ディクスン・カー(カーター・ディクスン) Part3
804 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :
うーん、長文のわりには中味が無いレスが続いているという感がある。
結局、カーは「物語の面白さ」で読ませる作家、前期クイーンは「論理の面白さ」で
読ませる作家、こういう意味では後期クイーンは「人間ドラマの面白さ」で読ませることを
狙った作家ということになるが、こんな事は昔から繰り返し主張されていたことに過ぎない。
空虚な議論を延々と続けながら、カー作品の本質(それはカーの面白さ・魅力と同義でもある)
には、なんら迫り得ないまま終わっているのは、いかにも2ちゃんねるらしいローレベルな
展開かと思う。
一部に後期クイーン作品(ライツヴィルもの等)を評価するレスもあるが、これは、
フョードル、オノレ、ウィリアム、トーマス等の世界文学に親しんだ事が無い輩による
戯言であると言える。
後期クイーン作品は、発想に行き詰まったパズラーが文学的な方向へと転換を意図し、
結果的に失敗した無惨な残滓と見るのが一般的かと思う。
この点では、歴史小説転向後も最後まで「読物作家」に殉じたカーの徹底ぶりは評価に値する。
自分は、その何でも有りな展開(良い意味での制約が無い)ゆえに、J・Dの歴史ものは
評価しないが、歴史小説だからと妙に構えずに、相変わらずのバカミスモードを維持した点は、
作家(あくまで「読物作家」のそれに過ぎないとは言えるが(w )としての
「アイデンティティの確かさ」というものさえ感じさせるものがあるやに思う。