『読みました』報告・国内編Part.2

このエントリーをはてなブックマークに追加
191書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
大横溝の「夜歩く」を再読し、改めてその巧みさを実感した次第。
このプロットなら、アンフェアがアンフェア足り得ないのである。
横溝作品の中では二列目の傑作という感があり、知名度は低く、
未読者も多いであろうが、金田一が脇に回っている点を除いては、
怪奇、猟奇、エロ、そして謎解き等、横溝作品の特色が良い意味で
全開した傑作である。
舞台設定も前半が東京の古神邸(館もの)、後半は山陽の古神本家
(地方の山村)を舞台にし、共に物語上の効果を上げている。
この点もまさに一粒で二度おいしいのだ。
こんなに面白い作が、わずかに文庫本300頁強とは驚きだ。
まさにシマソウあたりに突きつけて読ませたい作の見本。