『読みました』報告・海外編Part.3

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426書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
「巨大ミミズクの謎」
最後の一行が文学的な締めの一編。
このシリーズは謎解き主体からじょじょに人間ドラマへの傾斜を見せてゆくが、
この事が良くわかる作である。
「奇蹟を起す水瓶の謎」
名探偵のはずのサムの注意散漫(もう年?)もあって、
謎解きに御都合主義ばかり目立つ作。
「幽霊が出るテラスの謎」
旅先であるニュー・ベッドフォード(捕鯨基地として有名だった)が舞台、
当然ようにメルヴィルねたが登場し、ホックの文学好きを確認させられる。
収録作品中で謎解きミステリとしては一番の出来、
ジョン風のバカミスっぽい仰天トリックだが、これくらいやると逆に面白いのである。
本作にも犯行動機等に諸に時代(大戦)の影響があり、締めは文学的でもある。
「知られざる扉の謎」
ミステリに多い修道院ネタ。ミステリアスな雰囲気は良いものの、
ミステリとしての出来は平板に過ぎる。
「有蓋橋の第ニの謎」
名探偵サムのデビュー作となった同じ有蓋橋を舞台にした第一の謎には及ばない出来。
解決はこれしかないものなのではあるが、巧く決まり過ぎているのである。
「案山子会議の謎」
案山子という小道具が作品中に巧く活かされ、面白い謎解きミステリに仕上がっている。
とにかく案山子に注目!