【蟲、蟲、蟲、蟲、蟲・・・】江戸川乱歩第六夜

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85書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
結構、多彩な作品を書いている大乱歩だが、怪談入門というエッセイまであるものの、
意外に書いていないのが怪談。典型的な作は成人向き作品の遺作となった短編「指」のみ。
時代小説もありそうで無い、合作「大江戸怪物団」の第一回「箱根山中の妖怪」のみ。
ヨコセイの「髑髏検校」のような伝奇小説や捕物帳を書いて欲しかった気もするが、
「隠れ蓑願望」などと言いながらも、ドストエフスキーの熱心な愛読者でもあった
大乱歩の興味は、犯罪等の怪異な出来事を通して隠された人間の本性を描くことに
あったのかもしれぬ。
さすれば、現代小説というスタイルを取った方が適する感がある。