ディクスン・カー(カーター・ディクスン) Part4

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161書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
「月明かりの闇 フェル博士最後の事件」を再読してみると、
最後までバカやり続けた人だったという感を受ける。
通俗読物作家の生き方としては、ある意味で立派の一言に尽きる。
クイーンのように、妙に「文学」対して色気を出したりしなかった点もよろし。

「月明かりの闇 フェル博士最後の事件」は67年発表。
作品世界では同時代人という設定のバンコランは、なんと30年前の「四つの凶器」(37年)でとうにリタイア、フェルとは一心同体とも言えるH・M卿は、長編数だけ見れば
フェル23編、H・M22編とほぼ互角だが、ディクスン名義作品での筆を絶ったことも
あって、14年前の「騎士の杯」(53年)でリタイアしている。