『読みました』報告・海外編Part.3

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409書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
ドナルド・E・ウェストレイク「聖なる怪物」を読んだ。
「斧」と「鉤」の好評(いずれも「このミス」「文春」等の年間ミステリランキングで
高順位を獲得)により刊行された作だが、
完全にラリった感じの主人公(ハリウッドスター)の語り(これがトリックにも関連するのだが)は面白い趣向ではあるものの、途中から仕掛け(インタビュアーの正体等)が
見え見え、パズル小説ではなくサスペンス・ミステリとはいえ、
終盤には基本的にミステリの禁じ手と言われるネタの登場も感心しないものがある
前2作には遠く及ばない凡作であった。
年間のミステリランキングからは無視され、以後に文春文庫からドナルド作品の刊行が
無いのも、この内容を見ればうなずけるものがある。
折角のドナルドノンキャラ作品の翻訳であるし、こんなモノ(未訳)しか無かったの
であろうか?
作品そのものには関係しないことではあるが、解説でドナルドの映画化作品を
挙げているが、
ドートマンダー・シリーズの「ホットロック」(ピーター・イエーツ監督、ロバート・
レッドフォード主演)が落ちているのもしょうもない。