『読みました』報告・海外編Part.3

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442書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
今更ではあるが、ダン・ブラウン「ダ・ヴィンチ・コード」を読んだ。
社会的なダ・ヴィンチ・ブームを巻き起したベストセラーではあるが、
それゆえ、手を出しかねていた面がある作。
出来としては、期待以上でも以下でもないといったところであり、
御都合主義で安手なアクションが鼻につく感はあるが、
キリスト教を中心とした歴史・宗教に関する薀蓄(トンデモ含む)が満載であり、
ダ・ヴィンチ人気が高い日本とはいえ、ベストセラーになったのは不思議な
感はあるが、世界的に見た場合、謎解きミステリ(と同時に歴史ミステリ、
あえて本格ミステリというワードは使用しない)の現在形は、
こういった形になってゆくのであろうかという気はしている。
最早、日本のミスオタが熱狂しているような巧緻な密室や精緻なアリバイ破り等の時代
でもなかろう。
高校世界史B程度(テンプル騎士団などは本作のキーワード中のキーワードと言える)
をきちんと履修していないと、読み難く、到底、楽しんで読むことは出来得ないかと思う。
私の如き知識人層の間で、ダ・ヴィンチねたのちょっと毛色が変った作があると
話題になり、文庫化もされずにひっそりと消えていっても不思議ではない作だったのだが、
映画化の機等も利用し、「これ」を売りまくったのは、さすが角川であると言える。