117 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :
>スタインベックが「泥臭い」と言われているのはあくまで代表作の
>「怒りの葡萄」「二十日鼠と人間」が農業労働者を描いているからであって
>「蛇」は毒蛇の研究者の元に現れた女の話でまったく泥臭さはない。
表面的なものに囚われた浅い理解と言い得る。
「蛇」という作を読めばわかるが、リアリティ重視の詳細な記述は「洗練」という
概念からは程遠いものがあり、代表作「怒りの葡萄」等に通じるある種の泥臭いと
しか表現のしようがないものとなっている。
(ちなみに「赤い小馬」が挙げられていないのが、文豪ジョン作品に対する理解の薄さを
物語っていると言える)
これは文豪ジョンの作家として生来の体質に由来するものと考えられるゆえ、
舞台や登場人物により変質するものではないのである。
>第一「怪奇小説という題名の怪奇小説」の中に全文引用されている「蛇」は、
>都筑先生自身による訳なんだからスタインベックが「泥臭い」とか都筑先生が
>「洗練された作風」とか比較しているだけで馬鹿馬鹿しい。
文豪ジョンの「作風」を語るのであれば、ミッチー訳とか言っていないで、米文学翻訳の
第一人者であった大久保康雄先生の訳を読んでおけ。
カート・キャノンを見ればわかるが、ミッチーの訳は個性はあるが、我流に過ぎるきらいがあるのだ。
田中信夫がアテやサンダース軍曹を見て、ビック・モローの演技を判断出来ないのと同様
である。