『読みました』報告・海外編Part.2

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890書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
ハリイ・ホイッティントン「殺しの代償」を読んだ。
ペーパーバックミステリ(原書)と百円均一台の相性の良さを感じさせる作で、
その共通するチープさに、「内容」と「場」がマッチしたという感がある。
まさに、均一台で売り飛ばし、2時間で読み捨てにするに相応しい作である。
ストーリーは、敏腕弁護士の妻殺しというありふれたものだが、広大な米大陸ならではの
体力勝負の犯罪計画とシニカルな陥穽がスピーディに描かれ、一応、面白く読ませる
(エンタメの場合これが肝要)。
しかし、この犯罪計画、大雑把に見えながらも、犯罪数が激増し捜査もラフにならざる
を得なかった70年代以降であれば、現実だったら十分に迷宮入りになったのでは
ないだろうか。