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書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :
読書人としての責務を怠っているというわけではないが、
オリンピアード開催が読書量に影響しているのは事実である。
さて清張だが、幅広い分野で活躍したのは今更言うまでもないが、
ミステリというジャンルだけ見ても、短編ミステリ(これも趣向は多数あり)から
通俗長編まで、ほぼミステリの全ジャンルを書き切った人でもある。
決して巷間で言われるような社会派(この属性に関する議論はひとまず置くとして)
だけの人ではないのだ。
時代小説の方に目を転じても、「天保図録」「かげろう絵図」等の大河小説、
「眩人」等の伝記小説、「西郷札」に代表されるような時代秘話、
「無宿人別帳」のようなノワール、「鬼火の町」「彩色江戸切絵図」等の捕物帳等々、
ジャンルが多岐に渡るばかりではなく、長編・中編・短編とボリューム面も多様である。
岡本綺堂から司馬遼太郎、藤沢周平、池波正太郎、隆慶一郎の守備範囲までひとりで
書きまくっていたという感がある。