ディクスン・カー(カーター・ディクスン) Part6

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377名無しのオプ
いやあ、「帽子収集狂」の彼女のおしゃべりとか、「爬虫類館」の
犯行動機とか、カーの傑作って、伏線が誰の目にもつくように、
ドカーン!と置いてあると思うよ。だからこそ解決篇になって
解き明かされたときにアーッ!と驚くわけで。「三つの棺」とか
あたりはその辺が恐る恐るで気に入らなかったくらぃだから。
ドーンと目の前に置かれているヒントになぜ気づかないのかと
言えば、それがカー(世界の登場人物)の言う「見せないのではなく、
見せておいても別のものだと思い込ませるような見せ方をするんです」
というやつなのだと思う。よく覚えているけど、事件とそういう意味で
関わるものじゃないと思い込んでいた、というような。
そういう意味で「緑のカプセル」の実験というのは慧眼だと思う。
カーの作品自体が意地の悪い実験なのだよね。ん?そうするとあれら
解決篇も実は「ではフィルムを見てみるか。カメラは嘘をつかんからな」
という役割を持ったものなのか?あ、そういう傑作がもうあったっけ…。