社会派ミステリーといえば松本清張。その2

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628名無しのオプ
「草の陰刻」読みました。
・・・・・で、この当時から自白採用不可になったんですよね?
たとえば、状況証拠の積み重ねとかはダメだったのかなあ・・・
あとタイトルの意味・・・・わかりません、最後まで・・・
講談社文庫なんですが、カバー絵のとおり火の形が草のように見えるって
ことなんでしょうか・・・・アホの子で恐縮ですが、誰かご示唆を。
629書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/08/08(月) 21:55:16 ID:nAnh1OjO
>>628
憲法38条3項に「何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、
有罪とされ、又は刑罰を科せられない」とあるとおり、戦後に制定された
現行刑事訴訟法上も自白が証拠とならないわけではないです。
これだけでは駄目ということ。自白を補強するための状況証拠。
また、自白無き場合でも状況証拠のみにより、犯罪を立証することも可能ですが、
「草の陰刻」に描かれた事件の場合には、
公判に耐え得るほどの状況証拠の収集が出来なかったということでしょう。

タイトル「草の陰刻」の意味についてですが、草深い四国の田舎町で陰刻された
かのような事件、といった程度の意味もあるやに思う。
陰刻=文字または絵画をくぼませて彫り込むこと、とあるとおり、
陰刻は事件そのものを文字や絵画に例えた象徴的表現でしょう。
630名無しのオプ:2005/08/15(月) 02:05:13 ID:1sm9Q9LQ
文庫の危険な斜面の二版が105円だったのでなんとなく買ってもた
631628:2005/08/16(火) 12:29:31 ID:tupdUuzL
>>629
レスありがとうございました。遅れて申し訳ありません。
なんか「帝銀事件」も同時に読んでいたんで、頭余計にごちゃごちゃに
なっていたんですよね。
タイトルは・・・そうですか。象徴として考えるのならそうでしょうね。
なんか「北京の春」と同じかとか思ったりもしました。
632書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/08/16(火) 21:40:46 ID:tTqT61ZJ
「北京の春」。今では入手難な早川のブラックユーモア選集の1冊、懐かしい。
だが、清張の読者がこういうものも読むとは意外な感もある。
清張長編作品のタイトルは、「北京の春」やエラリー・クイーンの国名シリーズの場合
とは異なり、内容を象徴的に表したものが多い。
ただし、著名な作を見ても、「点と線」は比較的ストレートなネーミングかとは思うが。
「砂の器」「眼の壁」等にしても、象徴的過ぎて、一見、その意が解かり難い面がある。