924 :
名無しのオプ:2006/09/25(月) 18:40:07 ID:YDv5MKsK
>>922-923 情報サンクス。そうかドラマ化されてたのか・・・。
「松本清張あらかると」をチェックしたのにな。・・・阿刀田め〜。
他にもドラマ化リストから漏れてる清張作品あるのかな。
それにしてもドラマ面白そう。再放送してほしー。NHKだし期待できそうかな。
でもさすがに「ノッポ」とか言わないだろうな。
925 :
名無しのオプ:2006/09/25(月) 23:05:49 ID:KsRU4Wph
「赤い月」の主人公が部屋に桜田淳子のポスターを貼ってたのをなぜか覚えてるなあ。
松本清張原作だとは知らずに見てましたよ。
926 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/09/26(火) 22:04:34 ID:PY38tXgI
「赤い月」こと「高校殺人事件」は、「高校コース」という学習雑誌に60年4月から
61年3月の1年間に渡って連載されたジュブナイル、
清張作品らしからぬのは初期作というだけではなく、
(既にこの時期には「文藝春秋」に「日本の黒い霧」の連載を開始している)
掲載誌の関係もあったのであろう。
後年の少年ドラマ化には適した素材だったとは言い得るが、青春と怪奇の物語は、
これが清張作品と思いながらも、結構面白く読ませるものがある。
927 :
名無しのオプ:2006/09/26(火) 22:16:10 ID:6epKNZgD
丹波哲郎が霊界へ旅立ったんだってね。
でも、これを機会に「砂の器」放送して欲しいなーなんて
一瞬思ってしまったりした・・・。
928 :
名無しのオプ:2006/09/26(火) 22:20:43 ID:nFk0125M
清張は北九州出身のように思われているが
父親の出身地は山陰地方なんだよね
その父親が故郷から逃げるように北九州に流れ着いたということ
年を取った主人公が父親の故郷である山陰を訪れて父親を偲ぶ
という同じテーマの作品を結構書いてる
929 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/09/27(水) 22:27:41 ID:hdD3jlix
「砂の器」の今西刑事と吉村刑事は、どこにでもいるような目立たない平凡な人物という
設定が、事件のリアリティと特異性を際立たせるのに効果があったのだが、
映画版のタンバとモリケンは存在感有り過ぎかも、しかし、2人の力演は十分に認める
ものである。
映画の壮重なラスト(コンサートシーン)も良いか、原作(空港のシーン)のあっさりとした幕切れも捨て難いものがある。
典型的な松竹人情話という面も持つ映画「砂の器」は、新東宝出身で独自のダンディズム
がある丹波さんらしからぬ出演作ではあったが、自他共に認める代表作となったのは
面白い。やはり演技力はある人だったのであろう。
>>928の系統の代表作は、やはり「父系の指」かと思う。
本作は清張作品のルーツを見るという意味では、
芥川賞受賞作品「或る『小倉日記』伝」や直木賞候補作品「西郷札」以上に
必読かと思う。
930 :
名無しのオプ:2006/09/28(木) 16:14:56 ID:PoOXqgB5
931 :
名無しのオプ:2006/09/29(金) 23:18:37 ID:Uo2pSYC7
>>929 さすが書斎さん、博識だなあ
TV版の仲代にも触れて下さい
932 :
名無しのオプ:2006/09/30(土) 02:59:51 ID:123tkEPs
933 :
名無しのオプ:2006/09/30(土) 07:51:51 ID:oWh86Pe6
934 :
名無しのオプ:2006/09/30(土) 09:18:16 ID:ETwOWgBU
TV版は仲代よりも田村正和の方が印象に残ってる
個人的には、映画版の加藤剛よりも役にハマってたように思う
