947 :
名無しのオプ:2006/01/12(木) 14:24:44 ID:4Rp1dEzx
>>946 そのとおりですね。その「疑惑」にしても元ネタがあり、
別府で起きた同様の事件をモチーフにしています。
荒木虎美被告は、結審を待たずに獄中死(刑未確定
だったので拘置所)しました。
948 :
名無しのオプ:2006/01/12(木) 15:44:27 ID:VQLsexWP
中公文庫「突風」の「黒い血の女」読み終わった。
実話っぽいけど、どこかに資料ないだろうか。
949 :
名無しのオプ:2006/01/12(木) 16:23:35 ID:O7t+DmSl
>>943 松本清張『けものみち』1964年刊
ジョン・K・ガルブレイス『不確実性の時代』1978年刊
当時『不確実性の時代』という本が話題になっていたから
当 時 『 不 確 実 性 の 時 代 』 と い う 本 が 話 題 に な っ て
当 時 『 不 確 実 性 の 時 代 』 と い う 本 が 話 題 に
950 :
名無しのオプ:2006/01/12(木) 16:25:27 ID:O7t+DmSl
↑ごめん、間違えた。
「けものみち」の話じゃなかったのね。
951 :
名無しのオプ:2006/01/12(木) 16:56:33 ID:WWNj1lJ+
『けものみち』再ドラマ化のキャスティング、
民子→米倉涼子
小滝→佐藤浩市
鬼頭→平幹二朗
刑事→仲村トオル
とのことだが、
NHK版の
それぞれ
名取裕子
山崎努
西村晃
蟹江敬三
のが強烈なイメージでのこってるからどれだけそれを超えられるか。
952 :
名無しのオプ:2006/01/12(木) 17:02:18 ID:4Rp1dEzx
>>951 確かに、NHK版のはまだ記憶に新しい。
出来映えもかなりのものだった。あのジェームズ三木が脚本だったしね。
しかも、NHKなのに、名取裕子の全裸シーン(背中からだが)まであって驚いた。
当然、民放なので、米倉涼子にも露出を期待してしまうのは俺だけではないだろう。
953 :
名無しのオプ:2006/01/12(木) 18:06:24 ID:M3STKLJp
松本清張といえば驚異の下クチビル
954 :
名無しのオプ:2006/01/12(木) 18:07:53 ID:4Rp1dEzx
たしかに、いかりや長介もまっ青だったね。
955 :
名無しのオプ:2006/01/12(木) 18:17:32 ID:WWNj1lJ+
>>951訂正
NHK版の『けものみち』で刑事役は伊東四郎だった。
956 :
名無しのオプ:2006/01/13(金) 12:26:26 ID:dKMFbT+r
テレ朝のけものみちはどうだった? 仕事で見られなかったんだが。
957 :
名無しのオプ:2006/01/13(金) 12:27:08 ID:dKMFbT+r
それの再放送情報もあったらキボンヌ
958 :
名無しのオプ:2006/01/13(金) 16:16:05 ID:KHufN88p
959 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/14(土) 00:01:33 ID:gPc3Khug
九州一のワルとまで言われた荒木虎美。獄中では法律書を熟読していたそうな。
「疑惑」は、荒木が起訴された保険金殺人事件をモデルにしたものとして
刊行当時話題になったが、主人公を女性に変更したのは、やはり訴訟対策か。
960 :
名無しのオプ:2006/01/14(土) 00:23:02 ID:T0RPV4QU
その事件の裁判で、証言者が「白とアイボリー」を曖昧に答えたのを、
弁護人はするどく突っ込んだそうだ。すると、荒木被告が、「そんなもん、
はっきり見分けられるわけがない!」と発言したのに証人が怒り、
「見たんだよ。はっきりとアンタが運転しているのを」と言ったそうな。
それはみごとに清張の作品の中でも取り入れられているね。
映画化され時、荒木役は女性になっていたので桃井かおり、証人の役は森田健作
だったね。
961 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/14(土) 17:53:32 ID:9ckKSxeU
清張先生は、もう少し存命であれば、三浦事件を素材にして書いていたのではないか。
荒木虎美と三浦和義には、キャラ的にどこか被る部分を感じる。
ワルを描かせたら筆の冴えを見せる清張先生だが、特に長編の場合は、
現実の事件に材に取った「黒い福音」「疑惑」等は、作り物めいた謎解き主体の
ミステリよりも、はるかに迫真力に富んでいて面白い。
962 :
名無しのオプ:2006/01/14(土) 18:00:00 ID:D4U1moHD
清張は実際の事件に基づいた作品もいくつか書いているが、
3億円事件のヤツはちょっと面白くなかったね。保険会社の報告文書形式で
書いているので、文章が淡々としていてまった抑揚がない。彼にはめずらしく
駄作の部類にはいると思う。
あの緻密さが良いのだという人もいるにはいるだろうが、短編であればもう少し
キレが欲しいところ。金だけの問題で、殺人などが起きないので、仕方ないの
かもしれないが。
963 :
名無しのオプ:2006/01/14(土) 18:16:10 ID:SP3SkbAU
清張は新興宗教ネタでいくつも書いているが、
初文庫化作品集(2)収録の『粗い網版』は、
ネタの大本教事件がほとんど料理されないで使われているから、
ひねりがもう少しあっても良かったのではないかと思わないでもない。
新興宗教ネタで一番面白いのは、『証明』収録の『密宗律仙教』。
元ネタになった事件があるのかもしれないが、新興宗教の内幕を、
シニカルかつコミカルに描いた傑作だ。
964 :
名無しのオプ:2006/01/14(土) 22:22:51 ID:cCIALbLu
上の方で散々叩かれてるけど、2月に双葉の作品集の(3)がでるらしい。
965 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 04:59:43 ID:Ho6m6vF6
なんか・・・「ゼロの焦点」評判悪い?
