「犬神家の一族」は、興業収入13億強を上げて邦画部門第2位、
(1位は「続人間革命」(16億強)なので実質1位)、これは洋画を含めた
トータルなランキングでも第4位に入る当時の邦画としては堂々たる数字である。
(ちなみに1位はあの「ジョーズ」で50億強、これは別格でしょ)
センセーショナルなシーンのみ取り上げられることが多く、いろいろと言われる作品だが、
清涼な信州を舞台に繰り広げられる遺産相続を巡る凄惨な連続殺人の強烈なサスペンス
という原作の趣旨は良く活かされており、
兵ちゃんの金田一好演、まだ清楚だった島田陽子、坂口良子の見られる美しさ、
高峰三枝子嬢、草笛光子嬢等ヴェテランの貫禄ある演技、さらには大滝秀治、原泉等の
個性派のタレントが脇を固めるなど、それなりに見応えがある作に仕上がっていた。
>>264を叩いておきましょう。
原作者とはいえ、横溝御大個人の所感は、映画「本陣殺人事件」がファンには不評であり、
一般的に見て興業上ヒットしたとは言い難い(勿論、邦画年間興業収入ベスト10圏外)という事実に対しての反論とは全く成り得ない。
また、金田一の和装が必須アイテムであるという事は、必ずしも作品の成功を意味しない。
(成功を意図するのであれば、和装という理は成立し得る)
さらには、作品のモデルと完成された小説世界の人物を混同して語るのは初歩的な誤りである。(では戦前と戦後で大変身してしまう明智などはどうなるのか)
以上のような簡単な理屈がわからないのは、ある意味重症である(w