ディクスン・カー(カーター・ディクスン) Part6

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139書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
ジョンのベスト10級作品とカーヲタが偏愛するマイナーな作
(「猫と鼠の殺人」「盲目の理髪師」等)の間に埋もれて
あまり話題にならないが、初学者にこの1冊ということであれば、
「読者を欺むかるるなかれ」を推す。
ファースを排し、この作に関してはオカルティズム(読心術)が単なる彩りではなく、
ストーリーに効果的に生かされ不可欠なものとなっている点も高評価だ。
お茶らけが多いジョンには珍しく(しかもヘンリーものである)
時代性を反映したシニカルなラストも印象的だ。
訳が通称「うの」こと宇野利泰氏なのもいい。
(最近「陸橋殺人事件」を再読したが、あの地味でタルイ作品を面白く読ませるこなれた訳文は最早名人芸とも言い得るものがある)