【金田一】横溝正史 =七つの仮面=【由利三津木】

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193書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
東京MXテレビ「三ツ首塔」最終回を見た。
原作の金田一曰く「理外の理」の場面は、単なる音禰の夢という感じであっさりと
描かれていたのは良かった。(原作とは異なり、音禰もあまり気にしていない様子)
謎解きミステリの世界にいきなり怪談噺が出て来るのは、どう考えても不自然である。
この点は、演出で横溝御大のエラーをカヴァーした感がある。
怪談噺は映像向きでもあり、史郎(ピーター)と由香利(大関優子)が、
70年代のドラマらしくごついメーキャップで出て来るのではないかと懸念していたが、
この点が杞憂に終わったのは幸いであった。
出だし(第一回)はどうかと思ったが、クライマックスの三ツ首塔炎上シーンは、
なかなかの迫力であり、そこに到るまでの、集団移動中の金田一謎解きシーンの
キャメラワークもスリリングである。最終的には、映像としての見せ場を心得た原作とは別物として楽しめる作に仕上がっているという感がある。
キャスティング面では、
高杉教授は、やはり佐分利信では風格あり過ぎ、存在感あり過ぎであった。
もっと目立たない人物である必要あり。
この時代だったら、高頭役は黒沢年男ではなく林隆三の方が良かったかもしれない。
というわけで、来週からは「悪魔が来りて笛を吹く」。