『読みました』報告・国内編Part.2

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166書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
「夜光虫」、と言っても、横溝正史の方を読んだ。
由利麟太郎シリーズの数少ない長編のひとつである。
(と言っても、文庫本250頁程度)
金田一シリーズとは異なり、ハッピー・エンディングが少ないのが特徴の
シリーズだが、本書は珍しくシニカルなハッピー・エンディングとでも評す
べき結末を迎える。
両国の川開き(花火大会)時の捕物、唖の美少女と肩に痣がある美少年の出会い、
池袋にそびえ立つ謎の時計塔を舞台にした争闘、
フリークス集団たる潮吹(ひょっとこ)長屋の住人たちとの大川を舞台にした
水上の追跡等々、活劇色が強く、謎解きの興味は薄い作である。
頭が軽いジュブナイル好きには最適な作かモナー(w、と思う。
今回は、執筆に資するため再読したが、初読時には「真珠郎」「仮面劇場」等の
他の由利先生シリーズ長編と比較して、失望したものである。