『読みました』報告・国内編Part.2

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129書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
隆慶一郎「影武者徳川家康」を読破。広義の歴史ミステリに含まれ得る作品。
現今の時代小説は隆作品と同傾向のものが主流をなしており、
こういった意味では、この傾向の是非は別として、
後世に与えた影響は大きい作品ではある。
内容は、徳川家康の影武者を中心に2ちゃんのレスによく見られるような
妄想モード全開の物語が展開される。
言わば、狙って書いた作者の妄想にどこまで付き合えるかにより、
この作品をどの程度楽しめるかが左右されると言えよう。
「徳川実紀」の記述を素にした解釈が主となっているが、そもそも作者自身が、
実紀の記述の信頼性には疑問を呈しており、この点からして矛盾しているのである。
設定としては、敵役となる徳川秀忠と柳生宗矩を筆頭とした柳生一族がやられっ放し、
間抜け過ぎて物語の緊迫感を殺ぐ結果になっている。