横溝正史 〜十一月は季節外れの雪の密室〜

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807書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
八つ墓は謎解きミステリを期待して読むと外れだろうが、
怪奇冒険探偵小説として読めば、一読巻を置かせぬ面白さに富んだ作である。
大ヒット作、ロングセラーではあるが、論者の着眼点により評価が分かれる作かと思う。
しかし、一般には本陣、蝶々のような本格作品よりも、八つ墓のような冒険風、
犬神のような怪奇サスペンス風が根強い人気があるのは、日本人の嗜好を覗わせて面白い。
近年の東野作品でも謎解き色濃厚な直木賞受賞作の容疑者Xよりも、
受賞を逸したクールな青春小説風のテーストがある「百夜行」の方がいまだに人気が高い。