『読みました』報告・国内編Part.2

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920書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
村上征勝「シェークスピアは誰ですか? 計量文献学の世界」を読んだ。
少し前に出版された本だが、文献の分析から作者の正体へと迫ってゆく過程は、
まさにミステリそこのけの面白さである。
怪人21面相の脅迫状に関する内田康夫の推理なども紹介されているが、
メーンをなすのは、著名な文学作品の分析であり、
有名なシェークスピアの正体、「源氏物語」の作者は紫式部だけの手になるものか?等
単語の長さ、言葉の使用率等文章の数量的な分析が科学的なものであることを実感
させる書である。
本書を読むと、2ちゃんねるで匿名のレスを巡って妄想を撒き散らしている輩は、
まさに典型的なアホに見えて来る。(いわゆる2ちゃんねらーレベル、2ちゃんねらー風情
というやつか)
筆者のプロファイルは、
68年 北海道大学工学部卒
73年 スタンフォード大学大学院統計学科修士課程修了
74年 北海道大学大学院工学研究科博士課程単位取得退学
統計数理研究所教授、総合研究大学院大学教授等を経て、
現在、同志社大学教授。統計数理研究所名誉教授。工学博士。
著書 「真贋の科学―計量文献学入門」
   「文化を計る―文化計量学序説」等
これだけのキャリアがあってこそ、はじめて、文献の分析について語り得るのである。
上記の点、心しておけ!