わたしはあの最後で脳天かち割られたぐらい衝撃受けたけど・・・
でももうドラマ化とか映画化とかは当時の状況とかから無理だよね。
「ゼロの焦点」
未見だけれど
昔、テレビドラマ化とか映画化とかされているようですね
しかし、今ドラマ化すると設定が変わる・かな ?
「砂の器」のように
967 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 11:20:39 ID:+yNj6DhG
ゼロの焦点は、かな〜り面白い作品だよ。
あのトリック(というべきか:メール欄)は秀逸だし、戦後の時代背景が
要因というのも面白い。
968 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 11:26:15 ID:JXW986Bx
ゼロの焦点は通俗路線だから
本格読みにはぬるく感じる
969 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 11:29:37 ID:+yNj6DhG
清張自身、本格路線(つまり、謎解きを主体とした「本格推理」の路線)を得意とする人では
ないからね。彼は社会派と呼ばれるけど、大括りでは通俗路線ということになるだろう。
本格っぽい要素があるのは最初の頃の作品だけじゃないかな?
970 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 13:09:12 ID:R+ggTUOz
社会背景というか、ミステリーにとってもっとも大きな転換点は携帯電話の普及だろうね
971 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/15(日) 17:24:24 ID:gt0iz6d4
「ゼロの焦点」には女性心理が書けていないとの批判あり。
まあ、これは特にこの作品に限ったことではないが、あの状況設定だと
「特に」ということであろう。
972 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 17:58:53 ID:CI5qxwZ+
>「密室の恋」? 日弁連、裁判員制へ難解用語見直し
>
> 「ミヒツノコイ」って「密室の恋」? 09年までに始まる裁判員制度に備えて、難解な法廷用語をわかりやすく言い換える作業に、日本弁護士連合会のプロジェクトチームが取り組んでいる。
> 昨年2月、群馬県のある市民講座で、チームの一人が40〜80歳の男女30人に「ミヒツのコイ」と読み上げ、漢字に書き取ってもらった。
>
> 苦心の末に出てきた答えは、「密室の恋」「密室の行為」……。正答は一つもなかった。
http://www.asahi.com/national/update/0114/TKY200601140270.html 「未必の故意」ぐらいミステリー読者でなくとも常識かと思ったがそうでもないのだな。
973 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 18:06:13 ID:+yNj6DhG
>>972 > 「未必の故意」ぐらいミステリー読者でなくとも常識かと思ったがそうでもないのだな。
そうか、「未必の故意」はもともと法律用語だが、ある程度の教養のある人にとっては
常識だという認識だけどな。ミステリーや法律に限らず日常的に使うこともあるし。
974 :
973:2006/01/15(日) 18:09:59 ID:+yNj6DhG
ちなみに私は、現在長編本格推理小説を構想中。
そのタイトルがズバリ「密室の恋」だったので、この書き込み見て驚いた。
もちろん、「未必の故意」にかけたタイトルです。鮎川賞かカッパ・ワンあたりを
狙ってみようかと思っている。
975 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 18:15:33 ID:BL9pj7+v
普段ほとんど本を読んでいない人が少なくない、ということなんじゃない?
ミステリ作品に限らず、本を読んでいれば色々な言葉を知ることにつながる。
あるいは、学歴はあっても学力が無い人が少なくない、ということかもねw
976 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 19:00:55 ID:Vp2fFQ15
密室の恋って誰かの短編のタイトルでなかったっけ?
