【謀略空路】大藪春彦の本を語る 5

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973書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
不利な事実には目をそむけて、徹底してコテハン叩きでゆく、
これは作品論としてはつまらないですな。
基本的な事実だけ確認しておきましょう。
(1)大藪春彦は、映画版さそり、野良猫ロックのヒロインたち、花村作品のヒロイン等
の存在感に匹敵する主役に相当する女性を書いては(書けて?)いない。
前半は悪女ものと言うてもよい「復讐の弾道」という作が存在し、
比較的マイナーな作の例を見ても、脇役ながら、「男の掟」の由美のようなある意味での
オモシロキャラ等が存在する以上、一概に「女が書けない作家」とは断言出来かねるが、
(ただし、この程度で「書けている」とは言えないとの批判は成立し得る)
総体的に見れば、その作品世界においては、カー&ガン>女性と把握するのが妥当である。
(2)初期において「ワイルド7」のメンバーが草波という権力側のバックアップが
無ければ、あれほどの行動が出来ないのは明らかである。とうに全員抹殺でしょ。
この点で、基本的に孤高(又はアウトロー集団)の大藪作品ヒーローとの
根本的差異が存在する。
(3)理解が不十分が者がいるようだが、単なる作品数ではなく、一般に大藪作品中の
傑作・代表作に列する作品に諜報員もの、女性主人公ものは存在しない点に留意すること。
なお、起業したわけではないが(w、西城の場合には「スピンオフ」のイメージが
ふさわしいかと思う。
(「スピンアウト」がより適当という意見はあり得よう)