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書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :
「潤一郎ラビリンス]Y 戯曲傑作集」を読んだ。
既にこのスレでもおなじみとなった「潤一郎ラビリンス・シリーズ」の最終巻、
「読むための戯曲」(これはかねてから私が創作に臨むにあたって理想とするところ
でもある)を意図した大谷崎の意気込みが実感出来るところの力作揃いである。
あたかもクライム戯曲集の感さえある収録作品ゆえ、全話講評逝ってみよう!
・「恋を知る頃」
スイートな感さえ受けるタイトルからは推し量れない凄惨な展開へと向かう作。
主人公の少年伸太郎は、若干12〜13歳という設定でありながら、
思慕する義姉に対して「僕はお前が死ねと云えば、何時でも死ぬよ」とのたまうような
DQN、2ちゃんねらー好みのキャラと言えようか(w
・ 「恐怖時代」
かってのB級東映残酷時代劇を想起させるようなハチャメチャな残酷劇、
本作にも、常に我が身の安全しか念頭に無いヘタレな茶坊主珍斎という、まさに
時代劇版2ちゃんねらーと言い得るキャラが登場、最早笑うしかないものがある。
・ 「お国と五平」
登場人物は3人のみ、夫の敵討ちを意図するお国とその従者五平、敵の友之丞だが、
物語の進展につれて意外な真相が次々と明らかになってゆく…
とにかく、これも2ちゃんねらー的キャラな友之丞のヘタレぶりが読み所である。
・ 「百狐の湯」
白人女萌えな主人公角太郎は、まさに典型的な2ちゃんねらー的DQNと言い得る(w
小品ながら民話風の異色作。
・「無明と愛染」
本作も先の展開が読み難いサスペンスフルな一編。
語呂合わせだけではなく、ヒロイン愛染を全盛期の愛染恭子で舞台化ないしは
映像化したら面白いものがあったかと思う。