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書斎魔神:
トルーマン・カポーティの短編集「ミリアム」(新潮文庫)を読む。
カポーティ作品を「ミステリ」という文脈で語った例はあまり見かけないが、
クライム・ノヴェルの傑作「冷血」の著者なのは良く知られたところである。
表題作「ミリアム」は、伏線が十分に張られた短編サイコ・ミステリとしても
楽しめる作。しかし、そのテーマは奥深いものがある。
ミステリ板には、純文学と聞くと、「純文学キター!」とか絶叫して逃げ出す輩が
多いようだが、このような者たちにも突き付けて読ませたい作である。
そして、早くミステリのみが本ではないことを自覚して欲しいものである。