225 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :
前にも書いたことがあるが、社会派と称されるジャンルの特性ははっきりしない部分が
ある。社会問題や現実の事件をネタに取り入れているという点なら、
横溝御大の「八つ墓村」はモデル小説風だし、「悪魔の手毬唄」には明らかに帝銀事件を
想起させる事件が描かれている。
また、鮎の「人それを情死と呼ぶ」という作は、汚職絡みのいかにも清張的ネタを
鮎風に処理した作とも言い得る。
自分は、横溝御大、鮎、清張先生、笹沢左保、土屋隆夫、佐野洋…等の多くの作を
全て謎解きミステリとして把握して読んでいたものである。
謎解きのみに傾斜した作をいかに評価するかだが、否定的に見れば「幼稚」、
肯定的に見れば「遊び心に富む」ということになろう。
これは個人の価値観の相異であり、議論の余地は無いかと思う。