼくは大学の休みを利用して、ガールフレンドである真理と一緒にスキーに行って…それから、それから……。 そうだ。ペンションに泊まることになっていたんだ。 そして真理の叔父さんでもあるオーナーの小林さんに手厚く持てなされ、 夕食の時間までに、着替えを済ませようと自分の部屋で厚着の服を脱いでいたところを、いきなり後ろから誰かにガツン、と殴られたのだ。 着替えていたとはいえ背後の気配に気づかないとは…なんて不覚だ。 「お目覚めのようだな」 どこからか低い、男の声がした。 「誰だ、あんたは」 姿が見えないが恐怖はなかった。それよりズキズキと痛む後頭部が不快さを募らせていた。 「オレかい?オレは―――」 そいつは無機質な声で言った。 A:「田中一郎だ」 B:「強盗犯、ってやつかな」 C:「かまいたちさ」 D:「夢だ」 E:「お前の創造のつかないものだ」
753 :
名無しのオプ :2007/04/23(月) 20:53:19 ID:woF8zkBy
あと4kじゃきつくない? Cで
>>752 続き
C:「かまいたちさ」
「か、かまいたち…?」
「そうさ」
そう言うと同時に、突然天井からパッ、と明かりがついた。
「うわぁっ!…あ、あ……!」
一瞬で、体が凍りついた。
その部屋の辺り一面が、真っ赤な血に、夥しく染まっていたのだ。さっきから鼻ついていた鉄の臭いも、これだったのだ。
しかもそれだけじゃない。部屋にはその元となった人間の首、体、腕、足。
それらが物言わぬオブジェクトのように所々に転がっていた。
「『かまいたち』。聞いたことはないか? 何もないところで突然切り付けられたりする。
世間ではそれを鎌を持ったイタチの仕業だの何だの言われているが、オレはまさにそのイタチ、というわけだ。
まぁもっともオレは鎌なんか使っちゃいない。空間において部分的に真空状態を発生させあらゆる物体を切り裂く。それができるのさ」
何でもないように言ってるがこいつの言ってることには真実味があった。
転がっている体の切り口は、包丁なんかで切るよりすっぱりと、真っさらだったのだ。と、思うと同時に不安が沸きあがった。
「ま、真理は……!真理はどこだ!?」
相変わらず姿の見えない相手にぼくは怒鳴った。
「真理?どの女だったかな。…ああ、そこに転がってる女じゃないか?」
……見たく、なかった。認めたくない思いと事実。しかしそれは、どうしたって事実の方が絶対なのだ。
横たわっている真理は、体を深く切り裂かれ、その肌を白くさせていた。そしておそらく、もう、息をしていない。
「うあああああああ!!」
ぼくは手近にあったモップを掴むと、それを滅茶苦茶に振り回した。
「ああ無駄無駄。オレは妖怪だからな、実体はないんだ」
「何故だ? なんで殺した!? そして…なんでぼくは生きているんだ?!」
その理由を、どうしても知りたかった。
と、いったところでそろそろ容量限界のようです(やっぱり無理があった;)
まぁ元々埋めが目的なので終わりか…もし希望があれば次スレで書きます。
755 :
名無しのオプ :2007/04/24(火) 20:25:28 ID:iGsY1RBc
妙な所で止まっちゃったなw まあ…乙彼
756 :
名無しのオプ :2007/04/24(火) 20:55:03 ID:Dp1szT77
続きがすっごい気になるので、ぜひ続きを。
757 :
名無しのオプ :2007/04/25(水) 00:54:15 ID:MnHD0vAO
一応続きは書いたけど…次スレはとても自分が書き込める流れじゃないし…。 もう少し保管しときます。
759 :
名無しのオプ :2007/04/26(木) 16:53:57 ID:ErcmwbbF
じゃあ、次スレの流れが一段落したらお願いします。 個人的には別の話の同時進行も大歓迎なのだけど。 未完で中断してる話の続きも書き込んでもらいたいくらいだし。
760 :
名無しのオプ :2007/04/26(木) 21:23:29 ID:BWv3/KRO
他の書き手さん達も
>>758 さんみたいに様子を見てるのかもな。
今のもかなり面白いけど、とうとう解決編まで来ちゃったし、
それが完結しても、中断してた書き手さん達が現れてくれて
どんどんスレが伸びるだろうなと今から期待しまくり。
ホントに自分の駄作は気にせず続きを激しく希望。本当は人のが読みたいだけなんで・・。
762 :
名無しのオプ :2007/04/27(金) 01:21:50 ID:lvSinUgI
他の書き手さんも今の三日月島編を楽しんでるのでは
763 :
名無しのオプ :2007/04/27(金) 14:53:25 ID:YNxTlazt
こうシリアスな展開が続くと、モップで何度も何度も〜が見たくなるw
764 :
名無しのオプ :2007/04/28(土) 01:26:25 ID:zk0rM4TG
>>763 透が身体を張って何度も何度も頭突きかましてるじゃないかw
765 :
名無しのオプ :2007/05/03(木) 20:21:56 ID:+CgwfD9z
そろそろ埋めよう
766 :
名無しのオプ :
2007/05/03(木) 20:23:59 ID:+CgwfD9z よく花が咲いてる梅の木の下には死体が埋められてる と書こうとして桜だった事に気づいたw