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書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :
尾崎紅葉「金色夜叉」を読んだ。
芝居や映画でおなじみ寛一&お宮のストーリーだが、
原作は先の展開が読めないサスペンス小説として読むことが可能。
お宮が寛一と別れるのは、周囲の圧力等ではなく、権威や財力に惹かれたという現代的
な要因であること、(いわゆる牛を馬に乗換えるというやつである)
寛一が単なる2ちゃんねらー風の粘着質なアホではなく、ひとりの女のために
人生を誤った男という自覚を持っているのも面白い。(さすがに一高生だ)
土曜の晩に「たったひとつの恋」とか見ながら、「身分違いの恋キター!」とか喜んでいる
アホなミスヲタ連中にこそ読ませたい大衆文学の古典的作品と言い得よう。