935 :
名無しのオプ:2006/09/30(土) 12:04:09 ID:6w69byQS
936 :
名無しのオプ:2006/10/01(日) 21:32:19 ID:QyVJYhkC
『私説・日本合戦譚』を読んだ。
清張の淡々とした筆致だから、読んでるうちに盛り上がって血湧き肉踊る
というわけではなく、あくまで地味に簡潔に語られる。
それはそれで面白いが、人物を評して、現代にもこういう人間はいる・
こういう人間関係はある、といった記述が所々にあって、やや白けないでもない。
937 :
名無しのオプ:2006/10/01(日) 21:39:32 ID:XYKWbWdJ
私小説っぽいのはあんまり面白くないなあって個人的には思う。
「父子の指、骨壷の風景、流れの中に」の三つしか知らんけど(タイトル合ってるかな)。
938 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/10/01(日) 23:06:34 ID:+oc+i3N+
映画版「砂の器」の不満点のひとつは、原作の終盤、今西刑事が若い吉村刑事に
華を持たすシーンが無いこと、世代交代を象徴する地味だが印象的な良いシーンだけに
残念。原作のテーマのひとつも欠落してしまったようにも思う。
もっとも、映画版で今西刑事を演じたタンバは、まだまだエネルギッシュで、
とても後進に道を譲るという感じには見えないが。
939 :
名無しのオプ:2006/10/02(月) 22:46:27 ID:qbp9sSu3
「歪んだ複写」と「不安な演奏」読みました。
両方とも普通に面白くて、3日で2冊読んでしまった。
しかし、前者はまだタイトルの意味がわかるんだけど、
「不安な演奏」はタイトルの意味がさっぱりわかんね。
「演奏」が何を暗示してるかもわからないし、誰が不安に思うのかもわかんない。
940 :
名無しのオプ:2006/10/03(火) 20:55:29 ID:FbG03uq2
『雑草群落』を読んだ。
古美術業界の内幕もので『真贋の森』と同じモチーフなのだが
殺人が起こるわけでも派手などんでん返しがあるわけでもなく
業界の腐敗を暴くという程でもない。
一種ホームドラマの趣もある、清張にしては気楽に読める作品だった。
941 :
名無しのオプ:2006/10/03(火) 22:20:23 ID:g2t2jBIo
「鬼火の町」を読んだよ。
なんか、ブラックなでかい権力みたいなのにぶちあたて、ていうのが今の警察に共通するかんじ。
ま、そのつもりで書いたのかもしれないけどね。
川路聖謨が出たのがすごくうれしかた。
942 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/10/03(火) 23:13:33 ID:3DodC5Jy
そう言えば「かげろう絵図」も下山事件を想起させるという指摘がある。
清張は歴史・時代小説を書いても、内容に現代(執筆当時)が投影されている
ものが多い。
943 :
名無し探偵団:2006/10/03(火) 23:32:33 ID:XrI6genz
やはり松本清張氏は本格推理の人としても外せない。
おれ流で本格推理のベストは
時間の習俗
影の地帯
黄色い風土
かな。とにかく謎が山盛りで読んでいくうち解明されてゆく過程
が大好き。
944 :
名無しのオプ:2006/10/03(火) 23:39:20 ID:g2t2jBIo
謎解きよりもやぱり殺す動機とか社会背景みたいなのがよく出てるののほうが好きだなー
宗教関連はちょっと勘弁て思うのが多いけど
殺人でも美術ものとか古代史ものがやぱりいいな。あまり他にはまねできないし。
謎解きだったら名探偵コナンとか金田一少年のほうがよくできてるよ
ま、あれは謎解くために人が死んでるけどね
謎解き作家のファンって、くどい奴が多い気がするけどみんなの周りはどう?
