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書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :
中野純/文・中里和人/写真「夜旅」を読んだ(見たか)
収録されたエッセイを読めばわかるが、全てが闇に包まれる夜の探訪、
これこそ日常性、否、そこから1歩出た「冒険」の世界だと言い得る。
(例えば、最終章である「第十七夜 ケータイの光を頼りに闇を歩く」を読んでみたまえ)
しかし、1961年生まれでありながら、筆者の文体の無理な若作りとでも称すべき
軽さには萎えざるをえないものがある。
「…すごい。あっちにもこっちにもそっちにもどっちにもある。…」
「きれいなんだか汚いんだかわからない感じがあいまって、すごくいい…」
本書のテーマが川本三郎、泉麻人といった、軽くなり過ぎず面白く読ませる
エッセイの名手の手になるものであったならと思うと残念でならない。