977 :
973:2006/01/15(日) 19:03:47 ID:YB5cdIsw
>>976 少なくとも、その構想を考え始めた昨年9月頃に検索した限りでは、
とくにヒットしませんでした。だからといって絶対にないとは言えませんが。
978 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 19:08:50 ID:YB5cdIsw
今調べたら、マイナーな出版物であるようですね。ただ、同じタイトルの小説もあるので、
別にかまいませんが。
979 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 20:11:04 ID:CI5qxwZ+
「未必の故意」は清張向きだからこのスレに書いたのだが、
「密室の恋」と聞き間違える方が、変なミステリーの読み過ぎ
(TVドラマの見過ぎ)かもしれないな。
リアリズム重視の清張作品には密室トリックなどという非現実的なものは登場しない。
980 :
名無しのオプ:2006/01/16(月) 09:39:42 ID:vBLSbkqD
>974
ガンガレ(・∀・)!!
楽しみにしてるぞ。
981 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/16(月) 22:11:17 ID:znGnPiUZ
和久俊三氏が、六法全書には「故意」という字はあっても「恋」という字は出て来ない
とか書いていたっけ。
>リアリズム重視の清張作品には密室トリックなどという非現実的なものは登場しない。
おおむねそうなのだが、「砂の器」のSFミステリまがいのトンデモトリック、
「数の風景」の大掛かりなトリック等もあり。
982 :
名無しのオプ:2006/01/17(火) 17:29:42 ID:tdEo9kgY
でも、今社会派ミステリーの有名作家いないな〜
983 :
名無しのオプ:2006/01/17(火) 21:43:51 ID:PY7YFS8x
横山、宮部
984 :
名無しのオプ:2006/01/18(水) 00:51:29 ID:zi/Azj25
>>983 横山も宮部もスケール小さすぎるよ。清張に比べるとね。
しかし、横山はちっとは長編書けっつうのよ。
警察に詳しいのは認めるが、そればっかりではもう飽きられるよ。
985 :
名無しのオプ:2006/01/18(水) 02:08:51 ID:J70BxyoE
高村薫はいいですよ。
この夏から10年以上ぶりに点と線→ゼロの焦点を読んで、今未読の砂の器を読んでいますが、
氏の作品はちとご都合主義的なところがある。
今西警部補の発想がちとアリエナスw
ただ、この箱庭感が好きな人は好きでしょうが。
文章的には読みやすくて好きです。
986 :
名無しのオプ:2006/01/18(水) 12:19:37 ID:ULNkjE9N
レディ・ジョーカーは秀逸だったね
987 :
名無しのオプ:2006/01/18(水) 20:50:36 ID:lmp6aKns
でも現代の社会を描いた社会派ミステリーは書きにくいのかな?
よりリアルな社会派ミステリーより現実の事件がミステリー以上に猟奇的だからな〜
988 :
名無しのオプ:2006/01/18(水) 20:52:03 ID:pV4qs41q
>>982 清張を超える作家はいないね。
真正面からぶつかって社会を暗部を掘り起こすゾクゾクさせる人はね。
真保裕一も物足りないし。
989 :
名無しのオプ:2006/01/18(水) 21:01:21 ID:lmp6aKns
988さんへ
いまだに社会派=松本清張なんだよね。他に思いつくのは水上勉ぐらいかな。
高村薫は好きだけどあの作家はある状況下の人間ドラマが主体だから事件の構造が社会自体に
重点が置かれてないから社会派ミステリーと読むと物足りない・・・。それに今、社会の暗部描くと差別表現とかいわれそうだな!
990 :
名無しのオプ:2006/01/18(水) 21:10:18 ID:kTZohDlQ
誰か『昭和史発掘:戦後編』みたいなものを書ける作家はいないのかな。
その人の主観が入ってもいいから、戦後の著名事件を徹底分析するという。
ロッキード事件なんか格好の題材だろうに。
991 :
名無しのオプ:2006/01/18(水) 21:10:25 ID:3kcJ9Xve
>984
松本よりスケールが大きい作家なんているだろ
松本のミステリは大どんでん返しがなくてつまらん
992 :
名無しのオプ:2006/01/18(水) 21:12:39 ID:3kcJ9Xve
松本の作品で十角館みたいな呆然とするようなサプライズはないだろ
993 :
名無しのオプ:2006/01/18(水) 21:13:00 ID:lmp6aKns
991さんへ
松本清張はミステリーは書きたいジャンルじゃなかったらしいよ
994 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2006/01/18(水) 23:45:01 ID:HyfLPtKe
清張先生自身は、ミステリ作家と呼ばれることについては嫌がってはおらず、
晩年到るまで、むしろトリックとかも気にしていたそうだ。
やはり、ミステリ好きでないと、「点と線」や「砂の器」のメーントリックは
出て来ないと思う。
同時期に活躍した他の社会派ミステリの作家、水上勉、黒岩重吾等の作品
では十分に充足されない謎解きの面白さが清張作品にはある。
995 :
名無しのオプ:2006/01/19(木) 00:08:15 ID:eygsThvK
森村誠一はどうよ。
996 :
名無しのオプ:
>>995 わざと社会派ぽく仕立てただけでしょ。
当時の乱歩賞はそれでないと受賞できないと思っていたと、どこかのエッセイで書いてたはず。