945 :
名無しのオプ:2006/10/03(火) 23:55:04 ID:FbG03uq2
俺は清張の宗教ネタの話は結構好きだな。
遺作『神々の乱心』は文体の乱れはあったけど、面白くて未完なのが残念だし
『密宗律仙教』は個人的清張短編ベスト5に入る。
後者のいかがわしく俗っぽい新興宗教の教祖は笑える。
946 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/10/04(水) 22:32:57 ID:SQ7M5x5L
腰を据えれば、本格ミステリでは横溝正史、歴史・時代小説ではシバリョウ、
股旅ものでは笹沢左保、ノンフィクションでは立花隆と各ジャンルの第一人者に
匹敵するものが書ける多彩な才の持主だったと思う。
この意味では、多作に走った(走らざるを得なかった?)のは惜しまれるところだ。
早書き(口述筆記)のせいか、長編には偶然性に頼った無理な展開のものが多くなり
がちであった。
NHKで清張関連の番組がオンエアされた時、
貧乏時代を知る奥さんの「おとうさんは家族のために頑張って一生懸命働いてくれた」
という趣旨の言葉があったから、社会人・生活者としては、これで良かったのか…
947 :
名無しのオプ:2006/10/04(水) 22:35:34 ID:hEU4ls1t
お前も働けよ
948 :
名無しのオプ:2006/10/05(木) 01:35:46 ID:izyM4mQo
働いてない奴が偉そうに何言ってんだかね
生産性もなく、狭い世界に閉じこもってグダグダ批評するような行為を清張先生はいちばん嫌ってるよな
約1名、このスレにゴミがいることを当のゴミは気付いてないようだ
949 :
名無しのオプ:2006/10/05(木) 10:44:19 ID:Qo4N17bZ
>>947-948 願わくばそのゴミを引っ掻き回すような真似はやめてくれまいか。
こっちは臭わないように蓋(ローカルアボーン)してるのに、
君たちのお蔭でもの凄い奴の腐臭が漂ってくる。
950 :
名無しのオプ:2006/10/07(土) 00:06:20 ID:rAYyxbk6
今になって漸く「眼の壁」を読了。
作者50歳のまさに脂ののった時期の作品。
それほど時代を感じさせずに面白く読めた。
やはり清張は素晴らしい。
951 :
名無しのオプ:2006/10/07(土) 00:52:46 ID:QKji/mkB
ガイシって上を見上げるとけっこうあるんだよね。
でも、名前はほとんど知られてない。
それがガイシ
952 :
名無しのオプ:2006/10/07(土) 08:18:06 ID:/jvcQB1Q
平岩外四
953 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/10/07(土) 15:28:54 ID:2rpxfl+G
「眼の壁」もミステリのネタとしては古典的な「顔の無い死体」、
「点と線」はアリバイトリック破りだし、「ゼロの焦点」も言うまでもなく
ミステリのねたとしてはおなじみのものである。
初期の清張先生は、リアリティの表装で、結構、古典的な謎解きに拘っている。
954 :
名無しのオプ:2006/10/09(月) 07:01:58 ID:btvDRAgt
955 :
名無しのオプ:2006/10/09(月) 07:44:32 ID:7W751lFx
>>914高等小学校卒で総理大臣になった人物もいる。この人、私の家から近い場所で
生まれ育った。生家も何度か行っている。神社を個人で建てた。
その名は田中角栄と言う。今の子たちは知らないか。でも良い。
角栄も学歴には左右されなかった。歴代総理の中で最も東大卒業者を扱うのが
巧みだったと、昔、齋藤茂太さんの本で読んだ。今は無き王女のパヴァーヌ。
956 :
名無しのオプ:2006/10/09(月) 10:17:59 ID:Hz4QkhAm
>>955 >
>>914高等小学校卒で総理大臣になった人物もいる。この人、私の家から近い場所で
> 生まれ育った。生家も何度か行っている。神社を個人で建てた。
> その名は田中角栄と言う。今の子たちは知らないか。でも良い。
> 角栄も学歴には左右されなかった。歴代総理の中で最も東大卒業者を扱うのが
> 巧みだったと、昔、齋藤茂太さんの本で読んだ。今は無き王女のパヴァーヌ。
汚職やって逮捕されたけどな
957 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/10/09(月) 12:23:24 ID:ufYuRQF9
同時代を生きていたことだし、清張先生には立花隆任せにせず田中角栄について
書いて欲しかった。
958 :
名無しのオプ:2006/10/10(火) 20:41:37 ID:Cy06hiaq
>>956汚職をやったという意識も無かったんだろうな。私は政治に無関心で、
何も知らないのだが、郷里の偉人としてあげたまでなんだ。
未だに、田中角栄は新潟県民の心の中で生きている。何しろ上杉謙信、河井継之助、
山本五十六以来の天才的な政治家だったからだ。病気だったそうだが。
959 :
名無しのオプ:2006/10/10(火) 21:01:55 ID:X+To1LC0
清張には意外と政界ものはすくない。
現代政界に興味はあったろうが、具体的に何かの政治事件をモデルに
作品化というのはないのではなかろうか。
現代政界は生々しすぎて、さすがの清張も手を付けかねたのではないか。
いまこそ、後続の作家の誰かが『昭和史発掘 戦後編』を書くべき時期に来ているだろう。
960 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/10/10(火) 22:10:24 ID:43CQMqaV
しかし、リアル版「迷走地図」読みたかったものである。
961 :
名無しのオプ:2006/10/10(火) 22:45:09 ID:WUbW+Sde
戦国ものが面白いと最近手を出し始めた
奥羽の二人
軍師の境遇
がいい!
他にいいものがあったら、教えてください。
962 :
名無しのオプ:2006/10/10(火) 22:56:56 ID:X+To1LC0
『野盗伝奇』あたりは?
かなり通俗的な作品だが、戦国時代の「忍者モノ」
963 :
名無しのオプ:2006/10/10(火) 23:58:24 ID:WUbW+Sde
忍者ものですかー、武将ものがいいのですが他になければ読んでみることにします。
忍者ものって、司馬の「梟の城」がつまらなかったから敬遠してるんですよ。
野党電気って「地方紙を買う女」に作者が登場してますよね。
あれで自信作だってその作者が言ってたからやっぱり自信作なんでしょうか?
964 :
名無しのオプ:2006/10/11(水) 00:19:31 ID:H9eovPCJ
戦国武将ものなら上の方で挙げた『私説 日本合戦譚』がある。
最後の一編は西南戦争だからちょっと時代がずれるが。
合戦の模様をドラマティックに描くというより、
武将たちの心の機微や人間関係を描くという感じだけど。
965 :
名無しのオプ:2006/10/11(水) 00:44:33 ID:XyVRSVqn
ありがとうございます
そういう武将の心情とかに重点があったほうがいいです。
それ探して読んでみたいですが、出回ってますかね?
新潮文庫『西郷札』『佐渡流人行』
中公文庫『五十四万石の嘘』
文春文庫『無宿人別帳』
この辺は短編集で
時代小説ばかりを集めたものだったはず
品切れ・絶版にもなっていないと思うから
本屋で手にとって見て面白そうなら買ってみられては ?
967 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/10/11(水) 22:00:40 ID:4M02x7TP
清張の短編は、歴史・時代小説にも面白いものが多いが、
戦国を描いた作なら、新潮文庫の傑作短篇集「佐渡流人行」に収録された
「秀頼走路」「戦国謀略」あたりは文句なく面白い。
勿論、他の市井もの等も面白さは保証付きゆえ、この作品集買いである。
968 :
名無しのオプ:2006/10/11(水) 22:27:24 ID:trenfvLb
∬ロзロ)
969 :
名無しのオプ:2006/10/11(水) 23:44:24 ID:MpAsRM92
変な事聞きますけど、時代小説でもミステリっぽいのとか、ありますか?
970 :
名無しのオプ:2006/10/12(木) 00:21:44 ID:m+e7mziW
>>969 > 変な事聞きますけど、時代小説でもミステリっぽいのとか、ありますか?
鬼火
971 :
名無しのオプ:2006/10/12(木) 01:12:38 ID:fk2W758v
>>966 ありがとうございます!
短編集は盲点でした
>967
あんたにはきいてないです。消えろ
972 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/10/12(木) 21:52:00 ID:E1yTHaNd
清張作品は歴史・時代小説もミステリタッチのものが多いが、
ジャンル的には捕物帳と言うてよい長編「鬼火の町」は勿論のこと、
作品集「彩色江戸切絵図」「紅刷り江戸噂」「無宿人別帳」には、
時代ミステリの面白さを堪能出来る作が多く収録されている。
973 :
名無しのオプ:
>>970 ありがとうございます。鬼火と鬼火の町は別なのかな?
とにかく今度鬼火読んでみようっと。